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訴訟問題?

著者 ふぃぼなっち さん

最終更新日:2010年05月24日 00:10

社員との金銭貸借について。
以前、社員へ五十万円貸した事があります。その際、「利息の代わりにその社員の休日を毎週一日、向こう二ヶ月間(実際は金を貸す者の強みでその後一ヶ月半延長させたのですが・・)ただ働きする。(朝から夕方のチャーターの仕事)」、「返済は給料天引きということで」。双方納得の上での貸借関係になりました。
この方法だと、貸し倒れの心配が無く、お互いの利益にもなると思うのですが、法律的にはどうなのでしょう。
宜しくお願い致します。

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Re: 訴訟問題?

労働基準法第17条では、
使用者は、前借金その他労働することを条件とする前貸の債権賃金相殺してはならない。
としています。つまり、労働することを条件とする前貸の債権賃金相殺することを認めてしまうと、不当に労働者の身分を拘束することになりかねなません。
このような不当な身分拘束を防止するため前借金と賃金相殺を禁止してるのです。
ただし、労働者が自己の意思によって自主的に相殺することは禁止されていません。
労働者の身分的拘束の手段にならないこと等が明白な場合、「前借金その他労働することを条件とする前貸の債権」には当たらず、同条違反とはならないこともあります。
労働者の自己の意思による場合であれば、労働者の不利益となる危険が少なく、労働者にとっても会社にとっても事務処理上便宜的だからと考えられるようです。しかし、ここでいう自己の意思による場合とは、単なる同意や合意ではなく、より積極的な労働者意思表示です。

ご質問では、たとえ双方納得の上でも、
>ただ働き
>給料天引き
からして「前借金その他労働することを条件とする前貸の債権」を賃金相殺する行為そのもので、法に抵触し、問題あり、と考えます。

Re: 訴訟問題?

原則として、使用者が一方的に給料から天引きすることはできませんが、書面による労使協定がある場合には、その協定に従う限り、給料からの天引きが認められます。

給料その他の賃金は、労働者にその全額を支払うことが必要です。
ただし、使用者は、事業場労働者の過半数を代表する労働組合との間で労使協定賃金控除協定)を締結した場合には、その協定に従う限り、賃金の一部を天引き(控除)することができます。
労使協定は、労働者の過半数を代表する労働組合がない事業場においては、当該事業場労働者の過半数を代表する者との間で締結します。
判例によると、ここでいう「天引き」には、使用者からの一方的な相殺が含まれます。

使用者は、前借金その他労働することを条件とする前貸しの債権については、賃金相殺することができません。
違反した場合は、6か月以下の懲役又は30万円以下の罰金に処せられます。
もっとも、労働者の求めに応じて当座の生活費を前貸しした場合など、使用者による労働の強制や不当な身分的拘束の手段でないことが明白な場合は、労使協定に基づく賃金との相殺が認められます。
ただし、労使協定に基づく場合でも、給料の額の4分の1を超える部分は、相殺することができません。

社員への多額の貸し付け、回収が適切に行えないとすれば、弁護士、司法書士社労士ご専門家の方々とご相談されることが必要でしょう。

Re: 訴訟問題?

著者外資社員さん

2010年05月24日 15:28

状況から言って、法的に真っ黒でしょう。

すでに給与との相殺問題は指摘されていますが、それ以外にも利息制限法の問題があります。

業としない貸しですが、上限年利18%として年利9万円、1日辺りでは246円程度、月では7500円、月に3回働いたと限定しても、一回辺りの利息は2500円。
これと1日の労働を比べれば労働賃金が上回ることは明白です。 (更に民事では5%が上限金利)

となれば、利息制限法を越える利息を労働により得ており、あまりにも過酷な条件です。
民事裁判を起こされれば、負ける可能性大です。

Re: 訴訟問題?

著者ふぃぼなっちさん

2010年05月25日 22:10

皆様、回答有難うございます。
民事で負けますか・・絶句です。はじめの二ヶ月は相手からの申し出でしたし、合意のものなのです。ここまでなら許されるのかもしれませんね。経営者として浅はかな行為でした。
今後の対応を考えさせていただきます。
ありがとうございました。

Re: 訴訟問題?

著者外資社員さん

2010年05月26日 08:35

ふぃぼなっちさん

利息と労働に関しては、相殺の禁止と上限金利の問題もありますから、精算しておいたら如何でしょうか。

その上で、新たに利息を定めるのが良いように思います。
幸い、相手の申し出に合意の上とのことですから、精算しておけばリスクはずいぶんと減るのだと思います。

Re: 訴訟問題?

著者ふぃぼなっちさん

2010年05月27日 03:54

外資社員さま、重ね重ねのご指南、恐縮いたします。
今回の件に付きましては、民法709条にも抵触のおそれがあるようで、相手側への経緯の説明、謝罪、慰謝料(気持ち程度ですが)、ならびに労働への対価をお支払いするつもりでおります。
相手側の三ヶ月半もの時を思うと、申し訳ないと思うばかりです。
有難う御座いました。心より感謝致します。

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