こんにちは。社会保険労務士の田中です。
新型コロナウイルスのオミクロン株が発生しています。
会社においても引き続き感染防止対策が重要となります。
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当所HPにて「人事労務の一問一答」をご提供しています。
少しずつ充実させていますので、よろしければご覧ください。↓
https://www.tanakajimusho.biz/jinjiQA
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さて、今回は専門業務型裁量労働制についてお伝えします。
☆☆☆☆ 専門業務型裁量労働制の採用企業は1.8% ☆☆☆
専門業務型の裁量労働制を採用している企業は1.8%です。
(令和2年 就労条件総合調査)
ちなみに事業場外みなし労働時間制の採用は11.4%、
企画業務型の裁量労働制は0.8%です。
従業員数別の専門業務型裁量労働制の採用企業割合は次の通りです。
1,000人以上 … 10.6%
300~999人 … 3.6%
100~299人 … 2.0%
30~99人 … 1.3%
従業員数が多くなるほど、専門業務型裁量労働制の採用割合が高まります。
私の実感では100人未満の会社でも5%程が導入していると思いましたが、
1.3%とは予想よりも少ない数字です。
100人未満の企業でも社会保険労務士に委託するような会社では
専門業務型裁量労働制の採用を考える機会が多いのかも知れません。
☆☆ 専門業務型裁量労働制をスタートさせるための要件 ☆☆
専門業務型裁量労働制の採用には労使協定の締結が必要となります。
労働基準法第38条の3では次のように定めています。
『労働者の過半数で組織する労働組合があるときはその労働組合、
労働者の過半数で組織する労働組合がないときは
労働者の過半数を代表する者との書面による協定により』
そして労使協定を締結した上で行政官庁(労働基準監督署)に
届け出る必要があります。
なお、労使協定の内容ほか詳細は厚労省のサイトをご確認ください。↓
https://www.mhlw.go.jp/new-info/kobetu/roudou/gyousei/kantoku/dl/040324-9a.pdf
☆☆ 労使協定の他に、従業員の同意は求めた方が良いか? ☆☆
それでは、対象となる従業員の同意は求めた方が良いでしょうか?
労使協定を締結しているので、一通り従業員は理解していると
考えられますが、個別の同意は必要でしょうか?
これを「実際上の要件」とする考え方があります。
裁量労働制について労働者個人の同意は必要とされていない、
と前置きした上で
『同制度が労働者の主体的な働き方を可能としてその能力発揮を
促進しようとの趣旨に出ている以上、本人の同意は制度の円滑な
実施のための実際上の要件といえよう。』
(労働法12版 P.548 菅野和夫)
☆☆ 実務ではどのように進めれば良いか ☆☆
実務上はどうすべきでしょうか。
上記の考え方を踏まえると、確かに
労使協定の締結 → 労働基準監督署に届け出る、
という手順だけでは、やや丁寧さに欠けるようにも思われます。
だからと言って、個別に同意を得るのは大変です。
同意をどのような方法でとるか、
同意しなかった者は対象から外すのか?
などの新たな問題も生じかねません。
実務的には、説明会を実施して、質問にきちんと答える。
そして、一定期間の経過後にスタートする、という事が
良いのではないかと考えます。
(もちろん、個別に同意を得るのは望ましい事です。)
今回も最後までお読み頂き、ありがとうございます。(2021.12.01)
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