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1年単位の変形労働時間制における特例措置の検討

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平成19年8月15日 第46号
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人事のブレーン社会保険労務士レポート
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目次

1. 1年単位の変形労働時間制における特例措置の検討

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1. 1年単位の変形労働時間制における特例措置の検討

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1. はじめに

1年単位の変形労働時間制とは、その対象期間を1ヶ月を超え1年以内として
いる。
変形期間が1ヶ月であれば、1ヶ月単位の変形労働時間制の適用がなされるわ
けであり、1ヶ月を超えて変形期間の設定をしていれば、法令上は1年単位の
変形労働時間制の適用になる。

2. 3ヶ月以内の対象期間と3ヶ月を超える対象期間

(1)対象期間の長さで変わる規制

対象期間とは、当該期間を通じて週40時間を達成する期間であり、1年であ
れば1年を通じて、6か月であれば6ヶ月を通じて週40時間を達成するわけ
である。

1ヶ月単位の変形労働時間制と比較して1年単位の変形労働時間制において規
制が多いのは、対象期間の長さに起因しており、短い対象期間で週40時間を
達成する制度の方が、労働者に対する過重は少ない。

そこで1年単位の変形労働時間制に於いても、3ヶ月以内と3ヶ月を超える期
間の対象期間で分けており、3ヶ月以内の対象期間の方が若干ではあるが規制
は緩和されている。

(2)具体的相違点

具体的相違点は以下の通りである。
3ヶ月以内の変形期間の場合は、
・年間280日という労働日数の上限が無くなること。
・週の所定労働時間が48時間を超える週は、「連続3週以内」と「対象期間
の初日から起算して3ヶ月毎に区分して、それぞれの期間で48時間を超える
週は3週以内に抑えること」
の要件が無くなる。

1年単位の変形労働時間制については1日10時間、1週52時間の上限の緩
和はなされておらず、上記2点のみの緩和がなされている。

しかし、1年単位の変形労働時間制の労働日数の上限はどんなに1日の労働時
間が短いものであろうとも、上限の設定は変わらずに280日であり、短時間
労働者に対する1年単位の変形労働時間制の適用については3ヶ月単位で考え
ていけば問題は解決するわけである。

(3)1年単位の変形労働時間制の不適合業種

この様に1年単位の変形労働時間制については不適合業種が出てくる。
1日の所定労働時間の上限は10時間であるから、夜勤のある医療関係業種に
は適用することは難しい。
同じ夜勤であっても、隔日勤務のタクシー運転手については16時間を1日の
上限としており、これは夜勤により1勤務を2日と考えることに起因している。
この様に考えると、医療業でも同様であり、タクシーの運転手のみに適用され
ている現状は疑問を感じざるを得ない。
一方でタクシー運転手についても隔日勤務が条件であるから、出勤出勤明番と
いうような勤務の運転手には適用することが出来ない。

この様に、1年単位の変形労働時間制はその対象期間の長さ故に規制が多く、
適用することが困難な業種が存在するのである。

3. 年間を通じてカレンダーが作成できない場合の緩和措置

年間を通じてカレンダーを作成できない場合には、各期間(1ヶ月以上の期間)
における総労働時間と労働日数の取り決めで良しとされている。

4月1日起算の1年単位の変形労働時間制の場合、最初の区分(1ヶ月毎に区
分すると仮定する)4月については労働日毎の労働時間の定めは必要であるが、
5月以降は各月の総労働日と総労働日数の協定でよい。

但し、5月以降の労働日毎の労働時間を決める期限は、当該期限(この場合5
月1日)の30日前までに定める必要がある。

当該日迄に、労働日と労働日の労働時間を従前に協定した総労働時間及び労働
日数の範囲内で特定し、労使協定を締結しなければならない。

各区分毎の協定をし、さらに当該区分開始前30日までに特定する協定を締結
する必要があるということである。
大変面倒ではあるが、年間のカレンダーを作成できない企業にとっては1年単
位の変形労働時間制を適用できる道があるということである。

4. まとめ

時間外労働に対する割増率を上げる労働基準法改正案が継続審議となっている。
また、最低賃金においても大幅な引き上げが検討されている。
この様な環境の中、自社に最適な労働時間管理制度の適用が非常に重要になっ
てくる。
そういった意味で、使いづらいと嫌煙されがちな一年単位の変形労働時間制
特例に焦点を当てて本稿を執筆した。

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