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人事管理と労務管理

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経営テクノ研究所
2012年8月20日 第1・3週月曜日発行
発行人:舘 義之http://www9.plala.or.jp/keiei-techno/
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★★経営のパートナー★★経営学で企業を再生する
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<目次>
★第1回:人事管理と労務管理
★ちよっと苦言:朝令暮改は必要
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第1回:人事管理と労務管理
 企業には、人事を取り扱う部署があります。総務部・管理部・人事部・勤
労部・労務部など、いろいろな名称で呼ばれていますが、どこでも人事に関
する課・係をかかえています。そういった部署の職務内容が人事管理・ある
いは労務管理です。

 人事管理と労務管理とを区別して考える学者もいますが、本質的にはそれ
ほど違わないから、同じものとして説明していきます。言葉にこだわるなら
ば、「経営内の人間管理」といってもさしつかえありません。

 また、難しく定義すると、「労務管理とは、企業がその目的達成の手段と
して全体としての経営労働者のあり方を、長期の総合的労働能率維持増進に、
最も適合した状態のものたらしめようとする、一連の計画的組織的総合措置
である」ということができます。

 したがって、労務管理は企業が目的を達成するための手段として行う一管
理です。財務管理・生産管理・販売管理などとともに、企業の最高方針にし
たがって行われる部分的手段なのです。

 労務管理を直接に担当するものは、部門管理者である労務管理者ですが、
それは企業経営の主体自身が行う企業経営の方針のもとに、職務を委譲され
て管理執行しているにすぎません。

 方針決定のためには、労務管理者は専門スタッフとして助力はしますが、
人事権を持っているわけではありません。勝手に人の異動をさせるわけには
いかないのです。

 企業目的は、利益の確保にあります。ただ、利益追求をはばむ社会的条件
(たとえば、労働保護立法・独占禁止法・価格に対する消費者の組織的抵抗
労働組合による労働条件の改善要求など)があるため、公共性を加えるよ
うになっていますが、あくまで企業の目的は収益性を向上させるところにあ
ります。

 したがって、労務管理労働生産性の維持増進を目的としていることが分
かります。

 その対策は、労働能率という側面からみた経営労働者です。経営労働者は、
生産の一要素としての労働を持つばかりでなく、経営社会という集団の中に
ある感情を持った人間関係のもとで、協力して働いている人間であり、賃金
をもらっている人間です。

 この点で、労働者は、雇用条件をはさんで経済的にに雇い主と対立してい
ます。

 その意味からすると、経営労働者は、労働力としてのみ理解されてはなら
ないし、また、人格としてだけ理解それるものでもありません。労務管理は、
作業力としての経営労働者を管理する技術です。

 さらに、労務管理の目的は、経営労働者のあり方を長期の総合的労働能率
維持増進に最も適した状態におくことです。

 労働能率は、「労働者一人当たりの生産質量」を意味しますが、それは一
方で労働者の技能と技術と努力を待つとともに、他方で機械・装置・道具と
いった労働手段の性能・作業方法などの生産手段に条件に左右されます。

 したがって、労務管理は、生産手段の技術的条件を一定としたときの経営
労働者のあり方を問題とするのです。生産管理・技術管理は含まれません。

 それとともに短期間の能率増進を意味しません。長期にわたり、一定の水
準を維持する必要があります。人は、瞬間的には多くのことをなしえますが、
長期にわたってこれを維持することは不可能です。そこに標準作業量を考え、
それに対する全体としての能率を考える必要が生まれます。「急いでゆっく
りやる」といった状態をつくり出すことが、労務管理の直接的な目的になり
ます。

 労務管理は、このような目的を持っているので、これを具体化するために
は、労働科学・会社心理学・産業社会学・IE・経済学・経営学などのきわ
めて多方面の科学を総合し、計画的で組織的な実施を行わなければなりませ
ん。

 労務管理の具体的内容を技術的に解決するためには、管理の体系が必要で
す。労務管理活動の体系として次のような例を掲げておきます。
人事部の職務内容
雇用課:採用・適性検査・配置・異動・退職事務・従業員評定・給与調整・
職業補導・人事記録・統計
教育訓練課:技術訓練・高等教育・訓権マニュアル作成・一般教育・提案制
度・記録統計
衛生課:身体検査・医療・応急手当・保険サービス・衛生教育・衛生基準の
作成・衛生施設・記録統計
安全課:安全基準の作成・安全施設・安全検査・障害除去・安全委員会事務
・安全教育・記録統計
保険・サービス課:団体保険・共済組合病院・食堂・養老年金計画・法律相
談・経済福利施設・レクリエーション・その他サービス
・記録統計
労働関係課:団体交渉・苦情処理・その他労働関係・記録統計
労働調査課:職務分析職務記述書作成・職務評価・格付・標準作業調査賃
金・生計費・労働関係等の調査・調査統計
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★ちよっと苦言:朝令暮改は必要
 朝令暮改は、上にたつものの定見のなさであるとして、悪徳なりとする見
解は、一般的にはそうです。しかし、一般的にそうだからといって、悪い点
を改めないのは、それ以上の悪徳です。

 たとえ、相当慎重に検討した結果の決定であっても、人間のやることであ
るかぎり、実施してみるとうまくいかないことも、決して少なくありません。
こうした場合は、ためらわず改めるべきです。

 朝令暮改という批判をおそれて、改めなければ、一応上にたつもののメン
ツはたちますが、内心はやはり気がひけます。それが守られなくとも黙認す
ることになりやすくなります。

 これがいけないのです。決められたことが守られなくなったら終わりです。

 決められたことを守る。守らせる、ということの重要さを認識している経
営者や経営担当者は、自己のメンツにとらわれずに、朝礼したものでも暮改
すべきです。でなければ、たとえ、具合が悪くても、断固として守らせるの
です。
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★舘 義之のポジション
 人事・IE・VE・マーケティングコンサルタント
 人事・IE、VE・マーケティングの3輪で企業体質改善の仕組みを構築
して、厳しい経営環境の中で勝ち残っていく会社にすることを第一に支援し
ます。
舘 義之への問い合わせstudy@agate.plala.or.jp
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