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コラムの泉

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訴えてやるー 1-2

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成長し続ける企業に!サービス業専門社労士日記(第702回)

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おはようございます。

メルマガ発行者のこまつじゅんいちです。

このメルマガは
サービス業特に飲食店経営者及び店長
売上が上がらないとお悩みの経営者
労務管理の難しさを感じている人事担当者
同業の社労士さん

へ向けてこまつが自由に書きたいこと書いているメルマガです。

テーマは
従業員のやる気と売上は本当に連動している」
です。

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◎お客様の売上アップのため!サービス業専門社労士日記
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小松潤一社会保険労務士事務所
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目次
■はじめに
■訴えてやるー 1-2
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■はじめに


昨日より始まった
シリーズ
「訴えてやるー」


どこの会社でもありそうな話で実際に訴えられたことを
作り話にしてわかりやすくお伝えできればと思っていますが
再度読み直してみたら誤字脱字が結構あって

ほんとうにすみません。

急ぎで書いたので・・・・・・


まあ今日からこのシリーズの主人公が登場しますので
お楽しみに


さて話は変りますが、去年と比べると
就業規則を作成してほしい!!」
という依頼がめっちゃ増えています。

最近では同時に5社程度作成していることが多く

名古屋や三重県や石川県、中には鹿児島県からも
ご依頼が来たりします。

今やっと落ち着いて次に作り始めるのが
神奈川県と奈良県のお客様分を作成し始めます。

ちなみに当社は大阪にありますが
全国いけるのであれば他の都市からでも
受注します。


この就業規則をきちんと作りきちんと運用出来れば
訴えられることも少なくなるのです。

就業規則って本当に大切です。


あと別の話でちなみにちなみに
今年も最低賃金が上昇する時期が近づいてきましたが
どうも今年は数円上がるだけのようですね。

地震の影響からあまり大きな上昇はないみたいです。

今日はそんな話

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■訴えてやるー 1-2

事件ファイル1「管理監督者事件」

ある雨が降る朝だった。

「ああ 雨の日ってなんか仕事嫌になるな~」

「先生そんなこと言わないでしっかりと仕事して下さいそういえば最近は大きな事件があまりおきないですね」

「平和の方が良いだろ。我々弁護士が儲かっていないと言うことは世の中平和ってことさ!」

「でも儲からないと私の給与も上がらないですよ。先生」


こんなのほほんとした会話が繰り広げられているのは
東京都内に事務所を構える弁護士事務所の「天下一弁護士事務所」です。


先生はまだ30代前半と若いのが特徴で
口癖は
「俺が暇なのは平和な証拠。暇な方が良い」
でした。

「先生。コーヒーでもいれましょうか?」

「お願いするよ」


矢藤が弁護士になってもう10年が経過している。
見た目が今風の若者で【チャライ】のでとても弁護士には見えない。

自ら【イケメン弁護士】と名乗ったりもするのですが仕事はきっちりと
こなすのでそこそこ評判が良い。


弁護士の矢藤がコーヒーを飲もうとした時に1通のメールが来ていることに気がついた。

「件名 ご相談 解雇について」


また解雇か。企業も責任持って最後まで雇用しろよ。

そう思いながら矢藤はメールを開いた。


内容は飲食店に勤務していてが店の閉鎖に伴い解雇されたこと。

また解雇までの経緯が細かく書かれていた。


「こりゃー。整理解雇の4要件を満たしていないかもな。っていうか
 このエリアマネージャー酷いな~」


「先生どうしたんですか?」
そう言ったのは今年「天下一弁護士事務所」に就職してきた新人弁護士の
角賀さん。コーヒーを淹れてくれた子だ。

「いやー。ちょっとこのメール見てもらえる。まあこの程度であれば
 裁判まですることはないな。大きな企業で働いていたみたいだし
 すぐに示談するだろう」



メールの内容はこうだった。

確かに店長として自分は結果をでなかったので責任がないわけではない
ただ結果が出なかったのはエリアマネージャーにも責任があるはず

それに一度失敗したからと言って解雇はないだろと

今まで頑張って休みなく働いてきて

そりゃーないぞと言う感じっす。


エリアマネージャーに謝罪してほしいっす。

もし謝罪がなければなんかこのままでは怒りがおさまらないので
残業代などバンバン請求してほしい


「そうだな。もしこの人が書いていることがすべて事実なら
 この案件は簡単だな。会社側のやり方がへたくそ過ぎる」



さっそくメールをくれた田中さんに会うことにした。


田中さん
「むかつくでしょ。なんか会社のために必死にやってきたのに
 そりゃーないよって感じっす。っていうか俺を解雇しておいて
 いまだに人材不足で困っている会社ですから本当にアホみたいでしょ」


矢藤弁護士
「田中さんが働いていた企業は結構大きな会社でしっかりしているんだけど
 この程度で解雇権を行使することはあまり考えれないんだけどどうだろうか?
 だって田中さん自身もこの会社で働いていていつも人不足だから解雇された同僚って聞いたことないでしょ」


田中さん
「確かにそうですね。人があまりにも不足していてレジのお金を横領したのに解雇されずに
 いまだに働いている従業員もいるって聞いたことがあるのに・・・・」

矢藤弁護士
「今回は何かの事件に巻き込まれているかもしれません。田中さんが働いていた会社は
 結構しっかりしているので弁護士さんや社労士さんが顧問としてついているはずで
 この程度で解雇をすること自体があり得ないですから」


田中さん
「そうなんですか?解雇って簡単に出来ないんですか?」


矢藤弁護士
「そうなんですよ。解雇はほぼ出来ないと思っていただいても良いくらいで
 簡単には出来ないんですよ。ですから大手企業とかはテレビやドラマで良くあるような
 窓際族みたいな仕事がない職場を作って自分から退職届をもってこさせるように
 する位ですから」

田中さん
「へーー そうなんですね」

矢藤弁護士
「田中さんはどうしたいですか?」

田中さん
「そうですね。エリアマネージャーに謝罪してほしいっす
 あとお金ですかね。解雇されたらお金もらえるって聞いたっす」

矢藤弁護士
「じゃーちょっと試算してみようか?
 まず解雇を田中さんは受け入れたり何か同意の契約書など取り交わした」



田中さん
「いえ。店の閉鎖に伴い、そこから出勤していないです。ただ出勤はしていませんが
 1か月分の給与はもらったです。でも解雇を認めたりは何もしていないです」

矢藤弁護士
労働時間が長いって聞いたけどどれ位 あと給与はどれ位もらっていた?」

田中さんは語り始めましたが田中さんの話は涙なしには聞けませんでした。

採用する予算をくれないのでいつまでも人材不足で
たまにもらえた予算も小額で数人のバイトしか雇うことが出来ず
当然客からのクレームも多くて店の売上も低迷した。

ただしそこは大手飲食店。売上が低迷しても赤字になることはなく
なんとか黒字を達成できていた。

しかし部下の社員に休みを取らせるために田中さんは休日労働
ずっと行い、退職前に体を壊して休んだ以外は10ヶ月間にわたり
休みがない状態だった。

家に帰る元気がないので店舗のソファーで寝ること月に10日間
マンガ喫茶のシャワーを良く使っていたとのこと

労働時間は1日だいたい14時間程度で休みがないので
月に400時間は働いているとのことです。


「人間こんなにも働けるんですね???」
角賀さんがぼそっとつぶやいた。

田中さん
「でもこの仕事が好きだったし・・・・」

店長になって残業代は出ない代わりに店長手当が15万円支給されるようになり
年収は600万円になっていた。

でももし副店長でこの店に配属していて残業代がもらえていとしたら
計算してみると1000万円以上はもらえていたはずだ。


田中さん
管理監督者残業代が出ないって聞きました。それに店長手当も出ているし」


矢藤弁護士は次のように考えていました。

【まず解雇自体が無効だ!!!】
事業縮小により解雇とあるが会社は整理解雇の4要件を満たしていない


管理監督者に当たらない!!残業代を支給すべき!!!】
それに管理監督者だからと言って残業代を支給しないのも問題だ
決済件がまるでない店長で法律が言う管理監督者とは認められない
ただ店長手当15万円分は残業代と認められるだろうから
そのを除いた分でだいたい毎月最低でも30万円は残業代が不足しているはずだ




矢藤弁護士
「そうですね。田中さんのおっしゃることがすべて事実で会社側からの
 新たな証拠が出てこなければ田中さんに約1000万円程度お金を
 会社から巻き上げることができるでしょう」


田中さん
「1000万円!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」


田中さんは驚いていた。

田中さん
「1000万円も 俺今すぐに海外旅行に行きます。っていうか100万円くれたら
 それでいいです。1000万円も怖いですよ」

矢藤弁護士
「では1000万円請求してみて最終的に2.300万円程度で示談しましょうか!」

目的がはっきりして田中さんの要求も固まったので
早速請求してみることに


田中さんは矢藤弁護士のアドバイス通り、まずは裁判とかする前に
会社の人事部に電話してみてはどうかと

そうしたら会社から示談の話を持ってきてその示談を飲めば
もうこの話はおしまいだと


さっそくその場で会社に電話をしてもらった。
電話に出てくれたのは人事課長の吉田さんだった。田中さんも面識がある人だ

田中さん
「吉田さん。俺解雇されたのに納得いきません。あれだけ働いたのに
 残業代も出ないのなんて納得できません。
 対応してくれなければ裁判も行うつもりです」

矢藤弁護士がアドバイスした通りに話をしていたが
どうもなんとなく雲行きが悪くなってきたのが田中さんの顔から
うかがえた。

田中さん
「え??そうなんですか?はい!はい。え???そうなんですか?
 そんなこと僕は言っていません。書類があるって?
 いやそんな書類にサインしたことはありません」


???????


田中さんは携帯電話を置いてこう言いました。

「矢藤さん。俺解雇されていないって人事課長に言われました」


???????

 
どういことだ???
矢藤弁護士はこれは事件だと直感した。

「田中さんすぐに人事課長にこう言って下さい。今からそちらに弁護士を連れて行くと」



矢藤弁護士と田中さんはすぐに会社に行くこととなった。

続く

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