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採用内定とは
┏┏ ◇ 内定取消にあたって会社側が留意すべきこと
┏┏ ◇ 解約権を留保した
労働契約とは
┏┏ ◇
採用内定取消に関する最高裁判決
┏┏ ◇ 行政解釈
┏┏┏
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採用内定とは
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●解約権を留保した
労働契約
採用内定により(原則として)
労働契約は成立します。
中途
採用の場合は、
労働契約成立と同時ないしは接近した時期に
従業員の入社が開始するのが
普通です。
しかし、新卒の高校生あるいは大学生の
採用については、在学中に
採用を内定し卒業後入社す
るという
採用方法が採られています。
採用内定と現実の仕事の開始時期までには数カ月の間隔
があるのが通常です。
手順としては
1.
労働者の募集とそれへの応募(必要書類の提出)、
2.
採用試験の実施と合格決定、
3.
採用内定通知書の送付と
労働者からの誓約書・
身元保証書の提出、
4.
健康診断の実施、レポート提出などの過程を経て、
5.入社式と
辞令の交付
に至るのが一般的です。
採用内定後学生は、就職活動を中止しますので入社直前になって
採用内定を取消されると、事
実上新しい就職先を確保するのは困難となり、その被害は計り知れないものとなります。
使用者が、当該
従業員として
採用する旨の確定的意思を表示(たとえば、入社誓約書や身元保
証書の異議なき受領とか、入社日その他の細部通知や入社前教育の開始など 、いわゆる内定
式を行い正式
採用を通知した場合も該当)したことにより、
労働契約が締結されたと認められ
た後の取り消しは、「
労働契約の解約」となりますので、原則として「解雇」に該当し、合理
的と認められる正当な理由がなければ、無効となります。
●
採用内定の法律的性質
口頭でも
契約は有効に成立しますから「仮
採用します」と告げたとしても、
採用が内定したと
解するのが一般的と思われます。
採用内定を取り消すには、客観的に見て合理的な理由が必要であり、明確な理由の説明もな
く一方的に取り消すことは認められません。
例えば、「会社の業績が悪くなった」などという理由は、多くの場合、内定取消の合理性は
認められないと考えられます。会社は積極的に
採用活動を行ったわけですから、このような不
況や会社の経営上の問題は、
使用者側の責任によるものと考えられるからです。また、「他に
もっとよい人が見つかった」などというのも合理的な理由とはなりません。
採用内定通知書に記載された(あるいは面接時に告げられた)一定の事由が生じた場合の解約
権を留保した
労働契約が成立したとみられる場合が多く、このように
労働契約が成立したと考
えられる場合、
採用の内定を取り消すには、解雇する場合と同様の配慮が必要となってきま
す。
仮に合理的理由があり内定取消ができるとしても、
労働基準法第20条で定める解雇予告規定
の適用があり、30日前までに予告をするか、30日分以上の
平均賃金(解雇予告手当といい
ます。)を支払う必要があります。
=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=
内定取消にあたって経営者が留意すべきこと
=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=
●チェックポイント
1.
採用内定の取り消しは、客観的に合理的で社会通念上相当として是認できる事由がある場
合に限られる。
2.
採用内定の取り消しに対しては、
損害賠償請求と
従業員たる地位の確認の請求訴訟ができ
る。
3.経営上の理由で自宅待機をさせる場合には、
休業手当の支払いが必要である。
=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=
解約権を留保した
労働契約とは
=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=
わかりやすくいえば、
採用内定通知書または誓約書に記載されている
採用内定取り消し事由が
生じたときには解約できる旨の合意が含まれており、また卒業できなかった場合も当然に解約
できるものということです。
一般的には、次のような場合、内定取消が正当化されています。
1.単位不足で卒業できないとき
2.健康を著しく害したとき
3.反社会的な行為(窃盗・傷害・暴行・放火・器物破損等)があったとき
=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=
採用内定取消に関する最高裁判決
=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=
採用内定の取消が認められるのは、内定当時知ることができず、また、知ることが期待できな
いような事実であって、これを理由として
採用内定を取り消すことが解約権留保の趣旨、目的
に照らして客観的に合理的と認められ、社会通念上相当として是認することができるものに限
られる(昭54.7.20 大日本印刷事件)。
=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=
行政解釈
=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=
旧労働省の行政解釈(昭27.5.27 基監発第15号)によると、会社の
採用通知が
労働契約そのも
のを完成させる
使用者の
意思表示であるか、又は
労働契約締結の予約であるかは、「具体的個々の事情、特に
採用通知の文言、当該会社の
労働契約、
就業規則等の
採用手続に関する定
め、及び従来の取扱慣例による
採用通知の意味等について総合的に判断して決定すべきもので
ある」としながらも、次のように解されるとしています。
1.
採用通知に赴任の日が指定されている場合には、一般にはその
採用通知が発せられた日
に
労働契約は成立したと認められる要素が強い(ただし、従来の慣例その他を勘案して決定されるべき)。
2.
雇用契約締結の日を明示して
採用通知がなされた場合は、一般には
労働契約はその日に有
効に成立しているものと解されるから、その日以降における
採用取消通知は本人の赴任前(現
実に就労するまでの期間)であっても解雇の
意思表示であると解され、従って
労働基準法第20
条(解雇予告)の適用がある。
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ECK >>> ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
┛┃┏━┳━┛ ̄ ̄ ̄ ┃ 社労・暁(あかつき) ┃
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http://www18.ocn.ne.jp/~akatukip/
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┏┏ ◇ 内定取消にあたって会社側が留意すべきこと
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採用内定とは
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●解約権を留保した労働契約
採用内定により(原則として)労働契約は成立します。
中途採用の場合は、労働契約成立と同時ないしは接近した時期に従業員の入社が開始するのが
普通です。
しかし、新卒の高校生あるいは大学生の採用については、在学中に採用を内定し卒業後入社す
るという採用方法が採られています。採用内定と現実の仕事の開始時期までには数カ月の間隔
があるのが通常です。
手順としては
1.労働者の募集とそれへの応募(必要書類の提出)、
2.採用試験の実施と合格決定、
3.採用内定通知書の送付と労働者からの誓約書・身元保証書の提出、
4.健康診断の実施、レポート提出などの過程を経て、
5.入社式と辞令の交付
に至るのが一般的です。
採用内定後学生は、就職活動を中止しますので入社直前になって採用内定を取消されると、事
実上新しい就職先を確保するのは困難となり、その被害は計り知れないものとなります。
使用者が、当該従業員として採用する旨の確定的意思を表示(たとえば、入社誓約書や身元保
証書の異議なき受領とか、入社日その他の細部通知や入社前教育の開始など 、いわゆる内定
式を行い正式採用を通知した場合も該当)したことにより、労働契約が締結されたと認められ
た後の取り消しは、「労働契約の解約」となりますので、原則として「解雇」に該当し、合理
的と認められる正当な理由がなければ、無効となります。
●採用内定の法律的性質
口頭でも契約は有効に成立しますから「仮採用します」と告げたとしても、採用が内定したと
解するのが一般的と思われます。
採用内定を取り消すには、客観的に見て合理的な理由が必要であり、明確な理由の説明もな
く一方的に取り消すことは認められません。
例えば、「会社の業績が悪くなった」などという理由は、多くの場合、内定取消の合理性は
認められないと考えられます。会社は積極的に採用活動を行ったわけですから、このような不
況や会社の経営上の問題は、使用者側の責任によるものと考えられるからです。また、「他に
もっとよい人が見つかった」などというのも合理的な理由とはなりません。
採用内定通知書に記載された(あるいは面接時に告げられた)一定の事由が生じた場合の解約
権を留保した労働契約が成立したとみられる場合が多く、このように労働契約が成立したと考
えられる場合、採用の内定を取り消すには、解雇する場合と同様の配慮が必要となってきま
す。
仮に合理的理由があり内定取消ができるとしても、労働基準法第20条で定める解雇予告規定
の適用があり、30日前までに予告をするか、30日分以上の平均賃金(解雇予告手当といい
ます。)を支払う必要があります。
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内定取消にあたって経営者が留意すべきこと
=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=
●チェックポイント
1.採用内定の取り消しは、客観的に合理的で社会通念上相当として是認できる事由がある場
合に限られる。
2.採用内定の取り消しに対しては、損害賠償請求と従業員たる地位の確認の請求訴訟ができ
る。
3.経営上の理由で自宅待機をさせる場合には、休業手当の支払いが必要である。
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解約権を留保した労働契約とは
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わかりやすくいえば、採用内定通知書または誓約書に記載されている採用内定取り消し事由が
生じたときには解約できる旨の合意が含まれており、また卒業できなかった場合も当然に解約
できるものということです。
一般的には、次のような場合、内定取消が正当化されています。
1.単位不足で卒業できないとき
2.健康を著しく害したとき
3.反社会的な行為(窃盗・傷害・暴行・放火・器物破損等)があったとき
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採用内定取消に関する最高裁判決
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採用内定の取消が認められるのは、内定当時知ることができず、また、知ることが期待できな
いような事実であって、これを理由として採用内定を取り消すことが解約権留保の趣旨、目的
に照らして客観的に合理的と認められ、社会通念上相当として是認することができるものに限
られる(昭54.7.20 大日本印刷事件)。
=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=
行政解釈
=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=
旧労働省の行政解釈(昭27.5.27 基監発第15号)によると、会社の採用通知が労働契約そのも
のを完成させる使用者の意思表示であるか、又は労働契約締結の予約であるかは、「具体的個々の事情、特に採用通知の文言、当該会社の労働契約、就業規則等の採用手続に関する定
め、及び従来の取扱慣例による採用通知の意味等について総合的に判断して決定すべきもので
ある」としながらも、次のように解されるとしています。
1. 採用通知に赴任の日が指定されている場合には、一般にはその採用通知が発せられた日
に労働契約は成立したと認められる要素が強い(ただし、従来の慣例その他を勘案して決定されるべき)。
2.雇用契約締結の日を明示して採用通知がなされた場合は、一般には労働契約はその日に有
効に成立しているものと解されるから、その日以降における採用取消通知は本人の赴任前(現
実に就労するまでの期間)であっても解雇の意思表示であると解され、従って労働基準法第20
条(解雇予告)の適用がある。
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