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企業経営のアンバランスを是正せよ

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経営テクノ研究所
2013年11月4日第1・3週月曜日発行
発行人:舘 義之http://www9.plala.or.jp/keiei-techno/
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★★経営のパートナー★★経営学で企業を再生する
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<目次>
★企業経営のアンバランスを是正せよ
★泣いて馬謖(ばしょく)を斬(き)る
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★企業経営のアンバランスを是正せよ
1.アンバランス要因には2つある
 市場原理主義は、企業の経営成果と、それに必要な財(生産財・消費財)
費用とを、ますますアンバランスにさせます。いかなる企業においても、
必ずしも良好とはいえないものですが、さらに、多くの企業が、悪性のアン
バランスに悩まされているといっても過言ではありません。

 企業において、完璧なバランスはあり得ません。もし、あるとするならば、
組織図の上だけのことです。むしろ、企業は常にアンバランスの状態にある
といったほうが現状に忠実です。

 ある面で増大し、他の面では縮小し、ある仕事には大いに力を入れ、他の
仕事にはあまり意を用いない、これがおおかたの実情です。

 企業経営がアンバランスに陥る要因としては、2つの場合が考えられます。
それは、
●経営者の経営政策の失敗などによる内部要因
●市場の要求に応えるための不可抗力的な外部要因(開発研究・投資・景気
変動など)
が挙げられます。

 これら要因の根底は、企業能力の限界を意味しています。この限界を越え
て失敗したものが、負け組みに陥った企業となります。

(1)内部要因であれば固定費の削減から
自社のアンバランスが内部要因にあると認めたならば、まず、人件費、金
利、減価償却費などの固定費が増大し、企業の大きな負担となっていないか、
それに見合うだけの経営成果を上げているか、よく見きわめることが必要です。

 もし、経営成果を期待し得ないとするならば、まずは緊急政策をとること
が妥当です。こういう場合、根本的な原因が、利益率や生産性の低さにある
ことが多いからです。したがって、売上高の増大を図ることよりも、固定費
の低減と、利益率や生産性の向上を優先させるべきです。たとえ、売上高
増大しても、費用倒れになる恐れがあっては意味がないからです。

 無理やり売ってはみたが、売掛債権の回収がはかどらない、技術革新のた
めに設備したがフルに稼働しない、減価償却費の負担を減らすために、量産
でコスト・ダウンを図ったが、製品や原材料が在庫となってしまった、とい
う失敗例による放漫経営の被害は甚大です。

 起死回生の手段としては、いち早く、緊急政策によって、企業の健全化の
道を講じることです。これを具体的に列挙します。
固定費の低減により、生産性や利益性や利益の向上を図る
売掛債権の遅延状態を調査し、積極的回収にり出す
●製品、原材料など棚卸資産を統制し、回転率をめる
経費の節減を図り、ムダをはぶく
●場合に応じて、遊休設備の売却を考える
      
(2)外部要因であればアンバランスの対象をさぐれ
 外部要因によってアンバランスがもたらされた、と気づいたならば、アン
バランスの対象が何であるかを探求しなければなりません。

 外部要因に大きな変化が生じた場合は、その外部要因の要求と自社の持つ
企業能力との間に、アンバランスが生じてきます。そして、探求によって得
た外部要因と、自社の企業能力とを比較検討し、そのギャップを埋めていく
ことが必要になってきます。
●市場の要求によるものか?
●景気の変動によるものか?
●販売競争の激化によるものか?
●金融の引締め政策によるものか?
●労使関係の異常性によるものか?

 どのアンバランスにしても、その唯一の解決策は、拡大政策の採用です。
飛躍を試みることです。中途半端な企業として、とどまっていては、決して
解決されない状態なのです。さらに、この場合、企業構造の根本的な変革を
要求されていると思わなければなりません。しかも、その変革は、企業の損
益にかかわりなく要求されているということです。

(2)本業に徹する
 企業を発展させるための最大のポイントは、まず、経営者は本業に集中し
経営能力を養うことに、努力のすべてを向けるべきです。

 土地を最も安全かつ有利な資産であるという神話を背景にした投機ブーム
によってバブル景気が起こり、地価は実態の伴わないまま急激に上昇しました。

 そこで政府は、地価の高揚を抑える政策に乗り出したのです。その結果、
実体のない地価・株価の高騰に踊らされた日本の景気は、バブル崩壊と共に
一気に冷え込みました。

 市場原理に従って、需要のない土地や株の価格は当然下がります。本業を
さしおいて、土地や株の投機に熱を上げていた企業は一転して、経営危機を
迎えたのです。

 要するに、他人が儲けさせてくれる、といった考え方は、本来の企業経営
ではないのです。頼るものは、自らの経営手腕です。内部をしっかりと固め、
小は小なりに経営を合理化していくところに、利益を生むチャンスがあるの
です。

 企業経営においては、経営者の活力と従業員の成長力とが一つになり、企
業内のすべてのパワーを集結し、企業目標に向かって、その集中力を発揮し
てこそ、経営成果を上げ得るのです。

 そのためには、本業に関する内容を検討し、改善すべき目標に向かって、
全社員の力を集中させていくことが必要です。現状に対処する心の準備なし
に、やたら物事を進めていくことが企業を危険に陥れる誘因となるのです。

 これらの検討を行うにあたっては、関係業界全体の動きをとらえ、現在の
状況はどうか、将来の業界どういう情勢となるか、などの諸要素を含めて、
総合的に判断すべきです。
●本業における経営状態はどうなってるか?
●本業における欠陥はどこにあるか?
●本業における改善すべき点はどこか?その方法は?
●本業を発展させる手がかりはどこにるか?
●本業における経営能力はどの程度か?

 大企業であれ中小企業であれ、本業に対する明日への目標を持ち、今日と
の断絶をうずめる方策を見出し得ない経営者は、もはや経営者たるの資格が
ないと断言しても過言ではありません。

 その意味からも、経営者は率先して従業員に本業に関する明日への目標を
提案し、全社員一丸となって、その達成に全力を傾注させる必要があります。

(3)能力移植で経営を強化せよ
 市場原理主義の社会では、能力の移植にためらってはいけません。現代医
学では、臓器移植は当然のこととして受け入れられています。企業経営にお
いても、資本の流動性、人材の活用など、能力移植法が実行に移されていま
すが、企業を私的なものとする傾向の強い中小企業では、いまだしの感が深
いといえます。

 しかし、企業の将来を考えるならば、自社の欠点を補強するための能力移
植法を採用するのにためらうべきではありません。その主なものは、次の通
りです。
資本の移植……他人資本の導入
●人材の移植……人を遇することの理解
●技術の移植……企業間の技術提携
●知識の移植……会計士・弁護士・経営コンサルタント
●製品の移植……特許の買取
●販売の移植……他社の持つ能力の利用
●生産の移植……他社の持つ能力の利用       

 
 これらの移植を実行するには、経営者の決断力が不可欠になります。そし
て、決断をする心理状態は、きわめて複雑なものがあることは容易に推察で
きます。

 しかし、私的な感情から脱却することは、能力移植に限らず、経営構造改
革の改善実行のすべてにおいて必要とされているのです。したがって、能力
移植は、決して経営者として恥じるべき行為ではないのです。

(4)好ましい緊張感をつくれ
 好ましい緊張感のある組織とは、信賞必罰をはっきりさせることです。叱
るときは叱り、ほめるときはほめます。そして賞と罰を公平に与えます。こ
の経営者としての正しい態度の保持が組織全体にある好ましい緊張感をもた
らします。

 適度の、しかも理不尽な恐怖感を伴わない緊張は、人びとを活性化させる
効用があるからです。逆に余りに刺激が少ないと一種の欲求不満を起すよう
になります。

 好ましい緊張状態をつくり出すためには、監査チェック・システムに基づ
き、月末など、あらかじめ定められた日に、従業員からの進捗状況を知らせ
る活動計画やその他のデータを届けさせます。これらの活動報告は、定期的
に検討し、トップが評価して、監査チェック・システムを厳守しているかを
確認する貴重な機会とします。

 このような方法をとれば、罰と報償の両方の対策をとることができます。
すなわち、監査チェック・システムを違反をしていれば罰が与えられます。
たとえば、●転勤、●格下げ、●解雇などのほか、●懲罰的な訓練といった
方法をとります。一方、監査チェック・システムを守っていれば、報償が与
えられます。●表彰、●昇進、●職務拡大などの方法です。

 緊張感のある企業では、部門間の協力と調整が可能となり、内部的な派閥
抗争は、ほとんど排除されることは間違いありません。

(5)取締役会を形骸化するな 
 企業目的を遂行しているかどうか監視する形として、取締役会と監査役会、
株主総会などが挙げられます。そして、株式会社の意思を決定する最高機関
の場が株主総会ですが、株主総会は開催する頻度が少ないので、日常的な意
思決定は取締役会が行っています。

 そのため経営トップの双肩にかかる部分が大きすぎるのが実態です。その
結果、トップの判断ミスが企業の失速・衰退に直結する危険性を内包すると
同時に、トップがかえって慎重になりすぎて本来持つべき企業家精神を発揮
ではない状況に陥っている面も多く見受けられます。

 取締役会を形骸化させないためにも、社外取締役執行役員制度を採用
ることにより、取締役会を活性化させるとともに、企業価値増大に向けた経
営意思決定の迅速化を図る必要があります。 

 1997年4月にソニーが、38人いた取締役を10人に減らし、3人を
社外取締役、残りは実務責任者を執行役員として任命しました。その目的は、
意思決定の速さと責任の明確化にあったのです。それ以降、採用企業が急増
してきたのです。

 日本の企業は、経営方針を決定する取締役の役割と、日常の業務を執行す
る事業部門の責任者の役割が複雑で異質なものに分かれており、取締役会
正常に機能していない場合が多く見受けられました。

 そこで、本来の取締役とは別に、事業部門の責任者を執行役員(Operating
Officer)としたわけです。執行役員は、取締役として、経営・事業執行に
責任を負う立場にあり、雇用者であり、法的保護の対象になります。意思決
定を行使する存在とは認識されず、株主代表訴訟の対象になりません。

社外取締役の役割を見直せ
 日本では従業員から昇進して取締役に就任するケースが多く、これでは率
直な意見が言えないとして利害関係のない企業や学術関係から迎え入れる企
業が増えてきました。会社と利害関係を持たない、経営能力に秀でた社外取
締役(Dureside Director)を迎えれば、公平で実効性のある意思決定が
できるとの考え方が背景にあります。

 米国のCEO(Chief ExecutiveOfficer)にとって、こわい存在とい
えば、まず社外取締役です。社外取締役の役割を一言でいえばCEOのお目
付け役といえます。

 会社の業績悪化に際しては、CEOを交代させる場合もあります。CEO
に対する評価基準は非常に広範・詳細に亘っており、収益や株価などの短期
的項目だけではなく、顧客満足度や社会貢献度なども含めた中・長期的視点
も重視しています。

 社外取締役の役割を果たすためには、取締役会革命が必要な時代に哲学を
忘れ、他社が導入しているから自社もといった横並び真似をしているだけで
は駄目です。

 社外取締役としての役割を有効にするために社外取締役会を設置します。
社外取締役会では、監査委員会や財務委員会などの委員会を構成し、各委員
会が年2~3回の会合を持って重要事項を検討するようにするのです。

 社外取締役制度は、80年代、日本に負け続けた米国企業が、競争力強化
のために取り入れた合理的な経営体制なのです。いざという時は、取締役
まとめ、CEOの首を切らなければならないし、すぐに代わりが見つからな
ければ暫定的に自分が登板しなければならないのです。ここに社外取締役
存在があるのです。

監査役の独立性を強化せよ
 監査体制強化のために自社外から選任される監査役で、監査は、業務・会
計の両面にわたります。目的は、法令違反や粉飾決算の防止、企業情報開示
にあります。

 度重なる改定によって付与された様々な権限と強固な地位にも関らず、監
査役制度は現実にはあまり機能していません。その原因は、役員から監査役
になるパターンが多く、かつての役員に対して意見し辛い環境にあるからです。

 そこで、監査体制強化のために社外監査役採用が義務づけられましたが、
実際に業務に携わっていない者や業務内容を把握しない部外者による監査は、
そもそも限界があります。そのため、監査役としての機能不全に陥り、「閑
散役」と揶揄された状況にありました。そのような状況から本来の機能を果
たすためには、委員会等設置会社の導入が好ましいといえます。委員会等設
置会社とは、
監査委員会
●指名委員会
報酬委員会
の3つの委員会を設置します。そして、その過半数は社外取締役でなければ
なりません。監査委員会は、従来の監査役会の機能に該当するため、監査役
制度は廃止します。
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★泣いて馬謖(ばしょく)を斬(き)る
 私情においては忍びがたいが、規律を守るためにやむを得ず愛する者を処
分することです。「涙を揮(ふる)って馬謖を斬る」ともいいます。

 三国志(さんごくし)によると、蜀(しょく)の建興5年、諸葛孔明
(しょかつこうめい)は、魏(ぎ)を討とうと軍を禧山(きざん)に進めて
陣をしきました。このとき魏は、司馬仲達(しばちゅうたつ)を用い、20
万の大軍で、防ごうとしました。

 孔明には、これを破る作戦ができていましたが、もし禧山の東北の街亭
(がいてい)を魏軍におさえられると糧秣(りょうまつ)の輸送路が絶たれ
るので、これを誰に守らせようかと苦慮していました。すると、孔明の親友
であった馬良(ばりょう)の弟馬謖が゛ぜひ、自分に守らせてほしい」と願
いでたのです。

 孔明は、仲達と対抗させるのには役不足とあやぶみましたが、「失敗した
ら一族を罰しても恨みには思わない」と懇願するので「その言葉に間違いな
いな」と念をおして、馬謖に2万の兵をあずけ、とくに王平(おうへい)を
選んで副将につけ、必ず山麓の道を死守せよと命じたのです。

 馬謖が街亭に来てみると、三方が絶壁になっていて、敵をひきつけて討つ
には絶好の地なので、王平の諌めもきかず、孔明の指示に背いて、山上に陣
どりました。その結果、蜀軍は山麓を包囲され水を絶たれてしまった。そし
て、苦しさのあまり、山をかけ降りたところを討たれ、惨敗して街亭は完全
に魏軍に占領されてしまったのです。

 孔明は、やむなく全軍を一時漢中に退却させましたが、敗戦の責を問うて
馬謖に斬罪を申し渡しました。

 「この非常時に馬謖のような有能な士を失うことは国家の大損失だ」とい
ってとめる人もいましたが、孔明は「彼は惜しむべき男だ。彼を失うことは
国家の損失だが、私情をはさんで馬謖を斬らなければ軍の規律は守れない。
彼を斬らないことは更に大きな損失を招くことになる。惜しむべき者なれば
こそ、断じて斬って大義を正さなければならない」といって、ついに馬謖を
斬らせたのです。

 そのあとで、孔明は「馬謖よ許せ、ほんとうの罪は自分にある。お前の力
が見抜けなくて街亭に行かせたわたしが悪かった。しかし、自分はこの首を
はねることもできない。生きて蜀のために、お前の死を活かさねばならぬか
らだ」と床に伏して泣きました。蜀の将兵で孔明の心中を察して泣かないも
のはなかったといいます。これから「泣いて馬謖を斬る」の言葉ができました。

1.信賞必罰をはっきりさせる
 組織は、企業における経営の方針や計画を実現させるための手段の一つで
す。したがって、まず経営の方針と計画とを明確に設定し、その後、目的に
合う組織を作ることが大切なのです。

(1)その達成手段としての組織は、経営の方針や計画を実現させるために、
   どのような仕事を必要とし、どのように分けてそれを達成させるか
(2)誰と誰を、どのような関係において何をやらせるか
(3)与えられた仕事を満足にやり遂げるために、どのような実力を必要と
   するかという仕組みを決め、実行することである。

 そのためには、信賞必罰をはっきりさせることである。叱るときは叱り、
ほめるときはほめる。そして賞と罰を公平に与える。この経営者としての正
しい態度の保持が組織全体にある好ましい緊張感をもたらします。

 適度の、しかも理不尽な恐怖心を伴わない緊張は人々を活性化させる効用
があります。逆に余りに刺激が少ないと一種の要求不満を起して緊張感は低
下します。

 好ましい緊張感をつくり出すためには、目標達成過程を示すことによって
新たな刺激を与えるのも一方法です。だが、よりよい方法は信賞必罰につき
るといってよいでしょう。

2.依怙ひいきをなくす
 経営者は孤独なものです。その淋しさに耐えようとする感情が、経営者が
わがままにします。自己本位な判断を下すようになります。そして、いつし
か、自分に都合のよい“おべっか使い”や“ゴマすり人間”を可愛がり批判
的態度をとる者を嫌うようになります。

 この自己への甘えが、経営をゆがめる「依怙ひいき」の感情を育てます。
依怙ひいきは、労使間の不調という害毒を流すことになります。誤った人事
は、経営者への不信をかもし出すます。正当な評価を得たいという人々の期
待を裏切っていては、企業の活力を集中させることなど、到底かなわぬこと
です。

3.想像力の欠如をチェックする
 経営者はミスをおかせば退陣しなくてはなりません。役員も降格の可能性
をはらんでいます。これは管理者や一般社員も同様です。

 経営者は、組織の役目を果たすに当たって、企業をつらぬく論理を考える
ならば、時には強い命令も必要です。馘首もまた、やむを得ないときがあり
ます。 

 まず、経営者は「想像力」の有無についてチェックし、これが欠けている
者に対しては、非情をもってことにあたらねばなりません。

 想像力が欠如した人間はよりきリーダーシップを発揮することはできませ
ん。なぜなら想像力とは現実認識にとって必要欠くべからざる能力だからです。

 リーダーは部下から絶えずさまざまな報告を受けます。それらは全て事実
であり、それをもとに次の指示、命令を与えなくてはなりません。これは、
想像力の領域です。

 想像力の欠如したリーダーは何も創りだすことはできません。また、常に
成長し発展しなければならない組織や部下の創造性を育成することもできな
くなります。

4.集中心の欠如をチェックする
 次は、「集中心」の有無についてチェックです。どんなにささいな目標で
あっても、それをやり遂げるための集中心が経営者側に欠如していると、部
下は動かなくなります。

 ほんの一息で達成できるような小さな目標がいつまでも達成されないとい
うことがよくあります。部下も経営者も、いつでも達成できると思ってバカ
にしているのです。ところが部下の方には経営者の集中心の欠如は微妙に影
響します。

 とくに実力者の経営者に、その傾向が強く、それが集団全体に広がります。
いわばおごり高ぶった集団になってしまうのです。そうしたことが何回か続
き、いざ本気で大きなテーマに取組まざるを得ないような状態になったとき、
いったんゆるんだタガはなかなかもとに戻りません。経営者の集団把握がで
きなくなっているからです。

 期待された有能な経営者が、思いがけなくリーダーシップが発揮できず挫
折するのは経営者自身の集中心の欠如に基因することが多いものです。

5.不誠実な態度をチェックする
 最後は「不誠実な態度」の有無についてのチェックです。人の心は複雑で
すから、誰もがいつでも誠実でいられるわけではありません。しかし、経営
者に求められるのは、いつも変わらぬ誠実な態度です。そうする方が経営者
にとって絶対的にトクなのです。

 不誠実さは、ほんのささいなことから始まっても、必ずめぐりめぐって自
分にマイナスの要素としてハネ返ってきます。もし、能力と誠実さを天びん
にかけるなら、経営者として有能であるためには誠実さをとるべきです。

 誠実さは信頼を呼びます。信頼は部下の安心感と公平への期待、仕事への
充実感を招きます。誠実さを失うなら、他のどんな資質が優れていても有能
な経営者として長くその地位にとどまることはできません。
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★舘 義之のポジション
 人事・IE・VE・マーケティングコンサルタント
 人事・IE・VE・マーケティングの三輪で企業体質の仕組みを構築して、
厳しい経営環境の中で勝ち残っていく会社にすることを第一に支援します。
舘 義之への問い合わせstudy@agate.plala.or.jp
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