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【億の金額】「苦しくないから何もしません」とはいえ間接的苦痛

 こんにちは、産業医・労働衛生コンサルタントの朝長健太です。
 弊社が、働く人の健康管理の事業を開始して、3年以上が経過しました。
 その中で、身体的・精神的健康を優先するあまり、社会的健康がおろそかになっている事例を多数見ることになりました。
 身体的健康を優先するあまり、社会的に不健康になった事例を、皆様も多く実感されたことでしょう。
 WHO憲章にあるように、健康とは、身体的・精神的・社会的に健康であることです。さらに、職域では企業と労働者の双方を健康にすることが必要です。
 休職者ゼロ・新型コロナ関連倒産ゼロを達成した労働衛生コンサルタント技術の提供に関して、『企業利益をわかりやすく向上させる新規サービス』を用意しました。
 是非、弊社を利用し、健康の向上を図ってください。
https://www.kenpomerit.com/
 さらに、文末のように令和元日(5月1日)に、「令和の働き方 部下がいる全ての人のための 働き方改革を資産形成につなげる方法」も是非、ご覧ください。

 今回は、「【億の金額】「苦しくないから何もしません」と言っても間接的な苦しみはある」について作成しました。
 企業利益の向上という、社会的健康を向上させるために、弊社をご活用ください。
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【億の金額】「苦しくないから何もしません」と言っても間接的な痛みはある
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 弊社では、事業を進める中で働く人の健康管理に関して、様々な方の意見を伺うことができ、以下の様にその意見を元に、整理する良いきっかけをいただけました。
【整理】三方一両得を目指して
https://www.soumunomori.com/column/article/atc-174934/
【社員健康管理】「正論で会社は動いていない!」との指摘あり
https://www.soumunomori.com/column/article/atc-174996/

 今回は、「苦しくないから何もしません」とのご意見について、整理していきたいと思います。

◎他の人の苦しみを感じることはできない
 道徳的には、他の人の苦しみを感じて行動することは重要ですが、経営の主目的は利益を上げることであり、道徳を達成することではありません。従って、普遍的な科学及び法学に基づき客観的事実を整理していくことが必要になります。
 人は、他の人と物理的に神経接続していないことから、他の人の苦しみを同等に感じる(以下「同様苦痛」という。)ことはできません。従って、従業員が身体的・精神的・社会的に不健康になっても、事業者は同様苦痛を感じることはありません。非科学的仮説としても、従業員が苦しむ度に、同様苦痛を事業者が感じていては、企業を継続的に経営することは不可能になってしまいます。そのため法学に基づいても、他の人の同様苦痛を事業者が感じることは求められていません。
 人の苦しみを、他の人が同様苦痛として感じることができないのは科学的に妥当であり、そうあるべきです。そのため、「苦しくないから何もしません」とは、個人であれば当然の意思ですし、その意思は尊重されるべきです。
 しかし、事業者は幸か不幸か、従業員の苦しみを間接的に感じることができます。その苦しみを避けるために、是非前向きな努力を行って下さい。

◎間接的苦しみ①:損害賠償
 事業者は、安全配慮義務が定められており、危険予知及び危険回避を行わない場合、損害賠償が定められています。以下は、高額賠償が認められた過労死等の民事訴訟/和解の例(社長のための残業時間規制対策より)になります。事業者がこういった間接的苦痛を避けるために、科学と法学に基づく働く人の健康管理に努めて下さい。
 なお、金額は判決認容額又は和解額のうち、高額なおよその金額です。
1位 康正産業事件 2億4000万円
2位 天辻鋼球製作所事件 1億2555万円(高裁判決。地裁判決は1億8989万円)
3位 電通事件 1億6800万円
4位 関西医科大学事件 8484万円(高裁判決。地裁判決は1億3532万円)
5位 ワタミ事件 1億3000万円
6位 川崎製鉄事件 1億1350万円
7位 オタフクソース事件 1億1111万円
8位 大阪府立病院事件 7744万円(高裁判決。地裁判決は1億6962万円)
9位 JR西日本事件 1億円
10位 協成建設工業ほか事件 9164万円
11位 公立八鹿病院組合ほか事件 8012万円

◎間接的苦しみ②:解雇無効
 事業者は、労働基準法第19条に「労働者が業務上負傷し、又は疾病にかかり療養のために休業する期間及びその後30日間は解雇してはならない。(条件付きで解除可能)」と定められていることから、体調を崩し利益を生み出すことができず苦しんでいる従業員に対して、療養中の費用等を支払い続けることで、間接的に苦しみを共有することができます。
 なお、平成26年3月24日の最高裁判決においては、損害賠償だけでなく、働いていない時期の賃金会社規定の見舞金等を『一部利息を適応し』支払うことが義務づけられており、本人は会社に体調不良を示さなかったが、産業医に対しては体調不良を示していたことから過失相殺も無効とされました。
 加えて、業務上負傷したわけでなくても、医師の診断の元、従業員が自立して勤務できない場合(医師の診断に基づき休職している場合等)は、障害者の雇用の促進等に関する法律第5条に「すべて事業主は、障害者の雇用に関し、社会連帯の理念に基づき、障害者である労働者が有為な職業人として自立しようとする努力に対して協力する責務を有するものであつて、その有する能力を正当に評価し、適当な雇用の場を与えるとともに適正な雇用管理を行うことによりその雇用の安定を図るように努めなければならない。」という定めにより、医師の診断に基づき休業している全ての従業員が、苦しみに抗って、復職というさらなる苦しみに挑んでいる時には、それを費用面、雇用管理調整面で支援することで、その苦しみの一部を負うことができます。

◎間接的苦しみ③:責任転嫁できてないことによる社長の引責辞任
 とある広告代理店で、新入社員が自殺する事件がありました。労働基準監督署は、この社員が自殺したのは長時間労働によりうつ病を発症したのが原因と、業務起因性業務遂行性を認め、労働災害と判断しました。
 さて、この広告代理店においては、産業医を専属で雇用しており、ストレスチェックも行っていました。しかし、労災認定の数ヶ月後には社長が引責辞任することになりました。
 この事例のポイントは、事業者産業医に適切に責任転嫁をすることができていなかったということです。適切な対応であれば、不健康を自覚し苦しんでいる従業員は、専属の産業医に窓口を通して、相談することができ、致死的になる前に改善することができました。もし、致死的になったとしてもその責任は医学的に医師が負うことになります。ですが、この広告代理店では社長がその責務を負う仕組みにしており、産業医に適切な責任転嫁を行っていなかったことから、社長が引責辞任することになりました。
 当然ですが、責任転嫁をされていなかった産業医は、引責辞任することはありませんでした。
 社長は、産業医賃金を支払い、医学的責任を自らが負い、産業医の持つ派閥より格下であることを内外に示されてしまったことから、賠償に加え、三重の間接的苦しみを味わうことになりました。

◎「苦しくないこと」のありがたみを感じて下さい。
 身体的・精神的・社会的に不健康になり苦しくなった人が、苦しみから抜け出すのは困難です。これは、直接的な苦しみだけでなく、間接的な苦しみでも同様であり、特に、解消まではできても解決することは難しいです。
 個人の感覚では「苦しくないから何もしません」は、自身の苦しみに関することから、苦しむ結果に至ったことも自らの判断の結果になります。
 しかし、企業は利益を追求するために苦しくなっている余裕はありません。日頃から「苦しくないこと」のありがたみを感じ、それが続くように努めて下さい。

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令和の働き方 部下がいる全ての人のための 働き方改革を資産形成につなげる方法
http://miraipub.jp/books/%E3%80%8C%E4%BB%A4%E5%92%8C%E3%80%8D%E3%81%AE%E5%83%8D%E3%81%8D%E6%96%B9-%E9%83%A8%E4%B8%8B%E3%81%8C%E3%81%84%E3%82%8B%E5%85%A8%E3%81%A6%E3%81%AE%E4%BA%BA%E3%81%AE%E3%81%9F%E3%82%81%E3%81%AE-%E5%83%8D/

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