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平成18年6月1日
知った日から利益を生み出す
社会保険・
労務管理
第71号
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みなさん、こんにちは。
『利益を生み出す
社労士』のコエヅカです(^o^)丿
今回は、
雇用リスクの説明をします。
企業経営は、「人、物、金、情報」を活用して利益を上げることと考えます。
「人」をうまく活用し利益を上げることが大切ですが、一方で
人を雇うことに
伴いリスク(
雇用リスク)が発生し、利益に影響を与えます。
社会保険労務士の立場から見た
雇用リスクについて説明します。
1.
社会保険未加入リスク
(1)起業したばかりで、資金繰りに余裕がない場合、
労働保険(
労災保険、
雇用保険)、
社会保険(
健康保険、介護保険、
厚生年金保険)に未加入の強
制
適用事業所の場合や既存の
強制適用事業所が営業を継続しながら、社会保
険を脱退した場合。
A
健康保険の給付
健康保険では、
傷病手当金、
出産手当金が支払われますが、
国民健康保険の
場合には支払われません。この場合、
従業員より
傷病手当金、
出産手当金の
請求が事業主に請求される可能性があります。
B
厚生年金保険の給付
・1級~3級の
障害厚生年金に該当する障害状態になった場合、本来なら障
害
厚生年金が支給されます。年金ですから、平均余命まで生きたと想定し、
金額を積算しそれを現在価値に置き換え一時金で事業主に対して
損害賠償請
求される可能性があります。
平均標準報酬額にもよるでしょうが莫大な金額
となる可能性があります。
・
従業員が死亡し、
遺族年金が本来なら支払われたケースの場合も、年金で
すから、遺族が平均余命まで生存したものと仮定し、金額を積算しそれを現
在価値に置き換え一時金で事業主に対して
損害賠償請求される可能性があり
ます。
平均標準報酬額にもよるでしょうが莫大な金額となる可能性がありま
す。
・
老齢厚生年金が支給される年齢に達し、本来なら
老齢厚生年金が支給され
たケースの場合も、年金ですから、本人が平均余命まで生存したものと仮定
し、金額を積算しそれを現在価値に置き換え一時金で事業主に対して損害賠
償請求される可能性があります。
平均標準報酬額にもよるでしょうが莫大な
金額となる可能性があります。
C
雇用保険の給付
基本手当だけとっても、
失業した場合で支給条件を満たす場合、本来基本手
当として支給を受けられる金額が、事業主に請求される可能性があります。
D
労災保険
労災事故が発生した場合、事業主が故意又は重大な過失により
労災保険に加入
していない期間に発生した業務上の事故について
保険給付を行った場合、給付
額の100%を支給の都度、都道府県労働局長から徴収されます。
★
社会保険強制適用事業所は
社会保険に加入する義務があります。適用となる
従業員の
社会保険料負担分を徴収し、自己の負担分と合わせ、期限内に保険料
を納付する義務があります。
強制適用事業所が、
社会保険未加入の場合、行政罰として、懲役や罰金が科さ
れますが、怖いのは、
従業員から
債務不
履行で上記のような民事上の
損害賠償
請求で訴えられた場合です。
(2)アルバイト・パートタイマーを
雇用しており、それら者の
労働時間、労
働日数が、当初から
社会保険の加入条件(1日又は1週間の
労働時間が正社員の
概ね3/4以上であることかつ1ヶ月の労働日数が正社員の概ね3/4以上で
あること)を超えるにも係らず
社会保険に未加入の場合。また、当初は、社会
保険の加入条件を満たさない
労働時間・労働日数で
契約したが、恒常的な時間
外労働のためため、結果的に
社会保険の加入条件を満たすようになったにも係
らず
社会保険に未加入の場合。
社会保険料の遡及徴収及び
老齢厚生年金の返還
この場合、
会計検査院の調査が入ると最大過去2年間に遡って、
社会保険料が
徴収されます。
従業員負担分も含めて徴収されますので、数千万円以上になる
ことがあります。また。高齢者で
老齢厚生年金を受給していた者は在職老齢年
金が支給されることになり、年金の支給額は全額又は一部支給停止となります。
従って、既に受給していた分と
在職老齢年金との差額を返還しなければなりま
せん。この返還した額を
使用者が補填するとなると数百万円以上になることが
あります。
このように
社会保険未加入者が多数いる企業に
会計検査院の調査が入ると企業
存続の危機をむかえることとなります。
次回も
雇用リスクの説明をします。
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【編集後記】
社会保険事務所・
社会保険庁の不正がまた発覚しました。
国民年金の免除申請を本人の承認を得ないで勝手行っていました。免除申請は、
本人が申請すべきもので、
社会保険事務所の職員が勝手に申請することは、明
確な法律違反です。
国民年金の未納率が約4割あるため、目標の未納率2割達成のためにこうした
不正が行われたようです。
全ては、役人の自己保身のため、未納率未達成により成績評価が下がることを
恐れた結果だと思います。
未納率減少のための地道な努力を怠り、こうした安易な手段に頼る姿勢は糾弾
されるべきでしょう。
こうした、
社会保険事務所・
社会保険庁への不信が、年金不信に繋がり、未納
率を逆に引き上げるのではないかと心配しています。
最後までお読み頂き、ありがとうございました。コエヅカでした。
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【免責条項】
当メールマガジンの記載内容には細心の注意を払っておりますが、
記載の内容によって生じた損害については責任を負いかねますので
ご了承ください。
ご意見・ご質問があれば、下記までご連絡下さい。
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info@osaka-sr.com
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社会保険労務士 肥塚道明
無断転載・転写・コピー・転送等は禁じます。
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配信中止はこちら
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平成18年6月1日
知った日から利益を生み出す社会保険・労務管理
第71号
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みなさん、こんにちは。
『利益を生み出す社労士』のコエヅカです(^o^)丿
今回は、雇用リスクの説明をします。
企業経営は、「人、物、金、情報」を活用して利益を上げることと考えます。
「人」をうまく活用し利益を上げることが大切ですが、一方で人を雇うことに
伴いリスク(雇用リスク)が発生し、利益に影響を与えます。
社会保険労務士の立場から見た雇用リスクについて説明します。
1.社会保険未加入リスク
(1)起業したばかりで、資金繰りに余裕がない場合、労働保険(労災保険、
雇用保険)、社会保険(健康保険、介護保険、厚生年金保険)に未加入の強
制適用事業所の場合や既存の強制適用事業所が営業を継続しながら、社会保
険を脱退した場合。
A 健康保険の給付
健康保険では、傷病手当金、出産手当金が支払われますが、国民健康保険の
場合には支払われません。この場合、従業員より傷病手当金、出産手当金の
請求が事業主に請求される可能性があります。
B 厚生年金保険の給付
・1級~3級の障害厚生年金に該当する障害状態になった場合、本来なら障
害厚生年金が支給されます。年金ですから、平均余命まで生きたと想定し、
金額を積算しそれを現在価値に置き換え一時金で事業主に対して損害賠償請
求される可能性があります。平均標準報酬額にもよるでしょうが莫大な金額
となる可能性があります。
・従業員が死亡し、遺族年金が本来なら支払われたケースの場合も、年金で
すから、遺族が平均余命まで生存したものと仮定し、金額を積算しそれを現
在価値に置き換え一時金で事業主に対して損害賠償請求される可能性があり
ます。平均標準報酬額にもよるでしょうが莫大な金額となる可能性がありま
す。
・老齢厚生年金が支給される年齢に達し、本来なら老齢厚生年金が支給され
たケースの場合も、年金ですから、本人が平均余命まで生存したものと仮定
し、金額を積算しそれを現在価値に置き換え一時金で事業主に対して損害賠
償請求される可能性があります。平均標準報酬額にもよるでしょうが莫大な
金額となる可能性があります。
C 雇用保険の給付
基本手当だけとっても、失業した場合で支給条件を満たす場合、本来基本手
当として支給を受けられる金額が、事業主に請求される可能性があります。
D 労災保険
労災事故が発生した場合、事業主が故意又は重大な過失により労災保険に加入
していない期間に発生した業務上の事故について保険給付を行った場合、給付
額の100%を支給の都度、都道府県労働局長から徴収されます。
★社会保険強制適用事業所は社会保険に加入する義務があります。適用となる
従業員の社会保険料負担分を徴収し、自己の負担分と合わせ、期限内に保険料
を納付する義務があります。
強制適用事業所が、社会保険未加入の場合、行政罰として、懲役や罰金が科さ
れますが、怖いのは、従業員から債務不履行で上記のような民事上の損害賠償
請求で訴えられた場合です。
(2)アルバイト・パートタイマーを雇用しており、それら者の労働時間、労
働日数が、当初から社会保険の加入条件(1日又は1週間の労働時間が正社員の
概ね3/4以上であることかつ1ヶ月の労働日数が正社員の概ね3/4以上で
あること)を超えるにも係らず社会保険に未加入の場合。また、当初は、社会
保険の加入条件を満たさない労働時間・労働日数で契約したが、恒常的な時間
外労働のためため、結果的に社会保険の加入条件を満たすようになったにも係
らず社会保険に未加入の場合。
社会保険料の遡及徴収及び老齢厚生年金の返還
この場合、会計検査院の調査が入ると最大過去2年間に遡って、社会保険料が
徴収されます。従業員負担分も含めて徴収されますので、数千万円以上になる
ことがあります。また。高齢者で老齢厚生年金を受給していた者は在職老齢年
金が支給されることになり、年金の支給額は全額又は一部支給停止となります。
従って、既に受給していた分と在職老齢年金との差額を返還しなければなりま
せん。この返還した額を使用者が補填するとなると数百万円以上になることが
あります。
このように社会保険未加入者が多数いる企業に会計検査院の調査が入ると企業
存続の危機をむかえることとなります。
次回も雇用リスクの説明をします。
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【編集後記】
社会保険事務所・社会保険庁の不正がまた発覚しました。
国民年金の免除申請を本人の承認を得ないで勝手行っていました。免除申請は、
本人が申請すべきもので、社会保険事務所の職員が勝手に申請することは、明
確な法律違反です。
国民年金の未納率が約4割あるため、目標の未納率2割達成のためにこうした
不正が行われたようです。
全ては、役人の自己保身のため、未納率未達成により成績評価が下がることを
恐れた結果だと思います。
未納率減少のための地道な努力を怠り、こうした安易な手段に頼る姿勢は糾弾
されるべきでしょう。
こうした、社会保険事務所・社会保険庁への不信が、年金不信に繋がり、未納
率を逆に引き上げるのではないかと心配しています。
最後までお読み頂き、ありがとうございました。コエヅカでした。
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