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業務請負契約の個人事業主に対する源泉について

著者 kichizo さん

最終更新日:2011年12月19日 15:42

先月税務調査があり、個人事業主請負契約を結び、消費税を計上して外注費の計上をしていましたが、実際の拘束時間が一般社員と同等だ、などを理由に、源泉税の不納付を指摘されました。

乙欄の税額にて源泉徴収するか、扶養控除申告書の提出を条件に甲欄で徴収するか、選択してもよいと言われたのですが、下記の項目についてよくわかりません。

1.甲欄で徴収するということは給与の扱いと同じですが、それなら個人事業主の届けは取り消す必要があるのでしょうか?事業主はうちの会社以外に収入はありません。

2.乙欄で徴収するのと、甲欄で徴収するのと、結果的に本人の税金他費用負担に大きな違いが発生しますでしょうか?来年の確定申告を事業主が行えば、乙欄で徴収されても相応の還付が見込まれると言われました。ただ、給与として支払うとなると、年金、社会保険料などの算定も変わってくるはずなので、源泉税の負担は軽くなっても、全体的な費用支出にはそれなりに影響が出るのではないかと考えています。

3.甲欄での徴収となった場合、会社側で年末調整をしてあげないといけないことになりますでしょうか?
時期的にすでに会社では調整の計算が済んでおり、また、給与とはいえ雇用契約ではないので、賃金台帳他どの書類を作成しておくべきなのか、社会保険については何も考慮しておかなくていいのか、など、わかりません。

ご存知の方がおられましたらどうかご教授ください。よろしくお願いします。

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Re: 業務請負契約の個人事業主に対する源泉について

著者rentoさん

2011年12月19日 17:49

> 先月税務調査があり、個人事業主請負契約を結び、消費税を計上して外注費の計上をしていましたが、実際の拘束時間が一般社員と同等だ、などを理由に、源泉税の不納付を指摘されました。
>
> 乙欄の税額にて源泉徴収するか、扶養控除申告書の提出を条件に甲欄で徴収するか、選択してもよいと言われたのですが、下記の項目についてよくわかりません。
>
> 1.甲欄で徴収するということは給与の扱いと同じですが、それなら個人事業主の届けは取り消す必要があるのでしょうか?事業主はうちの会社以外に収入はありません。
>
> 2.乙欄で徴収するのと、甲欄で徴収するのと、結果的に本人の税金他費用負担に大きな違いが発生しますでしょうか?来年の確定申告を事業主が行えば、乙欄で徴収されても相応の還付が見込まれると言われました。ただ、給与として支払うとなると、年金、社会保険料などの算定も変わってくるはずなので、源泉税の負担は軽くなっても、全体的な費用支出にはそれなりに影響が出るのではないかと考えています。
>
> 3.甲欄での徴収となった場合、会社側で年末調整をしてあげないといけないことになりますでしょうか?
> 時期的にすでに会社では調整の計算が済んでおり、また、給与とはいえ雇用契約ではないので、賃金台帳他どの書類を作成しておくべきなのか、社会保険については何も考慮しておかなくていいのか、など、わかりません。
>
> ご存知の方がおられましたらどうかご教授ください。よろしくお願いします。


過去の判例 弁護士顧問料事件(昭和56年4月24日判決)より
事業所得とは、自己の計算と危険において独立して営まれ、営利性、有償性を有し、かつ反復継続して遂行する意志と社会的地位とが客観的に認められる業務から生ずる所得をいい、これに対し、給与所得とは雇傭契約又はこれに類する原因に基づき使用者の指揮命令に服して提供した労務の対価として使用者から受ける給付をいう。なお、給与所得については、とりわけ、給与支給者との関係において何らかの空間的、時間的な拘束を受け、継続的ないし断続的に労務又は役務の提供があり、その対価として支給されるものであるかどうかが重視されなければならない。 」

こちらの最高裁判例を基に今回は税務署が給与として判断しました。
これが労基署であれば同じ理由で労基法違反として是正を受けるでしょうし、社会保険(広義の)にしても同じ判断をされるでしょう。

つまり、請負契約は偽装であり実質雇用契約であると判断される契約内容及び実情であると思われます。

これを不服とするならば裁判を起こすしかないでしょう。
遡及して雇用契約を結び直し、遡及して労働者としての処理をし直す事をお勧めします。

1.どちらでも構いません。実質個人事業ができないのであれば取り消しても良いでしょう。

2.最終的な税額は同じですが、乙欄だと源泉徴収は高く、年末調整も受けられませんので他の社員と比べて不利益ですから扶養控除等申告書を提出するよう勧めた方が良いでしょう。

3.甲欄とは扶養控除等申告書が提出されているということですから年末調整は義務です。
当然賃金台帳も付け、社会保険も加入するべきでしょう。
遡及して加入かどうかは各機関へご相談下さい。

Re: 業務請負契約の個人事業主に対する源泉について

著者kichizoさん

2011年12月19日 20:13

大変分かりやすいご説明、ありがとうございます。

もう1件質問ですが、今回給与とみなされましたが、業務請負契約が相応しくないと言われたわけではありません。これはあくまで税務署として税金のことだけを指摘したということですか?
税務上の義務(この場合は源泉徴収義務)は守るが、本人とは雇用契約を結ばず、あくまで業務請負とする、という考え方は税務の問題を外してもやはり偽装とみなされ100%認められないものでしょうか?

今後、拘束時間は減らす方向で、契約も数ヶ月中に終了するので、今から雇用契約はできないというのが会社の担当者の言い分なのです。

本人は個人事業者として申告をしたいと言っていますので、乙欄での源泉徴収となりそうです。
社会保険は会社では何も処理しないつもりです。
契約形態自体を変えずに、かつ源泉税は徴収して・・という虫の良い処理方法は許されないんでしょうか。

よろしくお願いいたします。

Re: 業務請負契約の個人事業主に対する源泉について

著者rentoさん

2011年12月20日 10:28

> 大変分かりやすいご説明、ありがとうございます。
>
> もう1件質問ですが、今回給与とみなされましたが、業務請負契約が相応しくないと言われたわけではありません。これはあくまで税務署として税金のことだけを指摘したということですか?
> 税務上の義務(この場合は源泉徴収義務)は守るが、本人とは雇用契約を結ばず、あくまで業務請負とする、という考え方は税務の問題を外してもやはり偽装とみなされ100%認められないものでしょうか?
>
> 今後、拘束時間は減らす方向で、契約も数ヶ月中に終了するので、今から雇用契約はできないというのが会社の担当者の言い分なのです。
>
> 本人は個人事業者として申告をしたいと言っていますので、乙欄での源泉徴収となりそうです。
> 社会保険は会社では何も処理しないつもりです。
> 契約形態自体を変えずに、かつ源泉税は徴収して・・という虫の良い処理方法は許されないんでしょうか。
>
> よろしくお願いいたします。


税務署は税法を守る機関ですから税法に関してしか係わりません。
悪質であれば他機関への通報もあるかもしれませんが。
このまま放置すれば悪質と見られる可能性もあるでしょう。

お互いの誤認であり今後法に則した状態にしたいというならば、契約内容や実情に問題がありそうなので何がいけないのか洗い出して変更しなければならないでしょう。
できれば専門家の意見を取り入れた方が良いと思います。

質問内容から一言で説明できるほど単純ではないので、どのような内容が雇用なのかをお調べ下さい。

判断基準は以下となります。

(1)他人が代替して業務を遂行すること又は役務を提供することが認められるかどうか。

(2)報酬の支払者から作業時間を指定される、報酬が時間を単位として計算されるなど時間的な拘束(業務の性質上当然に存在する拘束を除く。)を受けるかどうか。

(3)作業の具体的な内容や方法について報酬の支払者から指揮監督(業務の性質上当然に存在する指揮監督を除く。)を受けるかどうか。

(4)まだ引渡しを了しない完成品が不可抗力のため滅失するなどした場合において、自らの権利として既に遂行した業務又は提供した役務に係る報酬の支払を請求できるかどうか。

(5)材料又は用具等(くぎ材等の軽微な材料や電動の手持ち工具程度の用具等を除く。)を報酬の支払者から供与されているかどうか。

その方の実質労働条件はいかがなのでしょうか?


大工、左官、とび職等の受ける報酬に係る所得税の取扱いについて(法令解釈通達
http://www.nta.go.jp/shiraberu/zeiho-kaishaku/tsutatsu/kobetsu/shotoku/shinkoku/091217/01.htm

雇用契約 と 委託契約請負契約の違い
http://www.remus.dti.ne.jp/~laputa/rouki/koyoukeiyaku_ukeoikiyaku_chigai_1.html

Re: 業務請負契約の個人事業主に対する源泉について

著者kichizoさん

2011年12月20日 13:54

詳しい解説どうもありがとうございます。
現状を考えてみますと

(1)他人が代替して業務を遂行すること又は役務を提供することが認められるかどうか。
  
(2)報酬の支払者から作業時間を指定される、報酬が時間を単位として計算されるなど時間的な拘束(業務の性質上当然に存在する拘束を除く。)を受けるかどうか。

(3)作業の具体的な内容や方法について報酬の支払者から指揮監督(業務の性質上当然に存在する指揮監督を除く。)を受けるかどうか。

(4)まだ引渡しを了しない完成品が不可抗力のため滅失するなどした場合において、自らの権利として既に遂行した業務又は提供した役務に係る報酬の支払を請求できるかどうか。

(5)材料又は用具等(くぎ材等の軽微な材料や電動の手持ち工具程度の用具等を除く。)を報酬の支払者から供与されているかどうか。

上記の5以外は実質的にあてはまるといえると思いますので、やはり雇用とみなして契約し直すのが妥当かと思います。

ご教授いただき、ありがとうございました。リンクも大変参考になりました。

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