改正労働基準法への実務対応を考えていきましょう。
まずはじめは、今回の改正の最大のポイントである、時間外割増率の引き上げについてです。
◆時間外割増率引き上げの内容
1ヶ月の時間外労働時間(法定時間外労働)が60時間を超える場合、超えた時間についての割増率は50%以上としなくてはならなくなります。
(ただし中小企業は猶予措置あり)
この時間外労働とは、「法定時間外労働」、つまり1日8時間・1週40時間を超える部分を指します。
したがって、仮に会社の所定労働時間が法定労働時間より短い場合、「所定労働時間超、法定労働時間以内」の、いわゆる「法定内時間外」は対象になりません。
たとえば、所定労働時間が1日7時間の場合は、次のようになります。
・労働時間7時間まで:所定内労働時間
・7時間超8時間以内:法定内時間外→60時間超のカウントに入れない
・8時間超;:法定時間外→この時間のトータルが60時間を超えれば、超えた分の割増率は50%以上
◆限度時間との関係
ところで、時間外労働については、労働基準法第36条第2項には、限度時間の基準が定められており、協定の限度時間はこの基準に合致したものとなるようにしなければならないとされています。
そして、1ヶ月あたりの限度基準は45時間となっています。
この限度基準は、あくまでも「基準」であり、強制力はないのですが、事実上、これが時間外の上限となっています。
そのため多くの会社では、36協定に定める限度時間も45時間以内にしています。
この限度時間を超えることがある場合は「特別条項付36協定」を結んで対応しています。
つまり、「60時間を超える」ということは、特別条項を発動する事情のある月ということになります。
言い方を変えると、60時間を超える時間外を適法なものにするには、次の2つの要件が必要ということになります。
・特別条項付36協定を結んでいる
・超えた時間についての割増率は50%以上とする
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