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シルバー人材、労災不適用の現状に思うこと

こんにちは社会保険労務士の三木です。
すっかり涼しくなってしまい、ちょっとさびしい感じがしています。

今回は、頻発する、頻発することが予想されるシルバー人材センター会員の作業中の事故につ
いて考えてみました。関係者には再確認していただきたいと思います。


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ウィキペディアによると
シルバー人材センターは、「高年齢者等の雇用の安定等に関する法律」に定められた、地域毎に1つずつ設置されている高年齢者の自主的な団体で、臨時的・短期的な仕事を、請負委任の形式で行う公益法人社団である。就職あっせんのための組織ではない。請負委任になじまない仕事を断らないために補完的に無料職業紹介事業を行っている。また、一部地域では一般労働者派遣事業を行っている。本来、一般労働者派遣事業は厚生労働大臣の許可制を取っているが、シルバー人材センター連合会が行う場合はその公共性・公益性から特定労働者派遣事業と同じように届出のみで行える。届出は各都道府県のシルバー人材センター連合会が行う。

その運営は、公益法人社団として、会員である地域の高年齢者が自主的に行っている。会の役員(理事等)は会員の互選により決まる。国・市町村により運営されているわけではない。一部地域に公益法人財団も存在し、その運営は寄附行為により行われる。

会員は概ね60歳以上の定年退職者・家業の一線を退いた人等が対象。運営費の一部は厚生労働省が各都道府県のシルバー人材センター連合会に対して補助し、連合会から各センターに配分される。


請負う仕事の種類

技術群として⇒経理、自動車運転等

技能群として⇒樹木の剪定、襖・障子張り、大工、塗装作業等

事務群として⇒文書整理、伝票整理、軽事務、毛筆筆耕、宛名書き等

管理群として⇒公共施設管理、駐車場管理、駐輪場管理等

外交折衝群として⇒営業、受付、集金等

軽作業群として⇒公園清掃、除草(草刈)、墓地清掃、農作業、屋内清掃、工場内部分作業等

サービス群として⇒家事、育児、介護等  福祉・家事援助サービス

「業」として反復・継続的に行うのではないという趣旨から業法で許可が必要な警備業や廃棄物処理業は原則として行わない。また、長期の仕事や直接雇用関係が発生する仕事は引き受けない。高年齢者が働くことを考慮し、危険・有害な仕事、万一の際に多額の損害賠償が発生する恐れのある仕事は引き受けない。


一般的に直接雇用したり、労働者派遣を受けるより、安価なため多くの企業に利用されるが、正しく請負いにできない場合は偽装請負になってしまうこともある。非営利事業であるため、襖・障子張りや剪定などは地域の一般業者と比較し価格設定が安くなっているものもあり、民業圧迫との批判を受けることもある。 公共施設の管理では、指定管理者となり、総合的に施設管理運営をしているセンターもある。

その他、就業機会を増やすために「独自事業」として学習教室やカルチャー教室の運営、農業、工芸品の製造販売、食堂の運営等を行っているセンターもある。会員と発注者、会員とセンターの間にはいずれも雇用関係はなく、会員は請負または委任で働く個人事業者となるため、労働災害保険の適用はない。そのために各センターは独自に団体傷害保険に加入しているが、就業先から仕事に関して直接指揮・命令、管理・監督を受けている状況で事故が起きた場合は雇用関係があるとして労働災害保険が適用された判例がある。また、たとえ請負の状態であっても危険な仕事で事故が起こった場合にセンターが安全な仕事を提供しなかったとして安全配慮義務違反が認定され損害賠償を命じられた判例もある。


シルバー人材センターにおけるワークシェアリング
シルバー人材センターにおける就業は、定年退職以降の労働であり、現役世代と同じ規模で働かない事が原則である。そのため、まとまった期間や量の仕事をする際には、会員同士仕事を分け合うワークシェアリングか行われている。公共施設の管理を通年受託している場合などは、特定の会員のみが毎日、長期就業するのではなく、複数の会員がローテーションで就業し、2年から3年(各拠点センターの規定により違いがある)就業したら他の会員に譲るなどの入れ替わりもある。

以上ウィキペディアより引用した。(一部変更あり)

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あるシルバー人材センターのHPには、「シルバー人材センターと会員とは雇用契約ではなく、請負関係となるため、社会保険労災保険の適用がありませんが、労災に代わる「シルバー人材センター団体傷害保険」があります。」との記述があり、

また、「センターでお受けする仕事は雇用および派遣と異なりますので、お客様からの指揮命令のないお仕事に限らせていただきます。また、お仕事は週20時間以内となります。」というのもありました。

現在までに労災認定された事故は、「会社の指揮命令を受け、就業場所も時間も管理されていた」として、これを「労働者にあたる」と判断しています。すなわち、偽装請負であると認定?されれば労災適用となるというおかしな構図です。労基署の段階では現状、認定は有り得ず、裁判まで持ち込み、勝訴しなければ実現できません。また、シルバー人材派遣として登録されていて、派遣中であればもちろん労災が適用されます。

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NHKWebによると
シルバー人材センターの会員のお年寄りが、作業中にけがをしても保険が適用されず、全額自己負担になるケースが相次いでいることについて、厚生労働省はプロジェクトチームを作って、1か月以内をめどに保険が適用されるよう結論を出すことになりました。

シルバー人材センターに登録している会員のお年寄りが、委託された作業中にけがをして医療機関を受診した際、健康保険労災保険も適用されず、全額自己負担になるケースが各地で相次いでいます。

どちらの保険も厚生労働省の所管で、健康保険を担当する部局は、「業務中の事故に健康保険は適用できない」としているのに対し、労災保険を担当する部局も、「会員はシルバー人材センターと雇用関係にないので、労災保険は適用できない」と説明しています。
小宮山厚生労働大臣は25日の閣議後の会見で、「全員に保険が適用されるべきで、それぞれの部局が担当ではないというのは許されず、早急に結論を出したい」と述べ、2つの部局でプロジェクトチームを作って検討を進める考えを示しました。

プロジェクトチームでは、全国のシルバー人材センターでこうした事故がどれくらい起きているか、保険が適用されていない業務がほかにもないかなどを調べ、1か月以内をめどに、どちらの保険を適用するか結論を出すことにしています。

ここまでNHKWebより引用した。

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すなわち、当初「シルバー人材センター」は偽装請負のような作業・業務を会員にさせることを前提としていませんでしたが、高年齢者の激増によってたくさんの仕事を低価格で請け負うこととなり、すれすれの業務が増えているわけです。

超高齢社会の現在、生活保護受給者が急増しています。働く意志のある高齢者のためにもシルバー人材センター会員の労災適用が労基署段階で認定されるよう、1日も早く法整備がなされることを望むところです。

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【免責条項】

記載内容については細心の注意を払っておりますが、記載の内容により生じた

損害につきましては責任を負いかねますのでご了承ください。

三木経営労務管理事務所

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