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不遡及の原則について

著者 れんたろう さん

最終更新日:2009年07月07日 19:01

いつもお世話になっております。

新人総務のれんたろうともうします。

実は先日ある社員が業務に関して損失を出しまして、

その件について株主の代表者から「天引きで補填させるように」という意見が出ているようなのです。

今までは損失を出した場合でも報告書及び訓告のみだったのですが、

お得意様に対しての業務ミスとの事だったからなのか
個人に補填させることで罰則とすることを考えているようです。

もちろんこのようなことは前例がなく、小さい会社のためか、罰則に関しての規定も定められてはおりません。

今後そういった処置を行う、もしくは次回査定時の対象とする、ということでしたら分かるのですが
こういったように実際にことが起こってしまってからルールを作って処分するのは雇用上問題がないものなのでしょうか?

不勉強で申し訳ございませんがアドバイスなどいただけましたら幸いです。

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Re: 不遡及の原則について

著者外資社員さん

2009年07月08日 08:16

こんにちは

不遡及の原則は、深い話しは法律の専門家に伺うしかないのだと思いますが、素人なりの理解を書いてみます。
観点は、法的な1)解釈、2)労働法の解釈、3)金額についてです。


1)実務の面で言えば、憲法が求めているのは「刑事罰に対する不遡及」と思います。 ですから、私法である会社内の規則は別なのだと思います。望ましくはないものの、遡及する規則を定め、それを適用することは違法ではないの解釈は可能です。

2)一方の労働法の解釈として、損害賠償や罰金等は就業規則等に定めがあり徹底されていることが必要との意見があります。 お問い合わせの件は、この部分にかかるのだと思います。 ただし、私は個人的には必須とは思っておりませんが、一般に求められている事を行わない場合には違法と判断されるリスクが大きいのだと思います。

私が、就業規則等での規定が必須ではないと思うのは、労働者に重過失があれば、その損害を民事賠償として求めるのは可能だと思うからです。 民事裁判などの手続きを経ずとも、それと同等 または未満の賠償を請求することは、相互の合意があれば時間や裁判の手間を減らし、双方にとって利益があると判断出来る場合があるからです。
もちろん、そうした条件を満たさなければ、賠償の請求を罰金等によりかえることはできないと思います。

3)金額
過去の判例から、重過失でも損害額の1/4程度、最近では10%以下との判例もあるようです。 金額の設定には十分な注意が必要と思います。

Re: 不遡及の原則について

ご質問の現時点では民法の一般原則の規定に基づき労働者労働契約上の債務履行していないとして、債務履行民法第415条)、または故意・過失によって損害を与えたとして、不法行為民法第709条)として、労働者使用者に対して損害賠償請求を行えます。

就業規則に何の定めも無い段階では、就業規則を根拠に行える懲戒処分は何もありません。
設定するのでしたら、服務規程で具体的に記述し、これらと懲戒規定を 1つの漏れもなく連動させることです。

法の不遡及:行為の時点で、それを犯罪として処罰する法律がないなら、将来法律改正がなされ、犯罪であるとされた場合でも、遡って処罰すること、ないし、実行時よりも後に定められたより厳しい罰に処すことを禁止すること。

また、給与天引きはできません。
労働基準法第16条では、使用者は、労働契約の不履行について違約金を定め、又は損害賠償を予定する契約をしてはならないことになってはいます。
しかしこれは、使用者が、現実に生じた損害について賠償を請求することを禁止するものではありません(昭和22.9.13基発17号)。 から、給与を支払ったあと、民事の損害賠償請求で行えます。

余談ですが、
労働者の負担割合については、裁判例では、その業務の内容、労働条件勤務態度、加害行為の内容、会社の日頃からの予防対策の状況などを総合的に考慮して、損害の公平な分担という見地から相当と認められる限度を定めています。
故意による違法行為である場合を除き、労働者損害賠償責任は制限されるのが一般的です。
(1)会社は保険加入等により通常の業務で発生する危険負担を分散させることができる。
(2)会社は、潜在的に発生するリスクを抱えながら事業を行って利益を上げているから、会社の指揮命令に従って業務を遂行している労働者だけにその過程で発生した損害について全額を負担させるというのではあまりに不均衡で適切ではない。
(3)会社と労働者の経済力に大きな差がある。
などに因るとされます。
このような考え方から、労働者が労働を遂行する過程で通常発生する事が予測されるミス(軽微な過失)の場合は「損害の公平な分担」という信義則上の基本理念から、損害賠償責任を認めることは難しいと言われています。

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