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令和4年-労基法問5-C「賠償予定の禁止」

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■□   2022.10.8
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1 はじめに

2 合格基準

3 「被保険者資格の勤務期間要件(2月要件)の見直し」に関するQ&A

4 過去問データベース

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└■ 1 はじめに
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10月5日に、令和4年度社会保険労務士試験の合格発表がありました。

令和4年度の試験の
受験申込者数 52,251人(前年50,433人、対前年 3.6%増)
受験者数    40,633人(前年37,306、対前年 8.9%増)
でした。
受験申込者数は。平成29年度から令和2年度までは5万人を下回っていましたが、
昨年度、再び5万人を超え、令和4年度は7年ぶりに52,000人を超えました。
また、受験者数が4万人を超えたのも7年ぶりでした。
その中で合格された方は、 2,134人でした。
合格された方、おめでとうございます。

で、合格率は 5.3%(前年度7.9%)です。
昨年度の合格率に比べるとかなり低くなっていて、
平成27年度試験の2.6%、平成28年度試験の4.4%に次いで
過去3番目に低い率です!
ですので、かなり低い水準といえます。

合格基準などについては
「2 合格基準」のほうに記しています。

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└■ 2 合格基準
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令和4年度試験の合格基準は、

<選択式試験>
総得点27点以上 かつ 各科目3点以上 です。

<択一式試験>
総得点44点以上 かつ 各科目4点以上 です。

選択式試験、択一式試験のいずれも科目別の基準点の引下げがありませんでした。
これは、平成19年度試験以来で、2度目のことです。
極端に難しい科目がなかったことから、このような結果になったのでしょう。

選択式の科目別の基準点は、3点以上の受験者の占める割合が5割に満たない
場合は、原則として引き下げ補正することになっていますが、令和4年度は
いずれの科目も5割以上でした。
ちなみに、「社会保険に関する一般常識」は、2点以下であった者の割合が
49.3%だったので、ギリギリで引き下げになりませんでした。

択一式の基準点については、
平成23年度から25年度まで3年連続の46点、平成26年度と平成27年度は45点、
平成28年度は42点、平成29年度と平成30年度は45点で、令和元年度から
令和3年度までは43点、44点、45点と45点前後が基準点になることが多く、
令和4年度もこの範囲内でした。
ただ、2問が出題ミスのため複数正答とされていたので、これがなければ、
基準点、43点以下だった可能性もあります。

問題の内容や基準点との関係で合格率を見ると、
ここのところの傾向と同じで、合格基準点が高いわけではないにもかかわらず、
合格率が低いという感じです。

これは、基本がしっかりとできていないことにより、正解すべきレベルの問題で
正解することができないという受験者が相当いるからではないでしょうか。
また、基本がしっかりできていないので、応用的な問題に対応することが
できないというところもあるのではないでしょうか。

ですので、令和4年度試験では、残念な結果になった方、
来年度試験の合格を目指すのであれば、
まず、当然、基本を確固たるものとして、「正確な知識」を身に付けて、
得点できる問題を確実に得点できるようにしていきましょう。
それに加えて、ここのところは、事例などの応用問題がかなり出ているので、
そのような問題に対応することができる応用力を養うようにしましょう。

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└■ 3「被保険者資格の勤務期間要件(2月要件)の見直し」に関するQ&A2
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2月以内の期間を定めて使用される者について、「2月以内の雇用契約
更新されることが見込まれる場合」とは、具体的にどのような場合か。

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最初の雇用契約の期間が2月以内であっても、次の(ア)又は(イ)に該
当する場合は、「2月以内の雇用契約が更新されることが見込まれる場合」
に該当するものとして、最初の雇用契約に基づき使用され始めた時に被保険
者資格を取得することになります。
(ア)就業規則雇用契約書その他の書面において、その雇用契約が「更新さ
  れる旨」又は「更新される場合がある旨」が明示されていること。
(イ)同一の事業所において、同様の雇用契約に基づき使用されている者が、
  契約更新等により最初の雇用契約の期間を超えて使用された実績がある
  こと。
ただし、(ア)又は(イ)に該当する場合であっても、2月以内で定められた
最初の雇用契約の期間を超えて使用しないことについて労使双方が合意(※)
しているときは、「2月以内の雇用契約が更新されることが見込まれる場合」
には該当しないこととして取り扱います。
(※)書面による合意(メールによる合意も含む。)が必要となります。

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└■ 4 過去問データベース
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今回は、令和4年-労基法問5-C「賠償予定の禁止」です。

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労働基準法第16 条のいわゆる「賠償予定の禁止」については、違約金又は
あらかじめ定めた損害賠償額を現実に徴収したときにはじめて違反が成立する。

☆☆======================================================☆☆

賠償予定の禁止」に関する問題です。

次の問題をみてください。

☆☆======================================================☆☆

【 H23-2-C 】
使用者は、労働契約の締結において、労働契約の不履行について違約金を定める
ことはできないが、労働者不法行為を犯して使用者に損害を被らせる事態に
備えて、一定金額の範囲内で損害賠償額の予定を定めることはできる。

【 H10-2-C 】
運送会社がトラックの運転手を雇い入れる際、「故意又は重大な過失により会社
に損害を与えた場合、損害賠償を行わせることがある」旨の契約を締結する
ことは、禁止されている。

【 H30-5-B 】
債務履行によって使用者が損害を被った場合、現実に生じた損害について
賠償を請求する旨を労働契約の締結に当たり約定することは、労働基準法
16条により禁止されている。

【 H12-2-A 】
使用者は、労働契約の不履行について違約金を定め又は損害賠償額を予定
する契約をしてはならないが、実際に労働者債務履行により被った損害
の賠償を請求することは禁止されていない。

【 H5-4-E 】
使用者は、労働契約の不履行について損害賠償を請求することはできない。

【 H20-1-B 】
使用者は、労働契約の不履行について、労働者に対し損害賠償を請求しては
ならない。

☆☆======================================================☆☆

賠償予定の禁止」に関する問題です。

労働基準法16条では、
使用者は、労働契約の不履行について違約金を定め、又は損害賠償額を予定
する契約をしてはならない」
と規定しています。

ということは、「労働契約の不履行について違約金を定め、又は損害賠償額を
予定する契約」を締結すれば、その時点で、同条違反となります。
つまり、損害賠償額を現実に徴収したときに違反となるのではないので、
【 R4-5-C 】は誤りです。

では、その契約内容について、
【 H23-2-C 】の「一定金額の範囲内で損害賠償額の予定を定める」という
のは、「損害賠償額を予定する契約」ですから、そのような定めをすることは
できません。誤りです。

【 H10-2-C 】の場合は、「損害賠償を行わせることがある」旨の契約
締結することとあります。
【 H30-5-B 】では、「現実に生じた損害について賠償を請求する」旨を
労働契約の締結に当たり約定することとあります。
これらは、いずれも「額」を定めているのではないので、「損害賠償額を予定
する契約」ではありません。
賠償予定の禁止」の規定では、「金額を予定すること」を禁止するのであって、
現実に生じた損害について賠償を請求することを禁止するものではありません。
そのため、これらの事項を労働契約に定めることは禁止されていないので、
いずれも誤りです。

【 H12-2-A 】の「労働者債務履行により被った損害の賠償を請求
すること」、これは、「損害賠償額を予定する契約」を締結したのではなく、
損害があったから請求をするというだけですので、禁止されていません。
正しいです。

損害賠償額を予定する契約」をすると、実損額にかかわらず、その額を賠償
しなければならなくなってしまうので、そのような契約を禁止しています。
一方、現実に生じた損害に対して損害賠償請求をすること、これがダメだという
ことですと、使用者サイドのほうに大きな負担を強いることになってしまいかね
ないので、労働基準法では請求することを禁止していません。
ですので、【 H5-4-E 】と【 H20-1-B 】は、誤りです。
労働契約の不履行について、労働者に対し損害賠償を請求することはできるので。

何ができるのか、何が禁止されているのか、整理しておきましょう。

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              加藤 光大
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