改正育児・介護休業法では、残業免除が会社に義務付けられました。
(中小企業は猶予)
これは、3歳に満たない子を養育する労働者が請求した場合には、事業主は、その労働者を、所定労働時間を超えて労働させてはならないという制度です。
では、この制度、管理職の場合はどうなるのでしょうか?
また、裁量労働などのみなし労働時間制を導入している場合は?
◆管理職は、所定外労働の免除の対象となる?
労働基準法第41条第2号に定める管理監督者については、労働時間等に関する規定が適用除外されていることから、所定外労働の免除の対象外となります。
ただし、時短制度のパートでもお話ししましたが、労働時間の適用除外とするには、同法の定める要件が必要なので、要注意です。一歩間違えると、名ばかり管理職といった問題を引き起こします。
◆みなし労働時間制(裁量労働制、事業場外みなし制)の適用となっている場合
この場合、次の2通りの方法が考えられます。
①労働者をみなし労働時間制の対象から外し、通常の労働者の労働時間管理を行うこととした上で、所定外労働の免除の対象とする。
②労働者をみなし労働時間制の対象としたまま、所定外労働の免除の対象とする。
②の場合、みなし労働時間を変更することもあり得ます。その場合、労使協定を変更する必要があるかもしれません。
また、厚生労働省が出しているQ&A集に、こんな質問が出ていました。
「所定外労働の免除が適用される期間であっても、労働者の意見により残業をさせても構いませんか?」
つまり、本人が「残業させてほしい」と言ってきたような場合ですね。
これについて厚労省は次の通り答えています。
「所定外労働の免除が適用される期間であっても、労働者が一時的に子の養育をする必要がなくなった期間等について、労働者の真の意見に基づいて残業を行わせることは差し支えありません。ただし、頻繁に残業を行わせることは望ましくありません。」
本当に本人の意見に基づくものであれば、構わないということですね。
ただし、「所定時間外免除期間中の残業申請書」のような届け出書式を用意し、本人に書いてもらうなど、しっかりエビデンスを残しておくべきでしょう。
微妙なのは、次のような場合です。
・確かに本人の意見に基づくものである。
・しかし、常態として残業をしなければこなせない量の業務を会社がアサインしている
このような場合、「本人の意見に基づく」とは認められないリスクは否定できないでしょう。
要注意です。
<セミナー「残業トラブルはこう防ぐ!残業・労働時間をめぐる法律と労務」開催!>
http://www.hrm-solution.jp/seminar_100722.html
<就業規則、残業管理、改正育児休業法対応のご相談は>
HRM就業規則サポートセンター
http://www.hrm-solution.jp/index.htm
<賃金制度、人事評価のご相談は>
HRM賃金サポートセンター
http://www.hrm-consul.com/index.html