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就業規則の『勘所』7 有給休暇・備えはできた、いざ起算

こんにちは。特定社会保険労務士の田中です。

就業規則の規定ひとつで、会社が損害を受けることもあります。
この「就業規則の勘所」では、良く見られる「就業規則の落とし穴」をご紹介します。
ぜひ、自社の就業規則をご確認ください。


【 トラブル発生! 】
従業員数200名の中堅企業であるA社は、有給休暇を1年に1回、4月1日に付与している。
A社は、新卒を毎年4月1日付けで4~5人採用するほか、
1年に2~3人の中途採用も行っている。

 中途採用は、通年で行っているため、人によって入社月がまちまちとなっている。

 なお、A社では、労働基準法を下回らないように、中途採用社員への有給休暇は、
入社して6ヶ月後に法定通りに10日、その後に到来する4月1日には、11日を付与している。
この付与方法であれば適法だが、入社月によって、有給休暇の付与日数に不公平感が生じてしまう。


 例えば、10月1日に入社した人は、入社6ヶ月後が、翌年4月1日となる。
この日は、A社の有休付与日なので、この日に10日を付与される。

 一方、9月1日に入社した人は、入社6ヶ月後の翌年3月1日に、法定通り10日を付与される。そして、わずかその1ヶ月後に、就業規則に基づいて11日が付与される。

 つまり、入社のタイミングが1ヶ月異なるだけで、4月1日時点で、
10月入社の人は10日の有給休暇がある一方、
9月入社の人は21日の有給休暇があることになる。

これに対して中途入社の社員から、「不公平ではないか。」という声が上がったので、
A社の総務部門では対策を考えることにした。


【 ポイント 】
 有給休暇を法定通りに付与すると、入社日のタイミングによる不公平感は避けられません。
 そのため、次のいくつかの付与方法が考えられます。

(1)1年に1回の付与日を設ける。(今回の事例のパターン)
(2)6ヶ月ごとに1回の付与日を設ける。(1年に2回の付与日)
(3)3ヶ月ごと(または4ヶ月ごと)に1回の付与日を設ける。(1年に3または4回の付与日)
(4)入社日の属する月の6ヶ月後の初日を、付与日とする。(1年に12回の付与日)
(5)入社日から6ヶ月後を付与日とする。(1年に365回の付与日)


上記のうち、(5)は入社のタイミングによる不公平感はありませんが、管理に手間がかかります。

(1)から(4)になるにつれ、付与するタイミングが増えますので、不公平感が減るかわり、
手間が増えます。このバランスを考え、付与の方法を判断する必要があります。

(なお、給与計算ソフトや、表計算ソフトの活用によって、事務負担の軽減は可能になります。)

【 アクション 】
 A社では、就業規則を改定して、
『入社日を起算日として、6ヶ月継続勤務後に有給休暇を付与する』ことにしました。
(前述のポイントでの(5)の方法です。)

 管理としては、煩雑な方法ですが、

・多くの人が4月1日入社であり、実際には付与タイミングはそれほど多様化しない。
給与計算ソフトを活用することにより、管理の負担が減る、

 という理由で、この付与方法としました。



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☆☆ 時は得難くして 失い易し ☆☆
仕事もタイミングが重要です。就業規則の変更もその内容によっては、
時期を見極めないと従業員の不満につながりかねません。

貴社の就業規則のリスク診断をします!
http://www.tanakajimusho.biz/pc/contents19.html

社会保険労務士 田中事務所  田中理文
自らが、従業員雇用する創業経営者だから出来るアドバイスをしています。
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☆☆☆☆☆ 『就業規則の勘所』シリーズ ☆☆☆☆☆
その1 『パートタイマーや契約社員用の就業規則も作りましょう』
http://www.soumunomori.com/column/article/atc-153786/

その2 『身元保証には期限が有ります。必要に応じて更新しましょう。』
http://www.soumunomori.com/column/article/atc-154137/

その3 『試用期間について、免除・短縮・延長の規定を検討しましょう。』
http://www.soumunomori.com/column/article/atc-154342/

その4 『柔軟な人員配置ができるように、配置転換を規定しましょう。』
http://www.soumunomori.com/column/article/atc-154622/

その5 『服務規律は、時流に合わせて、常に見直しましょう。』
http://www.soumunomori.com/column/article/atc-154902/

その6 『勤務時間中のネット閲覧・私用メールの対策をたてましょう。』
http://www.soumunomori.com/column/article/atc-155352

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