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時間単位年休を取得した日の時間外労働はどうなるの?(その2)

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 経営・労務管理ビジネス用語の
   あれっ! これ、どうだった?!

   第32回 時間単位年休を取得した日の
          時間外労働はどうなるの?(その2)
                 
<第42号>      平成22年12月20日(月)
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発行人のプロフィル⇒ http://www.ho-wiki06.com
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こんにちは! 
メルマガ初訪問の皆さま、ありがとうございます。

1週間のご無沙汰でした。
亥年のアラ還、小野寺です。

さて今回は、前回の続きです。

半日単位の年休を午前中に取得し、午後から仕事をし
所定労働時間終業後も引き続き労働した場合、

時間外勤務はどの時点から発生し、割増賃金はどの時間分について
支払えば良いのかについて考えてみます。

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◆◆ 労基法の時間管理は実労働時間主義 ◆◆

○ 結論から言いますと、労基法の時間管理の考え方は
「実労働時間主義」をとっており、

その日の労働時間法定労働時間(8時間)を超えない限り
割増賃金の発生する余地はないということです。

例えば、午前中に半日年休を取得して午後1時から
勤務した場合、午後9時までは割増賃金の支払は
必要ないということになります。

○ この「実労働時間主義」に関しては、次のような
行政通達があります。

「法第32条又は第40条に定める労働時間
労働時間をいうものであり、時間外労働について

法第36条第1項に基づく協定及び法第37条に基づく
割増賃金の支払いを要するのは、右の実労働時間を超えて
労働させる場合に限るものである。

従って、例えば労働者が遅刻をした場合、その時間だけ
通常の終業時刻を繰り下げて労働させる場合には、

1日の実労働時間を通算して法第32条又は第40条の
労働時間を超えないときは、

法第36条第1項に基づく協定及び法第37条に基づく
割増賃金支払の必要はない。」(昭29.12.1基収第6143号、
昭63.3.14基発第150号、平11.3.31基発第168号)

通達にある法第40条とは、労働時間の特例について
定めたもので、常時10人未満の労働者を使用する事業場のうち

公衆の不便を避けるために必要な事業、
例えば商業や理容・美容業、病院・診療所、旅館、飲食店などは

1週間の労働時間が44時間、1日8時間までと
設定できる例外措置を定めたものです。

○ 本通達で例示している「遅刻」は、労働者が労働義務を
負っている時間にその義務を果たさないという、
一種の契約違反であると言えます。

これに対し年次有給休暇は、法律上一定の要件を満たす
労働者に認められたものであり、遅刻の場合と異なるものです。

すなわち、このことからすると、半日年休の場合は
賃金が支払われるから出勤したものと同じ、
つまり労働したものとして取扱い、

所定労働時間就業後の労働に対しては、割増賃金
支払うべきではないかとの反論もあるかと思います。

しかし、それでもなお、割増賃金の支払義務に関しては
労基法は実労働時間主義をとっており、

法定労働時間を超えない原因が、遅刻はもとより、
欠勤であれ、年休によるものであれ、

実際に労働に従事した時間が8時間を超えない限り、
割増賃金の支払義務は生じないと考えられます。

つまり、割増賃金はあくまでも、実際に労働に従事した
時間が1日、1週の法定労働時間を超えて

長時間の労働に従事した場合に、その長時間労働に対する
補償として支払が義務づけられているものです。

◆◆ 時間単位年休を取得した場合 ◆◆

○ 以上からお分かりのように、
時間単位年休を取得した場合も、上記の半日年休に準じて
考えることができます。

例えば、2時間の時間単位年休を取得した労働者
就業時間終了後に残業をしたとしても、
2時間までは割増賃金の支払義務は生じません。

ただし、年休として取得した2時間については、
通常の賃金等、就業規則所定の年休手当の支払が必要であり

また、就業後の残業2時間分については、
通常労働した際に支払われる賃金の支払が
必要となりますので、注意する必要があります。

○ さらに、日によって労働時間が変動しやすい
パートタイム労働者等についても同様です。

例えば、ある日の所定労働時間が6時間の労働者
午前中に2時間の時間単位年休を取得し出社した場合に、

午前の2時間を除いた他の実労働時間が8時間を
超えない限り、それまでは通常の賃金を支払えばよく

8時間を超えた時点から時間外手当、つまり割増賃金
発生することになります。

○ ところで労基法では、前述の通り労働時間のカウントで
「実労働時間主義」をとっていますが、

事業場就業規則等において、例えば、「所定終業時刻の
午後5時以降に勤務した場合には、給与規程第○条に
定める割増賃金を支払う。」という定めがある場合、

実際に労働に従事した時間が法定労働時間を超えなくても
この就業規則の規定に基づき割増賃金の支払が
必要となりますので注意してください。

これは前号でも触れましたが、労基法の規定は
最低条件を定めたものであり(労基法第1条2項)

これを上回る事業場の規則等は労働者にとって有利であるため
有効とされるからです。

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よく日本語は難しいといいます。

そこで、間違いやすい日本語について考えてみましょう。

次の文章のうち、どちらが正しいでしょうか

■A 君はまだ「未成年」でしょ、お酒はダメです。
■B. 君はまだ「未青年」でしょ、お酒はダメです。

答えは、編集後記で。
★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★

~~~~~[[今日あった昔の歴史─12/20]]~~~~~
●1857年の今日、吉田松陰が松下村塾を開講する。
●1902年の今日、ノーベル文学賞作家、ジョン・スタインベック
 没す。
 ⇒ 詳細をご覧になりたい方は
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●1914年の今日、東京駅開業。東海道本線の起点となる。
●1952年の今日、東京・青山に日本初の民間ボウリング場開場。
●1989年の今日、アメリカ合衆国がパナマに侵攻。
●1999年の今日、マカオがポルトガルから中国へ返還される。
  
~~~~~~[[今日の主なバースデー]]~~~~~~
○ピーテル・デ・ホーホ(画家:1629)
○アンドリュー・セス(哲学者:1856)
○アイリーン・ダン(女優:1898)
○五味康祐(作家:1921)
○ユリ・ゲラー(超能力者:1946)
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
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■■ 編集後記 ■■
きょうも最後までお読みいただきありがとうございます。

さて、どちらが正しいか分かりましたか?

答えは「A」です。

「成年」とは心身ともに一人前に成長したと認められる
年齢のことで、現在の法律では満20歳となっています。

従って、未成年とは「20歳未満」のことです。

一方、「青年」とはいうまでもなく若者のことであり
特に何歳から何歳までという決まりはありませんが

一般的に青春期の14、5歳から24、5歳ごろまでと
されています。

従って、この場合の「未青年」は誤記となります。

では、また次号でお会いしましょう。
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