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税制改正大綱閣議決定

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇vol.361-2016.12.31
      
    ☆☆☆ Weekly Accounting Journal ☆☆☆

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
こんにちは、エキスパーツリンクの紺野です。日本の会計基準は、今、IFRS
で揺れ動いています。一方で税制も改正されており、上場会社及び上場準備会
社の決算・経理実務は今後も引き続き、目まぐるしく変化していきます。これ
らのエッセンスを、上場会社及び上場準備会社の経理担当者の皆さん向けに、
出来る限り分かりやすくお伝えします。何らかの「気づき」をご提供すること
が出来れば幸いです。仕事の合間に軽くどうぞ!

文中意見にわたる部分は私どもの私見にもとづきます。このメールマガジン
の情報をもとに実務に適用される場合には、監査法人さんや顧問税理士さん等
にご確認ください。もちろん、エキスパーツリンクでもまずは無料で検討させ
ていただきます。


◆◇今週のCONTENTS◆◇
1.[最新J-GAAP]連結財務諸表作成における在外子会社等の会計処理に関する
当面の取扱い(案)
2.[税務]税制改正大綱閣議決定
3.[税務]パフォーマンス・シェア
4.[最新J-GAAP]公共施設等運営事業における会計処理等に関する実務上の取
扱い(案)
5.[編集後記]

===================================
1.[最新J-GAAP]連結財務諸表作成における在外子会社等の会計処理に関す
る当面の取扱い(案)
===================================

企業会計基準委員会ASBJでは、平成28年12月20日、

既存の実務対応報告第18号「連結財務諸表作成における在外子会社の会計
理に関する当面の取扱い」

を見直し、

実務対応報告公開草案第49号(実務対応報告第18号の改正案)「連結財務諸
表作成における在外子会社等の会計処理に関する当面の取扱い(案)」

として公表し、

また、

既存の実務対応報告第24号「持分法適用関連会社の会計処理に関する当面の
取扱い」を見直し、

実務対応報告公開草案第50号(実務対応報告第24号の改正案)「持分法適用
関連会社の会計処理に関する当面の取扱い(案)」

として公表しました。

https://www.asb.or.jp/asb/asb_j/documents/exposure_draft/zaigai2016/index.shtml

これは、49号の「当面の取扱い」の範囲に、

「指定国際会計基準に準拠した連結財務諸表を作成して金融商品取引法に基
づく有価証券報告書による開示している国内子会社」
「ASBJが公表した「修正国際基準」を国内子会社が適用する場合」

を含めることとし、

50号の「当面の取扱い」の範囲に、

「国内関連会社が指定国際会計基準に準拠した連結財務諸表を作成して金融
商品取引法に基づく有価証券報告書により開示している場合」
「ASBJが公表した「修正国際基準」を国内関連会社が適用する場合」

を含めることとしたものです。要は国内の子会社関連会社がIFRSを適用して
いる場合でも、一定の修正事項を除き、そのまま連結等できるようになるとい
うことです。

===================================
2.[税務]税制改正大綱閣議決定
===================================
平成28年12月22日、税制改正大綱が閣議決定されています。
http://www.mof.go.jp/tax_policy/tax_reform/

こちらの概要からまとめを記載しておきます。

(個人所得課税)
配偶者控除及び配偶者特別控除の見直し
・所得控除額38万円の対象となる配偶者の給与収入金額の上限を150万円
(合計所得金額85万円)に引上げ(※)。控除額は逓減し、配偶者の給与
収入金額約201万円(合計所得金額123万円)で消失。
(※)控除額等については、所得税の場合のもの。

・納税者本人に所得制限を導入。給与収入金額1,120万円(合計所得金額900
万円)で控除額が逓減を開始し、1,220万円(合計所得金額1,000万円)
で消失。
(注)上記の「給与収入金額」は、所得が給与所得のみである場合の金額。
なお、今回の見直しによる個人住民税の減収額については、全額国
費で補填。

(法人課税)
○研究開発税制の見直し
・総額型の税額控除率(現行:8~10%、中小法人 12%)を試験研究費
増減割合に応じた税額控除率(6~14%、中小法人 12~17%)とする制
度に改組。

・高水準型の適用期限を2年延長。

試験研究費の範囲に、新たなサービスの開発に係る一定の費用を追加。

・特別試験研究費の対象費用や手続きの見直し。

○所得拡大促進税制の見直し
・大法人について、平均給与等支給額要件の見直し(現行:前年度超→前年
度比2%以上増)。

・平均給与等支給額が前年度比2%以上増加した場合の控除税額の拡充(現
行:雇用者給与等支給額の24年度からの増加額の10%→雇用者給与等支
給額の前年度からの増加額の2%(中小法人 12%)を加算)。

○コーポレートガバナンス改革・事業再編の環境整備
法人税の申告期限の特例の見直し(会計監査人設置会社が事業年度終了後
3か月を超えて株主総会期日を設定する場合に、最大4か月間の申告期限
の延長を認める)。

役員給与等の損金算入要件の見直し(利益連動給与について、株価に連動
したものや、複数年度の利益に連動したものを損金算入の対象に追加する
等)。

組織再編税制等の見直し(事業の一部を独立会社とする会社分割等につい
て一定の要件の下で、組織再編税制の対象に追加する等)。

○中堅・中小企業の支援
・地域中核企業向け設備投資促進税制の創設(地域未来投資促進法(仮称)
に基づく設備投資に対して特別償却又は税額控除ができる制度を創設)。

・中小企業投資促進税制の拡充(中小企業投資促進税制の上乗せ措置(生産
性向上設備等に係る即時償却等))について、中小企業経営強化税制とし
て改組し、全ての器具備品・建物附属設備を対象に追加。

○地方拠点強化税制の拡充
・無期かつフルタイムの新規雇用に対する税額控除額の引上げ等。

○外国子会社合算税制の見直し
・外国子会社合算税制について、租税回避リスクを外国子会社の外形(税負
担率)ではなく、個々の活動内容(所得の種類等)により把握する仕組み
へ見直し。見直しに当たっては、企業の事務負担に配慮。
-経済実体がない、いわゆる受動的所得は合算対象。
-実体のある事業からの所得は、子会社の税負担率にかかわらず合算対象外。

いずれ細かくみていきます。まずは全体を。

===================================
3.[税務]パフォーマンス・シェア
===================================
上述の

役員給与等の損金算入要件の見直し(利益連動給与について、株価に連動し
たものや、複数年度の利益に連動したものを損金算入の対象に追加する等)」

という話ですが、

今回の改正により、利益連動給与の対象として、以下の”株式による給与”
が含まれることになります。

「業績連動指標を基礎として算定される数の市場価格のある株式を交付する給
与で確定した数を限度とするもの」

この「業績連動指標」に従前の営業利益経常利益ROAROE等に加え、株価
や、売上高が加えられるということです。

さらに、この利益連動給与の算定において、「将来の所定の時点・期間」の指
標等も新たに採用できることとなります。

これにより、パフォーマンス・シェアと呼ばれる方法が利用できることになり
ます。

パフォーマンス・シェアとは、中長期の業績目標の達成度合いに応じて株式を
交付するものです。

法人税的には損金算入されるのでしょうけれども、所得税についてはあまり言
及がみられないようですので、交付時に時価で課税されるのではないでしょう
か。

よくよく研究しないとですね。

===================================
4.[最新J-GAAP]公共施設等運営事業における会計処理等に関する実務上の取
扱い(案)
===================================

ASBJは、平成28年12月22日、「公共施設等運営事業における運営権者の会計
処理等に関する実務上の取扱い(案)」を公表しました。

https://www.asb.or.jp/asb/asb_j/documents/exposure_draft/pfi2016/index.shtml

公共施設等運営権制度とは、PFI法で以下のように規定されています。

(1) 運営権者が実施する公共施設等運営事業とは、特定事業(PFI法第2条第
2項に規定する公共施設等の整備等(公共施設等の建設、製造、改修、維
持管理若しくは運営又はこれらに関する企画をいい、国民に対するサービ
スの提供を含む。)に関する事業であって、民間の資金、経営能力及び技
術的能力を活用することにより効率的かつ効果的に実施されるものをいう。
)であって、公共施設等運営権の設定を受けて、管理者等が所有権を有す
る公共施設等について運営等(運営及び維持管理並びにこれらに関する企
画をいい、国民に対するサービスの提供を含む。)を行い、利用料金を自
らの収入として収受するものである(PFI法第2条第6項)。

(2) 公共施設等運営権とは、公共施設等運営事業を実施する権利であり(PFI
法第2条第7項)、公共施設等運営権制度では、管理者等が所有権を有する
公共施設等について、公共施設等運営権を運営権者に設定する。

(3) PFI 法では、公共施設等運営権が物権とみなされており(PFI法第24条)、
公共施設等運営権への抵当権の設定等が可能である。また、権利の性質上、
その行使には一定の制約を受けるため、分割又は併合が認められておらず、
第三者へ移転する場合は、管理者等の許可を受けなければならない(PFI
法第 26 条)。

なんかいまいちわかりづらいので、調べてみました。

1つの形態としてなのでしょうけれども、コンセッション方式という方法があ
るようです。これは、高速道路、空港、上下水道などの料金徴収を伴う公共施
設などについて、施設の所有権を発注者(公的機関)に残したまま、運営を特
別目的会社として設立される民間事業者(以下、SPC)が行うスキームを指す
ようです。SPCは、公共施設利用者などからの利用料金を直接受け取り、運営
に係る費用を回収するいわゆる「独立採算型」で事業を行う事になるそうです。

で、これらの会計処理基準ができようとしているというお話ですね。

詳細は上記リンクをあたって欲しいのですが、やや端折りつつ書いてみると、

・運営権者は公共施設等運営権を取得した時に、管理者等と運営権者との間で
締結された実施契約において定められた公共施設等運営権の対価(運営権対
価)について、合理的に見積られた支出額の総額を無形固定資産として計上
する。
・運営権対価を分割で支払う場合、資産及び負債の計上額は、運営権対価の支
出額の総額の現在価値による。
・運営権対価の支出額の総額の現在価値の算定にあたっては、運営権者の契約
履行に係るリスクを割引率に反映させる。

で、減損テストをしたりするわけです。
個人的に興味あります。

===================================
5.[編集後記]
===================================
今年もとうとう大晦日。振り返ってみると、つらいことも多くありましたが、
確実によくなっている。そんなふうに実感できる一年でした。エキスパーツリ
ンクもようやく基盤が整いつつあるのではないかと思います。エキスパーツリ
ンクは平成19年設立ですので、来年で満十年になります。いやあ、よく十年続
けられたものです。この節目にあたり、更に専門性を高め、大きく飛躍したい
と考えております。今年は皆様ご愛読誠にありがとうございました。来年も引
き続きご愛顧のほどよろしくお願い申し上げます。よいお年を!

公認会計士紺野良一事務所のHPを作りましたので、是非ご覧ください。

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個人会計士による会社法監査
http://kaishaho-kansa.com/audit/personal/

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 公認会計士税理士・公認内部監査人(CIA)inactive 紺野良一
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