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労務管理

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変形労働時間制の時間外手当について

著者 あゅみ さん

最終更新日:2009年06月12日 13:46

変形労働時間制についてよく理解できません。
特に時間外労働の手当について教えて頂きたいと思います。




就業規則には、

*実労働時間は、原則として、1日あたり8時間とする。

*実働時間は1年間の変形労働時間制採用し、毎年1月1日を起算日とし、1年間を平均し、1週間あたり40時間を超えないものとする。

とあります。



賃金規定において、

*所定就業時間を超える、実働1時間については基礎賃金日額÷8時間×125%の超過勤務手当を支払う

とあります。


6/7(日)の休日を、前の週の6/5(金)に休日を振り替えました。

そのことにより、6/1~の第1週は8時間減り、週32時間となります。

そこで、質問です。
①例えば、、6/1に2時間の残業があった場合、時間外手当の割増賃金は必要になりますか?


どうしても、週40時間を超えないと、割増は発生しないと思ってしまいます。


②6/6(土)出勤した場合は割増賃金は発生しますか?

変形労働時間制採用しておりますので、少し混乱してしまいました。
初歩的な質問で申し訳ありません。

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Re: 変形労働時間制の時間外手当について

著者tktk-aさん

2009年06月13日 09:50

こんにちは。

当社も1年間の変形労働時間制を採っております。
1年間で年間の所定勤務カレンダーを作成し、月ごとの労働日を確定しています。
年間の総労働時間の総枠で2085.42時間内に労働日・労働時間を設定すれば良いはずです。
①お話の通り6/7(日)の休日を、前の週の6/5(金)に休日を振り替えたとします。
そうすると第1週は8時間減りますが、翌週は48時間となるはずですね?
となると、2週で80時間の計算になります。
6/1に2時間の残業があった場合は、2週で82時間の計算になります。
週40時間というのは、通常の勤務形態とお考えになればよろしいのではないでしょうか?
②6/6(土)出勤した場合というのは①の前提ですか?
いずれにせよ、6/6が御社の休日であれば、割増賃金は発生するものと思われます。

乱文で申し訳ありませんが、お役に立てれば幸いです。

Re: 変形労働時間制の時間外手当について

著者ARIESさん

2009年06月13日 12:56

> ①例えば、、6/1に2時間の残業があった場合、時間外手当の割増賃金は必要になりますか?

結論を言うと割増は必要です。

8時間を超える定めをした場合はその時間、それ以外の日は8時間を超えたら時間外労働となります。
つまり週32時間となった場合でも、1日で見たらあらかじめ定められた8時間を超えた労働が2時間行われたので、時間外が発生する事になります。


> ②6/6(土)出勤した場合は割増賃金は発生しますか?

その日が勤務表で休日であるならば必要です(休日出勤扱いとなります)。


> どうしても、週40時間を超えないと、割増は発生しないと思ってしまいます。

1ヵ月単位・1年単位の変形労働時間制でこの手の誤解が非常に多いのですが、週平均40時間というのは勤務表を確定する段階で週平均40時間を超えなければ、そのあらかじめ定められた日や週に関しては原則の法定労働時間を超えても時間外扱いとしないだけのものです。
事後的に勤務表を変更したり、勤務表の労働時間を超えれば時間外は発生します。

例えばある日の労働時間を10時間に設定した場合、10時間までは割増賃金は不要ですが10時間を超えれば時間外労働となります。
(たとえ週40時間におさまっていても1日単位では時間外が発生します)
週の労働時間も同じで、予め特定されていない週に振替などで40時間を超えれば割増は必要となります。

けっして「1年が終了した時点でトータル週平均40時間を超えなければ良い」という【結果論】で帳尻あわせをする制度ではありません。
週平均40時間は勤務前に確定させなければいけません。

Re: 変形労働時間制の時間外手当について

著者あゅみさん

2009年06月15日 14:53

tkt-a様

非常にわかりやすい回答有り難うございました。

変形労働時間制について、もう少し、勉強致します。

Re: 変形労働時間制の時間外手当について

著者あゅみさん

2009年06月15日 15:06

ARIES様

>1ヵ月単位・1年単位の変形労働時間制でこの手の誤解が非常に多いのですが、週平均40時間というのは勤務表を確定する段階で週平均40時間を超えなければ、そのあらかじめ定められた日や週に関しては原則の法定労働時間を超えても時間外扱いとしないだけのものです。
事後的に勤務表を変更したり、勤務表の労働時間を超えれば時間外は発生します。


この辺りの事が、不確かだったので、変形労働時間制がよく理解できませんでした。

とてもすっきり致しました。

。。。と共に、もう一つ疑問に思うのですが、『時間外手当に割増賃金が発生しない』はどんな場合でしょうか?特に変形労働時間制採用している場合についてですが、参考までに、知っておきたいと思います。

Re: 変形労働時間制の時間外手当について

著者ARIESさん

2009年06月15日 22:42

> ARIES様
>
> >1ヵ月単位・1年単位の変形労働時間制でこの手の誤解が非常に多いのですが、週平均40時間というのは勤務表を確定する段階で週平均40時間を超えなければ、そのあらかじめ定められた日や週に関しては原則の法定労働時間を超えても時間外扱いとしないだけのものです。
> 事後的に勤務表を変更したり、勤務表の労働時間を超えれば時間外は発生します。
>
>
> この辺りの事が、不確かだったので、変形労働時間制がよく理解できませんでした。
>
> とてもすっきり致しました。
>
> 。。。と共に、もう一つ疑問に思うのですが、『時間外手当に割増賃金が発生しない』はどんな場合でしょうか?特に変形労働時間制採用している場合についてですが、参考までに、知っておきたいと思います。



例えばですけど…
以下のような勤務シフトを組んだと仮定してお話します。


日月火水木金土
休休 7 7 8 8 10(1週目・40時間)
休 8 8 8 8 8 8 (2週目・48時間)

(※3&4週目は省きますが、一ヵ月を通して週平均40時間になっているものとします)

この場合、週平均40時間を確保されているので、1週目土曜日の10時間は時間外割増は不要です。
また2週目も法定を超える48時間ですが、あらかじめ定められているので割増は不要です。
こういう事を可能にするのが変形労働時間制です。

ご質問の割増が不要な場合は1週目の火&水で、1時間のみ残業をさせた場合です。
この場合は1時間残業をさせても労働時間が8時間となり、法定労働時間を超えないので割増は必要ありません。
8時間を超えた残業を行わせた場合にのみ割増が発生します。

ただし残業をさせたわけですから、割増は不要なのですが通常の1時間あたりの賃金部分(100%)は支払わなくてはなりません。
つまり8時間までの残業なら100%、8時間を超えたら割増を含めて125%になるわけです。

また第1週目の土曜日10時間は、変形労働時間制によってあらかじめ定められた所定労働時間ですから、この部分に対する賃金は割増は不要です。
もし残業をさせた場合には割増を含んだ125%が必要となります。

あくまで「あらかじめ定めた場合には時間外割増が不要」となるわけです。

これは1週間や変形期間で考えた場合も同じで、あらかじめ定めた時間を超えて労働させた場合は上記と同様になります。

例えば以下のように振替休日を行ったとします。

(最初のシフト)
日月火水木金土
休休 7 7 8 8 10(1週目・40時間)
休 8 8 8 8 8 8 (2週目・48時間)

↓(1週目月曜日の休日と2週目月曜日の8時間を交換)

日月火水木金土
休 8 7 7 8 8 10(1週目・40時間→48時間)
休休 8 8 8 8 8 (2週目・48時間→40時間)

このような場合は1週目は元々40時間で、あらかじめ法定労働時間を超えた定めをされた週ではありません。
1週目の月曜日そのものは振替によって労働日となったわけですから、この月曜日単独の8時間については(残業させない限り)割増は不要です。

ただし1週間単位で見ると、もともと1週目は法定労働時間を超える定めをした週ではないのに、40時間から48時間になりました。
この場合は8時間の割増が必要となります。
振替によって2週目月曜日が休みになっているので、通常賃金部分の100%は不要(相殺されている)で、割増部分の25%を8時間分支払えば済む事となります。

つまりあらかじめ定められた労働時間がどうだったかによって、残業・振替・休日出勤代休の有無)の場合の賃金計算が変わる事になりますね。

前のコメントでも書いたように、変形労働時間制はその勤務をあらかじめ定める必要があります。
1ヵ月終わった時に週40時間に収まれば良いという「結果論」で帳尻あわせをする制度ではありません。

この点に関しては細かく書くと更に長くなってしまうので、このあたりで割愛させていただきます。
ご理解いただけたら幸いです。

Re: 変形労働時間制の時間外手当について

著者あゅみさん

2009年06月16日 15:10

ARIES様

①勤務シフト...基準局に提出する年間カレンダーですね。週平均して40時間というのはこれを計画する上での、重要事項なんですね。




①の前提の上で、

②時間外手当の割増については、8時間を超えると125%。

ただし、年間カレンダー上、8時間以上で設定されている場合、設定されている勤務時間までなら残業扱いにはならない。

③年間カレンダーで、8時間内に設定されている場合は8時間までの残業は100%の支給のみ。これはパート労働者さんにも当てはまることなので、解りやすいです。


④こちらが気になります。

>ただし1週間単位で見ると、もともと1週目は法定労働時間を超える定めをした週ではないのに、40時間から48時間になりました。
この場合は8時間の割増が必要となります。
振替によって2週目月曜日が休みになっているので、通常賃金部分の100%は不要(相殺されている)で、割増部分の25%を8時間分支払えば済む事となります。


最初の質問にもどりますが、7日(日)の休日を5日(金)に振り替えた事により、その週(6/1~)の、時間外の割増について質問させて頂いておりましたが、それが問題だったのではなく、もともと7日(日)に出勤した事により、残業手当は不要だけど、割増(35%)は必要だったということでしょうか?
7日の週は年間カレンダーでは、40時間の勤務形態となっております。



1週間の変形労働時間制、月単位での変形労働時間制、年間の変形労働時間制によっても異なるのでしょうか?


今日は、時間がゆっくり流れています^^
ですので、朝から何度も何度も読み返し、ARIESさんから頂いたご回答と格闘しております。



何度も質問してしまってすみません。

Re: 変形労働時間制の時間外手当について

著者ARIESさん

2009年06月17日 20:14

遅くなり申し訳ございません。

まず最初にお詫びしたい事がありまして、実は前に書いたコメントに少し間違いがありました。
その点を修正しつつ、改めて回答させていただきます。

※長文になりますがご容赦ください。

///////////////////////////////

最初に変形労働時間制での時間外が発生するパターンをまとめます。
(1ヵ月単位、1年単位の共通です)

変形労働時間期間の開始前に勤務表を確定させます。
そして給与計算をする段階で、以下の手順で割増を計算します。


【第1の手順】
まずは「1日」について、8時間を超える定めをした日はその時間、それ以外の日は8時間を超えた場合に割増義務あり。

これは前回の例の通りです。
8時間以下の労働日なら8時間を超えてから、10時間の労働日なら10時間を超えたら割増義務あり。
(8時間を超えない残業なら通常賃金の100%のみでOK)

【第2の手順】
次は「1週間」について、40時間を超える定めをした日はその時間、それ以外の日は40時間を超えた場合に割増義務あり。

【第3の手順】
最後は「変形期間(1ヵ月単位の場合は1ヵ月、1年単位の場合は1年)」について、法定労働時間の総枠を超えた場合は割増義務あり。

で、前回の訂正なのですが、「割増が発生しない例」で以下の勤務表を例に挙げました。

日月火水木金土
休休 7 7 8 8 10(1週目・40時間)

そこで私は以下のように書きました。

> ご質問の割増が不要な場合は1週目の火&水で、1時間のみ残業をさせた場合です。
> この場合は1時間残業をさせても労働時間が8時間となり、法定労働時間を超えないので割増は必要ありません。
> 8時間を超えた残業を行わせた場合にのみ割増が発生します。

ここまでは間違っていないのですが、この例の場合【第2の手順】である1週間あたりを考慮し忘れていました。
1週間あたりでは残業によって40時間が42時間になります。
これは前述の【第2の手順】に当てはめると、あらかじめ定められた週40時間を2時間超えます。
確かに「1日で見ると割増は不要」なのですが、「1週間では2時間分の割増が必要」というのが正解です。

ですから割増の算定には「1日→1週間→変形期間」という3段階で労働時間を見ていかなければなりません。

/////////////////////////

最初のご質問に戻ります。
もう一度確認しますが、6/5(労働日)と6/7(休日)を振り替えて、6/5(休日)・6/7(労働日)にしたという事ですよね?


> ④こちらが気になります。
>
> >ただし1週間単位で見ると、もともと1週目は法定労働時間を超える定めをした週ではないのに、40時間から48時間になりました。
> この場合は8時間の割増が必要となります。
> 振替によって2週目月曜日が休みになっているので、通常賃金部分の100%は不要(相殺されている)で、割増部分の25%を8時間分支払えば済む事となります。


すみません、この点も間違っていました。

まず1年単位の変形労働時間制で考える「1週間」とは、「起算日から1週間ごと」です。
今年は起算日が1/1(木)ですから、1週間単位の時間を考える場合は「木曜日~翌水曜日」が1週間となります。
この考え方で1年間を見なければなりません。

一番最初のご質問では

> そのことにより、6/1~の第1週は8時間減り、週32時間となります。

と書かれていますが、正確には6/1の週は5/28(木)から6/3(水)で考えなければなりません。
もし賃金〆日が末日だったとしても、5/28~5/31について1週間あたりを見る場合は、6/1~6/3分と合わせないと算定できません。
つまり5/28~5/31については6月分の給与計算にて精算します。
(ただしもちろん1日単位で残業をさせた場合は、すぐに分かるわけですから、その分は従来通り5月分で精算しなければなりません)


御社では所定8時間との事ですので、6/1(月)の残業はあらかじめ定められた時間が既に法定労働時間ですから、割増は必要となります。

次に6/5と6/7の振替ですが、これは同じ週での振替ですので、1週間当たりの労働時間には変更がありません。
6/7は振替によって「通常の労働日」と同じになったわけですから、休日出勤ではありません。
よって割増は不要です。
(もちろん1日については、残業をさせたら割増が必要となります)


以上です。


※長文ゆえ、分かりにくい箇所もあったと思います。その場合は遠慮なくご質問ください。


ちなみに1週間単位については、「週の開始前まで」に次の週の勤務を労働者に書面通知をすれば良い制度で、事前に1ヵ月や1年の勤務を丸々決める必要はありません。
そういう意味では1ヵ月・1年単位とはちょっと違います。

あと、労働時間も1日は10時間まで可能ですが、1週間では法定労働時間の通り40時間までとなります。
週の労働時間が原則通り40時間までという点も、1ヵ月・1年単位と違う点です。

Re: 変形労働時間制の時間外手当について

著者あゅみさん

2009年06月18日 11:41

ARIES様

実は、昨日基準局に電話して問い合わせてみました。
基準局の方でも、即回答とはいかず、折り返しの電話による回答でした。
回答内容は、6/7(日)の休日を6/5(金)に振り替えた場合35%ではなく25%の割増分が必要とのことでした。7日(日)は事前に振り替えてるわけですから、労働日。ただし、所定の40時間を越えて8時間労働させたのだから25%と理解いたしました。

今、ARIES様よりのご回答を拝見するまでは・・・

私の社内での立場は一事業部の総務担当。勤務データを取りまとめ、間違いなく本社へ連絡するのが仕事です。後、給料計算は本社でしています。入社4年目になりますが(総務は2年目)、前任者との引き継ぎは事務的な作業のみの簡単なもの。同事業部に労基法なり社則なり深く知っている者はおりません。本社の総務に携わってる者も皆そうです。かなりマイルール的な考えや、自己解釈が氾濫しております。

よって、振替休日についても、業務連絡1枚で理由といえば、『暇だから休みにしよう、数ヶ月先の適当な出勤日と振り替えよう・・・と単純に。割増分の支払いもなし』

悪意はないようです。ただ、色んな意味で無知ですね。お恥ずかしいです。

ARIES様のご回答を拝見して、思いましたが、社則を作成している会社こそ、深く理解する必要があるように思いました。起算日についても、ある意味を理解せず、流してしまっておりました。

今回頂いた回答の内容については、ここ数日、私も勉強してきましたので、すんなり理解することが出来ました。

先ほど昨日電話した労基局の担当者に起算日の件で電話してみましたが、面談中との事でしたので、改めて確認はしてみます。

後、問題は本社が是正する姿勢を示すかどうかといったところでしょうか・・・。


ARIES様

何度もご回答有り難うございました。
貴重な時間を割いて頂いてるかと思います。

改めてお礼申し上げます。有り難うございました。

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