こんにちは。
社会保険労務士の田中です。
「専門的知識等を有する有期
雇用労働者等に関する特別措置法」
(以下、「有期特別措置法」)が、2015年4月に成立しました。
今回は、「有期特別措置法」成立までの経緯をご説明します。
なお、分かりやすさを優先させるために、
主要な点のみ説明していますので、あらかじめご諒承ください。
△□△□ 有期特別措置法 が成立しました △□△□
「有期特別措置法」、とても分かりにくい名称ですね。
内容がほとんど想像できません…
60歳以上で
定年後に
再雇用された
従業員が
有期雇用契約(1年など)を更新しつつ、5年を超えた場合でも、
労働契約法の「無期転換」の適用外になる、という法律です。
これでも何のことか分かりにくいです。
いくつかの事情が関係しているので、順を追って説明します。
△□△□ 年金の支給開始年齢の引き上げ △□△□
まず出発点はここです。
厚生年金法の改正によって、
2013年に
厚生年金の支給開始年齢が引き上げられました。
それ以前は60歳から受給できたのですが、
2013年4月以降は、61歳にならないと受給できず、
さらに、年齢は段階的に引き上げられて、
最終的には65歳にならないと受給できなくなります。
http://www.nenkin.go.jp/n/www/info/detail.jsp?id=8173
△□△□ 年金を受給するまで収入が無くなってしまう! △□△□
ここで、問題が生じます。従来は60歳
定年で会社を辞めても、
厚生年金がもらえたので、収入が0円にはなりませんでした。
しかし退社後、61歳以降まで
厚生年金が受給できないならば、
それまでの期間の収入が無くなってしまいます。
そこで、「高年齢者
雇用安定法」も改正されました。
60歳
定年後も、年金がもらえる年齢になるまで、
企業に60歳以上の
従業員の
雇用確保を義務付けたのです。
従って最終的に企業は65歳までの
雇用確保をすることになります。
多くの企業では、60歳以降は
有期雇用契約として、
1年ごとに更新するという
人事ルールにしています。
(↑ この点がこの後の説明で重要なポイントになります。)
△□△□ 有期
雇用でも5年働くと無期
雇用となる △□△□
一方、これとは異なる流れがあります。
つまり、「非正規
労働者の就業環境を改善する」というものです。
その一つとして、2013年4月から
労働契約法が改正され
「無期転換ルール」というものができました。
これは、
有期雇用契約を繰り返し、その期間が5年を超えると、
本人から申し出があった場合、有期
雇用ではなく「無期
雇用」になる、
というものです。
これも2013年4月の改正でした。
△□△□ 5年超えの
雇用で無期転換となるのか? △□△□
さて、ようやく本題に近づいてきました。
前述のように60歳以上の
従業員と1年ごとに
雇用契約を
更新する会社において、この
雇用契約が5年を超えた場合にも、
「
労働契約法」の無期転換ルールが適用されるのか?
という疑問が、2年前の法改正の当初からありました。
つまり、
定年後に「無期転換」できるならば、
何歳になっても会社に勤務できるのか? という疑問です。
△□△□ 「有期特別措置法」の意義 △□△□
ここが本題です。「有期特別措置法」がまさしくこの法律です。
つまり、60歳以上の
定年後
再雇用者は、
無期転換ルールの適用にならない、と定められています。
これで2年前からの懸案事項がすっきりと片付きました。
なお、同法は適用外とするための手順や、
定年後
再雇用者だけではなく、
他にも適用外となる
労働者を定めています。
今回も最後までお読み頂き、ありがとうございます。
==============================================
田中事務所 特定
社会保険労務士 田中理文
従業員 50人~300人企業の、
労務相談・手続の電子申請 はお任せください!
http://www.tanakajimusho.biz/
従業員 50人~300人企業の給与計算ならお任せください!
http://tanakajimusho.com/
==============================================
こんにちは。社会保険労務士の田中です。
「専門的知識等を有する有期雇用労働者等に関する特別措置法」
(以下、「有期特別措置法」)が、2015年4月に成立しました。
今回は、「有期特別措置法」成立までの経緯をご説明します。
なお、分かりやすさを優先させるために、
主要な点のみ説明していますので、あらかじめご諒承ください。
△□△□ 有期特別措置法 が成立しました △□△□
「有期特別措置法」、とても分かりにくい名称ですね。
内容がほとんど想像できません…
60歳以上で定年後に再雇用された従業員が
有期雇用契約(1年など)を更新しつつ、5年を超えた場合でも、
労働契約法の「無期転換」の適用外になる、という法律です。
これでも何のことか分かりにくいです。
いくつかの事情が関係しているので、順を追って説明します。
△□△□ 年金の支給開始年齢の引き上げ △□△□
まず出発点はここです。厚生年金法の改正によって、
2013年に厚生年金の支給開始年齢が引き上げられました。
それ以前は60歳から受給できたのですが、
2013年4月以降は、61歳にならないと受給できず、
さらに、年齢は段階的に引き上げられて、
最終的には65歳にならないと受給できなくなります。
http://www.nenkin.go.jp/n/www/info/detail.jsp?id=8173
△□△□ 年金を受給するまで収入が無くなってしまう! △□△□
ここで、問題が生じます。従来は60歳定年で会社を辞めても、
厚生年金がもらえたので、収入が0円にはなりませんでした。
しかし退社後、61歳以降まで厚生年金が受給できないならば、
それまでの期間の収入が無くなってしまいます。
そこで、「高年齢者雇用安定法」も改正されました。
60歳定年後も、年金がもらえる年齢になるまで、
企業に60歳以上の従業員の雇用確保を義務付けたのです。
従って最終的に企業は65歳までの雇用確保をすることになります。
多くの企業では、60歳以降は有期雇用契約として、
1年ごとに更新するという人事ルールにしています。
(↑ この点がこの後の説明で重要なポイントになります。)
△□△□ 有期雇用でも5年働くと無期雇用となる △□△□
一方、これとは異なる流れがあります。
つまり、「非正規労働者の就業環境を改善する」というものです。
その一つとして、2013年4月から労働契約法が改正され
「無期転換ルール」というものができました。
これは、有期雇用契約を繰り返し、その期間が5年を超えると、
本人から申し出があった場合、有期雇用ではなく「無期雇用」になる、
というものです。
これも2013年4月の改正でした。
△□△□ 5年超えの雇用で無期転換となるのか? △□△□
さて、ようやく本題に近づいてきました。
前述のように60歳以上の従業員と1年ごとに雇用契約を
更新する会社において、この雇用契約が5年を超えた場合にも、
「労働契約法」の無期転換ルールが適用されるのか?
という疑問が、2年前の法改正の当初からありました。
つまり、定年後に「無期転換」できるならば、
何歳になっても会社に勤務できるのか? という疑問です。
△□△□ 「有期特別措置法」の意義 △□△□
ここが本題です。「有期特別措置法」がまさしくこの法律です。
つまり、60歳以上の定年後再雇用者は、
無期転換ルールの適用にならない、と定められています。
これで2年前からの懸案事項がすっきりと片付きました。
なお、同法は適用外とするための手順や、定年後再雇用者だけではなく、
他にも適用外となる労働者を定めています。
今回も最後までお読み頂き、ありがとうございます。
==============================================
田中事務所 特定社会保険労務士 田中理文
従業員 50人~300人企業の、
労務相談・手続の電子申請 はお任せください!
http://www.tanakajimusho.biz/
従業員 50人~300人企業の給与計算ならお任せください!
http://tanakajimusho.com/
==============================================