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期間雇用の終了(雇止め)

■Vol.182(通算423)/2011-3-14号:毎週月曜日配信           
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■■■ 知って得する! 1分間で読める~税務・労務・法務の知恵袋
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■■■    【期間雇用の終了(雇止め)】
□□■                  週刊(毎週月曜日発行)
■■■                  http://www.c3-c.jp
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   ☆☆☆ 期間雇用の終了(雇止め) ☆☆☆
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有期労働契約は、契約期間の満了によって当然に終了し、その更新は新たな
契約の締結となり、更新するかどうかは当事者の自由のはずですが、
期間満了後も事実上継続した場合には、黙示の更新がなされたこととなります。
そこで、黙示の更新を回避し、契約期間の満了と同時に契約を終了させる
ためには、使用者から労働者に対して雇止め(更新拒絶)の通知をする必要が
あります。
しかし、反復更新された有期労働契約などについては、この雇止めが制限
されることがあります。


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解雇権濫用法理の類推適用(雇止めの法理)
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判例は、[1]有期労働契約が反復更新されて、期間の定めのない契約
実質的に異ならない状態となった場合、[2]期間の定めのない契約
実質的に異ならない状態とまではいえないが、雇用継続に対する労働者
期待に合理性がある場合については、更新拒絶(雇止め)をするに当たっては、
解雇の法理を類推すべきであり、労働契約が終了となってもやむを得ない
合理的理由がない限り、更新拒絶は許されない」として、一定の場合には
解雇権濫用法理を類推し、雇止めには「客観的で合理的な理由」が必要で
あるとしています。

[1]や[2]の状態にあると認められるかどうかは、業務内容、更新回数、
更新手続などを総合的に考慮して判断されます。以下のような裁判例が
あります。

 【裁判例】

契約更新が1度もなされたことがない事案でも解雇権濫用法理の類推を
認めた裁判例

契約期間の満了毎に明確に更新手続が行われ、その度に期間満了によって
契約が終了する可能性が説明される等、雇用継続への期待が認められない
態様で契約が更新されていたような場合には、解雇権濫用法理の類推
による保護はないとした裁判例

・次回の更新がないことが明確に合意されて最後の更新をした場合、
雇用継続への合理的な期待は認められないとして、解雇権濫用法理
類推適用を否定した裁判例


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改正労働基準法と厚労省の基準
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改正労働基準法は、有期労働契約の締結時・終了時の紛争防止を目的として、
厚生労働大臣は雇止めの通知その他必要な事項についての基準を定める
ことができ、行政官庁は、この基準に従って助言・指導を行うことが
できるとしています。

厚生労働省では、これに基づき、「有期労働契約の締結、更新及び雇止めに
関する基準」を策定しました。

1 契約締結時の明示事項等

 (1)使用者は、有期契約労働者に対して、契約の締結時にその契約
    更新の有無を明示しなければなりません。

 (2)使用者が、有期労働契約を更新する場合があると明示したときは、
    労働者に対して、契約を更新する場合又はしない場合の判断の
    基準を明示しなければなりません。

 (3)使用者は、有期労働契約の締結後に[1]又は[2]について変更する
    場合には、労働者に対して、速やかにその内容を明示しなければ
    なりません。

2 雇止めの予告

  使用者は、有期労働契約(当該契約を3回以上更新し、又は雇入れの
  日から起算して1年を超えて継続勤務している者に係るものに限り、
  あらかじめ当該契約を更新しない旨明示されているものを除く)を
  更新しないこととしようとする場合には、少なくとも当該契約の期間の
  満了する日の30日前までに、その予告をしなければなりません。

3 雇止めの理由の明示

  使用者は、有期労働契約(当該契約を3回以上更新し、又は雇入れの
  日から起算して1年を超えて継続勤務している者に係るものに限り、
  あらかじめ当該契約を更新しない旨明示されているものを除く)を
  更新しないこととしようとする場合、労働者が更新しないこととする
  理由について証明書を請求した場合は、遅滞なくこれを交付しなければ
  なりません。

  更新されなかった場合に、労働者が更新しなかった理由について証明書を
  要求した場合も同様です。

4 契約期間についての配慮

  使用者は、契約を1回以上更新し、1年以上継続して雇用している
  有期契約労働者との契約を更新しようとする場合は、契約の実態及び
  その労働者の希望に応じて、契約期間をできる限り長くするよう
  努めなければなりません。


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● 派遣労働者
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ただし、判例は、次のような理由を挙げて、派遣労働者については
「雇止めの法理」は働かないとする傾向にあります。

(1)派遣法は、派遣労働者雇用の安定だけでなく、常用代替防止 すなわち
   派遣先の常用労慟者の雇用の安定をも立法目的とし、派遣期間の制限、
   規定をおくなどして両目的の調和を図っているところ、同一労働者
   同一事業所への派遣を長期間継続することによって派遣労働者
   雇用の安定を図ることは、常用代替防止の観点から同法の予定する
   ところではないから、派遣労働者雇用継続に対する期待は、派遣法の
   趣旨に照らして、合理性を有さず、保護すべきものとはいえない。

(2)派遣労働者派遣元との間の登録型雇用契約は、派遣元派遣先との
   派遣契約の存在を前提として存在するものであるところ、企業間の
   商取引である派遣契約に更新の期待権や更新義務を観念することは
   できないから、派遣元派遣先との派遣契約は、その期間が満了し、
   更新がなされなかったことにより終了したものと認められる。
   そうすると、派遣労働者派遣元との間の雇用契約が反復継続したと
   しても、あたかも期間の定めのない契約と実質的に異ならない状態で
   存在している場合、あるいは期間満了後も使用者である派遣元
   雇用を継続すべきものと期待することに合理性が認められる場合には
   当たらない。
 

         (弁護士 緒方義行  http://www.fuso-godo.jp/

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