相談の広場
初めて質問させていただきます。
不躾ではありますが、質問のみさせていただきます。
出勤日に私用で休まなくてはならない用事があるため、代わりに休日に出勤するような場合、休んだ日と休日に出勤した日では、どのくらいの間隔(日数)まで許されるのでしょうか。
たとえば、今月の19日(仮に平日とします)に、休まなくてはならなくなったので、翌月の19日(休日とします)に出勤するというのは、法的には大丈夫なんでしょうか?
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●今月の19日と翌月の19日の振替なら、大丈夫ですよ。
●法的には2年が限度(民法上の労働債権の時効)ですが、行政はまず認めません(そもそも運用管理できない)。
労働基準局からは、休日の振替は「振り返られた日以降できる限り近接している日が望ましい」との通達が出されています。
実務上は3ヵ月が限度です(これでも短縮するよう指導を受けてます)当方では「振替日は30日以内」と規定することを勧めています。
●なお、休日の振替をするには、3つの条件があります
①就業規則等に振替休日の規定を設けること
②休日を振り替える前に、あらかじめ振替日を決めておく
③法定休日が確保されるように振り替えること
この3条件のどれかが欠ければ、それは振替休日ではなく、
「代休」になってしまいますので、ご注意ください。
ご質問に関して、以前作成した説明資料から、転記いたします。参考にして下さい。
(1)振替休日と残業代に関して
●代休 ⇒「休日労働」の割増賃金(35%)を支払う必要あり。
●振替休日⇒「休日労働」の割増賃金(35%)は支払不要です。
ただし、★「時間外労働」の割増賃金(25%)の支払いが必要な場合があります。
給与計算期間内で振替休日を取れば、総労働時間は同じなので「休日労働」の割増賃金(35%)は不要ですが、出勤日と同じ週に振替休日を取れず、結果としてその週の総労働時間が40時間を越えてしまうと、越えた分の「時間外労働」の割増賃金(25%)だけは必要です。
仕事の繁閑に合わせて変形労働時間制を採用される場合はちょっとややこしくなります。
例えば1ヶ月単位の変形労働時間制の場合、35時間枠の今週日曜に出勤(所定8時間)し、45時間枠の来週水曜に振替休日をとれば、35時間+8時間で40時間オーバー3時間分の「時間外労働」の割増賃金(25%)が必要です。
(2)振替休日の成立条件に関して
休日は原則として毎週1回以上与えなければなりませんので、週休1日制の場合、休日を別の週に振替えると、法定休日が確保できないため、「休日労働」になってしまいます。4週間を通じて4日の休日を与える変形休日制の場合も、4週間以内に振替えないと「休日労働」になります。
なお週休2日制の場合は、出勤日と同じ週に振替休日を取れずとも、1日の法定休日は確保されているので「休日労働」にはなりません。(注意:間違っても「法定休日は○曜日とする」と規定しないで下さい。)
(3)「代休」に関して
現実として、業務多忙のため振替休日と指定した日に休めないことがあり得ます。
この場合、「代休」に切り替えて割増賃金で対応することも考えておく必要があります(これも就業規則等に「○○以内に取得」と規定すべき)。
なお、「代休」に関しては「使用者は、法三十六条の規定により休日労働させた労働者に対しては割増賃金の支払は要するが、必ずしも代休を与える義務はない。」との労働基準局の通達があります。
要するに『休日労働に対しては割増賃金を支払うことでケリがついているので、代休予定日に労働させても労基法違反にはならない』ということですが、あくまで最後の手段です。
振替休日の指定日に休めず、ズルズル「振替休日(←もはや振替休日ではない)」が溜まることだけは避けるようご注意下さい。
ishi様 カワムラ様 こんにちは。
社労士業務の勉強をしていますG3+と申します。
振替休日の有効期限について、民法・行政の対応・実務での状況等、大変興味深く読ませて頂きました。有難うございました。
ところで、途中で割り込むようで申し訳ないのですが、疑問に思うことがありましたので、質問させて頂きます。
この件の場合、労働義務のある日に労働者側から休みを請求することのようですので、振休・代休の問題というよりは、年休・欠勤の問題のように思うのですが、どうでしょうか?
また労働日の振替であっても会社が振替を認めたなら「週40時間」「法定休日の確保」をクリアすれば特に問題無いように私は思うのですが・・・・・
素朴な疑問で申し訳ないのですが、よろしくお願いします。
●G3+様の質問にお答えする前に、まず「休日」と「年次有給休暇」の趣旨を転載します(くだけた表現にしてます)。
《休日》
原則、毎週1日以上の休日を与える制度です。
労働が継続する際に生じる、心身の疲労を軽減することを目的としています。
「振替休日」は、この休日の『トレード(指定による交換)』です。
《年次有給休暇》
『所定の休日以外』に、賃金支払を受けながら、休暇を与える制度です。
心身の元気と自由を回復することを目的としています。
●制度の趣旨も異なるうえ、賃金支払の有無も絡むので、一緒に論じないほうが良いと私は考えます。
「振替休日」について行政が、「できる限り近接している日が望ましい」と指導するのも、制度の趣旨から考えれば当然ともいえます。
●ある会社では、今月内に振替休日とれない人が、繁忙期を過ぎたら取れるだろうと、3ヵ月先の日を指定しても、取れてないという現実がありました。法的な問題はクリヤできても、はっきり言ってきちんと運用できてません。結局ズルズル「振替(?)休日」が溜まっていたのがオチです。
このような現場では言われるまま振替休日の規定を整備するだけでは解決しません。勤務体制や労働時間制度の見直しをしなければ根本的な問題はなくなりません。(G3+様、ここが我々社労士業務に携わる者の腕の見せ所ですよね。)
●実は、「振替休日」は会社側の都合で取らせることが多い。
合理的根拠があれば、会社は従業員の『個別的同意を得ずに』休日振替を命じることができるからです。
裁判例および行政解釈も、「使用者が休日を他の労働日に振り替えることができる旨を定めた規定が存在し、振替先の労働日をあらかじめ特定すれば、使用者は労働者の個別的同意を得ずに休日振替を命じることができる」としています。
以上、アバウトですがよろしくお願い致します。
質問の意図と回答がずれておりまたら、ご容赦ください。
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