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就業規則作成講座(2)~就業規則とは何か(2)

就業規則作成講座、第2回目も就業規則のベーシックなところをお話します。

1.就業規則の作成・変更手続

(1)労働者代表からの意見聴取

就業規則の作成・変更を行ったときは労働者の過半数代表者(過半数を代表する労働組合がある場合はその労働組合、ない場合は過半数代表者)の意見を聞かなくてはなりません。

過半数代表者に管理職がなることはできません。また、選出にあたっては、何のために選ぶのかを明示した上で、投票、挙手などの方法によらなくてはなりません。会社が指名してはいけません。

また、労働組合はあるけど、組合員が過半数に満たない場合は、別途過半数代表者を選ばなくてはなりません。
逆に、労働組合は複数あるが、そのひとつの組合だけで過半数を網羅している場合は、その意見だけを聞けばOKです。

現実には、全く無視することは望ましくありません。就業規則に限ればそれでも問題ありませんが、少数組合にも団体交渉権はありますから、もし団交の申し入れがあったら応じなくてはいけません。対応を誤ると、労使紛争につながりかねないので、注意が必要です。

(2)労働基準監督署への届出

その上で、所轄労働基準監督署に、労働者代表の意見書を添付して届け出ます。
労働者代表が反対意見を述べても、反対意見を記した意見書を添付すればOKです。同意は要件になっていません。
とは言え、労働者の過半数代表が反対している就業規則を強行することは、労務管理上も労使関係上も望ましくありません。協議を尽くして、理解を得ることが大切です。
もし過半数代表が、意見を述べること自体にも反対したらどうなるのでしょうか。その場合、意見を求めたことが客観的に明らかになる書面を添付します。

(3)作成・届出の「単位」

就業規則の作成・届出は、「事業場」単位です。会社全体ではなく、場所を単位とします。従って、支店などの事業場に常時10人以上の労働者がいる場合は、事業場ごとに作成・届出をしなくてはなりません。
ただし、届出に関しては、各事業場就業規則の内容が同じなら本社で一括して行うことができます。

2.社内への周知

作成・変更した就業規則は、社内に周知させなくてはなりません。
周知の方法は、常時見やすい場所に掲示する、印刷物を配布する、イントラネットなどで閲覧できるようにするなどの方法が考えられます。既にインフラがあるのなら、ネット経由で閲覧できるようにするのが、一番安価ですし、アップデートもすばやくできます。ただ、セキュリティの問題には注意が必要です。また、いわゆる「デジタル・デバイド」にも配慮が必要でしょう。

3.別規則にすることも可

就業規則は、労働条件に関すること全てを網羅します。そのため、ボリュームが大きくなり、管理するのも、閲覧するのも大変になることがあります。そのため、賃金規則などを別規則にすることも可能です。ただ、あくまでも、別規則も含めて全体で「就業規則」となりますので、注意が必要です。

4.雇用形態が異なる従業員がいる場合は

また、パートタイマー、契約社員など、雇用形態が異なる従業員がいる場合、どうしたらいいでしょうか?
正社員と労働条件などが異なる場合、正社員の就業規則には「○○については別に定める○○就業規則によるものとし、本就業規則は適用しない」と委任規定を設け、別規則を作成します。
もしそれをしなかった場合、パートタイマーや契約社員にも、正社員の就業規則が適用されます。パートの人が、正社員の労働条件の適用を求めてきても、会社は対抗できなくなりますので、注意が必要です。

雇用形態の異なる従業員就業規則を設ける場合でも、正社員就業規則の適用を受ける労働者が、それ以外の労働者を含めた全労働者の過半数を占めている場合は、正社員就業規則の適用を受ける労働者の代表者の意見だけを聞けば問題ありません。
しかし、たとえば、パートタイマーなどの就業規則を定める場合、パートタイマーの意見を聞くことが望ましいのは言うまでもありません。パートタイム労働法でも「事業主は、短時間労働者に係る事項について就業規則を作成し、又は変更しようとするときは、当該事業所において雇用する短時間労働者の過半数を代表すると認められるものの意見を聴くように努めなければならない」と、努力義務を課しています。
良好な労使関係を築き、社内を活性化するという観点でも、当該就業規則の適用を受ける従業員の意見を聴くようにすべきでしょう。

5.就業規則の法的効力

労働基準法は、第92条で「就業規則は、法令又は当該事業場について適用される労働協約に反してはならない」と、第93条で、「就業規則で定める基準に達しない労働条件を定める労働契約は、その部分については無効とする。この場合において無効となつた部分は、就業規則で定める基準による。」と定めています。
就業規則が法令に違反してはならないことは言うまでもありません。たとえ、それが正当な手続を経たものであっても、労働者代表が賛成であってもです。
また、労働協約に反することもできません。労働協約とは、会社と労働組合が、労働条件に関して合意した内容を書面にし、双方が記名押印したものです。
使用者が一方的に定めることのできる就業規則より、団体交渉を経て定められた労働協約に優位性をもたせています。
一方、就業規則労働契約に優先します。ただし、これはあくまでも、労働契約就業規則の条件を下回る場合だけです。もし就業規則に、「1日の所定就業時間は7時間」と定めてあったとしたら、労働契約就業時間を8時間と定めても無効で、その部分は7時間となります。

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