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【レジュメ編】 一般知識(その3)

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     ★★★ 新・行政書士試験 一発合格! Vol. ’06-48 ★★★
           【レジュメ編】 一般知識(その3)

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■■■ 国の債務管理 ■■■
■■■ 国の財政 ■■■
■■■ 地方財政 ■■■ 
■■■ IT戦略 ■■■ 
■■■ 特定電子メール法 ■■■ 
■■■ お願い ■■■
■■■ 編集後記 ■■■

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

■■■ 国の債務管理 ■■■
■ 概観
平成18年3月末現在、我が国では国債の残高が671兆円に上るなど、その規模は非常に
大きなものになっており、政府短期証券や借入金を加えると、国の資金調達に伴う債務
の残高は827兆円に達している。このように、国の財政活動に伴う資金調達による債務
には、国債だけでなく、国の資金調達による債務である借入金及び政府短期証券があ
り、また、政府保証債務がある。

財政活動に伴う資金調達による債務(国債、政府短期証券、借入金及び政府保証債務
については、フロー、ストックを適切に管理していく必要があり、これを「債務管理」
といい、また、債務管理を具体的にどのように行っていくかを「債務管理政策」とい
う。

これらの債務の全体像を概観すると、つぎのとおりである。
(1) 国債671兆円(うち、普通国債527兆円、財政融資資金特別会計国債139兆円)
(2) 借入金59兆円
(3) 政府短期証券98兆円

■ 国の資金調達
国は、歳出需要を賄うための歳入を調達するため、国債を発行し、または借入を行う。
また、日々の国庫の資金繰りを行う上で、一時的な資金不足を賄うための現金を調達す
るため、政府短期証券の発行を行う。なお、国の財政は一般会計及び31の特別会計(平
成18年4月1日現在)に分別して管理・運営いるが、その受払は日本銀行を通じて行われ
ている。

■ 国債
(1)種類:国債を発行根拠別に分類した場合には、普通国債及び財政融資資金特別会
   計国債(財投債)に大別される。
   また、種類としては、30年債、20年債、15年変動債、10年債、10年物価連動債、
   5年債、2年債等がある。なお、政府短期証券の期間は1年または6カ月であ
   る。

(ア)普通国債:普通国債の利払・償還財源が主として税財源により賄われるのに対
   し、財投債の場合には主として財政融資の貸付先からの回収金によって賄われ
   る。なお、普通国債には、新規財源債及び借換債がある。

(イ)新規財源債:財政法第4条を根拠とし、公共事業費、出資金及び貸付金の財源と
   して用いられる建設国債(俗に「4条国債」という。)と、建設国債では賄うこ
   とのできない人件費等の経常経費を賄う目的で発行される特例国債(俗に「赤字
   国債」という。)に分かれる。
→ 財政法では特例国債の発行は認められておらず、特例国債を発行する年度において
  は、年度ごとに特例公債法が制定されている。なお、これらの建設国債及び特例国
  債は一般会計において発行され、その発行収入は一般会計の歳入の一部となる。

〔財政法〕
第四条 国の歳出は、公債又は借入金以外の歳入を以て、その財源としなければならな
い。但し、公共事業費、出資金及び貸付金の財源については、国会の議決を経た金額の
範囲内で、公債を発行し又は借入金をなすことができる。

(ウ)借換債:普通国債については、「60年償還ルール」に基づいて償還額の一部を借
   換えるための資金を調達するために借換債が発行される。なお、借換債は国債整
   理基金特別会計において発行され、その発行収入は同特別会計の歳入の一部にな
   る。
→ 「60年償還ルール」とは、国債の償還期限(10年が一般的)が到来する都度、一定
  割合を現金で償還し、最終的に60年間で、発行した国債を全額現金で償還する考え
  方をいう。

(エ)財政融資資金特別会計国債(財投債):財政融資資金は貸付の財源を調達するた
   めに、平成13年から財政融資資金特別会計国債(財投債)を発行するようになっ
   た。なお、財投債の発行収入は財政融資資金特別会計の歳入の一部になる。

(オ)振替国債:平成15年からストリップス制度が導入され、その導入後に発行された
   振替国債については、保有者(ただし、特定の銀行、証券会社等の国債市場特別
   参加者に限られる。)からの申請に応じて元本部分と利子部分との分離(ストリ
   ップス化)が行えるようになった。平成18年3月末の現在高は約2000億円であ
   る。

(カ)償還と利払い:国債も債券としての性格を有しており、毎年利子が支払われ、期
   限が到来すると、償還される。なお、平成18年度予算での国債償還費は10兆円
   (一般会計の約12%)、また、国債利子等は8兆円(同約10%)である。

(2)発行残高:平成18年3月末で、普通国債の発行残高は約527兆円、また、財政融
   資資金特別会計国債(財投債)は約139兆円である。

■ 国債管理政策
国債管理政策とは、できる限り財政負担の軽減を図りながら、国債が国民経済の各方面
において無理なく受入れられるよう、国債の発行、消化、流通及び償還の各局面にわた
り行う種々の政策をいう。我が国の国債管理政策の基本的考え方は、(ア)確実かつ円
滑な発行と(イ)中長期的な調達コストの抑制である。

(1)買入消却と「平成20年度問題」
買入消却とは、国債の発行者である国が、償還期限が到来する前に国債を買い入れ、こ
れを消却することで債務を消滅させることをいう。平成18年度に、国債残高累増の抑制
等の観点から、財政融資資金から国債整理基金に繰入れられた12兆円を原資として、既
に発行された国債を買入消却することにより、国債残高を圧縮することが予定されてい
る。その結果、いわゆる「平成20年度問題」は解決される見通しとなった。

なお、「平成20年度問題」とは、国債の償還額が平成20年度に集中していた問題である
(平成14年3月末現在で平成20年度の償還予定額は約41兆円であった。なお、平成21年
度は約21兆円と、その約半分であった。)。

(2)国債募集引受団(シ団):平成18年3月末をもって国債募集引受団が廃止され、
   一部の国債についてはすでに導入されていた市場原理が、すべての国債に適用さ
   れることとなった。その結果、すべて国債は、市場原理に基づいて発行されるこ
   ととなった(市場金利が低いときは、国債の利子も低く、逆に、市場金利が高い
   ときは、国債の利子も高くすることになる。)。

(3) 商品性の多様化
平成15年3月より個人向け物価連動国債(変動金利型10年満期)の発行が開始された。
また、保有者層を多様化する観点から、平成18年1月からは、固定金利型5年満期の個
人向け国債の発行が開始された。

■ 政府短期証券
政府短期証券は、財政法または各特別会計法等に基づいて、国庫もしくは特別会計等の
一時的な資金不足を補うために発行される。政府短期証券は、従来は大部分が日本銀行
により引き受けられていたが、平成11年4月以降は、原則として公募入札により市中発
行されている。

政府短期証券の償還期間は原則として13週間である。なお、公募入札において募集残額
等が生じた場合及び国庫に予期せざる資金需要が生じた場合には、日本銀行が例外的に
政府短期証券の引受けを行う仕組みになっている。この場合、日本銀行が引き受けた政
府短期証券は、公募入札発行代り金により、可及的速やかに償還することになってい
る。

この政府短期証券には、財務省証券、食糧証券、外国為替資金証券、財政融資資金証
券、石油証券がある。


■■■ 国の財政 ■■■
■ 平成18年度一般会計予算
(1)歳入約80兆円
(ア)税収(租税および印紙収入)約46兆円(58%)(所得税13兆円、16%。法人税13兆
   円、16%。消費税11兆円、13%)
(イ)公債金収入約30兆円(42%)(建設国債5兆円、6%。特例国債24兆円、31%)
→ この42%を「公債依存度」という。

(2)歳出約80兆円
(ア)一般歳出約46兆円(58%)(社会保障21兆円、26%。公共事業7兆円、9%。文
   教・科学振興5兆円、7%)
→ 社会保障費は、一般歳出の約45%を占めている。
(イ)国債費約19兆円(24%)
(ウ)地方交付税等約15兆円(18%)

★ 一般会計における歳入(税収)と歳出には大きなギャップ(財政赤字)がある。こ
   の赤字分は公債の発行でまかなわれ、平成18年度予算では一般会計歳入に占める
   税収の割合は6割弱(58%)にとどまっている。
★ 歳出の増加は、90年代には公共事業関係費の増加が主な要因であったが、近年では
  高齢化の進展に伴う社会保障関係費の増加が主な要因となっている。

■ 財政事情の国際比較
(1)長期債務残高(平成18年3月末現在)
・国:約600兆円(一般会計の税収約46兆円の約13年分)
・地方:約204兆円(地方税等の収入約40兆円の約5年分)
・国+地方:約770兆円(重複分約34兆円を控除後)
・対GDP比:約150%

(2)財政収支の国際比較(対GDP比)
国及び地方の財政赤字を対GDP比で見てみると、我が国は近年の高齢化の本格的な進展
による社会保障関係費の増加や、景気の低迷に対応するための減税等の結果として、主
要先進国中最悪の水準となっている。
→ 高齢化の進展に伴って社会保障関係費が年々増大し、一般歳出に占める割合も4割
  を超えている。今後も大幅に増大することが見込まれ、財政事情はますます厳しく
  なることが予想されている。

日本:マイナス5.6%、アメリカ:マイナス5.6%、イギリス:マイナス3.0%、ドイツ:マ
イナス3.6%、フランス:マイナス3.2%

(3)債務残高の国際比較(対GDP比)
一般政府の債務残高の対GDP比を見ても、90年代後半に財政の健全化を着実に進めた他
の主要先進国と比較して、日本は急速に悪化しており、主要先進国中最悪の水準となっ
ている。

日本:159%、アメリカ:64%、イギリス:47%、ドイツ:70%、フランス:77%

■ 国民負担率
国民負担率とは、国民所得に対する租税負担と社会保障負担の割合の合計をいう。現
在、我が国の国民負担率は、主要先進国と比べると低い水準にあるが、これは現在の世
代が受益に応じた負担を行わず、財政赤字という形でその負担を将来世代へ先送りして
いるためである。我が国の国民負担率は、高齢化の進展に伴い、現行制度を前提とすれ
ば今後とも上昇していくことが見込まれている。

日本:38%、アメリカ:32%、イギリス:47%、ドイツ:53%、フランス:61%、スウェー
デン:71%

日本の推移:1975年(昭和50年)26%、1985年(昭和60年)34%、1990年(平成2年)38
%、2000年(平成12年)37%、2005年(平成17年)37%、

■ 財政の硬直化
債務残高の累増に伴い、一般会計歳出に占める国債費(国債の利払いや元本償還にあて
られる費用)の割合が増大していることにより、政策的な経費である一般歳出の割合が
大幅に低下し、財政の対応力が失われつつある。
→ 金利が1%上昇すると、単純計算ではあるが、約6兆円の利払いが増加することに
  なる(=国債残高671兆円×1%)。

■ 基礎的財政収支(プライマリーバランス)
基礎的財政収支とは、「借入を除く税収等の歳入」から「過去の借入に対する元利払い
を除いた歳出」を差し引いた財政収支のことをいう。近年の我が国の基礎的財政収支は
大幅な赤字となっている。

基礎的財政収支が均衡すれば、毎年度の税収等によって、過去の借入に対する元利払い
を除いた毎年度の歳出をまかなうこととなる。
→ 基礎的財政収支(プライマリーバランス)の均衡とは、「税収等≧一般歳出」が達
成された状態を言う。現状は、「税収等国債費(償還・
利払い)」の状態にある。なお、2010年代初頭での黒字化を目指している。


■■■ 地方財政 ■■■ 
■ 平成16年度の地方財政の状況
(1)歳入約93兆円
(ア)地方税34兆円(36%)
(イ)地方譲与税1兆円(1%、対前年度比68%増)
(ウ)地方交付税17兆円(18%、対前年度比6%減)〔一般財源:53兆円(57%)〕
(エ)国庫支出金12兆円(13%)
(オ)地方債12兆円(13%、対前年度比10%減)
(2)歳出約91兆円
(ア)義務的経費46兆円(51%)〔人件費26兆円(28%)、公債費13兆円(14%)〕
(イ)投資的経費17兆円(18%)
(ウ)その他経費28兆円(31%)
★ 歳入と歳出の差額が実質収支であり、この約1兆円(=歳入約93兆円-歳出約91兆
  円)は、決算が黒字であったことを示している。

■ 国税地方税の状況
(1)租税総額約82兆円:国税約48兆円(59%)と地方税約34兆円(39%)
(2)国税:直接税35%(所得税18%、法人税14%)、間接税24%(消費税12%)
(3)地方税:直接税34%(住民税14%、固定資産税11%、事業税5%)、間接税5%
   (地方消費税3%、軽油引取税1%)

なお、地方交付税、地方譲与税及び地方特例交付金を国から地方へ交付した後の租税の
実質的な配分割合は国35%、地方65%となっている。

また、政府支出に占める国の歳出は約60兆円(40%)であり、地方の歳出は約90兆円
(60%)である。

■ 財政構造の弾力性
(1)経常収支比率
経常収支比率は、経常経費充当一般財源(人件費、扶助費、公債費のように毎年度経常
的に支出される経費に充当された一般財源)が、経常一般財源(一般財源総額のうち地方
税、普通交付税のように毎年度経常的に収入される一般財源)、減税補てん債及び臨時
財政対策債の合計額に対し、どの程度の割合となっているかをみることにより財政構造
の弾力性を判断するものである。

平成16年度の経常収支比率(特別区及び一部事務組合等を除く加重平均)は91.5%(前年
度比+2.5%)となり、昭和44年度以来最も高い値となっている。
→ それだけ財政の硬直化が進行しているということになる。

(2)公債費負担比率
公債費負担比率は、公債費充当一般財源(地方債の元利償還金等の公債費に充当された
一般財源)が一般財源総額に対し、どの程度の割合となっているかを示す指標であり、
公債費がどの程度一般財源の使途の自由度を制約しているかをみることにより、財政構
造の弾力性を判断するものである。

平成16年度の公債費負担比率は、約20%となっている。この公債費負担比率は、平成4
年度以降上昇の傾向にあり、財政構造の硬直化が進んでいる。

(3)地方債現在高
平成16年度末における地方債現在高は約141兆円で、前年度末と比べると1.3%増となっ
ている。また、地方債現在高の歳入総額及び一般財源総額に対するそれぞれの割合は、
それぞれ1.5倍及び2.7倍である。

■ 三位一体の改革
(ア)「三位一体の改革」とは、国庫補助負担金の改革、税源移譲を含む税源配分の見
   直しおよび地方交付税の改革を内容としている。
(イ)その背景には、現在の地方財政の構造は、地方公共団体が行政サービスの提供主
   体として大きな役割を果たしている反面、地方税収入の構成比については、約4
   割程度にとどまっている現実がある。今後、地方分権の更なる推進を図るために
   は、地方公共団体の安定的な財政運営に必要な一般財源を中心とした歳入体系を
   構築するとともに、地方歳出に対する法令基準や国庫補助負担制度を通じた国の
   関与の廃止・縮減を進め、歳入・歳出の両面において、地方の自由度を高め、地
   方の自立に向けた構造改革の実現に取り組む必要がある。
(ウ)このような地方の自立に向けた構造改革を推進するためには、国庫補助負担金、
   税源移譲を含む税源配分のあり方、地方交付税を相互に関連付けつつ検討し、こ
   れらを一体的に見直すことが必要である。この「三位一体の改革」は、地方分権
   の理念を踏まえ、地方の自主財源を充実し、地方の創意工夫と責任に基づく政策
   決定を進め、地域の真の自立を目指すものである。


■■■ IT戦略 ■■■ 
■ IT新改革戦略
平成18年1月、IT戦略本部は「いつでも、どこでも、誰でもITの恩恵を実感できる
社会の実現」と題したIT新改革戦略を発表した。
→ IT革命に対する我が国としての第一ステージは、e-Japan 戦略、e-Japan 戦略
  (2)に基づくキャッチアップの5年間であった。今、我が国はIT革命の完成を
  めざす第二ステージの入り口にいる。

これによれば、「e-Japan 戦略」の5年間に、ブロードバンドインフラの整備と利用の
広がり、高機能の携帯電話の普及、電子商取引の環境整備とその飛躍的拡大等について
我が国は世界最先端を実現した。また、この過程を通じ、民と官の協力体制やIT戦略
の評価体制の確立といったIT化の推進メカニズムの構築についても大きな成果を上
げ、我が国を、世界最先端に追いつく局面から、21 世紀のIT社会の構築において世
界を先導する局面へと導きつつある。そして、我が国はインフラ整備においても利用者
のレベルにおいても世界最高水準となり、最先端のマーケットと技術環境を有する世界
最先端のIT国家となった。

その一方で、行政サービスや、医療、教育分野等でのIT利用・活用における国民満足
度の向上、地域や世代間等における情報活用における格差の是正、セキュリティ対策や
防災・災害対策の促進、企業経営におけるITの活用や産業の国際競争力の強化、国際
貢献等について、依然として課題が存在している。

そのため、我が国がめざすべき姿は、第一に、「いつでも、どこでも、何でも、誰でも
」使えるユビキタスなネットワーク社会を、セキュリティ確保やプライバシー保護等に
十分留意しつつ実現することである。そして、第二に、それによって世界最高のインフ
ラ・潜在的な活用能力・技術環境を有する最先端IT国家であり続けることである。こ
うした姿を実現できてこそ、国民の視点に立ったIT利用が可能になり、それによって
国民生活の向上と産業競争力の向上が達成される

IT戦略本部は、国内でのそうした姿の実現をめざして、そして世界のIT革命を先導
するフロントランナーとして、アジアを中心とする共存共栄の国際社会づくりに貢献し
ていくため、新しいIT戦略を策定した。

IT戦略本部は、新改革戦略を確実に遂行することで、世界に先駆けて2010 年度には
ITによる改革を完成し、我が国は持続的発展が可能な自律的で、誰もが主体的に社会
の活動に参画できる協働型のIT社会に変貌することを宣言した。

■ 基本理念
(1)構造改革による飛躍:これまでの政府のIT戦略では、まずはIT基盤の確立と
   機器の普及に力点が置かれていたが、今後はITの利用・活用の高度化を目指
   し、そしてさらにITの持つ構造改革力を生かした日本社会の改革という段階へ
   大きく踏み出していく必要がある。そして、ITの課題解決力を通じ、こうした
   課題に対してITを生かして積極的に取り組み、ITの構造改革力で日本社会の
   改革を推進する。

(2)利用者・生活者重視:ITはその先端性ゆえに技術先導になりやすいが、IT戦
   略の策定にあたっては利用者・生活者の視点を基本とすることがきわめて重要で
   ある。それによって、人々がもっている知識や情報が自由かつ容易に流通・交換
   され、異なる立場の人々の協働による活動が拡がりそこからさまざまな新しい知
   的価値、文化的価値が創出されるような社会を実現する。

(3)国際貢献・国際競争力強化:我が国の消費者、生活者の「厳しい目」と、これに
   応えて果敢に挑戦してきた産業の「こだわり」が、ITはもとより、素材、自動
   車、家電等、広範な分野にわたり強力な我が国産業を育成してきた。これに加
   え、光ファイバ等の超高速のブロードバンドに代表される世界最先端のITイン
   フラの存在が、我が国のIT社会の発展の基盤となっている。そして、アジアを
   中心とした国際貢献をITの分野で積極的に行うことが、日本の将来にとっても
   きわめて望ましい。

■ 今後のIT政策の重点
〔ITの構造改革力を追求する政策〕
(1)21 世紀に日本が世界に先駆けて直面する課題をITにより解決するための取り
   組み
・ITによる医療の構造改革
・ITを駆使した環境配慮型社会
(2)安全で安心に暮らせる社会を実現するための取り組み
・世界に誇れる安全で安心な社会
・世界一安全な道路交通社会
(3)行政・企業・個人が効率的にかつ意義深く活動するための取り組み(21世紀型社
   会経済活動)
・世界一便利で効率的な電子行政
・IT経営の確立による企業の競争力強化
・生涯を通じた豊かな生活

〔来るべきユビキタスネットワーク社会に向けた基盤整備のための政策群〕
(1)情報格差のないIT社会の構築とユビキタスネットワークの高度化に向けた取り
   組み(デジタル・ディバイドのないIT社会の実現)
・ユニバーサルデザイン化されたIT社会
・「いつでも、どこでも、何でも、誰でも」使えるデジタル・ディバイドのないインフ
 ラの整備
(2)安心してITを使える環境の整備に向けた取り組み
・世界一安心できるIT社会
(3)IT社会を根底から支える人材の育成についての取り組み
・次世代を見据えた人的基盤づくり
・世界に通用する高度IT人材の育成
(4)IT社会を支える研究開発を我が国が先導するための取り組み
・次世代のIT社会の基盤となる研究開発の推進

〔2つの政策群を通じて達成される成果を世界へ発信する国際貢献のための政策群〕
(1)国際競争社会における日本のプレゼンスの向上のための取り組み
(2)課題解決モデルの提供によるアジア等への貢献のための取り組み

■ 世界一便利で効率的な電子行政
(1)現状と課題
行政手続オンライン化3法の施行を始めとした基盤整備を進めた結果、国の扱うほとん
どの手続においてインターネットによる申請等が可能となっている。
その一方で、使い勝手が利用者の視点に立ったものとなっていない等の理由から、国
民・企業等による電子政府の利用は進んでおらず、また、住民サービスに直結する地方
公共団体の電子化が十分ではないなど、国民・企業等利用者が利便性・サービスの向上
を実感できていない。

(2)目標
行政分野へのITの活用により、国民の利便性の向上と行政運営の簡素化、効率化、高
度化及び透明性の向上を図る。具体的には、利便性・サービス向上が実感できる電子行
政(電子政府・電子自治体)を実現し、国・地方公共団体に対する申請・届出等手続に
おけるオンライン利用率を2010 年度までに50%以上とする。

(3)実現に向けた方策
(ア)オンライン利用促進対象手続について、各手続の利用目標を含む利用促進行動計
   画を2005 年度に策定・公表し、2010 年度までにオンライン利用率50%以上を達
   成する。
(イ)オンライン利用の促進を図るため、所得税法人税の電子申告に係る制度・運用
   の改善策や電子的な税、手数料等の納付普及の方策について検討を行う。
(ウ)利用者視点に立って、添付書類の電子化、省略・廃止、手続自体の廃止、インセ
   ンティブの付与、処理期間の短縮、本人確認方法の簡素化(電子署名を省略でき
   る場合を整理)等、手続の見直し・改善や紙文書による業務処理からの脱却とこ
   れによる職員の意識改革を図る。
(エ)公的個人認証に対応した電子申請システムを、全都道府県においては2008 年度
   までに、全市町村においては2010 年度までに整備する。
(オ)国・地方公共団体に対する申請等手続のほか、医療・介護・年金等の公共分野に
   おいて、ICカードによる安全で迅速かつ確実なサービスの提供を推進することと
   し、導入のあり方等について2007 年夏までに検討を行い、結論を得る。


■■■ 特定電子メール法 ■■■ 
平成14年7月に施行された特定電子メールの送信の適正化等に関する法律(特定電子メ
ール法)は、近年における送信手法の巧妙化・悪質化により、法律に基づく取締りや電
気通信事業者における自主的取組だけでは、迷惑メール問題の解決が難しくなっている
ことから一部改正され、平成17年11月から施行されている。

■ 特定電子メール
次に掲げる者以外の者に対し、電子メールの送信をする者(営利を目的とする団体及び
営業を営む場合における個人に限る。以下「送信者」という。)が自己又は他人の営業
につき広告又は宣伝を行うための手段として送信をする電子メールをいう。
(ア)あらかじめ、その送信をするように求める旨又は送信をすることに同意する旨を
   その送信者に対し通知した者(当該通知の後、その送信をしないように求める旨
   を当該送信者に対し通知した者を除く。)
(イ)その広告又は宣伝に係る営業を営む者と取引関係にある者
(ウ)その他政令で定める者
★ 「特定電子メール」の定義が拡大された。その結果、従来は、個人が私的に利用し
  ているメールアドレスあての送信のみが規制の対象だったものが、企業等が利用し
  ているメールアドレス(事業用メールアドレス)にまで規制対象が拡大された。こ
  れにより、個人事業主や会社の従業員等にあてて送信される広告宣伝メールについ
  ても、特定電子メール法の規制が及ぶこととなった。

■ 送信者の表示義務(3条)
送信者は、特定電子メールの送信に当たっては、その受信をする者が使用する通信端末
機器の映像面に次の事項が正しく表示されるようにしなければならない。
(ア)特定電子メールである旨(→「未承諾抗告※」の表示)
(イ)送信者の氏名又は名称及び住所
(ウ)送信者の電子メールアドレス等

■ 拒否者に対する送信の禁止(4条)
送信者は、特定電子メールの送信をしないように求める旨を当該送信者に対して通知し
た特定電子メールの受信者に対しては、特定電子メールの送信をしてはならない。

■ 架空電子メールアドレスによる送信の禁止(5条)
送信者は、自己又は他人の営業のために多数の電子メールの送信をする目的で、架空電
子メールアドレスをそのあて先とする電子メールの送信をしてはならない。
→ これは、プログラム等によって自動作成した架空の電子メールアドレスに空メール
  を大量に送信し、宛て先が実在しない場合にはエラーメールが返信されることを利
  用して、そのなかにある実在するメールアドレスのみをピックアップしてリストを
  作成し、当該リストを販売したり、さらに迷惑メールを送信することに利用される
  ことを防止するためである。
→ 従前は「自己又は他人の営業につき広告又は宣伝を行う手段として電子メールを送
  信するとき」と規定されていたため、何度目かのメールで有料サイトへの誘引が行
  われても、当初のメールの内容には広告又は宣伝の要素が含まれていない場合に
  は、その段階では法令違反とはならなかったためである。

■ 送信者情報を偽った送信の禁止(6条)
信者は、自己又は他人の営業につき広告又は宣伝を行うための手段として、電子メール
の送受信のために用いられる情報のうち送信者の電子メールアドレス等を偽って電子メ
ールの送信をしてはならない。
★ 平成17年改正により、この第6条が新設された。これにより、迷惑メールの受信者
  による告訴等があった場合、捜査当局は令状の取得により迷惑メール送信時の通信
  履歴をたどることが可能になり、迷惑メールの送信者を摘発することが容易にな
  る。

■ 電気通信役務の提供の拒否(11条)
電気通信事業者は、一時に多数の架空電子メールアドレスをそのあて先とする電子メー
ルの送信がされた場合に自己の電子メール通信役務の円滑な提供に支障を生ずるおそれ
があると認められるとき、その他電子メールの送受信上の支障を防止するため電子メー
ル通信役務の提供を拒むことについて正当な理由があると認められる場合には、当該支
障を防止するために必要な範囲内において、当該支障を生じさせるおそれのある電子メ
ールの送信をする者に対し、電子メール通信役務の提供を拒むことができる。
→ 従前は、電気通信事業法の制約があり、「電子メールの利用者に対する電気通信役
  務の提供に著しい支障を生ずるおそれがあると認められるとき」(改正前10条)に
  限定的に拒否できるに過ぎなかった。これが、メール送信が大幅に遅延する可能性
  があるような場合など、正当な理由があると認められる場合についても含まれるよ
  うに範囲が拡大された。
★ メールサーバーに著しい機能障害が生じるまで至らなくとも、相当程度の遅延が生
  じるなど円滑な電子メールサービスの提供に支障が生じるおそれがある場合にも役
  務の提供を拒否することができるようになった。

〔電気通信事業法〕
(利用の公平)
第六条 電気通信事業者は、電気通信役務の提供について、不当な差別的取扱いをして
はならない。

(提供義務)
第百二十一条 認定電気通信事業者は、正当な理由がなければ、認定電気通信事業に係
る電気通信役務の提供を拒んではならない。

■ 総務大臣に関する規定
(1)総務大臣に対する申出
第八条 特定電子メール又は送信者情報を偽った電子メールの受信をした者は、第三
条、第四条又は第六条の規定に違反して電子メールの送信がされたと認めるときは、総
務大臣に対し、適当な措置をとるべきことを申し出ることができる。

(2)電気通信事業者の団体に対する指導及び助言
第十二条 総務大臣は、民法第三十四条の規定により設立された法人であって、その会
員である電気通信事業者に対して情報の提供その他の特定電子メール等による電子メー
ルの送受信上の支障の防止に資する業務を行うものに対し、その業務に関し必要な指導
及び助言を行うように努めるものとする。

(3)研究開発等の状況の公表
第十三条 総務大臣は、毎年少なくとも一回、特定電子メール等による電子メールの送
受信上の支障の防止に資する技術の研究開発及び電子メール通信役務を提供する電気通
事業者によるその導入の状況を公表するものとする。

(4)報告及び立入検査
第二十八条 総務大臣は、この法律の施行に必要な限度において、特定電子メール等の
送信者に対し、これらの送信に関し必要な報告をさせ、又はその職員に、これらの送信
者の事業所に立ち入り、帳簿、書類その他の物件を検査させることができる。
2 総務大臣は、特定電子メール等送信適正化業務の適正な運営を確保するために必要
な限度において、登録送信適正化機関に対し、特定電子メール等送信適正化業務若しく
資産の状況に関し必要な報告をさせ、又はその職員に、登録送信適正化機関の事務所
に立ち入り、特定電子メール等送信適正化業務の状況若しくは帳簿、書類その他の物件
を検査させることができる。


■■■ お願い ■■■ 
継続して発刊するためには読者の皆様のご支援が何よりの活力になります。ご意見、ア
ドバイス、ご批判その他何でも結構です。内容、頻度、対象の追加や変更等について
も、どうぞ何なりと e-mail@ohta-shoshi.com までお寄せください。

質問は、このメールマガジンの趣旨の範囲内のものであれば、大歓迎です。ただし、多
少時間を要する場合があります。


■■■ 編集後記 ■■■
今回も、これまでに積み残した一般知識です。なお、レジュメ編は、これで終わる予定
です。

今年も、明治大学和泉校舎で、行政書士試験の監督員を務めることになりました。その
説明会が来月1日に行われます。有用な情報が得られた場合には、このメルマガでお知
らせします。

とうとう行政書士試験まで1ヵ月をきりました。受験生の皆さんは、最後の追い込みに
忙しいことと思います。私も、この16日に、東京都行政書士会の「ADR(裁判外紛争
処理)手続実施者養成研修(2期生)」選抜試験を受けてきたところです。

ご承知のとおり、今回、行政書士には参入が認められませんでしたが、たとえば、社会
保険労務士の場合には、社会保険労務士法に基づき「紛争解決手続代理業務試験」が実
施されます。なお、受験にあたっては、厚生労働省令で定める研修(講義および演習)
が63時間以上必要とのことです。行政書士の場合も、これと同様になるのではないかと
思われます。


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 マガジンタイトル:新・行政書士試験 一発合格!
 発行者:行政書士 太田誠   東京都行政書士会所属(府中支部)
 発行者Web:http://www.ohta-shoshi.com
 発行者メールアドレス:e-mail@ohta-shoshi.com
 発行協力「まぐまぐ」:http://www.mag2.com/
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