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改正労働基準法可決成立

       労働法令を軽視できる時代は過ぎ去りました。

   知る者こそが自分を守れる。もはやそんな時代に突入しています。



◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇



   VOL.55  ≪ 目次 ≫


◎  改正労働基準法可決成立


◎  編集後記




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★   改正労働基準法可決成立


    改正労働基準法が5日の参院本会議で可決、成立しました。
    
    内容の一部は前回配信していますが今一度掲載しておきます。
    
    
    
    =============================================================
    
    
    (略)
    ただし、当該延長して労働させた時間が一箇月について“六十時間”
    を超えた場合においては、その超えた時間の労働については、通常の
    労働時間賃金の計算額の≪五割以上≫の率で計算した割増賃金
    支払わなければならない。
    
    
    
    (“ ”及び≪ ≫ は筆者による)
    
    
    
    修正案による附則によると施行期日は
    平成22年4月1日
    となっています。
   
   
   
    =============================================================
    
    
    
    業界及び職種によっては、かなり影響が出るでしょうね。
    
    
    たとえば、一般貨物自動車運送業における運転者。
    
    
    「時間外労働の限度に関する基準」の適用除外のひとつ
    自動車の運転の業務。
    
    ~ 具体的にいえばトラックのドライバーもそのひとつです。
    
    この業務に従事する労働者は、例えば1月の時間外労働の限度時間
    45時間以内(一般労働者の場合)という枠から外されています。
    
    
    ただし、無制限か? というとそうではなくて、 別途
    「自動車運転者の労働時間等の改善のための基準」
    (以下、改善基準とします)により労働時間管理することとされて
    います。
    
    
    
    
    改善基準によれば、時間外労働が1月当たり45時間を超えても
    OKです。ですから、70時間、80時間ということも可能です。
    
    
    
    実際、長距離トラックのドライバーを連想してもらうとわかりや
    すい、かな?
    
       
    
    もちろん、緩和されているのは時間外労働時間数であり、割増賃金
    をきちんと計算すべきなのは言うまでもありません。
    
    
    このように職種的にあらかじめ長時間に及ぶ時間外の発生を前提に
    している場合、今回の改正に対する対策をきちんと考える必要がよ
    り強く求められることになります。
    
    
    
    
    ※トラック等の運転者は業務です。ですから、運送業でも事務員等
     については「時間外労働の限度に関する基準」が適用されます。
    
    
    
     事業としてこれが適用除外になるのは“工作物の建設等の事業”など
     です。
     
     
     
     
     
    
    今回明文化された時間数が修正前の“80時間”を超えたら、の
    ままでしたら、そう大きな問題として捉える必要性も薄かったの
    ではないでしょうか?
    
    
    修正案による20時間の短縮。
    
    
    当事者にとってみれば、一般に考えるよりも厳しい事態が生じ
    るかもしれません。
    
    
    
    
    
    長時間労働を回避するひとつの改善方法としてワークシェアする、
    という発想も浮かびますが、トラック業界は高齢化が進み、若年者
    が来ない、育たない、ともいわれています。
    
    
    そこにワークシェアを提言しても、シェアする人材が確保できない
    んですからどうしても一人当たりの時間外労働の長時間化は避けら
    れない。
    
    
    さりとて、既述したように長時間そのものは別途ルールにより一定
    限度までは許容されているものの、時間外等に関する割増賃金の支
    払いそのものまで緩和されているわけではありません。
    
    
    よって、今のままでは確実に人件費が増加する、という事態になるわ
    けです。
    
    
    燃料高騰ショック、それをなかなか業界全体として運賃に転嫁でき
    ないジレンマ。
    
    それに加えて今回の割増賃金アップ。
    
    
    施行日までに解決する妙案を、業界全体で考察する必要に迫られている
    のではないでしょうか。
    
    
    もっとも、ワークシェアする方がより人件費が増額することも大いに
    考えられます。
    
    今のところ名案は、なかなか・・・
    
    
    
    
    また、今回の改正法案では
    
    
    
    
    “年次有給休暇の取得を促進するため、労使協定を締結すれば5日
     以内の有休を1時間単位で取得できることなど”を定めています。



    これって、本格的に導入すると、事務が煩雑になるんじゃないのか
    なぁ。でも、午前中の数時間だけ病院へ行くので、という場合は便利
    か。労使どちらの目線で考えるか、やな~。
    
    
    
    
    
    





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◇   編集後記


    アメリカ・ビッグ3の救済は実行される・・・みたいですねぇ。
    
    大きくて潰せない、か。
    
    
    中小企業からすればたまらんことですな。
    
    
    (- -)
    
    
    でも、今回の金融危機で株主最優先の会社経営がどんなに理不尽な
    事を招くか、ということが判明したわけでしょ?
    
    欧米型ならぬ米国型経営の破綻ともいえるわけです。
    
    
    日本も全面的に戻る必要はないにせよ、やはり従業員にも優しい経営
    をした方がいいと思うな。
    
    
    果実だけ独占し、責任は押し付ける。
    
    
    こんな経営方針は、遅かれ早かれその責任を問われるんじゃないか
    な?
    
    
    もっとも、たとえ年収1ドルで、といっても、それまでに天文学的
    な報酬を得ているビッグ3のCEOらにすれば、蚊に刺された程度
    のかゆみしか、感じないんだろうけどさ。
    
    それすらないか?   
    
    
    
    
    ず~っと以前、サラリーマンだった頃に阪急西宮北口駅近くの商店街
    にあるお店の担当になったことがあります。
    
    
    阪神間、それも阪急沿線というのに随分と昭和の香りが漂う街並み
    だったんですが、西宮ガーデンでしたっけ?
    
    
    あれがオープンして以来、街の雰囲気が一変したようですね。
    
    もっとも、僕自身は決して昭和レトロ風が嫌だったわけじゃなく、今
    ではむしろそちらの方に郷愁を感じて足が向きそうなんですが、一般
    論とすれば、当分は西宮ガーデンの方が繁盛し、レトロな街並みは閑
    散としちゃうんでしょうかねぇ。
    
    
    近隣の市にできたショッピングセンターは、その町の人曰く
    「わが町であってわが町ではない。あそこは別世界です」
    らしいです。
    
    
    特にクリスマスシーズンは華やかなイルミネーションに彩られます
    からね。
    
    
    個人消費停滞の昨今、この年末年始が過ぎた頃にどうなのか?
    小売業経験者としては、そちらの方に興味があります。
    
    
    建設計画時には、まさかこんな金融危機に見舞われるなんて想定
    してなかったと思うから。
    
    
    
    
    

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発行元 :  たなか社会保険労務士事務所


       社会保険労務士/キャリア・コンサルタント

       
       田中 雅也

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