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残業禁止命令中の残業について

みなさん、こんにちは!
「ひとの人生には、三回だけ自由な時期がある」と言います。
それは、小学校に入る前と、学生のときと、そして定年後だそうです。
この3つの時期を「時間軸」で見てみると、
第1の幼少期は、生まれて「ものの分別」が分るようになってから小学校までの
大よそ3年くらいでしょうか。
第2の学生の時期も、精々が2年くらいなものでしょう。
然し、第3の定年後の時期はとても長いのです。定年後死ぬまで20年以上続く人も
少なくないでしょう。だから誰でもが、この時期をそれこそ「第2の人生」と言って、
気合を入れてその過ごし方をあれこれ模索することになるんでしょうね。

中には定年退職後は、一切仕事をしないという人も沢山います。
定年後には、そこそこの年金を受け取り、ほどほどの知的満足を得るため聴講生になって
週に2~3回大学に通い、住み慣れた土地で持ち回りの地域の役員をしながら、かわいい孫
の姿を見ながら暮らす、という人たちです。
実に羨ましい暮らし方です。まるで、昔の、あの楽しかった子供時代に戻って、平穏な生活を
楽しんでいるような趣があります。

定年後に仕事をしないと決めた人の中には、全く新しい価値観に目覚めた方もいます。
忙しく働いていた一人の男が定年になり、新しい仕事につく気もないので、急に暇になった
そうです。隣近所との付き合いは一切してこなかったので、地域の役員になるような話もなく、
大学の聴講生になる気もなかったそうです。
だから、定年退職後暫くは、家でゴロゴロしているより仕方がなかったそうです。暇にはなった
ものの家事は何一つできない。金を稼ぐという仕事を無くした彼は、奥さんや家族の厄介ものに
なってズット過ごしていくのかと段々と気が滅入って行ってしまったそうです。
 ところが彼の奥さんが、遊ばせて置くのはもったいないと、彼に家事を教えはじめました。
元々凝り性な人だった彼も、それまで会社で仕事に取り組んできたように家事に真剣に取り組んだ
そうです。そうすると持ち前の几帳面さでみるみるうちに家事を覚え、最後には奥さんより良く
出来るようになったばかりか、いつの間にか家族の中では欠かせない必存在になっていたそうです。
家事も仕事だと思って徹底的にやったんでしょうね。

この話を聞いたとき、いい話だと思いました。家事に真剣に取り組む彼の満足げな表情が頭に
浮かぶのです。そして、私は思うのです。
「人生イロイロ!、人生バンザイ!」と。

さて、
前回の「高年齢者再雇用制度」についての話、如何でしたでしょうか。

今回は、「残業禁止命令中の残業について」についての話をします。

──────────◆ 目 次 ◆──────────────
○ 「残業禁止命令中の残業について」
──────────────────────────────────
平成17年の3月30日に東京高裁で下された労働時間に関する判決(神代学園ほか事件)は、
なかなか興味深い内容を含んでいます。そのポイントは、以下の通りです。
 この判決にはいくつかの論点があるのですが、その中からここでは「残業禁止命令に
違反して行われた残業に対する割増賃金支払義務の有無」という点を見ることとします。
この事案では、労働組合と会社の間で36協定締結に関する交渉がまとまらない状態において、
会社が従業員に対し、
(1)朝礼等の機会および役職者を通じて繰り 返し、36協定が締結されるまでの残業禁止という
業務命令を出した上で、
(2)残務がある場合には役職者に引き継ぐことを命じ、徹底していました。
このような状況下において、業務命令に反して行われた残業について、労働者側が割増賃金
の支払いを要求していたのですが、東京高裁は以下のように判事し、その請求を棄却しました。

--------------------------------------- 
賃金(割増賃金を含む。以下同じ)は労働の対償であるから、賃金が労働した時間によって
算定される場合に、その算定の対象となる労働時間とは労働者使用者の指揮命令下にある時間、
または使用者の明示または黙示の指示により業務に従事する時間であると解すべきものである。
従って、使用者の明示の残業禁止の業務命令に反して労働者が時間外または深夜にわたり業務を
行ったとしても(中略)賃金算定の対象となる労働時間と解することはできない」
--------------------------------------
特に今回の事件では36協定未締結という状況であり、この残業禁止命令は労働者時間外労働
させない法的義務を履行するためのものであったこと、そして残務がある場合には役職者に
引き継ぐという実務的な対応まで命令し、徹底していたことが決め手になったと考えられます。
だから、ある意味では、本件は特殊な要素があることは否めませんが、
労働時間の大原則は使用者からの業務命令に基づくものであるということ”を確認している点は
実務を行う上においても、重要なポイントとなるでしょう。
時間外労働および休日労働を行う際の申請および許可プロセスについて、問題がないかを
再確認することをお勧めします。

今回は、ここまでです。

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