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総理大臣在位日数と働く人の健康管理の歴史

 こんにちは、産業医・労働衛生コンサルタントの朝長健太です。
 産業医として化学工場、営業事務所、IT企業、電力会社、小売企業等で勤務し、厚生労働省において労働行政に携わり、臨床医として治療を行った複数の健康管理の視点で情報発信をしております。多くの企業様に労働衛生法、従業員の健康、会社の利益を守るお手伝いが出来ればと、新ブランド産業医EX(エキスパート)を立ち上げさせて頂きました。
https://www.sangyouiexpert.com/
 さらに、文末のように令和元日(5月1日)に、「令和の働き方 部下がいる全ての人のための 働き方改革を資産形成につなげる方法」を出版し、今まで高価であった産業医が持つ情報を、お手頃な価格にすることができました。
 今回は、「総理大臣在位日数と働く人の健康管理の歴史」について作成しました。
 労働衛生の取組を行うことで、従業員に培われる「技術」「経験」「人間関係」等の財産を、企業が安定して享受するためにご活用ください。
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総理大臣在位日数と働く人の健康管理の歴史
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 令和2年9月16日に安倍晋三前総理が退任されましたが、働く人の健康管理の歴史において総理大臣在位日数との関係は、偶然と思われますが深いものがあります。
 今回は、総理大臣在任日数の長さと、働く人の健康にかかる法律の転換点について紹介します

総理大臣在任日数上位5名
 総理大臣在任日数上位5名は次のようになります
1位:安倍晋三 3,188日
2位:桂太郎 2,886日
3位:佐藤栄作 2,798日
4位:伊藤博文 2,720日
5位:吉田茂 2,616日
 このうち4位の伊藤博文元首相は、初代であることや大日本帝国憲法の草案を作成するなど、立法に関して基礎部分の業績が多く、影響する範囲が広いことから、今回のテーマからは外させていただきます

○工場法
 工場法は、日本初の働く人の健康管理に関する法律になります。江戸時代の家内制手工業から、明治期のわずか40年程度で、重化学工業での生産へ移行していく産業革命期において、苛酷な労働を強いられた工場労働者、特に幼年労働者及び女子労働者を保護することを目的として制定され、具体的には、労働時間や深夜業の規制を行うことが定められました。1911年に制定・公布され、その時の首相は2位の桂太郎元総理です。

労働基準法
 労働基準法は、戦後初の働く人の健康管理に関する法律になります。労働契約よりも法令に定める最低基準が優先することが定められ、使用者に健康障害を防止するための措置を講じることが義務づけられました。総括管理、作業環境管理、作業管理、健康教育、健康管理の5管理の基本が定められています。また、労働者には危険防止のために必要な事項を遵守しなければならないという、罰則付き義務もこの時から定められています。1947年に制定・公布され、その時の首相は5位の吉田茂元総理です。

労働安全衛生法
 労働安全衛生法は、労働基準法では労災発生予防対策が不十分であったため、時代に即応するための法律として、労働基準法から独立した働く人の健康管理に特化した法律になります。労働基準法と相まって、防止基準の確立、責任体制の明確化及び自主的活動の促進等により、労働者の健康を確保し、さらに快適職場の形成を目的として法令が定められています。労働安全衛生法制定の前後10年弱で、労災死亡者数は6,000人台から半減する結果を出しました。1972年に制定・公布され、その時の首相は3位の佐藤栄作元総理です。

○働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律
 働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律、通称、働き方改革関連法は、8本の労働関係法の改正を行うための法律です。その中で、労働安全衛生法等の働く人の健康管理に関する法律が一元的に改正されました。特に重要な点は、産業医の誠実義務(安衛法第13条第3項)、健康管理時間(労基法第第41条の2第1項第3号)、同一労働同一賃金パートタイム労働法第8条及び9条)になり、働く人の健康管理に関しては、実施したか又は実施していないかの定性的評価が主であったものが、どの程度適切な対応を行っているかの定量的な整理を行うことが必要になりました。これで、働く人の健康管理について質の向上を行う責務は、行政から事業者に移ったといえます。2017年に制定・公布され、その時の首相は1位の安倍晋三前総理です。

 日本において、働く人の健康管理に関する法律は、100年以上の歴史があります。
【働く人の健康管理の日本歴史(100年以上の経緯と蓄積)】
https://www.soumunomori.com/column/article/atc-174723/
 また、高尾みころも霊堂において、1947年以来2019年末までの間に、労働災害により殉職された263,704名の方々の御霊簿が奉安されています。
 一方で、働く人の健康管理に関して、明治期の紡績業役員は、「富力においては、欧米の二三等国の下に位する我が国は、殖産興業上に向かって幾多の犠牲を払うも、国民挙って夜をもって日に継ぎ、鋭意努力大に奮闘せざるべからざる時にあらずや」と、働く人がいくら犠牲になっても、一丸となって働くべきだと主張した方もいます。
 科学が未発達で、仕事と健康障害の因果関係が不明確な時代は、健康障害の発生は、偶然としか受け止められないものがほとんどでした。その様な偶然の中で、わずかな法則性を求めて、働く人の健康管理を必要とする者も反対する者も、命を懸けて議論していました。
 働く人の健康管理の歴史と総理大臣在位日数の相関は、偶然かもしれません。しかし、事業は偶機を勝ち取るために入念な準備を行い、偶然を限りなく必然に変えて利益を得ることです。
 偶然だから無視するか、偶然とはいえ意味があるものとして捉えるかは、事業者のセンスによるものですが、日本が100年以上の命を懸けた偶然の積み重ねの中で得てきた科学及び法学の情報資産は、膨大なものです。さらに、働き方改革関連法において、その情報資産を有効活用することが事業者の責務となったといえます。
 働く人の健康管理について、科学と法学に基づかない対応を行い、事業者労働者、衛生担当者のいずれか又は全てを身体的・精神的・社会的に不健康にしている事例は、以前にも増して散見されるようになりました。先人達の意思と魂をしっかりと自社の情報財産にして、企業利益の向上と従業員健康の向上の両立に努めて下さい。

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令和の働き方 部下がいる全ての人のための 働き方改革を資産形成につなげる方法
http://miraipub.jp/books/%E3%80%8C%E4%BB%A4%E5%92%8C%E3%80%8D%E3%81%AE%E5%83%8D%E3%81%8D%E6%96%B9-%E9%83%A8%E4%B8%8B%E3%81%8C%E3%81%84%E3%82%8B%E5%85%A8%E3%81%A6%E3%81%AE%E4%BA%BA%E3%81%AE%E3%81%9F%E3%82%81%E3%81%AE-%E5%83%8D/

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