2012年9月29日号 (no. 703)
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---3分労働ぷちコラム---
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本日のテーマ【
退職の撤回と相手の期待。】
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■
退職願と
退職届は違うの?
「
退職する手続きをしたんですけれども、やっぱり仕事を続けたいので、
退職を撤回してください」
退職するかと思っていた人が翻意して
退職を撤回する。こんな場面に遭遇した人はそう多くないかもしれませんが、ゼロではないだろうと思います。
自分自身が
退職を撤回する立場であれ、
退職を撤回される会社側の立場であれ、経験した人はいるのではないでしょうか。
退職する方法は、大きく分けて2つあります。口頭で
退職を伝える方法と文書で
退職を伝える方法です。
小規模なお店や会社だと、
退職するときは口頭で「今月いっぱいで辞めさせていただきたいんですけど、、、」とか、「来月で
退職したいんですけど、、、」という感じで直属の上長やお店の店長に伝えたりするのではないでしょうか。
私も、学生時代にバイトをしていたときは、
退職届や
退職願を書いたことはありません。高校から大学までの間に、8箇所ほどの会社で働いたことがありますけれども、
退職の時に書面を作成した記憶がありません。
口頭で
退職を伝える以外に、文書を渡して
退職の意思を伝える方法もあります。
退職願を作成して会社に提出するか
退職届を作成して会社に提出するか。文書での手続きはこの2つが多いのではないでしょうか。
では、口頭で
退職の意志を伝えた後に、上記のように
退職を撤回することができるか。また、
退職"願"で
退職の意思を伝えた後に
退職を撤回できるか。さらに、
退職"届"で
退職の意思を伝えた後に
退職を撤回できるか。
口頭であれ、
退職願であれ、
退職届であれ、後から撤回はできる、と考えるのか。
それとも、
退職届で手続きしたときは撤回できないけれども、口頭と
退職願で手続きしたときは撤回できるのか。
はたまた、どの方法でも
退職の撤回はできないのか。
口頭、
退職願、
退職届、手段は3つありますが、それぞれで効果は違うのかどうか。違うとすればどのように違うのか。それとも、どの手段でも効果は同じなのか。
ちなみに、上記での「
退職の撤回」というのは、社員側が
退職の意思を会社に伝えて、社員側の都合と判断で撤回することを意味します。つまり、会社側は
退職の撤回に介入していないと考えてください。一方的に
退職すると伝えて、一方的に
退職を撤回する。そんな場面を想定していただければ良いかと思います。
■
退職願だから社員は一方的に撤回できる。それでいいの?
まず結論から書くと、口頭、
退職願、
退職届、いずれの方法であっても社員側から一方的に
退職を撤回することはできない。なぜならば、会社側の期待を損なうから。
自分の意思で
退職すると伝えている社員側から一方的に
退職を撤回する。これってちょっと気になる点がありますよね。「会社は一方的に撤回されちゃうの?」、「 何も判断はできないの?」、「 ちょっと都合が良すぎるんじゃないの?」など。つまり、会社と社員の間の関係がアンバランスなのですね。
会社は、社員から
退職することを伝えられると準備を始めます。人がいなくなるわけですから、新しい人を募集したり、業務の引き継ぎをしたり、会社が
貸与している物(ユニフォームや社員証など)を返還してもらったり、送別会の日程を決めたり、
退職金の計算をしたり、残った
有給休暇を処理したり。チョコチョコとやることがありますよね。
こういう準備を進めているのに、ある時、突然に「やっぱり
退職しません」と言われれば、会社の人たちは戸惑います。
会社は「藤村さんは
退職するのだな」と考えて手続きをすすめるはずですから、いきなり藤村さんから「
退職せずに仕事を続けます」と言われてしまうと、藤村さんが
退職することを前提にして動いてきたことがオジャンになります。つまり、会社の「藤村さんは
退職するのだ」という期待を損なっているわけです。
ゆえに、どんな形であれ一方的に
退職を撤回することはできないのです。
人によっては、「
退職願ならば撤回はできるが、
退職届ならば撤回できない」と言う人もいますが、「願」であっても「届」であっても、相手方である会社の期待を損なうという点は同じです。それゆえ、
退職願であっても社員側から一方的に撤回はできないし、
退職届であっても同様です。
誰が
退職の書面を受理したかで効果を変える判断もあるようですが、
人事の担当者が
退職の書面を受け取った場合と直属の上長が書面を受け取った場合で
退職の効果が変わるのは不都合です。
本人は
退職の書面を提出した段階で
退職したと思うだろうし、受け取った方も書面を受け取った時点で
退職したと考えるのではないでしょうか。もちろん、引き継ぎの作業や残務処理もあるでしょうから、単純に書面の提出時点を持って
退職と考えるわけにはいかない。
退職の効果が発生していないならば、
退職届けや
退職願を提出した後でも
退職を撤回できるというのも、さも妥当な判断のように思えますが、自分の都合で
退職を撤回していることに変わりはありません。
退職の意思を会社に伝えた後は、その撤回を認めるかどうかは会社が決めることです。
退職の意思を伝えた社員は一方的に撤回できないと考えるのが妥当です。ただし、会社側が
退職の撤回について了承した場合は、あえて
退職を有効にする必要はありませんから、
退職は撤回されます。当事者(社員と会社)が納得していますからね。
民法93条を読むと、心裡留保(シンリリュウホ)というものについて書かれています。
(心裡留保)
第93条
意思表示は、表意者がその真意ではないことを知ってしたときであっても、そのためにその効力を妨げられない。ただし、相手方が表意者の真意を知り、又は知ることができたときは、その
意思表示は、無効とする。
どういう条文かというと、商品の売買で例えると、売るつもりがないのに売ると相手に伝えて、相手が買うと応じたときは、売り手は売らないといけないというものです。
退職すると伝えて、会社が
退職に応じた。ならば、本人は
退職しないといけない。形が似ていますよね。ただし、
退職するつもりがないのに
退職すると会社に伝えるわけではないので、心裡留保そのものの事案ではない。
心裡留保そのものではないけれども、
意思表示された相手方(会社)を保護する点は同じです。
自らの
意思表示を一方的に表示者(社員)から取り消すのは、相手(会社)に迷惑がかかる。それゆえ、
意思表示の撤回には相手方の承諾を必要とするのが妥当でしょう。
ゆえに、口頭であれ
退職願であれ
退職届であれ、社員側からの一方的な撤回はできないと考えるのが妥当。ただし、会社側が撤回を承諾したならば、当事者双方が撤回について合意しているわけだから、あえて撤回できないとする理由はない。
退職すると伝えたならば、それを撤回できるかどうかは相手方である会社次第と考えるべきなのですね。
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メールマガジン【本では読めない
労務管理の"ミソ"】のご紹介
内容の一例・・・
『定額
残業代で
残業代は減らせるのか』
『15分未満の
勤務時間は切り捨て?』
『4週4日以外の
変形休日制度もある』
『長時間残業を減らす方法は2つある』
『管理職は週休3日が理想』
『日曜日=
法定休日と思い込んではいけない』
『
半日有給休暇と
半日欠勤の組み合わせはダメ?』
『寸志は
賃金or贈り物?』
『ケータイは仕事道具か遊び道具か』
など、その他盛りだくさんのテーマでお送りしています。
本に書いていそうなんだけど、書いていない。
そんな内容が満載。
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労務管理の"ミソ"】
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新しい紙のカードを毎月作らないといけない。さらに、カードを見ながら、電卓や
表計算ソフトで
勤務時間を集計しないといけない。
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そんな悩みをどうやって解決するか。
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Clockperiod は、紙のカードと打刻機を使わない電子タイムカードですから、
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Clockperiodは、出退勤の時刻をタイムカード無しで記録できます。タイムカード
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「
残業代の支払いが多い」
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こういう悩み、よくありますよね。
ニュースでも未払い
残業代の話題がチラホラと出てくるぐらい、残業に対する関心は高くなっています。
法律では、1日に8時間まで、1週間では40時間までしか仕事ができません。その水準を超えてしまうと、残業となり、
割増賃金が必要になります。
とはいえ、1日で8時間と固定されていると不便だと感じませんか? 1週間で40時間と固定されていると不便だと感じませんか?
毎日8時間の時間制限があると、柔軟に
勤務時間を配分できませんよね。
例えば、月曜日は6時間の勤務にする代わりに、土曜日を10時間勤務にして、平均して8時間勤務というわけにはいかない。
仕事に合わせて、ある日は
勤務時間を短く、ある日は
勤務時間を長くできれば、便利ですよね。
でも、実は、「月曜日は6時間の勤務にする代わりに、土曜日を10時間勤務にして、平均して8時間勤務なので、残業は無し」こんなことができる仕組みがあるんです。
「えっ!? そんな仕組みがあるの?」と思った方は、ぜひ『残業管理のアメと罠』を読んでみてください。
『残業管理のアメと罠』
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本日のテーマ【退職の撤回と相手の期待。】
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■退職願と退職届は違うの?
「退職する手続きをしたんですけれども、やっぱり仕事を続けたいので、退職を撤回してください」
退職するかと思っていた人が翻意して退職を撤回する。こんな場面に遭遇した人はそう多くないかもしれませんが、ゼロではないだろうと思います。
自分自身が退職を撤回する立場であれ、退職を撤回される会社側の立場であれ、経験した人はいるのではないでしょうか。
退職する方法は、大きく分けて2つあります。口頭で退職を伝える方法と文書で退職を伝える方法です。
小規模なお店や会社だと、退職するときは口頭で「今月いっぱいで辞めさせていただきたいんですけど、、、」とか、「来月で退職したいんですけど、、、」という感じで直属の上長やお店の店長に伝えたりするのではないでしょうか。
私も、学生時代にバイトをしていたときは、退職届や退職願を書いたことはありません。高校から大学までの間に、8箇所ほどの会社で働いたことがありますけれども、退職の時に書面を作成した記憶がありません。
口頭で退職を伝える以外に、文書を渡して退職の意思を伝える方法もあります。退職願を作成して会社に提出するか退職届を作成して会社に提出するか。文書での手続きはこの2つが多いのではないでしょうか。
では、口頭で退職の意志を伝えた後に、上記のように退職を撤回することができるか。また、退職"願"で退職の意思を伝えた後に退職を撤回できるか。さらに、退職"届"で退職の意思を伝えた後に退職を撤回できるか。
口頭であれ、退職願であれ、退職届であれ、後から撤回はできる、と考えるのか。
それとも、退職届で手続きしたときは撤回できないけれども、口頭と退職願で手続きしたときは撤回できるのか。
はたまた、どの方法でも退職の撤回はできないのか。
口頭、退職願、退職届、手段は3つありますが、それぞれで効果は違うのかどうか。違うとすればどのように違うのか。それとも、どの手段でも効果は同じなのか。
ちなみに、上記での「退職の撤回」というのは、社員側が退職の意思を会社に伝えて、社員側の都合と判断で撤回することを意味します。つまり、会社側は退職の撤回に介入していないと考えてください。一方的に退職すると伝えて、一方的に退職を撤回する。そんな場面を想定していただければ良いかと思います。
■退職願だから社員は一方的に撤回できる。それでいいの?
まず結論から書くと、口頭、退職願、退職届、いずれの方法であっても社員側から一方的に退職を撤回することはできない。なぜならば、会社側の期待を損なうから。
自分の意思で退職すると伝えている社員側から一方的に退職を撤回する。これってちょっと気になる点がありますよね。「会社は一方的に撤回されちゃうの?」、「 何も判断はできないの?」、「 ちょっと都合が良すぎるんじゃないの?」など。つまり、会社と社員の間の関係がアンバランスなのですね。
会社は、社員から退職することを伝えられると準備を始めます。人がいなくなるわけですから、新しい人を募集したり、業務の引き継ぎをしたり、会社が貸与している物(ユニフォームや社員証など)を返還してもらったり、送別会の日程を決めたり、退職金の計算をしたり、残った有給休暇を処理したり。チョコチョコとやることがありますよね。
こういう準備を進めているのに、ある時、突然に「やっぱり退職しません」と言われれば、会社の人たちは戸惑います。
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ゆえに、どんな形であれ一方的に退職を撤回することはできないのです。
人によっては、「退職願ならば撤回はできるが、退職届ならば撤回できない」と言う人もいますが、「願」であっても「届」であっても、相手方である会社の期待を損なうという点は同じです。それゆえ、退職願であっても社員側から一方的に撤回はできないし、退職届であっても同様です。
誰が退職の書面を受理したかで効果を変える判断もあるようですが、人事の担当者が退職の書面を受け取った場合と直属の上長が書面を受け取った場合で退職の効果が変わるのは不都合です。
本人は退職の書面を提出した段階で退職したと思うだろうし、受け取った方も書面を受け取った時点で退職したと考えるのではないでしょうか。もちろん、引き継ぎの作業や残務処理もあるでしょうから、単純に書面の提出時点を持って退職と考えるわけにはいかない。
退職の効果が発生していないならば、退職届けや退職願を提出した後でも退職を撤回できるというのも、さも妥当な判断のように思えますが、自分の都合で退職を撤回していることに変わりはありません。
退職の意思を会社に伝えた後は、その撤回を認めるかどうかは会社が決めることです。退職の意思を伝えた社員は一方的に撤回できないと考えるのが妥当です。ただし、会社側が退職の撤回について了承した場合は、あえて退職を有効にする必要はありませんから、退職は撤回されます。当事者(社員と会社)が納得していますからね。
民法93条を読むと、心裡留保(シンリリュウホ)というものについて書かれています。
(心裡留保)
第93条 意思表示は、表意者がその真意ではないことを知ってしたときであっても、そのためにその効力を妨げられない。ただし、相手方が表意者の真意を知り、又は知ることができたときは、その意思表示は、無効とする。
どういう条文かというと、商品の売買で例えると、売るつもりがないのに売ると相手に伝えて、相手が買うと応じたときは、売り手は売らないといけないというものです。
退職すると伝えて、会社が退職に応じた。ならば、本人は退職しないといけない。形が似ていますよね。ただし、退職するつもりがないのに退職すると会社に伝えるわけではないので、心裡留保そのものの事案ではない。
心裡留保そのものではないけれども、意思表示された相手方(会社)を保護する点は同じです。
自らの意思表示を一方的に表示者(社員)から取り消すのは、相手(会社)に迷惑がかかる。それゆえ、意思表示の撤回には相手方の承諾を必要とするのが妥当でしょう。
ゆえに、口頭であれ退職願であれ退職届であれ、社員側からの一方的な撤回はできないと考えるのが妥当。ただし、会社側が撤回を承諾したならば、当事者双方が撤回について合意しているわけだから、あえて撤回できないとする理由はない。
退職すると伝えたならば、それを撤回できるかどうかは相手方である会社次第と考えるべきなのですね。
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『長時間残業を減らす方法は2つある』
『管理職は週休3日が理想』
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