• HOME
  • コラムの泉

コラムの泉

このエントリーをはてなブックマークに追加

専門家が発信する最新トピックスをご紹介(投稿ガイドはこちら

年次有給休暇制度に関するQ&A(その5)

vvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvv
 経営・労務管理ビジネス用語の
      あれっ! これ、どうだった?!

  第63回 年次有給休暇制度に関するQ&A(その5)
      Q7.療養休業期間中あるいは休職期間中に
              年休を使うことはできるか?
      Q8.産前産後休業期間中でも請求があれば
                 年休を付与すべきか?
      Q9.労災保険で療養し休業している労働者は、
         その休暇期間中に年休を取得できるか?

                           
<第82号>     平成23年12月12日(月)
vvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvv
発行人のプロフィル⇒ http://www.ho-wiki06.com
vvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvv

こんにちは! 
メルマガ初訪問の皆さま、ありがとうございます。

1週間のご無沙汰でした。
亥年のアラ還、小野寺です。
本日も年休に係るQ&Aとして解説します。

Q7.療養休業期間中あるいは休職期間中に年休を
使うことはできるか?

○ 年休とは、労働すべき日において賃金を受領して
労働義務を免除されることを意味しています。

つまり、年休であるためには取得日として指定した日が
労働日(勤務日)であることが前提となります。

そこで、病気等で療養期間中が労働日である場合は
どう捉えるべきでしょうか。

本来、年休の利用目的は、前号でも述べたように
争議行為の場合以外は、何らかの制限を受けることなく

まったく労働者の自由とされていますから、
労働者が年休を病気療養のために使用することを目的として
年休権を行使することは可能と言えます。

この点に関して解釈例規では次のように示しています。
「年休を労働者が病気欠勤等に充用することが許されることから
このような労働者に対して請求があれば、年休を与えなくては

ならないと解すると取り扱ってよいか」との疑義に対して
「貴見のとおり」としています(昭31.2.13基収第489号)。

★☆[PR]★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★
労務管理全般について体系的に学びたいという方に是非!

●「募集・採用から退職までの労務管理~ビッグ社員ゲットの
ために!」(購読料630円/月)

・週1回、金曜日付発行。なお、申込当月分の購読料は
無料ですので、気軽に覗いてみて下さい。

・詳細は、以下からご覧ください。

http://www.mag2.com/m/0001323932.html

★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★

○ 一方、休職期間中の場合はどうでしょうか。

一般に、休職期間中はもともと労働義務が完全に免除されて
おり、労働日とは言えません。

従って、休職期間中に年休を行使するということは
あり得ないことと言えます。

この点についても解釈例規では次のように示しています。
休職発令により、会社に対して全く労働義務が免除される
こととなる場合において、

労働義務がない日については年休の請求する余地が
ないことから、休職労働者は年休を行使できないと解される。」
(前掲通達)と示しています。

◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆

Q8.産前産後休業期間中でも請求があれば年休を
付与すべきか?

○ 産前産後の休暇については労基法第65条に規定されており
産前6週間(多胎妊娠の場合は14週間)については
本人から請求があった場合に、

また、産後8週間については労働者本人の請求の有無に
かかわらず休暇を与えなければならないとしています。

ただし、産後休暇については産後6週間を経過した労働者から
就業の請求があった場合には、医師が認めた業務に
就かせることは差し支えないこととしています。

従って、少なくとも産後6週間については、使用者
労働者を絶対に就業させることはできません。

つまり、この間は最初から労働義務がないことから
年休を請求する余地はないことになります。

なお、産後6週間を経過した場合でも労働者から就業に
ついての請求がない場合には、産後8週間を経過するまでは
同様に年休は請求できないことになります。

○ これに対して、産前の休暇期間中であっても、
労働者が6週間の産前休暇(多胎妊娠の場合は14週間)を
請求せずに就業している場合や、

産後の休暇期間中であっても、産後6週間を経過した
労働者が自らの請求により就業している場合には、

年休の取得により消滅する労働義務が存在することから
労働者からの請求があれば年休を付与しなければ
なりません。(了)

◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆

Q9.労災保険で療養し休業している労働者は、その休暇
期間中に年休を取得できるか?

○ 年休は、既に述べたように労働義務のある日に
取得することが前提となっています。

労災保険で療養し休業しているということは、
仕事中(業務上)の事故等により就業ができず休業して
休業補償給付を受けていることになりますが、

この場合、この休業期間中に年休を取得することが
できるのでしょうか。

業務災害による休業中なので、労働義務が免除されて
いるのではないかとも考えられますが、

休業補償給付について労災保険法第14条では
休業補償給付は、労働者が業務上の負傷又は疾病による

療養のため労働することができないために賃金を受けない」
ことから給付するものとされています。

つまり、労務の提供が免除されているわけではなく、
働く意思があっても働けない状態のことです。

また、労務の提供ができないということは、使用者としても
年休の時季変更権を行使する余地がないことになり、

従って、この休業期間中に年休取得の請求があった場合は
年休を付与しなければなりません。

○ ところで、年休の本来の趣旨は、労働者の心身の疲労を
回復させ、労働力の維持培養を図ることにあることから

年休制度の本来の趣旨にそぐわないのではないかという
一面も感じられますが、行政通達でも

「負傷又は疾病等により長期療養中の者が休業期間中
年休を請求したときは、

年休を労働者が病気欠勤等に充用することが許される
ことから、このような労働者に対して請求があれば

年休を与えなくてはならない。」(昭31.2.13基収第489号)
と示していることから付与することに問題はないと
考えられます。

また、休業補償給付(1日当たり賃金額の約8割支給)を
受けるよりも、年休取得により受ける賃金のほうが
有利になることもあります。

つまり、年休を取得した日については、賃金の100%が
支払われることになりますが、

その日については、休業補償給付の支給は行われない
ことになります。(了)

wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
■■ 編集後記 ■■
きょうも最後までお読みいただきありがとうございます。

労働・社会保険関係の最近のニュースを紹介します。

○ 「e-年金通帳」2013年度の導入を目指す方向;

厚生労働省の有識者会議の検討によると、
通帳と同じ形式の画面をインターネット上に載せて

自分の年金記録が閲覧できる「e-年金通帳」(仮称)の
導入を提唱した報告書をまとめているとのことです。

厚労省では「年金加入者が年金記録を簡単に確認できる
方法」として2013年度の導入を目指すとのことです。

雇用保険料率を引下げへ;

厚労省は、2012年度からの雇用保険料率
現在の1.2%から0.2ポイント引下げ、1.0%とする
方向で検討することになったとのこと。

これにより労使負担が3.000億円程度減少するとのことで
労使ともに、少し、嬉しい措置となりそうです。

ただし、事業主のみの負担である雇用保険2事業の料率は
現行の0.35%に据え置かれる見通しとのことです。

では、また次号でお会いしましょう。
wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
★メールマガジン「経営・労務管理ビジネス用語の
         あれっ!これ、どうだった?!」
★発行責任者   小野寺 弘
★E-mail    info@ho-wiki06.com
★発行者サイト  http://www.ho-wiki06.com
★発行システム:『まぐまぐ』http://www.mag2.com/
★配信中止:http://www.mag2.com/m/0001103042.html
wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww

絞り込み検索!

現在22,386コラム

カテゴリ

労務管理

税務経理

企業法務

その他

≪表示順≫

※ハイライトされているキーワードをクリックすると、絞込みが解除されます。
※リセットを押すと、すべての絞り込みが解除されます。

スポンサーリンク

経営ノウハウの泉より最新記事

スポンサーリンク

労働実務事例集

労働新聞社 監修提供

法解釈から実務処理までのQ&Aを分類収録

注目のコラム

注目の相談スレッド

スポンサーリンク

PAGE TOP