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休職後の就労について

著者 コモリ さん

最終更新日:2011年06月23日 13:24

屋外作業(清掃)を業務としている事業所です。脳梗塞で休職していた作業員が、病気が治ったとの事で復帰しました。しかし現場の職員(所長)は「就労可能」の診断書を貰わないまま復職させています。「全治○日の診断書が有るので、それで代用したい」と言いますが、事業所としてはそれで良いのでしょうか?また、脳梗塞が再発した場合、現場職員に責任は有りませんか?

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Re: 休職後の就労について

著者吉川経営労務商会さん (専門家)

2011年06月23日 16:13

> 屋外作業(清掃)を業務としている事業所です。脳梗塞で休職していた作業員が、病気が治ったとの事で復帰しました。しかし現場の職員(所長)は「就労可能」の診断書を貰わないまま復職させています。「全治○日の診断書が有るので、それで代用したい」と言いますが、事業所としてはそれで良いのでしょうか?また、脳梗塞が再発した場合、現場職員に責任は有りませんか?

>>吉川商会です。

1私傷病休職における「治癒」の判断は誰が行うのかという

問題と思われます。

 その前提として、復職の認められる状態(治癒)とはいか

なる程度が要求されるのかが問題です。

 この点は、労働者は職務に専念すべき義務があり、そのた

めには最善の労働力を提出すべき義務があるものと考えられ

ることから、「治癒」とは、少なくとも「従前の職務を通常

の程度に行える健康状態」であることが必要と解されます

(平仙レース事件浦和地判昭40・12・16)。


 2次に、治癒したかどうかの判断が困難な場合の立証責任です

が、休職期間満了復職という重大な効果をもたらす以上、

企業が負うことになります。

 なぜなら、かく解さないと、復職を申し出る従業員に対し

て客観的に原職に復帰しうるまでに傷病が回復したことの立

証責任を負わせることとなり、休職中に従業員復職を実質

的に困難ならしめる場合も生ずることになるからです(エー

ルフランス事件)。



 3 当該労働者が治癒したものと主張して復職を願い出た

場合、企業として当該労働者が従前の労務を通常行える健康

状態にあるか否かを判断するため、当該労働者に対し産業医

等企業の指定する医師に診断を受けるよう命ずることができ

るか否かは見解が分かれるところです。





 これを否定し、医師の選択の自由を重視する見解もありま

すが、受診義務ありとしても医師選択の自由を侵害しないと

するのが最判昭61・3・13です。





 その理由として「要管理者が労働契約上負担していると認

められる前記精密検査検診の受診義務は、具体的な治療方法

についてまで健康管理従事者の指示に従うべき義務を課する

ものではないことは明らかであるのみならず、要管理者は別

途自ら選択した医師によって治療を受けることを制限するも

のでもない」ことをあげています。





 4安易に復職を容認したが、当該労働者の疾病が増悪した

場合は、企業の安全配慮義務違反を問われる場合もありえま



す。

 参考「新労働法実務Q&A」68p

Re: 休職後の就労について

著者コモリさん

2011年06月23日 18:30

早速ご回答いただき、ありがとうございます。
当事業所では、作業員の多くはパート・アルバイトです。
就業規則には明記していませんが、長期療養後に現場復帰する場合は、就労可能である旨の医師の診断書を提出後に就労するようにしています。今回、人手不足もあって診断書の提出前に所長が現場復帰させています。今後再発した場合、所長の責任が問われると思うのですが、実際にそのような事例はありますか?また、就業規則にははっきりと明記した方が良いのでしょうか?

Re: 休職後の就労について

著者オレンジcubeさん

2011年06月24日 08:20

> 早速ご回答いただき、ありがとうございます。
> 当事業所では、作業員の多くはパート・アルバイトです。
> 就業規則には明記していませんが、長期療養後に現場復帰する場合は、就労可能である旨の医師の診断書を提出後に就労するようにしています。今回、人手不足もあって診断書の提出前に所長が現場復帰させています。今後再発した場合、所長の責任が問われると思うのですが、実際にそのような事例はありますか?また、就業規則にははっきりと明記した方が良いのでしょうか?

こんにちは。
横から失礼致します。
所長さんの責任が問われるのは当然ですが、会社の責任は免除されることはなく、安全配慮義務違反という点では同罪若しくはそれ以上だと思います。

また、主治医の診断書で判断することは危険です。なぜなら主治医は患者よりの医師であり、患者が就労したいということであれば、直ぐに就労可という診断書を書いてしまうこともあるからです。
御社に産業医がいれば産業医の診断、なければ会社が指定する病院で受診してもらいその診断を参考の元会社で最終的に判断するという流れにした方が良いと思います。

Re: 休職後の就労について

著者吉川経営労務商会さん (専門家)

2011年06月24日 10:47

> > 早速ご回答いただき、ありがとうございます。
> > 当事業所では、作業員の多くはパート・アルバイトです。
> > 就業規則には明記していませんが、長期療養後に現場復帰する場合は、就労可能である旨の医師の診断書を提出後に就労するようにしています。今回、人手不足もあって診断書の提出前に所長が現場復帰させています。今後再発した場合、所長の責任が問われると思うのですが、実際にそのような事例はありますか?また、就業規則にははっきりと明記した方が良いのでしょうか?
>
> こんにちは。
> 横から失礼致します。
> 所長さんの責任が問われるのは当然ですが、会社の責任は免除されることはなく、安全配慮義務違反という点では同罪若しくはそれ以上だと思います。
>
> また、主治医の診断書で判断することは危険です。なぜなら主治医は患者よりの医師であり、患者が就労したいということであれば、直ぐに就労可という診断書を書いてしまうこともあるからです。
> 御社に産業医がいれば産業医の診断、なければ会社が指定する病院で受診してもらいその診断を参考の元会社で最終的に判断するという流れにした方が良いと思います。

>>吉川商会です。私もオレンジCubeさんと同意見です。会社指定の医師の診断

書を要求すべきです。安全配慮義務違反は債務履行責任で

会社に損害賠償義務が発生します。


この場合就業規則に、たとえば「会社は従業員休職する必

要があるかどうか、及び復職の判断をするために、従業員

会社指定の医師の検診を受診することを命ずることがある。

この場合従業員は正当な理由なくしてこれを拒否することは



できない」などの文言を盛り込めばよいと思います。

Re: 休職後の就労について

著者コモリさん

2011年06月27日 18:28

貴重なアドバイス、有難うございました。安全管理義務について安易な対応ではいけない事が良くわかりました。休職後の就労に対する対応を事業所内で統一するよう徹底していきます。

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