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労働ビッグバン

┏┏┏┏ ┏┏┏┏ ┏┏┏┏Contents┏┏┏┏ ┏┏┏┏ ┏┏┏┏ ┏┏┏┏
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┏┏   はじめに…労働ビッグバンとは
┏┏   労働契約法案、労基法一部改正案
┏┏   就業規則変更の合理性を得る為には
┏┏     私見  
┏┏   up! 労働契約法案に盛り込まれた就業規則による労働条件変更をどうみるか
┏┏      ('073.30 自由法曹団による批判)  
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              はじめに…労働ビッグバンとは
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「経済全体の生産性向上のためには、貴重な労働者が低生産性分野から高生産性分野へ円滑に
移動できる仕組みや人材育成、年功ではなく職種によって処遇が決まる労働市場に向けての具
体的施策が求められているのではないか」ということで、
このような働き方を、労働者の権利を損ねることなく、実効性をもたせるためには法制化によ
るべきである、という大きな流れ…これが労働ビッグバンである、と思います。

職種にとらわれず、柔軟的な働き方ができ、さらに異動できるようになれば、労働者の潜在
能力が発揮され、国際競争力も向上する、という政府や経済界は‘絵に描いた餅’のような見
方をしているようですが…。

これに伴い、大きくは三つ法案が提示されました。労働基準法労働時間規制緩和(ホワイ
トカラー・エグゼンプション)、労働契約法案、パート労働法(処遇改善案)。

ホワイトカラー・エグゼンプションについては→
http://www.soumunomori.com/column/article/atc-15002/
パート労働法については→
http://www.soumunomori.com/column/article/atc-11079
(いずれも筆者:社労・暁)

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               労働契約法案、労基法一部改正案
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 厚生労働省は1月25日、労働政策審議会(会長・菅野和夫明治大学法科大学院教授)にこの
労働契約法案要綱」と、時間外労働割増賃金率の引上げや自己管理型労働制(ホワイトカ
ラー・エグゼンプション)の創設などを内容とした「労働基準法の一部を改正する法律案要
綱」を諮問しました。

 2月2日に労政審からの答申が出されましたが、残業代をなくす「ホワイトカラー・エグゼ
ンプション(WE)」や残業代の割増率引き上げについては、相反する労使の主張を併記。た
だし、WEと残業代の割増率引き上げは、今回の労基法改正案の根幹部分であるという認識から、審議会としての判断を留保するという異例の内容で、最終判断を政治に委ねた形です。2
日、柳沢厚労相に提出しました。

 スポットを浴びてはいませんが、労基法改正案には、年次有給休暇を時間単位で取得できる
という案も盛り込まれています。改正が実現するのは今国会ではこの部分だけかな、と思いま
す。根幹部分ではありませんし、後述する労働契約法就業規則で、各社いかようにも運用できるわけですから。

■WEについては別途コラムで展開していますので、ここでは労働契約法について述べていき
ます。

案では大まかに申しますと、労働契約で結んだ個別の契約内容を、就業規則の変更で、一括
に変えることが可能になる、わけです。

ただし、06年末の答申と異なる点は、労働契約の内容の変更として、「使用者は、労働者
と合意することなく、就業規則を変更することにより、労働者の不利益に労働契約の内容であ
労働条件を変更することはできない」との文言を新たに加えている点です。
 が、合意がなくても、労働者に変更を知らせ、変更内容が合理的であれば、不利な変更もで
きるとの例外規定も設けられています。

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               就業規則変更の合理性を得る為には
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合理的かどうかの判断基準としては、これまでの判例をもとに
(1)労働者の受ける不利益の程度
(2)労働条件の変更の必要性
(3)変更後の内容の相当性
(4)労働組合などとの交渉状況
の4点を挙げています。

労働者に不利な変更をめぐる紛争が、これまで同様、起き続ける可能性も否定できません。

 従って、就業規則がもつ機能の重要性を認識した上で今後は、特に不利益変更になるような
場合に、労使で十分な話し合いをし、次のような手続を踏む必要があると思われます。
労働者に周知
    ↓
労働者の受ける不利益変更
    ↓
労働条件変更の必要性
    ↓
・変更後の就業規則の内容の相当性
    ↓
労働組合従業員代表者等との交渉、納得のいく協議
    ↓
・不利益にあたる部分の代替措置の設定努力

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                   私  見
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 そもそも、個人ベースの労働契約という概念が日本の労働市場には無かった、と思います。
つまり、組織率は低下しているものの、労働組合の存在、団体交渉の実績、つまり集団的労使
関係法理が、終身雇用制が定着していたこれまでの労働市場には有効に機能していたわけです。

 確かに雇用も多様化し、流動的になっています。が、いきなり就業規則法理を個人ベースの契約関係として捉えていこうとするには少し無理がある、あるいは実効性に乏しい。これまで
と同様、不利益を受けた労働者の紛争は、合理性の存否を争うことになります。

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      労働契約法案に盛り込まれた就業規則による労働条件変更をどうみるか
              (による批判)
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 '07.3.30 自由法曹団がアップした表題の抗議文(?)では、
労働条件切り下げをめぐる実状として、
 「今日、賃金の切り下げをはじめとする労働条件の不利益変更がいたるところで横行してい
るが、それらのなかには就業規則の変更手続すら経ない場合もある。
また、就業規則変更の手続を一応は経ているものの、判例法理が挙げる要件すら満たさないお
よそ身勝手きわまる不利益変更もめずらしくない。このような労働条件の不利益変更が現行法
上無効であることは言うまでもない…
 そもそも実態として、使用者は、有効であろうと無効であろうといったん強行してしまえ
ば、労働条件切り下げの効果を事実上直ちに手に入れてこれによる利益を受けることができ
る。たとえ労働者不利益変更の無効を指摘して撤回を求めても使用者がこれに応ずることは
まずない。労働者は、自ら訴訟を提起して勝訴するなどして使用者に切下げの撤回を決断させ
ることに成功しない限り、切り下げ後の労働条件のもとで就労せざるを得ない。地裁で勝訴し
ても控訴されさらに高裁で勝訴しても上告されるという場合、勝訴判決が最高裁で確定してよ
うやく切り下げ前の労働条件への回復が実現されるまでには、相応の年月と費用・労力を要す
る。その間、使用者は変更による効果を受け続けるのである。これらのことは、不利益変更
就業規則変更の手続を経て行われた場合であろうとなかろうと、なんら異なるところはない…」
 という批判的な捉え方をしています。


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名無し

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