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■
行政書士津留信康の『身近な法務サポートマガジン』<第65号/2005/10/1>■
1.はじめに
2.「
会社法務」編(特別企画)―
「中小企業経営者・
ベンチャー創業者のための“
会社法”のポイント(9)」
4.編集後記
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1.はじめに
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皆様、こんにちは。
行政書士の津留信康です。
先日開会した第163国会における「小泉内閣総理大臣の所信表明演説」の中に、
『資金の「入口」の郵政民営化だけではなく、
「出口」の政府系金融機関の改革に取り組んでまいります』との文言があった通り、
年内にも、その統廃合に関する何らかの方針が示される模様です。
しかし、現在、中小・
ベンチャー企業や個人
事業者の資金調達面においては、
中小公庫・国民公庫など、政府系金融機関の役割が極めて大きいだけに、
改革の行方が、非常に気になるところです。
それでは、今回もどうぞ最後までお付き合いください。
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2.「
会社法務」編(特別企画)―
「中小企業経営者・
ベンチャー創業者のための“
会社法”のポイント(9)」
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■
会社法施行後の「有限会社」(2)
―
会社法施行時、既に設立されている有限会社をどうするのか?
<選択その1―
会社法による
株式会社(
特例有限会社)として、存続させる>
☆=
会社法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律
□旧有限会社の存続(☆第1章第2節第1款)
会社法には、旧有限会社(廃止前の有限
会社法による有限会社であって、
会社法施行時、現に存するもの)は、
会社法施行日以降、
会社法による
株式会社として存続する旨、
規定されており(☆第2条第1項)、
旧有限会社の「
定款、社員、持分および出資一口」は、
それぞれ、存続する
株式会社の「
定款、
株主、株および一株」と、
みなされます(☆同条第2項)。
□
経過措置&
特例有限会社に関する
会社法の特則(☆整備法同章同節第2款)
会社法の規定により存続する
株式会社(
特例有限会社)には、
その
商号中に、有限会社という文字を用いなければならず(☆第3条第1項)、
その
商号中に、
株式会社などと誤認されるおそれのある文字を、
用いることはできません(☆同条第2項)。
なお、同款における、上記第3条(
商号に関する特則)以外にの規定は、
次のとおりですので、経営者様におかれましては、是非一度ご確認ください。
1.旧有限会社等の設立手続き等の効力(☆第4条)
2.
定款に関して(☆第5条・第6条)
3.出資の
引受けの
意思表示の効力(☆第7条)
4.社員名簿に関して(☆第8条)
5.株式の
譲渡制限の定めに関して(☆第9条)
6.持分に関して(☆第10条~第13条)
7.
株主総会・社員総会等について(☆第14条~第17条)
8.
取締役等に関して(☆第18条~第25条)
9.
会計帳簿・
計算書類に関して(☆第26条~第28条)
10.その他(☆第29条~第41条、第44条)
11.
登記に関して(☆第42条・43条)
□旧有限会社を、
会社法上の
特例有限会社として存続させる場合には、
一部の場合を除き、ほとんどの
登記手続きは、
登記官の職権で行われるため、
会社法施行時、特段の
登記手続き等の必要はありません。
なお、詳しくは、「
会社法の施行に伴う会社
登記についてのQ&A」(※)
をご覧ください。
※)法務省
http://www.moj.go.jp/MINJI/minji92.html
□ある有限会社経営者の方から、ご質問を受けたのですが、
会社法施行と同時に、
旧有限会社が、自動的に、
株式会社に切り替わる訳ではありません。
あくまでも、旧有限会社が、
特例有限会社として存続するだけですので、
会社法上の
株式会社へ組織変更をご希望の経営者様は、
所定の手続き(※)が必要となりますので、ご注意ください。
※)次号(2005/10/15発行予定の第66号)で、ご紹介する予定です。
★本号では、「有限責任事業組合
契約に関する法律」(全9章/全76条)のうち、
「第3章」のポイントについて、ご紹介いたします。
■有限責任事業組合
契約に関する法律(以下、LLP法)
―「第3章 組合員の加入および脱退」(第24条~第27条)
□組合員の加入
組合員は、新たに組合員を加入させることができます(第24条第1項)。
また、新たに組合員になろうとする者が、当該加入に係る組合
契約の変更時、
その出資に係る払込みまたは給付の全部または一部を
履行していないときは、
当該出資に係る払込みまたは給付を完了した時に、
組合員となります(同条第2項)。
□組合員の脱退
1.任意脱退
各組合員は、止むを得ない場合を除いて、
組合を脱退することはできません(第25条本文)が、
組合
契約書において、別段の定めをすることもできます(第25条但書)。
2.法定脱退
1の場合以外による、組合員の法定脱退事由は、次の4つです(第26条)。
1)死亡
2)破産手続開始の決定を受けたこと
3)
後見開始の審判を受けたこと
4)除名(次項参照)
□組合員の除名
組合員の除名は、
組合員が、その職務を怠ったとき、その他正当な事由があるときに限り、
他の組合員の一致により行うことができます(第27条第1項本文)が、
組合
契約書において、他の組合員の一致を要しない旨の定めをすることも、
可能です(同条第1項但書)。
なお、組合員の除名は、除名した組合員に対して、その旨を通知しなければ、
その組合員に対抗することはできません(同条第2項)。
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4.編集後記
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■第65号は、いかがでしたか?
ところで、2005/9/21、
総務省の「
住民基本台帳の閲覧制度等のあり方に関する研究会」
がまとめた報告書(素案)には、「
住民基本台帳の一部閲覧制度は、
原則禁止(本人・家族・行政など以外の閲覧は公益目的のものに限定し、
DMなどの営利目的による閲覧は禁止)とすべき!」
との提言が盛り込まれた、とのことです。
同省では、2005/9/22~10/6募集の
パブリックコメント(※1)を踏まえ、
10月下旬に同報告書を決定の上、
次期通常国会に、
住民基本台帳法改正案を提出する方針とのことです。
※1)
http://www.soumu.go.jp/s-news/2005/050922_1.html
なお、これら一連の流れ(概略)については、
私のブログ(※2)に、まとめてありますので、どうぞご覧ください。
※2)
http://n-tsuru.cocolog-nifty.com/blog/2005/09/post_5e1b.html
★事務所からのご案内
「当メールマガジンへのご意見・ご要望」や「業務のご依頼・ご相談」は、
事務所HP(
http://www.n-tsuru.com )のメールリンクから、ご送信願います。
■次号(第66号)の発行予定⇒2005/10/15
「市
民法務」編―「
遺言・
相続の法務に活かす、
民法親族編の基礎(12)」
■編集責任者:
行政書士 津留信康
http://www.n-tsuru.com
■ブログ:「徒然なるままに」
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■発行システムは、「まぐまぐ」
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■当メールマガジンの無断転載等を禁じます。
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■行政書士津留信康の『身近な法務サポートマガジン』<第65号/2005/10/1>■
1.はじめに
2.「会社法務」編(特別企画)―
「中小企業経営者・ベンチャー創業者のための“会社法”のポイント(9)」
4.編集後記
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1.はじめに
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皆様、こんにちは。行政書士の津留信康です。
先日開会した第163国会における「小泉内閣総理大臣の所信表明演説」の中に、
『資金の「入口」の郵政民営化だけではなく、
「出口」の政府系金融機関の改革に取り組んでまいります』との文言があった通り、
年内にも、その統廃合に関する何らかの方針が示される模様です。
しかし、現在、中小・ベンチャー企業や個人事業者の資金調達面においては、
中小公庫・国民公庫など、政府系金融機関の役割が極めて大きいだけに、
改革の行方が、非常に気になるところです。
それでは、今回もどうぞ最後までお付き合いください。
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2.「会社法務」編(特別企画)―
「中小企業経営者・ベンチャー創業者のための“会社法”のポイント(9)」
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■会社法施行後の「有限会社」(2)
―会社法施行時、既に設立されている有限会社をどうするのか?
<選択その1―会社法による株式会社(特例有限会社)として、存続させる>
☆=会社法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律
□旧有限会社の存続(☆第1章第2節第1款)
会社法には、旧有限会社(廃止前の有限会社法による有限会社であって、
会社法施行時、現に存するもの)は、
会社法施行日以降、会社法による株式会社として存続する旨、
規定されており(☆第2条第1項)、
旧有限会社の「定款、社員、持分および出資一口」は、
それぞれ、存続する株式会社の「定款、株主、株および一株」と、
みなされます(☆同条第2項)。
□経過措置&特例有限会社に関する会社法の特則(☆整備法同章同節第2款)
会社法の規定により存続する株式会社(特例有限会社)には、
その商号中に、有限会社という文字を用いなければならず(☆第3条第1項)、
その商号中に、株式会社などと誤認されるおそれのある文字を、
用いることはできません(☆同条第2項)。
なお、同款における、上記第3条(商号に関する特則)以外にの規定は、
次のとおりですので、経営者様におかれましては、是非一度ご確認ください。
1.旧有限会社等の設立手続き等の効力(☆第4条)
2.定款に関して(☆第5条・第6条)
3.出資の引受けの意思表示の効力(☆第7条)
4.社員名簿に関して(☆第8条)
5.株式の譲渡制限の定めに関して(☆第9条)
6.持分に関して(☆第10条~第13条)
7.株主総会・社員総会等について(☆第14条~第17条)
8.取締役等に関して(☆第18条~第25条)
9.会計帳簿・計算書類に関して(☆第26条~第28条)
10.その他(☆第29条~第41条、第44条)
11.登記に関して(☆第42条・43条)
□旧有限会社を、会社法上の特例有限会社として存続させる場合には、
一部の場合を除き、ほとんどの登記手続きは、登記官の職権で行われるため、
会社法施行時、特段の登記手続き等の必要はありません。
なお、詳しくは、「会社法の施行に伴う会社登記についてのQ&A」(※)
をご覧ください。
※)法務省
http://www.moj.go.jp/MINJI/minji92.html
□ある有限会社経営者の方から、ご質問を受けたのですが、
会社法施行と同時に、
旧有限会社が、自動的に、株式会社に切り替わる訳ではありません。
あくまでも、旧有限会社が、特例有限会社として存続するだけですので、
会社法上の株式会社へ組織変更をご希望の経営者様は、
所定の手続き(※)が必要となりますので、ご注意ください。
※)次号(2005/10/15発行予定の第66号)で、ご紹介する予定です。
★本号では、「有限責任事業組合契約に関する法律」(全9章/全76条)のうち、
「第3章」のポイントについて、ご紹介いたします。
■有限責任事業組合契約に関する法律(以下、LLP法)
―「第3章 組合員の加入および脱退」(第24条~第27条)
□組合員の加入
組合員は、新たに組合員を加入させることができます(第24条第1項)。
また、新たに組合員になろうとする者が、当該加入に係る組合契約の変更時、
その出資に係る払込みまたは給付の全部または一部を履行していないときは、
当該出資に係る払込みまたは給付を完了した時に、
組合員となります(同条第2項)。
□組合員の脱退
1.任意脱退
各組合員は、止むを得ない場合を除いて、
組合を脱退することはできません(第25条本文)が、
組合契約書において、別段の定めをすることもできます(第25条但書)。
2.法定脱退
1の場合以外による、組合員の法定脱退事由は、次の4つです(第26条)。
1)死亡
2)破産手続開始の決定を受けたこと
3)後見開始の審判を受けたこと
4)除名(次項参照)
□組合員の除名
組合員の除名は、
組合員が、その職務を怠ったとき、その他正当な事由があるときに限り、
他の組合員の一致により行うことができます(第27条第1項本文)が、
組合契約書において、他の組合員の一致を要しない旨の定めをすることも、
可能です(同条第1項但書)。
なお、組合員の除名は、除名した組合員に対して、その旨を通知しなければ、
その組合員に対抗することはできません(同条第2項)。
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4.編集後記
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■第65号は、いかがでしたか?
ところで、2005/9/21、
総務省の「住民基本台帳の閲覧制度等のあり方に関する研究会」
がまとめた報告書(素案)には、「住民基本台帳の一部閲覧制度は、
原則禁止(本人・家族・行政など以外の閲覧は公益目的のものに限定し、
DMなどの営利目的による閲覧は禁止)とすべき!」
との提言が盛り込まれた、とのことです。
同省では、2005/9/22~10/6募集のパブリックコメント(※1)を踏まえ、
10月下旬に同報告書を決定の上、
次期通常国会に、住民基本台帳法改正案を提出する方針とのことです。
※1)
http://www.soumu.go.jp/s-news/2005/050922_1.html
なお、これら一連の流れ(概略)については、
私のブログ(※2)に、まとめてありますので、どうぞご覧ください。
※2)
http://n-tsuru.cocolog-nifty.com/blog/2005/09/post_5e1b.html
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■次号(第66号)の発行予定⇒2005/10/15
「市民法務」編―「遺言・相続の法務に活かす、民法親族編の基礎(12)」
■編集責任者:行政書士 津留信康
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