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改正労働契約法案の検討

平成24年4月15日 第103号
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人事のブレーン社会保険労務士レポート
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目次

1.改正労働契約法案の検討

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1.改正労働契約法案の検討

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1.はじめに

この度労働契約法の改正案が平成24年3月23日に閣議決定されました。
法案の審議の過程で修正がされたり、法案自体が廃案になったりする可能性は
あります。

大手電機メーカが大規模な人員整理を発表し、経済情勢が不透明の中、各社必
死に努力をして生き残りを図っています。
政府も経済対策を行い、景気の好転に一丸となって取り組むべき時期であります。

しかし一方で最低賃金が上昇し経営に影響を及ぼしています。
弱者保護というスローガンは反対する人はいません。
不安定な雇用である労働者を助けるというスローガンも同様です。
それであるが故に企業を取り巻く労働法というのは厳しい経済情勢であるにも
かかわらず強化されてきたのです。

理不尽な環境に置かれている労働者のいることは否定しません。しかし、その
様な労働者がいることを考えても、ここまでの法律をつくるべきなのかを問題
提起することは私の仕事の一部だと考えています。
この法案がどの様な内容であるのかをご理解頂いた上で、報道等に接して頂き
たいと思い筆を執りました。

2.期間の定めのない労働契約へ転換

(1)概要

パートタイマーやアルバイトなどの労働者は一般的に期間を定めて雇用をします。
3ヶ月や6ヶ月、1年といった期間を定めて労働契約を結びます。
この労働契約を「有期労働契約」といいます。
この有期労働契約は現在でもある最高裁の裁判例によって、簡単に「契約期間
が終わったからもう来なくて良いよ!」ということは出来ません。東芝柳町工
場事件や日立メディコ事件という裁判例が有名です。
有期労働契約が更新を繰り返して、実際は期間の定めのない労働契約になって
いるとみなされたり、労働者が普通に頑張っていれば有期労働契約が更新され
るであろうと期待する場合には、その期待を権利として保護しようという「期
待権の保護」という考え方によります。
ですから現在でも有期労働契約が終了したと同時に「更新しません!」と簡単
に言えないのです。一般的には正社員と同じような「解雇理由」がなければな
らないのです。
しかし今回の改正案でこれを法制化しようというのです。
具体的な内容は、同一の使用者との間で締結された有期労働契約の通算期間が
5年を超える場合で、労働者からの期間の定めのない労働契約締結の申し入れ
があれば、その申し入れを承諾したものとみなされるという内容です。

(2)通算される労働契約とは

この様な取り扱いがされる労働契約は通算して5年を超えた場合です。
では通算されない期間とは一体どの様なものでしょうか。
これは有期労働契約が満了した日の翌日から次の有期労働契約の初日の前日ま
での間が6ヶ月以上であれば通算されません。
また有期労働契約期間が1年未満の期間である場合には6ヶ月ではなく、その
有期労働契約期間の2分の1の期間となる予定です。
これを満たせば通算されません。

3.雇い止めの法制化

有期労働契約について期間満了を理由に、労働契約の更新をしないとする場合、
前にお話ししたように最高裁の判例により簡単に行うことは出来ませんでした。
簡単にお話しするとそれを法律案に盛り込んだということです。

具体的には以下のいずれかに該当する場合で、使用者が更新を拒絶することが、
客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合には、
従前の労働契約と同じ内容で更新したこととみなすという内容です。

a有期労働契約が過去に反復更新され、その更新を行わないことが、期間の定
めのない労働者解雇する事と同じと認められる場合。
b有期労働契約を更新するであろうという労働者の期待を抱かせる状況が合理
的である場合。

4.有期労働契約を理由とした労働条件の差違が不合理でないこと

期間の定めのある労働契約に関しては、現行の労働契約法第17条第1項で「使
用者はやむを得ない事由がある場合でなければ、その契約期間が満了するまで
の間において、労働者解雇する事ができない。」と中途解約の規定はありま
すが、労働契約更新については規定がありませんでした。また、同条第2項で
使用者は、期間の定めのある労働契約について、その労働契約により労働者
を使用する目的に照らして、必要以上に短い期間を定めることにより、その労
契約を反復して更新することのないように配慮しなければならない。」と労
契約期間を必要以上に短くしないことの要請があっただけでした。
前述の事項だけではなく、待遇についても今回の改正案では盛り込まれていま
す。
具体的には有期労働契約労働者と期間の定めのない労働者が同じ内容の仕事
をしていれば、不合理な待遇の差を行ってはいけないという内容です。
この内容と同様のことがパートタイム労働法にありますが、労働契約法にも盛
り込まれたということです。

5.まとめ

この法案の審議過程を注視していく必要はあります。
今まで我が国は「契約自由の原則」のもと、労働基準法をはじめとする最小限
のきまりで労働契約を規制していました。
しかし平成20年に労働契約法が施行され、今回の改正で有期労働契約につい
ての規制が強化される予定です。
弱者保護というスローガンに反対する人は少ないと前にお話ししましたが、ど
こまでの範囲を弱者と定義するのか。どこまで保護をするのか。この点を明ら
かにしてから弱者保護の政策を考えなければなりません。
労働契約法についても同様の事がいえます。
保護すべき人は誰であるのか。どこまで保護をすべきなのか。
この点を明確にしなければ逆の効果が生じることがあります。
例えば厚生年金法を改正して週20時間以上の所定労働時間である労働者は厚
生年金に加入することが検討されています。
これが実施されれば、短時間労働者は働きたくても20時間以上働けなくなる
可能性があります。
実際に小売業や外食産業ではこの取り組みが始まっています。
この改正労働契約法により単純労働に従事するパートタイマーなどは、例えば
1年の雇用契約を結び、更新しない旨の取り決めをします。
6ヶ月以上経過した場合に再び雇用するという事態も招きかねません。
短期雇用から失業して雇用保険の受給、それからまた短期雇用という繰り返し
で就労する労働者も増えてくるでしょう。
光を当てれば必ず影が出来ます。
この影の部分をしっかりと検討することが非常に重要だと思います。
皆様に問題提起が出来れば幸いです。

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