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労働条件の不利益変更3例

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┏┏┏┏ ┏┏┏┏ ┏┏┏┏Contents┏┏┏┏ ┏┏┏┏ ┏┏┏┏ ┏┏┏┏
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┏┏ 週休を1日増やし、労働時間を増やすことは
┏┏ 能力評価制度を導入することで結果的に降給になってしまった
┏┏ 産休後の職場復帰 (改正均等法による)→関連コラム
┏┏   http://www.soumunomori.com/column/article/atc-19497/ 
┏┏┏             (~こんな例はいけません~)
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           週休を1日増やし、労働時間を増やすことは
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〓Q.わが社はこのたび完全週休2日制の導入を検討することにしました。導入するに当た
り、1日の所定労働時間を30分延長したいと考えております。
 これは不利益変更にあたりますか?
             
〓A.使用者就業規則の変更などによって、一方的に労働条件を引き下げることは原則とし
て許されませんが、客観的に合理性がある場合には変更に同意しない労働者にも変更後の労働
条件を適用できます。
 労働時間の延長は賃金などと同様、重要な労働条件であるため、不利益変更の判例法理によ
って合理性の有無が判断されることになります。
ご質問と全く同様なケースとして、函館信用金庫事件(H12)の判例があります。この事件
では延長時間は25分でした。

■判決では
25分の勤務延長が不利益変更に当たると認定した上で、
1.年間所定労働時間は変更の前後で大差無い
2.完全週休2日制実施による休日の増加は労働者にとっての利益である
3.他の金融機関との競争のため、平日の勤務時間を延長する必要性が高かった
4.変更後の所定労働時間1日7時間35分、週37時間55分には社会的相当性がある
 とし、不利益変更の合理性を認めています。

 このことから、労働時間延長の不利益変更については、変更の必要性が認められ、かつ休日
の増加によって実所定労働時間に大差が無い場合には変更に合理性が認められるものと考えら
れます。

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        能力評価制度を導入することで結果的に降給になってしまった
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〓Q.わが社は業績を回復する為、降格または減給を基礎づける「能力評価制度」を導入、お
よび諸手当の減額を内容とする賃金制度の変更をしようと思っています。
しかし必ずしも人件費の削減だけを意図しているのではなく、制度の導入により併せてモラー
ルアップも図れるのではないかとも期待しているのですが。
これは不利益変更にあたりますか?
             
〓A.これまで存在していなかった制度を導入することによって、賃金退職金の減額に繋が
るような場合、不利益変更にあたるといえるでしょう。

ご質問と全く同様なケースとして、アーク証券事件(H12)の判例があります。この事件で
は会社の業績悪化による給与削減の必要性は認めたものの、
1.代償措置、その他関連する労働条件の改善措置がとられていない
2.既存の労働者の為の経過措置がとられていない
3.労使間の利益調整がなされた結果としての合理的な内容とは認められない
4.制度を導入しなければ企業存亡の危機にあたるなど、高度の必要性が認められない
 などから、不利益変更の合理性が認められないとしています。

 労働者が受ける不利益が著しく大きい場合にはとくに高度の必要性が認められなければなら
ないといえるでしょう。

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                  産休後の職場復帰
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〓Q.当社では従業員産前産後休業や育児休業後に復帰する際には、なるべく原職に配置す
るよう務めておりますが、やむを得ず他の部署や職務に配置することもあります。改正均等法
が4月より施行されておりますが、こうした取扱は違法とされることになるのでしょうか?

〓A.厚生労働省の指針によれば均等法第9条第3項で禁止される不利益な取扱の一つに「不
利益な配置の変更を行うこと」を挙げています。
 不利益に当たるかどうかについての基本的な考え方としては、異動の必要性、配置前後の賃
金その他の労働条件通勤事情、労働者の将来に及ぼす影響等総合的に比較考慮の上判断す
る、としています。
 ご質問の取扱いはですから、本人が原職に戻ることを当然想定している(あるいは期待して
いる)場合、法に抵触するものと考えます。

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 ■ではどうするか
 前述の指針ではさらに「育児休業および介護休業後においては原則として原職または原職
相当に復帰させることが多く行われているものであることに配慮すること」としていますか
ら、可能な限り、原職に復帰させることを基本とすべきでしょう。
 そしてやむを得ず異動させなければならないのなら、その理由について、通常の人事異動ル
ールから十分に説明できるものであり、本人に不利益を生じさせないものでなければなりませ
ん。

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名無し

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