こんにちは
特定
社会保険労務士の中薗です。
しばらくの間、業務繁忙のためメルマガを休刊させて頂いておりましたが、この
度、復刊させていただく運びとなりました。
皆様のお役に立てる内容をお届けできるよう頑張っていきたいと考えております
ので、何卒よろしくお願い申し上げます。
では、記念すべき復活第1弾は、改正が多く状況把握が難しい「育児・
介護休業
法」に関するレポートをお届けします。
最後までお読みいただけますと幸いです。では・・・
~ここから、以下全文です~
今回は「育児・
介護休業法の改正動向」についてレポートします。
この法律は、少子高齢化、女性の社会進出に伴う男性の育児参加という時代背景
のもと、頻繁に改正が行われています。
したがって、企業等としても現段階でどのような内容になっているのか把握しづ
らくなっていると思われます。
そこで、最近行われた法改正の内容についてまとめてみましたのでご参考として
頂ければ幸いです。
=【目次】===============================
A.法改正のポイント(全体像)
B.子育て期間中の働き方の見直し
C.父親の
育児休業の取得促進
D.
介護休暇の創設
E.実効性の確保
====================================
A.法改正のポイント(全体像)
法改正のポイントは大きく次の4点があります。それぞれ施行日にご注意下さい。
1.子育て期間中の働き方の見直し
(1)
短時間勤務制度・所定外労働免除の義務化(※)
(2)
子の看護休暇の拡充
2.父親の
育児休業の取得促進
(1)パパ・ママ育休プラス
(2)産後8週間以内の父親の
育児休業取得の促進
(3)
労使協定による専業主婦(夫)除外規定の廃止
3.
介護休暇の創設(※)
以上1.~3.の施行日は平成22年6月30日となります。
但し、(※)は中小企業の猶予期間により平成24年6月30日より実施されて
います。
4.実効性の確保
(1)企業名公表・過料の創設など(施行日:平成21年9月30日)
(2)
調停委員による
調停制度の創設(施行日:平成22年4月1日)
それでは、以下にそれぞれの概要(ポイント)について述べていきます。
====================================
B.子育て期間中の働き方の見直し
1.
短時間勤務等
改正前の法律では、育児について「
短時間勤務」「
フレックスタイム制」などの
中からいずれかの措置を講ずるよう義務付けられていました。
平成22年6月30日の改正により、
労働者からのニーズが高かった「短時間勤
務」と「所定外労働の免除」が義務化され、「
フレックスタイム制」などのその
他の措置は、導入が望ましいもの(努力義務)となりました。
2.育児の所定外労働の免除
平成22年6月30日から
短時間勤務など企業が導入すべき一定の選択肢の1つ
だった「所定外労働の免除」が、育児についてのみ必ず導入すべき義務となりま
した。請求回数などは「
時間外労働の制限」と同様です。
3.
子の看護休暇の拡充
小学校就学前の子を養育する男女
労働者は、会社に申し出ることにより子の看護
休暇を取得することができます。改正前は、取得できる
看護休暇の日数は子供の
人数にかかわらず、1年度(特に定めがない場合は4月1日~翌年3月31日)
において年5日まででしたが、改正後は子供が2人以上いる場合は年10日まで
取得できるようになりました。
【補足】
●会社は、
労働者が
看護休暇を請求してきた場合、業務の繁忙等を理由に拒むこ
とができず、そのことを理由に
解雇することも禁止されています。また、年次有
給
休暇とは別にする必要があります。
●この
看護休暇を取得できる
労働者には日々
雇用される者は含まれません。また
労使協定の締結により勤続6ヶ月未満の者や週の
所定労働日数が2日以下の労働
者を対象外とすることが可能です。
====================================
C.父親の
育児休業の取得促進
1.パパ・ママ育休プラス
【改正前】「1歳に達するまで」
【改正後】「1歳2ヶ月に達する前」
改正前の
育児休業は、原則として子が「1歳に達するまで」でしたが、改正後は
父母がともに
育児休業を取得する場合「1歳2ヶ月に達するまで」に延長可能と
なりました。父母が交替で取得して重なる期間があっても構いません。
ただし、1人が取得できる期間の上限は、1年間(母親は産後休暇とあわせて1
年間)です。
2.産後8週間以内の父親の
育児休業取得の促進
【改正前】「
育児休業の取得は原則1回」※再取得できない。
【改正後】「妻の
出産後8週間以内に父親が休業した場合」※再取得できる。
改正前の
育児休業の取得は原則1回で、再取得することはできませんでした。改
正後は、妻の
出産後8週間以内に父親が休業を取得した場合、特別な理由がなく
ても再取得ができるようになりました。
3.
労使協定による専業主婦(夫)除外規定の廃止
【改正前】「配偶者が育児可能な者(妻か専業主婦など)は
育児休業の対象外」
【改正後】「配偶者の状態にかかわらず
育児休業を取得可能」
改正前の法律では、
労使協定を締結すれば配偶者が育児可能な者(妻か専業主婦
など)は
育児休業の対象外にすることができましたが、改正後はこの規定を廃止
し、配偶者の状態にかかわらず
育児休業を取得できるようになりました。
(
短時間勤務制度や残業免除においても同様)
====================================
D.
介護休暇の創設
【改正点】「
介護休暇」(年5日分)制度
(対象家族が2人以上いる場合は年10日まで)
家族の介護、その他通院等の付き添い、介護サービスの提供を受けるための世話
などのために、これまでの「
介護休業」とは別に
労働者が1日ずつ取れる「介護
休暇」(年5日分)制度が創設されました。
対象家族が2人以上いる場合は年10日までとなります。
====================================
E. 実効性の確保
【改正点1】企業名公表・過料の創設など
【改正点2】
調停委員による
調停制度の創設
新たに
罰則や企業名公表の制度が創設されました。勧告に従わない場合の公表制
度、虚偽の報告や報告を怠った事業主には最大20万の過料が課されます。また
紛争解決援助制度がスタートします。援助の制度には、都道府県労働局長による
援助と
調停の2種類あります。
=【関連サイトのご紹介】========================
中薗総合
労務事務所HP
http://homepage2.nifty.com/nakazono/
中薗博章の最新!
社労士ニュース
http://blog.livedoor.jp/nakazonobiz/
労働
社会保険レポート!
http://blog.livedoor.jp/nakazono_office/
こんにちは
特定社会保険労務士の中薗です。
しばらくの間、業務繁忙のためメルマガを休刊させて頂いておりましたが、この
度、復刊させていただく運びとなりました。
皆様のお役に立てる内容をお届けできるよう頑張っていきたいと考えております
ので、何卒よろしくお願い申し上げます。
では、記念すべき復活第1弾は、改正が多く状況把握が難しい「育児・介護休業
法」に関するレポートをお届けします。
最後までお読みいただけますと幸いです。では・・・
~ここから、以下全文です~
今回は「育児・介護休業法の改正動向」についてレポートします。
この法律は、少子高齢化、女性の社会進出に伴う男性の育児参加という時代背景
のもと、頻繁に改正が行われています。
したがって、企業等としても現段階でどのような内容になっているのか把握しづ
らくなっていると思われます。
そこで、最近行われた法改正の内容についてまとめてみましたのでご参考として
頂ければ幸いです。
=【目次】===============================
A.法改正のポイント(全体像)
B.子育て期間中の働き方の見直し
C.父親の育児休業の取得促進
D.介護休暇の創設
E.実効性の確保
====================================
A.法改正のポイント(全体像)
法改正のポイントは大きく次の4点があります。それぞれ施行日にご注意下さい。
1.子育て期間中の働き方の見直し
(1)短時間勤務制度・所定外労働免除の義務化(※)
(2)子の看護休暇の拡充
2.父親の育児休業の取得促進
(1)パパ・ママ育休プラス
(2)産後8週間以内の父親の育児休業取得の促進
(3)労使協定による専業主婦(夫)除外規定の廃止
3.介護休暇の創設(※)
以上1.~3.の施行日は平成22年6月30日となります。
但し、(※)は中小企業の猶予期間により平成24年6月30日より実施されて
います。
4.実効性の確保
(1)企業名公表・過料の創設など(施行日:平成21年9月30日)
(2)調停委員による調停制度の創設(施行日:平成22年4月1日)
それでは、以下にそれぞれの概要(ポイント)について述べていきます。
====================================
B.子育て期間中の働き方の見直し
1.短時間勤務等
改正前の法律では、育児について「短時間勤務」「フレックスタイム制」などの
中からいずれかの措置を講ずるよう義務付けられていました。
平成22年6月30日の改正により、労働者からのニーズが高かった「短時間勤
務」と「所定外労働の免除」が義務化され、「フレックスタイム制」などのその
他の措置は、導入が望ましいもの(努力義務)となりました。
2.育児の所定外労働の免除
平成22年6月30日から短時間勤務など企業が導入すべき一定の選択肢の1つ
だった「所定外労働の免除」が、育児についてのみ必ず導入すべき義務となりま
した。請求回数などは「時間外労働の制限」と同様です。
3.子の看護休暇の拡充
小学校就学前の子を養育する男女労働者は、会社に申し出ることにより子の看護
休暇を取得することができます。改正前は、取得できる看護休暇の日数は子供の
人数にかかわらず、1年度(特に定めがない場合は4月1日~翌年3月31日)
において年5日まででしたが、改正後は子供が2人以上いる場合は年10日まで
取得できるようになりました。
【補足】
●会社は、労働者が看護休暇を請求してきた場合、業務の繁忙等を理由に拒むこ
とができず、そのことを理由に解雇することも禁止されています。また、年次有
給休暇とは別にする必要があります。
●この看護休暇を取得できる労働者には日々雇用される者は含まれません。また
労使協定の締結により勤続6ヶ月未満の者や週の所定労働日数が2日以下の労働
者を対象外とすることが可能です。
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C.父親の育児休業の取得促進
1.パパ・ママ育休プラス
【改正前】「1歳に達するまで」
【改正後】「1歳2ヶ月に達する前」
改正前の育児休業は、原則として子が「1歳に達するまで」でしたが、改正後は
父母がともに育児休業を取得する場合「1歳2ヶ月に達するまで」に延長可能と
なりました。父母が交替で取得して重なる期間があっても構いません。
ただし、1人が取得できる期間の上限は、1年間(母親は産後休暇とあわせて1
年間)です。
2.産後8週間以内の父親の育児休業取得の促進
【改正前】「育児休業の取得は原則1回」※再取得できない。
【改正後】「妻の出産後8週間以内に父親が休業した場合」※再取得できる。
改正前の育児休業の取得は原則1回で、再取得することはできませんでした。改
正後は、妻の出産後8週間以内に父親が休業を取得した場合、特別な理由がなく
ても再取得ができるようになりました。
3.労使協定による専業主婦(夫)除外規定の廃止
【改正前】「配偶者が育児可能な者(妻か専業主婦など)は育児休業の対象外」
【改正後】「配偶者の状態にかかわらず育児休業を取得可能」
改正前の法律では、労使協定を締結すれば配偶者が育児可能な者(妻か専業主婦
など)は育児休業の対象外にすることができましたが、改正後はこの規定を廃止
し、配偶者の状態にかかわらず育児休業を取得できるようになりました。
(短時間勤務制度や残業免除においても同様)
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D. 介護休暇の創設
【改正点】「介護休暇」(年5日分)制度
(対象家族が2人以上いる場合は年10日まで)
家族の介護、その他通院等の付き添い、介護サービスの提供を受けるための世話
などのために、これまでの「介護休業」とは別に労働者が1日ずつ取れる「介護
休暇」(年5日分)制度が創設されました。
対象家族が2人以上いる場合は年10日までとなります。
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E. 実効性の確保
【改正点1】企業名公表・過料の創設など
【改正点2】調停委員による調停制度の創設
新たに罰則や企業名公表の制度が創設されました。勧告に従わない場合の公表制
度、虚偽の報告や報告を怠った事業主には最大20万の過料が課されます。また
紛争解決援助制度がスタートします。援助の制度には、都道府県労働局長による
援助と調停の2種類あります。
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