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コラムの泉

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バランス

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成長し続ける企業に!サービス業専門社労士日記(第853回)

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おはようございます。

メルマガ発行者のこまつじゅんいちです。

このメルマガは
サービス業特に飲食店経営者及び店長
売上が上がらないとお悩みの経営者
労務管理の難しさを感じている人事担当者
同業の社労士さん

へ向けてこまつが自由に書きたいこと書いているメルマガです。

テーマは
従業員のやる気と売上は本当に連動している」
です。

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◎お客様の売上アップのため!サービス業専門社労士日記
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小松潤一社会保険労務士事務所
http://www.style-neo.jp  http://www.style-neo.com
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目次
■はじめに
■バランス
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■はじめに

給与を払うのには利益が必要ですが
すべての利益を従業員に還元すべきかと言うとそうでもありません。

利益と言うのは短期的な利益でなく長期的に未来永劫続く利益であることが
企業では求められるのです。

よって今売上が急速に伸びていてもいつかは止まってしまうかもしれないという
認識や危機感を経営者は強く持つ必要があります。



今までこまつは社労士として急成長した企業のほとんどが倒産や
会社清算、吸収など結局なくなっている事例をたくさん見てきました。

ちなみにほとんどの急成長企業が現在なくなっています。


バランスが必要なんです。

今日はそんな話



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■バランス

20代の男性がいました。

その男性はあることに気がつき会社を作ることにしました。

誰もが思いつきそうだけど誰もやっていない商売です。
ただこの商売を始めるのには多少のお金が必要なのです。

運よく男性はお金を借りることが出来たのでこの商売を開始します。

すると男性の思惑通り事業は大当たりして

社員は誰も雇わず社長一人で会社を立ち上げて
1年間やってみたところ年収はすでに今まで手に入れたことがない位に
なっていました。


そしてそのお金をもとにさらにシステムに投資を行い
またお金が入ってきました。

売上が上がると当時に
今が攻め時だと負債も増えていました。



そしてもう従業員を雇っても良いかなと思って
一気に従業員採用

これがまた大当たりしたのです。
そしてその仕事は丁寧に接客出来る人であれば実は誰でも
出来てしまうもので社員一人で月間200万円とかの利益を確保できてしまう
仕事です。




従業員は思いました。


「今月は俺は200万円の利益を出した。そして去年は一時300万円とかの
 利益を出すことが出来た。100万円位給与をもらっても良いはずだ!!」

この会社では利益が出る仕組み作りが出来ていたのだ。

経営者が事業を構想し投資を行い、誰でも簡単に利益が生み出せる
仕組みを作ったのだ


そして事業をある程度拡大し社員も10名いる。

10名で毎月1500万円程度の利益を確保できる状態にまでなった


経営者の年収は5000万円を超えていた。


この会社では利益が従業員の評価基準だった。

よってみんな今月どれくらいの利益が確保できたかを
しっている。


そのため従業員は思うのである


「200万円もの利益が出ているのになぜ俺の給与は40万円なんだ・・・・・」



もっともらっていいはず


そう思うのである。


従業員は経営者に聞いてみた。

「どうしてこんなにも利益が出ているのにぼくの給与が上がらないのでしょうか?」


経営者は答えます。
「え!もう十分に給与をあげてるじゃん。給与は40万円だしボーナスは2回で100万円程度渡してるぞ
 年齢が20前半でもう500万円以上わたしてるじゃん?」


「それに君自身も気がついていると思うけどこの仕事って結構簡単じゃん。やろうと思えば
 時給700円のアルバイトですら出来てしまう。そんな仕事で今の500万円も十分に
 渡しているつもりだけど」



従業員は言いました。

「去年1年間でぼくは3000万円の利益を出しているはずです。それなのに500万円だけってことはないでしょ?」


経営者は面倒になり言いました。


「だったら自分で事業をしたらいいよ。俺の会社ではきちんと利益評価基準にのっとり
 給与も決まっている。それが嫌なら辞めていいよ」

毎月月末で利益がすぐに計算できるので

そしてみんなだいたい200万円程度の利益を確保するし
利益が100万円も下回ることは一度もないので

社員はほぼ全員40万円程度の給与をもらうこととなる

たまに300万円以上の利益を確保できる月もあって
そうなると給与は60万円となる


さらに賞与が別の基準から算出されて全員現在100万円程度の
賞与が支給されているのだ



「そもそもこんなバブルみたいな状態がいつまでも続くと思っているのかよ。
 もうこんなバブルは終わるぞ。利益が確保できない状態になるからこれからは
 もっと給与は下がると思うぞ。

 さらにこの仕組みを思いついたのは経営者である俺だ。お前でない」



従業員はカンカンに怒ります。


「こんな簡単な仕組み 誰だってすぐに思いつくわ!!
 俺でもある程度お金があるからすぐにでも事業を興せるわ!!!」

経営者
「おおやってみろ 会社経営がどんなに難しいか知らんお前がこんな
 簡単な事業でも成功するとは思えんがな」


従業員退職して同じ仕組みの会社を作ったのだ



ある程度の資金があればこの事業は出来る

従業員は貯金だけでは足りないので金融機関から借り入れを行い
事業を開始した。


最初は一人でのスタートだ

以前の会社と全く同じ方法で営業を開始した。

最初の月の利益は100万円だった。

それでも一人でやっている事業であるから
実質給与は100万円となるのだ


「ほら見てみろ 最初の月ですでに俺は前の給与の2倍以上稼げたことになる」


そして次の月もその次の月も100万円から150万円位の利益が確保される


今までサラリーマンだった彼には夢のような金額だった。

よしこれだったらすぐに事業を拡大できる


従業員を3名ほど雇いまたスタートした

これも当たった


みんな同じく100万円から200万円位の利益を生んでくれる

確かに以前の職場では200万円以上の利益は確保できていたが
これくらいで十分だ


今では男の月給は300万円位になっていた。
そして高級車を購入したり夜は高い店でお酒を飲んだりと
一気に生活が変わった



男は思います。

従業員の給与を上げてあげよう。

うちの会社では半分を従業員に還元するようにしよう
前の会社では1/4だったので実質倍だ


うちの会社は従業員に優しい会社を目指そう!!!


ところがある日従業員からこんなことを言われます。

「俺は今月200万円利益を確保したのになんで給与が100万円だけなんですか?
 もっと俺にくれても良いじゃないですか?」


いやーさすがにこれ以上払うと・・・・・


さらに追い打ちをかけるように
徐々に利益が低下していったのだ。
月によっては一人100万円の利益が確保できない場合も出てきた。

100万円の利益だから給与も半分の50万円だと思い支給したら

従業員からクレームが
「ちょっと勝手に給与を下げないで下さいよ。俺は給与が100万円だから
 この会社で働いているんですよ。何勝手に下げてるんですか?」


この会社での給与制度なんてない

単純に基本給100万円となっている

経営者
「利益の半分を給与として払うって約束じゃないか???」


従業員
「この雇用契約書見てくださいよ。給与基本給100万円って書いてるじゃないですか?
 どこにも利益に応じて給与が変動するって書いていませんよ」


さらに追い打ちをかけるように

税理士
「このままではかなりの税金を払う必要がありますがお金用意出来ますか?」

聞くところによると利益の40%を法人税として取られ
さらに法人地方税も利益が増えれば税金も増える仕組みだそうだ

今は急激に売上が落ちているのに税金は前年度の利益や売上にかかってくるそうだ!


さらに消費税

消費税は問答無用で利益でなく売り上げにかかってくる


さらにさらに

給与100万円も支払っている従業員から
時間外労働がたくさんあってその残業代がもらえていないから
払ってほしいと言われて・・・・・・・



100万円÷176時間(月間所定労働時間)=5682円(1時間当たりの単価)

5682円×1.25倍×100時間(未払いの時間)=約70万円の請求


100万円も払っているのに何故残業代

消費税ってなんでこんなに一気に取られるの


借入金の返済と金利
利益が低下しているのに給与も下げれず
売上が急激に下がっているのに多額の税金などの支払い
残業未払いトラブル

などなどなど


男にはもう解決するだけの気力が残っていなかった。

残ったのは借金だけだった

あっという間の倒産だ。


「一瞬儲かったと言って急に給与を上げたり
 色々なことを一気にやったのが間違いだった。

 そうかそれで前の社長は俺の給与を抑制していたのか!!!」



男は気がついた。


利益は未来永続的に獲得出来るという変な思い込みで
給与を上げたり高級車を買ったりすると
一度業績が下がるともう取り返しのつかないところまで
落ちて行くのだと・・・


男の会社には現在10名の社員が働いていた
当然倒産なんで解雇することになるのだが

最後くらい経営者らしいことをしてあげようと

以前男が働いていた会社の経営者に頼み込んで
10名の社員を引き取ってもらおうと考えた。

当然過ちを認め経営者に頭を下げてお願いするつもりだ


以前働いていた会社に行き経営者にあって話をした

従業員の生活もあるので御社で引き取ってほしいと
出来れば今まで支払っていた給与水準で引き取ってほしいと

しかし100万円とか男は給与を払っていて
以前勤めていた会社がそれ位給与を支払ってもらえるとは
思えないがそれでも同じ仕事で他の一般のサラリーマンよりも
給与が高いはずだ。

そう思って男は経営者に頭を下げた。

「うちの従業員を30万円とか40万円とかで良いので全員引き取ってほしい
 御社と同じ仕事が入社してからすぐでも出来るはずです」


経営者は言いました。

「もうあの商売はうちではやっていなんだよ。
 最初から2年間程度しか利益が確保できない予測が立っていたから
 君が独立をしてからしばらくしてうちはあの業態を辞めて
 今は別の事業をしているよ。

 だからとてもじゃないけど30万円とか40万円とかでは雇うことが出来ない
 給与がもっと下がって良いのであれば全員引き取るけど」


経営者は初めから高い利益率が長くは続かないと知っていたのだ。


男は一瞬の利益で舞いあがったことを本当に後悔した。


今では借金が残るばかりだ・・・・・・・・



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