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人活経営でパワーは倍増できる!<トヨタを凌ぐローランドDG編

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        シリーズ「人活経営でパワーは倍増できる!」

 <第210回>[(第16話)ローランドDG、凄腕製造部長が生み出す明るい工場!]

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今話題の「会社を救うコンピテンシー」とは何かとコンピテンシーの導入の必要性について、分かりやすく解説します。今回のシリーズでは、「人活経営でパワーは倍増できる!」と題して様々な角度から鋭く分析した良質の記事を紹介していきます。きっとお役に立てると思います。中小企業の経営者の方、管理者の方、人事担当者の方に是非ともお読みいただきたいと思います。

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今回のメニュー
【1】心に刻んでおきたい言葉
【2】メルマガ本論「ローランドDG、凄腕製造部長が生み出す明るい工場!」
1.ローランドDGとは?
2.トヨタ生産方式をさらに進化させた男!
3.不良品を作れない工場にする!
4.楽しく働ける現場を造りたい!
5.女性に優しい現場で儲ける!
【3】今日のポイント

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工場では日々不良やミスが発生しています。仕事の効率化も大事ですが、せっか
く効率よく仕事をやっても不良やミスが発生すれば利益が逃げてしまいます。

しかも不良やミスが発生すれば顧客先に出向いて処置をしたり、原因を追求して
対策を講じる後ろ向きの仕事に追われ、モチベーションまでもが低下します。

いっそのこと不良を作れない現場にしてしまってはどうでしょうか。それを実現
しているのが大型プリンターなどを生産しているローランドDGなのです。


【1】心に刻んでおきたい言葉


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8時間、同じ作業をしていてミスをしないほうがおかしい。

       関 伸一

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【2】メルマガ本論

[(第16話)ローランドDG、凄腕製造部長が生み出す明るい工場!]

1.ローランドDGとは?

静岡県浜松市にあるコンピューター周辺機器メーカーですが、中でもバスの全面
広告など使用される大型インクジェットプリンターではトップシェアです。

1981年に楽器製造のローランドから独立し、2004年3月期には約206億円、2006年
3月期には268億円と快進撃中です。現在社員300名の中堅企業です。

ローランドDGの成長を支えるのはトヨタ式生産システムを独自に進化させた生
産システムと言っても過言ではありません。

2.トヨタ生産方式をさらに進化させた男!

トヨタのカンバン方式といえばトヨタ式生産方式のルーツです。生みの親はトヨ
タで副社長まで上り詰めた故大野耐一氏でした。

ローランドDGの関 伸一氏(47歳)は大野耐一氏を崇拝する製造のプロです。
写真で見る限り小柄でしかも茶髪ですから驚きます。

関氏は、大学卒業後あるシート会社に就職しました。担当は品質管理。現場は30
秒タクトでの同じ作業の繰り返しで、雰囲気は重く暗いものでした。不良が発生
する都度関氏は顧客先に出向き選別しなければなりませんでした。

「8時間も同じ作業を繰り返していればミスをしないほうがおかしい」と考え、
ラインに小型カメラを取り付け、不良の流出を防止したいと提案したのです。し
かし、予算がないと一蹴されました。それをきっかけに退社し、今のローランド
DGに再就職したのです。

しかし、関氏の入社当時のローランドDGは不良品の山。1994年から1996年まで
三期連続赤字でした。

関氏は、不良の山は宝の山とばかりに、解析してデータを集計しました。ところ
が現場の不良よりもはるかに設計上の不良が多かったのです。設計部門は現場の
不良として対策を講じようとしません。設計の横暴はどこの会社でも見かける現
象です。

ここから関氏の本格的な活動が始まりました。設計部門を説得し、上流から清め
ていったのです。社長に直談判して聞く耳を持たない上司を飛ばしたこともあり
ます。

通常の会社なら左遷されていたことでしょう。「言いたいことは言う」、これが
関氏の性格です。その根底には「人がミスするのは当然」という考えがあるから
です。つまりミスしやすいようにワナを仕掛けたのは設計だという考えです。ワ
ナにはまった人間を叱っても真の再発防止にはならないということです。

3.不良品を作れない工場にする!

関氏が考案した「デジタル屋台」。これが不良を作れなくした現場のシンボルで
す。一人で製品を組み立てていくセル生産は、流れ生産に比べ、オペレーターの
高い習熟が求められます。

現場では若い女性たちが作業台のパソコン画面を横目で見ながら電気ドライバー
を持って一人で次々組み立てていきます。一つの作業が終われば画面が切り替わ
り、次の工程が映し出されます。画面の指示に沿って作業していけば製品が完成
します。作業が正確に終わらないと画面が切り替わらない仕掛けです。3,000点も
の部品を扱いますが、その都度必要な部品しか取れない仕組みになっていますか
らミスをしようにもできないのです。

新製品でも最初の数台の組立には余分に時間が掛かりますが直ぐに習熟してしま
います。

4.楽しく働ける現場を造りたい!

現場で働く女性たちにノルマはありません。速い人はより速く、遅い人はそれな
りに。体調が悪ければ休んでもかまわないのです。それぞれがマイペースです。

部門全体ではノルマが設定されています。全体で目標以上に効率が上がればいい
という考えです。

5.女性に優しい現場で儲ける!

ローランドDGでは、一年契約の女性は生理で休めば欠勤扱いでした。「あなた
は整理の辛さを知っていますか。私は100人以上の女性の部下を抱えている」と
言って人事担当役員をねじ伏せ、生理休暇有給休暇として認めさせました。

関氏は「有給休暇によるコストアップは微々たるもの。二、三日休んでもらうほ
うが効率が上がる」と意に介していません。

関氏は女性たちからの信望も厚いのは当然のことです。女性に優しい現場を生み
出し、生産性を上げる。逆張りのすばらしい行動力です。

(今回の参考文献:日経ビジネス2006年2月6日号、他)

【3】今日のまとめ

1.8時間も同じ作業を繰り返しいれば当然ミスは出る、人間だからミスをする
  という「性善説」に基づき、不良を作れない現場システムにすることが大事
  であること。

2.不良の原因は上流である設計の中に潜んでいる。だから設計的に不良の出に
  くい、そしてミスの発生しにくい設計をすることが大事あること。

3.効率重視で締め上げる管理から女性に優しい考え方とシステムを採り入れる
  ほうが、モチベーションが上がり、効率アップにもつながること。

コンピテンシーの導入について支援します。ご相談はこちらへ
⇒ 3223898301@jcom.home.ne.jp

【4】編集後記

部分的にセル生産方式を採用している会社は多いのですが、全製品をセル生産し
ている会社は実際少ないようです。そういう意味でローランドDGは先頭を走っ
ているといえます。

人を歯車扱いにしたのが20世紀の製造業でした。人間らしく、楽しく働ける現場
こそが明るい工場です。凄腕関氏にはベンチマークする点がたくさんあります。

=長文を最後までお読みいただきましてありがとうございます。=



次回予告


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発行責任者:さいたま市中央区上落合8丁目1-20-304
        彩愛コンサルピア代表 下山明央
この記事に関するご感想、ご意見はこちらから 3223898301@jcom.home.ne.jp
彩愛コンサルピアのHPは、
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