こんにちは。社会保険労務士の田中です。
2022年の関東甲信の梅雨明けは平年より22日も早い6/27でした。
そして梅雨明けから猛暑日が続いています。気温差に馴れないうちは
熱中症のおそれがあるので、お気を付けください。
さて、今回は就業規則に法定休日を定めた方が良いかを考えます。
☆☆☆☆ 労働時間と休日の根拠 労基法 32条と35条 ☆☆☆☆
休日は1週間に少なくとも1日です。(労基法35条)
労働時間は1日8時間、1週間40時間以下です。(労基法32条)
休日は1週間に1日だけでよいところ、2日とする企業がほとんどです。
これは、労働時間から1週間の労働日数を計算した結果です。
40時間(1週間)÷8時間(1日)=5日
このように1日8時間労働の場合、1週間に2日の休日が必要です。
(1日の労働時間を6時間40分以下にすれば、
6時間40分×6日=40時間 となり、1週に1日の休日も適法です。)
そして、多くの企業では週2日の休みを土曜日と日曜日にしています。
そのため、以下の説明は、土日が休みという前提で進めます。
☆☆☆☆ 土曜日と日曜日に出勤した場合の割増賃金 ☆☆☆☆
【 就業規則に「法定休日は○曜日とする。」と定めがない場合 】
土曜日と日曜日の両日に出勤した場合いずれかが法定休日となります。
一般的には、日曜日を法定休日とすることが多いでしょう。
賃金の割増率は35%です。
一方、土曜日は1週間40時間超えの時間外労働となります。
賃金の割増率は25%です。
また、土曜日を休んで日曜日だけ出勤した場合も
賃金の割増率は25%です。
つまり日曜日出勤の割増率は、土曜日出勤の有無により、
25%と35%の両方が有り得ます。
(以上、月曜日から金曜日で40時間を出勤した前提)
分かりにくいので、図表にまとめました。↓
https://www.tanakajimusho.biz/siryou#ttl-004
【 就業規則に「法定休日は○曜日とする。」と定めがある場合 】
こちらはシンプルです。例えば法定休日を日曜日とすると、
土曜日は休みで日曜日だけ出勤しても割増率は35%です。
一方、土曜日だけ出勤すると割増率は25%です。
つまり日曜日の出勤は常に割増率は35%です。
(以上、月曜日から金曜日で40時間を出勤した前提)
☆☆☆☆ 就業規則を法定休日に定めた方が良いのか? ☆☆☆☆
本題です。それでは、法定休日は就業規則に定めるべきでしょうか?
会社の任意となりますが、行政の通達では次のようにされています。
『労働条件を明示する観点及び割増賃金の計算を簡便にする観点から、
就業規則その他これに準ずるものにより、事業場の休日について
法定休日と所定休日の別を明確にしておくことが望ましいものである。』
(平成21.5.29 基発第0529001号)
https://www.mhlw.go.jp/topics/2008/12/dl/tp1216-1j.pdf
実務では、給与計算の際に、従業員が土曜日・日曜日に出勤する度に
「所定休日(割増25%)なのか法定休日(割増35%)なのか」と
判断に時間を使うよりも、所定休日と法定休日が明確になっていた方が
迷わずに給与計算ができて効率的です。
日曜日出勤の割増率が常に35%となるので人件費が増えますが、
これは土曜日を含めて休日出勤を削減するという
方法で対処すべきものと考えます。
今回も最後までお読み頂き、ありがとうございました。(2022.06.29)
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就業規則のあれこれ。Q and A
https://www.tanakajimusho.biz/rulebookQA
就業規則の見過ごしがちなチェックポイント
https://www.tanakajimusho.biz/checkpoints
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