相談の広場
派遣事業報告を初めて担当することになり、前任者が退職してしまった関係から、引継ぎ無しで対応することになりました。
顧問社労士の方も居ない状況です。
下記不明な点が生じてしまい、まだ労働局にも確認ができておりませんが、こちらの広場でご見解をお聞かせ願えますでしょうか。
1.派遣労働者の賃金(1日あたり)について、会社負担の社会保険料も加える必要があるのでしょうか?前任者はその額も加えて算出しておりました。
控除前の総支給額が、派遣労働者の賃金と思っておりました。
2.派遣労働者の作業時間について、派遣契約期間中の総労働時間(有給休暇も含む)をイコールとしたのですが、その認識に誤りはないでしょうか?
3.社外公表するマージン率について、派遣事業報告で算出した派遣料金と派遣労働者の賃金を使って計算することで良いのでしょうか?
「(派遣料金の平均額ー派遣労働者の賃金の平均額)÷派遣料金の平均額×100」
4.マージンには、教育訓練・キャリアアップ支援の経費、営業担当の人件費やオフィス賃料などがすべて含まれている、と聞いたのですが、例えば、教育訓練費用(社外講習費用等)を、派遣労働者の賃金に付け加える必要があるのでしょうか?
そこまでする必要は無いと思っているのですが。
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> 派遣事業報告を初めて担当することになり、前任者が退職してしまった関係から、引継ぎ無しで対応することになりました。
> 顧問社労士の方も居ない状況です。
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> 下記不明な点が生じてしまい、まだ労働局にも確認ができておりませんが、こちらの広場でご見解をお聞かせ願えますでしょうか。
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> 1.派遣労働者の賃金(1日あたり)について、会社負担の社会保険料も加える必要があるのでしょうか?前任者はその額も加えて算出しておりました。
> 控除前の総支給額が、派遣労働者の賃金と思っておりました。
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> 2.派遣労働者の作業時間について、派遣契約期間中の総労働時間(有給休暇も含む)をイコールとしたのですが、その認識に誤りはないでしょうか?
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> 3.社外公表するマージン率について、派遣事業報告で算出した派遣料金と派遣労働者の賃金を使って計算することで良いのでしょうか?
> 「(派遣料金の平均額ー派遣労働者の賃金の平均額)÷派遣料金の平均額×100」
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> 4.マージンには、教育訓練・キャリアアップ支援の経費、営業担当の人件費やオフィス賃料などがすべて含まれている、と聞いたのですが、例えば、教育訓練費用(社外講習費用等)を、派遣労働者の賃金に付け加える必要があるのでしょうか?
> そこまでする必要は無いと思っているのですが。
派遣事業報告における「賃金」「労働時間」「マージン率」「教育訓練費」の扱いは、厚生労働省の指針に照らすと、前任者の処理には誤りがあり、社会保険料や教育訓練費を賃金に含める必要はありません。賃金はあくまで労働の対価として支払われた金額のみを指します。
1. 派遣労働者の賃金に会社負担の社会保険料を含める必要はあるか
→ 含めません。
派遣事業報告書でいう「賃金」は、労基法第11条に基づく労働の対償として支払われる金銭です。
したがって、以下のように区分されます。
賃金に含むもの
基本給
各種手当(通勤手当含む)
残業代・休日出勤手当
有給休暇の賃金
教育訓練時間中に支払った賃金
賃金に含まないもの(=マージン側の経費)
会社負担の社会保険料(健康保険・厚生年金・雇用保険)
労災保険料
会社負担の交通費(立替ではなく会社負担の場合)
福利厚生費
教育訓練費(講習費等)
前任者が社会保険料を賃金に加算していたのは、実務上よくある誤りです。
社会保険料は「派遣元の負担」であり、賃金ではなくマージンに含めるのが正しい扱いです。
2. 派遣労働者の作業時間(総労働時間)の考え方
→ 有給休暇・教育訓練時間も含めて「総労働時間」とします。
派遣事業報告書では、賃金日額を以下の式で算出します。
賃金総額 ÷ 総労働時間 × 8時間
ここでいう「総労働時間」には次が含まれます。
実労働時間
残業時間
休日出勤時間
有給休暇の時間
教育訓練時間(有給で行うもの)
また、派遣先の所定労働時間が7.5時間や7.75時間であっても、日額換算は必ず「8時間」で統一されます。
これは厚労省の統一ルールで、派遣元間の比較を可能にするためのものです。
3.マージン率の算出方法
→ ご提示の式で正しいです。
(派遣料金の平均額-派遣労働者の賃金の平均額)÷派遣料金の平均額×100
ここで使用する「派遣料金」「賃金」は、派遣事業報告書で算出した平均額をそのまま使います。
派遣料金:派遣先から受け取った総額(残業代・交通費含む)
賃金:派遣元が労働者に支払った総額(控除前)
この差額が「マージン」であり、そこから会社負担の社会保険料、営業人件費、教育訓練費、オフィス賃料などを賄うという構造です。
4.教育訓練費用を賃金に加える必要はあるか
→ 加える必要はありません。
教育訓練費用(外部研修費、教材費など)は、派遣元の事業運営上の経費であり、マージンに含まれます。
ただし、次の点は注意が必要です。
教育訓練時間中に支払った賃金 → 賃金に含む
教育訓練にかかった費用(講習費等) → マージンに含む
つまり、教育訓練に関する「費用」と「賃金」は別物として扱います。
実務上の注意点とリスク
社会保険料を賃金に含める誤りは非常に多い
→ マージン率が不正確になり、労働局から指摘される可能性があります。
労働時間の扱いを誤ると、賃金日額・派遣料金日額がすべて狂う
→ 特に有給休暇の扱いは注意が必要です。
マージン率は社外公表義務があるため、誤りは企業の信用問題にもつながる
今回のご質問内容は、初めて担当される方が必ずつまずくポイントです。
前任者の処理が誤っていたケースは珍しくありませんので、今回の整理をベースに、最終的には労働局へ確認されるのが最も確実です。
大変ご丁寧なご回答をいただき、ありがとうございます。
下記、追加質問としてお聞きしたく、宜しければご確認くださいますと幸いです。
> 前任者が社会保険料を賃金に加算していたのは、実務上よくある誤りです。
> 社会保険料は「派遣元の負担」であり、賃金ではなくマージンに含めるのが正しい扱いです。
⇒「賃金ではなくマージンに含めるのが正しい扱い」について、「会社負担の社会保険料を賃金に付け足して、マージン率を算出する(マージン率を出すために派遣事業報告の数値に一手間加える)という意味ではない」という理解で宜しいでしょうか?
「(派遣料金の平均額-派遣労働者の賃金の平均額)÷派遣料金の平均額×100
ここで使用する「派遣料金」「賃金」は、派遣事業報告書で算出した平均額をそのまま使います。」ともお示しいただいておりますので、賃金に付け足さない、と見て取れる話かもしれないのですが、念のため伺わせていただきました。
> 2. 派遣労働者の作業時間(総労働時間)の考え方
> → 有給休暇・教育訓練時間も含めて「総労働時間」とします。
⇒前任者は、派遣先での作業時間を総労働時間としていました。
「作業時間×時間単価」が請求金額のベースになるという理解はしているものの、
当社の場合、客先へ派遣に出ている正社員(システムエンジニア)は、
毎月、派遣先での作業時間と、派遣元である当社が利用している勤怠システムにに記録する出退勤時間に乖離があり、「派遣先での勤怠時間(作業時間)」「派遣元で記録している勤務時間」の、どちらを派遣事業報告における1日あたりの派遣料金算出に使えばよいでしょうか?
どの正社員も「派遣元で記録している勤務時間」のほうが、実働時間が多く記録されており(有給休暇日数分を足していたり等)、やはり総労働時間を選択すべきなのかと思っておりますが、こちらも念のため伺わせていただきました。
> 大変ご丁寧なご回答をいただき、ありがとうございます。
> 下記、追加質問としてお聞きしたく、宜しければご確認くださいますと幸いです。
>
> > 前任者が社会保険料を賃金に加算していたのは、実務上よくある誤りです。
> > 社会保険料は「派遣元の負担」であり、賃金ではなくマージンに含めるのが正しい扱いです。
>
> ⇒「賃金ではなくマージンに含めるのが正しい扱い」について、「会社負担の社会保険料を賃金に付け足して、マージン率を算出する(マージン率を出すために派遣事業報告の数値に一手間加える)という意味ではない」という理解で宜しいでしょうか?
> 「(派遣料金の平均額-派遣労働者の賃金の平均額)÷派遣料金の平均額×100
> ここで使用する「派遣料金」「賃金」は、派遣事業報告書で算出した平均額をそのまま使います。」ともお示しいただいておりますので、賃金に付け足さない、と見て取れる話かもしれないのですが、念のため伺わせていただきました。
>
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> > 2. 派遣労働者の作業時間(総労働時間)の考え方
> > → 有給休暇・教育訓練時間も含めて「総労働時間」とします。
>
> ⇒前任者は、派遣先での作業時間を総労働時間としていました。
> 「作業時間×時間単価」が請求金額のベースになるという理解はしているものの、
> 当社の場合、客先へ派遣に出ている正社員(システムエンジニア)は、
> 毎月、派遣先での作業時間と、派遣元である当社が利用している勤怠システムにに記録する出退勤時間に乖離があり、「派遣先での勤怠時間(作業時間)」「派遣元で記録している勤務時間」の、どちらを派遣事業報告における1日あたりの派遣料金算出に使えばよいでしょうか?
> どの正社員も「派遣元で記録している勤務時間」のほうが、実働時間が多く記録されており(有給休暇日数分を足していたり等)、やはり総労働時間を選択すべきなのかと思っておりますが、こちらも念のため伺わせていただきました。
ご理解の通りです。
「会社負担の社会保険料を賃金に付け足して、マージン率を算出する」というのは誤りであり、社会保険料は派遣元の負担分としてマージンに含めるべきものです。つまり、派遣事業報告書で算出した「派遣料金の平均額」「賃金の平均額」をそのまま使い、そこに会社負担の社会保険料を追加して賃金を膨らませるような操作は不要です。
厚労省の示す計算式は以下の通りです
(派遣料金の平均額-派遣労働者の賃金の平均額)÷派遣料金の平均額×100
ここでいう「賃金」は、派遣労働者に実際に支払った給与(基本給、残業代、休日勤務手当など)であり、会社負担の社会保険料は含みません。社会保険料は派遣元が負担するコストであり、マージンの構成要素として扱うのが正しい整理です。
賃金に会社負担の社会保険料を付け足す必要はない。
派遣事業報告書で算出した「派遣料金」「賃金」の平均額をそのまま使う。
社会保険料は「派遣元負担」としてマージンに含める。
つまり、「賃金に付け足す」という意味ではなく、マージンの内訳に社会保険料を位置づけるという理解で正しいです。
派遣事業報告における総労働時間は、派遣元で記録している勤務時間(=有給休暇・教育訓練を含む賃金支払い対象時間)を用いるのが正しいという結論で問題ありません。
前任者が派遣先での作業時間を総労働時間としていたのは、実務上しばしば見られる誤りで、請求計算と報告書計算を混同してしまったケースと考えられます。
なぜ「派遣元の勤務時間」を使うべきなのか
1. 厚労省の定義では、総労働時間=賃金支払いの対象となるすべての時間
→ 有給休暇、教育訓練、残業、休日労働などを含む。
→ 派遣先の作業時間だけでは定義を満たさない。
2. 派遣事業報告書は、派遣元の勤怠記録と整合している必要がある
労働局の確認ポイントは「派遣元が把握している労働時間との一致」です。
3. 派遣先作業時間を使うと、マージン率が不正確になる
総労働時間が少なく見え、結果としてマージン率が高く算出され、指摘対象になり得ます。
実務上の整理
請求金額の計算
→ 派遣先の作業時間 × 時間単価
派遣事業報告書の計算
→ 派遣元の勤怠システムに記録された勤務時間(総労働時間)
このように、請求用と報告用で基準を分けるのが正しい運用です。
ご認識の通り、派遣元で記録している勤務時間=総労働時間を使用するのが適切です。
派遣先の作業時間を総労働時間として扱う必要はなく、むしろ誤りとなります。
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