平成20年2月15日 第52号
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人事のブレーン
社会保険労務士レポート
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
目次
1.
労働契約法及び
パートタイム労働法施行に伴う
雇用契約書の整備
===================================
ブログもよろしくお願い致します。
「
人事のブレーン
社会保険労務士日記」です。
http://norifumi.cocolog-nifty.com/blog/
是非見てみて下さい!
***********************************
1.
労働契約法及び
パートタイム労働法施行に伴う
雇用契約書の整備
***********************************
<1> はじめに
改正
パートタイム労働法の講演を受けて準備をしていたのですが、実務対策と
してはしっかりとした
雇用契約書の整備が最も重要な当面の課題であると痛感
し今回のテーマとした。
連合の高木会長の出身母体であるUIゼンゼン同盟の組織局長とお話しする
機会があった。
そこで労使紛争の原因については1/3は労使双方の誤解、1/3は
労働者
側の理不尽な要求、1/3は
使用者の理不尽な態度という分類が出来ると。
これが事実であれば、
雇用契約書を整備することにより誤解による紛争解決
を防止し、理不尽な要求にも対応出来る可能性もある。
本年はこの2つの法律が施行されるが、これを機に
雇用契約の内容をしっか
りと整備し、
労働契約法や
パートタイム労働法の努力義務規定が遵守義務規定
になった場合に備えておかなければならない。
<2>
労働契約法施行に備えて
労働契約法の内容は前回のメルマガの通りである。
実際には確立された最高裁判例の周知という面が強く、
労働契約法施行により
今迄の実務が大きく変更するということはない。
しかし、周知という面では労使双方に行われることであり、
労働者側にも啓蒙
されるのである。
また、この法律施行により判例がより厳格に、具体的にいうとこの法律を根拠
にして
使用者にとって厳しい内容の判断がされる可能性もある。
よって今まで以上にしっかりとした対応が求められる。
労働契約法に関しては「解雇する場合」「
労働条件の変更」「
契約書の整備」
に大別される
問題社員の対応については友人の古川健太郎弁護士がパートナーを務める八王
子ひまわり法律事務所の「ひまわり通信第3号」に寄稿したので、近々にホー
ムページにPDFで公開予定なので一読願いたい。
労働条件の変更については本稿では省略する。
均等待遇については、改正
パートタイム労働法に記されており、
労働契約法で
は「均衡」との表現である。
均衡とは「バランスのとれた」という意味で考えることが出来、
労働契約法で
はバランスのとれた
契約内容の格差を求められていると考えることが出来る。
雇用契約書作成にあたり、この均衡のとれた格差とは何かを意識してしっかり
と説明が出来るようにしておく必要がある。
この点については、
パートタイム労働法の
均等待遇で解説したい。
<3>改正
パートタイム労働法施行に備えて
(1)改正
パートタイム労働法の「職務同一」とは
改正
パートタイム労働法では、職務が正社員と同一である場合には
賃金の決定
についての努力義務と教育訓練についての遵守義務規定が設けられている。
逆をいえば、職務が違うのであればこの規定の適用がないということである。
この職務同一の概念についてはメルマガ49号をご覧頂きたい。
参考までに厚生労働省が発行している「
パートタイム労働法が変わります!」
に職務同一についての事例が掲載されているので、参考までに引用する。
事例A
職務は同じでも中核的業務が異なり、職務が異なる場合
ある衣料品販売店の販売員A(
パートタイム労働者)と販売員B(通常の労働
者)では、販売職ということで職種は同じで、レジや接客などの業務は同じよ
うに行なっていますが、品出しや商品の陳列の業務が
パートタイム労働者だけ
の業務として位置づけられており、これらの業務がAの担当業務の3分の2を
占めています。
一方、シフト管理や売場(レイアウト)作り、クレーム処理はBだけに任さ
れています。
このような場合、AとBの中核的業務を比較すると、Aの中核的業務のうち、
品出し、陳列業務とBの中核的業務のうちシフト管理、売場作り、クレーム処
理の業務は明らかに異なる業務であると判断され、AとBでは職務の内容が異
なると考えられます。
事例B
業務内容は同じでも、責任の程度が異なり、職務が異なる場合
ある運送会社ドライバーA(
パートタイム労働者)とドライバーB(通常の労
働者)とでは、ドライバーということで職種は同じで、AとBの配達品目や配
達地域も同一なので業務内容は同一です。
しかしながら、Bには通常のシフトに加え、繁忙期や急な欠勤者が出た場合の
対応をすることが求められ、実際月末になると残業をすることも多く、業務に
伴う責任の程度がBの方が重く、職務の内容は異なると考えられます。
事例C
職務が同じ場合
ある大型スーパーの婦人服売場の売場長A(
パートタイム労働者)と紳士
服売場の売場長B(通常の
労働者)とでは、販売職ということで職種は同じで
す。
業務の内容をみると、扱う商品に違いはありますが必要な知識の水準などに大
きな違いはありませんし、在庫管理、部下の指導など業務の内容、そして、業
務に伴う責任の程度においても、AとBに違いはなく、職務の内容は同じと考
えられます。
事例D
ある自動車部品の組立工場の組立ラインの作業員A(
パートタイム労働者)と
作業員B(通常の
労働者)とでは、自動車部品組立工ということで職種は同じ
です。
業務の内容をみると、AとBも同じラインで同じ作業に従事しており、業務の
内容は実質的に同じと言えます。また、両者はトラブル発生時に同様に対処す
ることを求められていますし、QC(品質管理)サークル活動への参加も同様
に求められていますので、業務に伴う責任の程度もAとBに違いはなく、職務
の内容は同じと考えられます。
(2)職務が同一と判断された場合の努力義務規定
改正
パートタイム労働法では、職務が同一、
人事制度の仕組みが同一、
契約期
間の定めがない(雇い止め法理が適用される
有期雇用契約を含む)の3つの要
件を満たした場合には、いわゆる正社員との差別を禁止している。
一方で職務が同一であれば、それだけで一定の努力義務や遵守義務を課してお
り、その内容を解説する。
遵守義務
・教育訓練のうち、職務遂行に必要な能力を身につけさせる為の訓練について
は、
パートタイム労働者にも正社員と同様の教育を受けさせる事とする。
努力義務
・職務が同一と判断され、一定期間について
人事制度の仕組みが同一であれば、
当該期間の
賃金の決定について正社員と同様に決定することに努める事とする。
参考までに厚生労働省が発行している「
パートタイム労働法が変わります!」
に
人事制度の仕組みが同一についての事例が掲載されているので、参考までに
引用する。
事例E
人事活用の仕組みや運用が異なる場合
あるスーパーマーケットでは、
雇用形態にかかわらず、有能な人材を副店長に
登用していますが、副店長は2~3年ごとに店舗を異動させる仕組みになって
いますので、通常の
労働者、
パートタイム労働者にも転勤があります。
しかしながら、通常の
労働者の副店長は、全国的に転居を伴う異動をさせる一
方、
パートタイム労働者の副店長には、転居を伴うことなく、自宅から通える
範囲での異動しかさせないことにしていますので、転勤の範囲が異なり、人材
活用の仕組みが異なると考えられます。
事例F
あるシステム開発会社では、事業所が1つ存在するのみですので、転勤はあり
ません。
この会社で働くプログラマーは専門職と位置づけられ、開発部に所属し、通常
の
労働者のプログラマーも
パートタイム労働者のプログラマーも
人事異動はあ
りませんので、配置の変更がない、という観点から同じ取り扱いになっていま
す。
しかしながら、人材活用の方針として、通常の
労働者のプログラマーは、担当
するシステムの分野を定期的に変更させたり、社内横断的なプロジェクトチー
ムに参加させたりして、様々な業務の経験を積ませ、育成することにしていま
すが、
パートタイム労働者には、通常の
労働者と同様の取扱いは行なっていま
せん。
このような場合、
雇用されている期間に経験する職務の範囲が通常の
労働者の
方が広く、人材活用の仕組みや運用などが異なると考えられます。
事例G
人事活用の仕組みや運用などが同じ場合
電機メーカー工場で、溶接・組立・修理を行なう現場の作業員は、通常の労働
者も
パートタイム労働者も、生産体制の変化に伴って配置されるラインが変わ
る異動はありますが、他の工場への異動は実態としてありませんので転勤はど
ちらにもない、ということで転勤の取扱いは同じ、配置の変更の取扱いは同じ
と言えます。
また、両者が
雇用されている期間において、責任や権限の変化についてみると、
通常の
労働者も
パートタイム労働者も同じように能力がある作業員については、
ラインの責任者として部下の指導などを行なわせることとしていますので、人
材活用の仕組みや運用などの実態が同じと考えられます。
(3)同一要件に全く該当がない場合でも適用を受ける規定
・
雇用契約書の整備と待遇格差の説明義務
・格差のある待遇格差をさせる努力義務
・職務遂行に直接関係のないキャリアアップ研修等の実施を正社員と同様にす
る努力義務
・
福利厚生施設のうち「給食施設」「更衣室」「
休憩室」について正社員と同
様の利用機会を与える遵守義務
・
パートタイム労働者から通常の
労働者へと転換する機会を与える為の措置を
講じる義務(転換させる義務ではなく、機会を与える義務)
・苦情処理
・
就業規則整備時にパートタイムの代表者からも意見を聴取する努力義務
・その他
<4>
雇用契約書整備の注意点
(1)職務内容について
職務内容について
雇用契約書にどの様に記載すればよいのか。
例えば「経理事務」と記載すれば、当該
労働者は経理事務以外の業務に従事す
ることがないという
契約内容である。
判例では一定の年数が過ぎれば経理事務以外の職務に従事させることが出来る
というものもあるが、基本的には従事させることが出来ないと考えて間違いな
い。
当然労使間の合意があれば業務内容の変更は可能である。
正社員は業務を特定せずに
雇用契約書を作成し、
パートタイム労働者について
は業務を限定して
採用することをしている場合には、
人事制度の仕組みが違う
と考えられる。
しかし、正社員も職務変更が殆ど無い場合や大きな変更がない場合には実質的
に同様と判断されることも考えられるので、注意が必要である。
(2)勤務地について
勤務地について例えば「当社事業所」と記載すれば転勤は全ての事業所に対し
て行われる可能性がある。
正社員については「当社事業所」とし、
パートタイム労働者には「八王子営業
所」の様に勤務地を限定するか、「転居を伴わない範囲で転勤がある」旨明記
する等で対応することが望ましい。
但しこの場合にも、実態として転勤が殆ど行われていない場合には実質的の同
じであると考えられるので注意が必要である。
<4>まとめ
はじめに述べたように、
雇用契約締結に際し詳細を明記していることが労使紛
争の防止に繋がる。
改正
パートタイム労働法施行に関係なく、より詳細な
雇用契約書を作成するこ
とをお勧めしたい。
また
有期雇用契約については、殆どの場合に雇い止めの法理が適用されると考
えられる。
業務の責任や役割をしっかりと努力義務規定の間に整備しておくことをお勧め
する。
===================================
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発生致しましても責任を負いかねます。
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平成20年2月15日 第52号
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人事のブレーン社会保険労務士レポート
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目次
1.労働契約法及びパートタイム労働法施行に伴う雇用契約書の整備
===================================
ブログもよろしくお願い致します。
「人事のブレーン社会保険労務士日記」です。
http://norifumi.cocolog-nifty.com/blog/
是非見てみて下さい!
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1.労働契約法及びパートタイム労働法施行に伴う雇用契約書の整備
***********************************
<1> はじめに
改正パートタイム労働法の講演を受けて準備をしていたのですが、実務対策と
してはしっかりとした雇用契約書の整備が最も重要な当面の課題であると痛感
し今回のテーマとした。
連合の高木会長の出身母体であるUIゼンゼン同盟の組織局長とお話しする
機会があった。
そこで労使紛争の原因については1/3は労使双方の誤解、1/3は労働者
側の理不尽な要求、1/3は使用者の理不尽な態度という分類が出来ると。
これが事実であれば、雇用契約書を整備することにより誤解による紛争解決
を防止し、理不尽な要求にも対応出来る可能性もある。
本年はこの2つの法律が施行されるが、これを機に雇用契約の内容をしっか
りと整備し、労働契約法やパートタイム労働法の努力義務規定が遵守義務規定
になった場合に備えておかなければならない。
<2> 労働契約法施行に備えて
労働契約法の内容は前回のメルマガの通りである。
実際には確立された最高裁判例の周知という面が強く、労働契約法施行により
今迄の実務が大きく変更するということはない。
しかし、周知という面では労使双方に行われることであり、労働者側にも啓蒙
されるのである。
また、この法律施行により判例がより厳格に、具体的にいうとこの法律を根拠
にして使用者にとって厳しい内容の判断がされる可能性もある。
よって今まで以上にしっかりとした対応が求められる。
労働契約法に関しては「解雇する場合」「労働条件の変更」「契約書の整備」
に大別される
問題社員の対応については友人の古川健太郎弁護士がパートナーを務める八王
子ひまわり法律事務所の「ひまわり通信第3号」に寄稿したので、近々にホー
ムページにPDFで公開予定なので一読願いたい。
労働条件の変更については本稿では省略する。
均等待遇については、改正パートタイム労働法に記されており、労働契約法で
は「均衡」との表現である。
均衡とは「バランスのとれた」という意味で考えることが出来、労働契約法で
はバランスのとれた契約内容の格差を求められていると考えることが出来る。
雇用契約書作成にあたり、この均衡のとれた格差とは何かを意識してしっかり
と説明が出来るようにしておく必要がある。
この点については、パートタイム労働法の均等待遇で解説したい。
<3>改正パートタイム労働法施行に備えて
(1)改正パートタイム労働法の「職務同一」とは
改正パートタイム労働法では、職務が正社員と同一である場合には賃金の決定
についての努力義務と教育訓練についての遵守義務規定が設けられている。
逆をいえば、職務が違うのであればこの規定の適用がないということである。
この職務同一の概念についてはメルマガ49号をご覧頂きたい。
参考までに厚生労働省が発行している「パートタイム労働法が変わります!」
に職務同一についての事例が掲載されているので、参考までに引用する。
事例A
職務は同じでも中核的業務が異なり、職務が異なる場合
ある衣料品販売店の販売員A(パートタイム労働者)と販売員B(通常の労働
者)では、販売職ということで職種は同じで、レジや接客などの業務は同じよ
うに行なっていますが、品出しや商品の陳列の業務がパートタイム労働者だけ
の業務として位置づけられており、これらの業務がAの担当業務の3分の2を
占めています。
一方、シフト管理や売場(レイアウト)作り、クレーム処理はBだけに任さ
れています。
このような場合、AとBの中核的業務を比較すると、Aの中核的業務のうち、
品出し、陳列業務とBの中核的業務のうちシフト管理、売場作り、クレーム処
理の業務は明らかに異なる業務であると判断され、AとBでは職務の内容が異
なると考えられます。
事例B
業務内容は同じでも、責任の程度が異なり、職務が異なる場合
ある運送会社ドライバーA(パートタイム労働者)とドライバーB(通常の労
働者)とでは、ドライバーということで職種は同じで、AとBの配達品目や配
達地域も同一なので業務内容は同一です。
しかしながら、Bには通常のシフトに加え、繁忙期や急な欠勤者が出た場合の
対応をすることが求められ、実際月末になると残業をすることも多く、業務に
伴う責任の程度がBの方が重く、職務の内容は異なると考えられます。
事例C
職務が同じ場合
ある大型スーパーの婦人服売場の売場長A(パートタイム労働者)と紳士
服売場の売場長B(通常の労働者)とでは、販売職ということで職種は同じで
す。
業務の内容をみると、扱う商品に違いはありますが必要な知識の水準などに大
きな違いはありませんし、在庫管理、部下の指導など業務の内容、そして、業
務に伴う責任の程度においても、AとBに違いはなく、職務の内容は同じと考
えられます。
事例D
ある自動車部品の組立工場の組立ラインの作業員A(パートタイム労働者)と
作業員B(通常の労働者)とでは、自動車部品組立工ということで職種は同じ
です。
業務の内容をみると、AとBも同じラインで同じ作業に従事しており、業務の
内容は実質的に同じと言えます。また、両者はトラブル発生時に同様に対処す
ることを求められていますし、QC(品質管理)サークル活動への参加も同様
に求められていますので、業務に伴う責任の程度もAとBに違いはなく、職務
の内容は同じと考えられます。
(2)職務が同一と判断された場合の努力義務規定
改正パートタイム労働法では、職務が同一、人事制度の仕組みが同一、契約期
間の定めがない(雇い止め法理が適用される有期雇用契約を含む)の3つの要
件を満たした場合には、いわゆる正社員との差別を禁止している。
一方で職務が同一であれば、それだけで一定の努力義務や遵守義務を課してお
り、その内容を解説する。
遵守義務
・教育訓練のうち、職務遂行に必要な能力を身につけさせる為の訓練について
は、パートタイム労働者にも正社員と同様の教育を受けさせる事とする。
努力義務
・職務が同一と判断され、一定期間について人事制度の仕組みが同一であれば、
当該期間の賃金の決定について正社員と同様に決定することに努める事とする。
参考までに厚生労働省が発行している「パートタイム労働法が変わります!」
に人事制度の仕組みが同一についての事例が掲載されているので、参考までに
引用する。
事例E
人事活用の仕組みや運用が異なる場合
あるスーパーマーケットでは、雇用形態にかかわらず、有能な人材を副店長に
登用していますが、副店長は2~3年ごとに店舗を異動させる仕組みになって
いますので、通常の労働者、パートタイム労働者にも転勤があります。
しかしながら、通常の労働者の副店長は、全国的に転居を伴う異動をさせる一
方、パートタイム労働者の副店長には、転居を伴うことなく、自宅から通える
範囲での異動しかさせないことにしていますので、転勤の範囲が異なり、人材
活用の仕組みが異なると考えられます。
事例F
あるシステム開発会社では、事業所が1つ存在するのみですので、転勤はあり
ません。
この会社で働くプログラマーは専門職と位置づけられ、開発部に所属し、通常
の労働者のプログラマーもパートタイム労働者のプログラマーも人事異動はあ
りませんので、配置の変更がない、という観点から同じ取り扱いになっていま
す。
しかしながら、人材活用の方針として、通常の労働者のプログラマーは、担当
するシステムの分野を定期的に変更させたり、社内横断的なプロジェクトチー
ムに参加させたりして、様々な業務の経験を積ませ、育成することにしていま
すが、パートタイム労働者には、通常の労働者と同様の取扱いは行なっていま
せん。
このような場合、雇用されている期間に経験する職務の範囲が通常の労働者の
方が広く、人材活用の仕組みや運用などが異なると考えられます。
事例G
人事活用の仕組みや運用などが同じ場合
電機メーカー工場で、溶接・組立・修理を行なう現場の作業員は、通常の労働
者もパートタイム労働者も、生産体制の変化に伴って配置されるラインが変わ
る異動はありますが、他の工場への異動は実態としてありませんので転勤はど
ちらにもない、ということで転勤の取扱いは同じ、配置の変更の取扱いは同じ
と言えます。
また、両者が雇用されている期間において、責任や権限の変化についてみると、
通常の労働者もパートタイム労働者も同じように能力がある作業員については、
ラインの責任者として部下の指導などを行なわせることとしていますので、人
材活用の仕組みや運用などの実態が同じと考えられます。
(3)同一要件に全く該当がない場合でも適用を受ける規定
・雇用契約書の整備と待遇格差の説明義務
・格差のある待遇格差をさせる努力義務
・職務遂行に直接関係のないキャリアアップ研修等の実施を正社員と同様にす
る努力義務
・福利厚生施設のうち「給食施設」「更衣室」「休憩室」について正社員と同
様の利用機会を与える遵守義務
・パートタイム労働者から通常の労働者へと転換する機会を与える為の措置を
講じる義務(転換させる義務ではなく、機会を与える義務)
・苦情処理
・就業規則整備時にパートタイムの代表者からも意見を聴取する努力義務
・その他
<4>雇用契約書整備の注意点
(1)職務内容について
職務内容について雇用契約書にどの様に記載すればよいのか。
例えば「経理事務」と記載すれば、当該労働者は経理事務以外の業務に従事す
ることがないという契約内容である。
判例では一定の年数が過ぎれば経理事務以外の職務に従事させることが出来る
というものもあるが、基本的には従事させることが出来ないと考えて間違いな
い。
当然労使間の合意があれば業務内容の変更は可能である。
正社員は業務を特定せずに雇用契約書を作成し、パートタイム労働者について
は業務を限定して採用することをしている場合には、人事制度の仕組みが違う
と考えられる。
しかし、正社員も職務変更が殆ど無い場合や大きな変更がない場合には実質的
に同様と判断されることも考えられるので、注意が必要である。
(2)勤務地について
勤務地について例えば「当社事業所」と記載すれば転勤は全ての事業所に対し
て行われる可能性がある。
正社員については「当社事業所」とし、パートタイム労働者には「八王子営業
所」の様に勤務地を限定するか、「転居を伴わない範囲で転勤がある」旨明記
する等で対応することが望ましい。
但しこの場合にも、実態として転勤が殆ど行われていない場合には実質的の同
じであると考えられるので注意が必要である。
<4>まとめ
はじめに述べたように、雇用契約締結に際し詳細を明記していることが労使紛
争の防止に繋がる。
改正パートタイム労働法施行に関係なく、より詳細な雇用契約書を作成するこ
とをお勧めしたい。
また有期雇用契約については、殆どの場合に雇い止めの法理が適用されると考
えられる。
業務の責任や役割をしっかりと努力義務規定の間に整備しておくことをお勧め
する。
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