相談の広場
現在育児休暇中の者です。育児休暇を今年の11月末まで取得予定でしたが、来年明けからの夫の海外転勤が決まり、育児休暇中の退職を考えています。そこでお聞きしたのですが、育児休暇を途中でうちきり、私が現在持っている有給休暇38日を消化してから、退職することは出来るのでしょうか。
過去の似た記事をよみましたが、育児休暇を途中でうちきり、有休消化できるかどうかという点がわからなかったので、投稿させていただきました。
宜しくお願い致します。
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> 現在育児休暇中の者です。育児休暇を今年の11月末まで取得予定でしたが、来年明けからの夫の海外転勤が決まり、育児休暇中の退職を考えています。そこでお聞きしたのですが、育児休暇を途中でうちきり、私が現在持っている有給休暇38日を消化してから、退職することは出来るのでしょうか。
> 過去の似た記事をよみましたが、育児休暇を途中でうちきり、有休消化できるかどうかという点がわからなかったので、投稿させていただきました。
> 宜しくお願い致します。
そのへんは会社しだいかと思います。
育児休業終了予定日の“繰り下げ”については、
育児休業法に規定されていますので、
繰り下げの要件を満たしている限りは、使用者はこれを拒むことはできません。
しかしながら、終了予定日の“繰り上げ”については、
育児休業法には規定されていないものです。
また、「労働者の申出のみによる育児休業終了予定日の繰上げ変更については、規定していないものであること。ただし、各事業所において、労働者の希望により育児休業終了予定日を繰上げ変更することを認める制度を設けることは可能であること。」(職発第0318119号 雇児発第0318003号 平成14年3月18日)という通達もあります。
つまり、育児休業法に規定されていないものである以上、
使用者が繰り上げを認める規定を設けていない限りは、
繰り上げを認める義務まではない、ということになります。
また、育児休業が終了すれば、それ以降は労働の義務がある日になるわけですから、
年次有給休暇を使用することも可能となります。
(年次有給休暇は、そもそも労働の義務がない日には取得する余地がない、とされています)
貴社に繰り上げを認める旨の規定があって、その規定の要件を満たしている、
あるいは、要件については規定されていない、
というような状況であれば、
規定に基づいて繰り上げを要求することは可能かと思いますが、
規定がない場合は難しいのではないでしょうか。
繰上げたい理由が、職場復帰を早めたいというものではなく、
退職するのでその前に年次有給休暇を消化したいというものですから、なおさらかと思います。
> それでは、もし会社に繰上げを応じてもらえない場合は有給消化をする方法はないのでしょうか?
>
> 有給休暇を会社に買い取ってもらうとか、育児休暇を消化しきってから有給消化をさせてもらうよう交渉することくらいしか思いつかないのですが…。
前述のとおり、育児休暇中は年次有給休暇を取得する余地はありません。
年次有給休暇は賃金を減じることなく、“労働の義務”を免除するというものだからです。
したがって、年次有給休暇を取得できるのは、
育児休業が終了してからです。
となると、まったんたんさんのお考えのとおり、
育児休業終了後に退職して年次有給休暇を買い取ってもらうか、
育児休業終了後に年次有給休暇を消化してから退職という形にすることになるかと思いますが、
買い取りについては難しいかと思います。
本来、年次有給休暇の買い取りは禁止されていますが、
消滅する年次有給休暇を買い取ること自体は例外的に法律違反とはならないことになってはいます。
(消滅したものをどう扱うかは、法の関知するところではないからです)
しかしながら、年次有給休暇は退職と同時に消滅するものですから、
逆を言えば、会社には退職時に残った年次有給休暇を買い取る義務はないということでもあります。
また、もし会社が退職時の買い取りを行った場合、
“退職時に買い取りを行ったという前例”ができてしまうため、
ほかの方が同じ要求をした場合にもそれに応じざるを得なくなってしまいます。
そういった点から、退職時の年次有給休暇の買い取りに応じてもらえる可能性は低いでしょう。
となると、育児休業終了後に年次有給休暇を消化してから退職という形にする以外に選択肢がないも同然と言えるかと思います。
> 未消化の有給休暇は会社にとって債務といえるようなものなので、退職前の有給消化については有利に交渉できると考えていたのですが、実際は違うのですね…。
少し勘違いされているように思います。
“有給消化”と“有給の買い取り”とは、まったく別の問題になります。
退職前の“有給消化”については、有利に交渉できますよ。
年次有給休暇の時季指定権は労働者本人にあり、使用者には拒否権はありません。
代替要員の確保ができないような場合には、使用者が時季変更権を行使できますが、
退職日を超えて時季変更権を行使することはできないため、
労働者が退職前に年次有給休暇を申し出れば、
実質的に、使用者はこれを認めざるを得ません。
年次有給休暇に対する使用者の賃金支払い義務は、
あくまでも労働者が年次有給休暇を取得した場合に発生するものです。
言い換えれば、労働者が年次有給休暇を取得しない限りは、
債権も発生しないということです。
また、時効や退職により消滅する場合以外で年次有給休暇を買い取ることは、
労働者の慰労という年次有給休暇の趣旨を損なうことになるため禁止されています。
このため、買い取りが可能となるのは、消滅時効に達した、あるいは退職したことにより、
時季指定権が消滅した年次有給休暇になります。
退職時に残った年次有給休暇=労働者が時季指定権を行使しなかった年次有給休暇、ですから、
当然ながら、その年次有給休暇に対する債権は存在せず、
退職をもってその年次有給休暇の時季指定権も消滅しています。
である以上、年次有給休暇の“買い取り”に関しては、
労働者側には何の請求権もないわけですから、
あくまでも会社側に買い取りを“お願い”することしかできず、
その“お願い”を会社が飲むかどうかは会社の自由ということになるわけです。
> そうすると私のケース(必ず有給消化してから退職したい)では、会社にどう話したほうがよいでしょうか?
>
> 今までのお話を踏まえると、
> ・有給消化のために育休の繰上げ⇒会社の裁量による
> ・有給の買取⇒会社の裁量による
> という状態なので、上記の交渉はほぼ会社に拒否されると思います。
ご主人の海外転勤が決まり、復職できなくなってしまった旨を伝えたうえで、
「○月○日(育児休業終了予定日翌日)から△月△日(年次有給休暇の消化が終わる日)まで年次有給休暇を取得し、
△月△日付で退職します」
と伝える感じになるかと思います。
年次有給休暇は労働の義務がある日にしか取得できないので、
育児休業終了予定日翌日からの所定労働日に残っている年次有給休暇の日数分を順次当てはめていき、
いつ消化し終わるかを確認なさってください。
そのうえで、年次有給休暇を消化し終わる日を退職日として申し出ます。
たとえば、残っている年次有給休暇が38日、
育児休業終了予定日が11/30、所定休日が土日祝、
年末年始休暇が12/29~1/3だと仮定すると、
土日祝と12/29~1/3以外の日に年次有給休暇を割り当てていくことになるので、
1/31が年次有給休暇を消化し終わる日、すなわち退職日になります。
(実際にまったんたんさんの退職日がいつになるのかは、
貴社の所定休日や年末年始休暇によって変わりますので、
カレンダー上で年次有給休暇を割り振っていって確認してください)
まったんたんさんは育児休業明けなので引き継ぎ等の必要はないかと思いますが、
もし会社が引き継ぎ等を要求した場合は、
引き継ぎ等に必要な日数分だけ退職日を延ばすよう交渉なさってください。
なお、たしかに、復職できなくなったのはご主人の海外転勤というやむを得ない事情であり、
年次有給休暇の取得も労働者の権利ではあるのですが、
会社側は、まったんたんさんが復職するという前提で代替要員の確保などを行ってきたはずですから、
復職しないことで少なからず会社に迷惑がかかってしまいますよね。
また、復職する前提があったからこそ、今まで育児休業給付金等の手続きなども代行してくれてきたはずです。
そういったことを十分頭に置いたうえで、
譲歩できる部分は譲歩するほうが、より円満に解決できるのではないかと思います。
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