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給与返上等について

最終更新日:2018年06月06日 01:12

財務省の不祥事?の関係で給与返上などがあるようです。一般企業でこのような給与返上や、給与減額があればどうなるでしょうか。

①今後の給与を自主的に返上した場合、
 すでに貰っている給与を自主的に返上した場合、
給与所得から減額するのでしょうか、また、会社側は給与(損金処理した)を戻すのでしょうか。
或いは、給与所得としては、返上前の額として所得税計算を行い、会社の経理も通常どおり給与を支払ったとして損金処理し、そのうえで、
 ・会社は、受贈益が生じたとして処理する
 ・個人は、任意で寄付をした(特定寄付金にはならない)という扱いとなる
と考えましたが、いかがでしょう?
今後の給与の場合と既に貰った給与の場合とで異なりますか?(★1)

 ★1:過去の分の返上の場合、
    それが、前年の給与に対応する分の及ぶとどうなるか、
    と、気になります。
    当該個人の所得税修正申告でしょうか?

②会社側から今後は減額した金額で支払う(例えば、向こう6か月)とした場合、最初から、減額後の金額での給与を支払ったということだと思います。
単純ですが、いかがでしょう。

③会社側の要求で、すでに支払っている給与を返還させた場合(例えば、過去6か月)は、どうなるでしょうか(★2)?
そもそも、強制力があるのか、疑問もあります。実質的には強制力があるかもしれませんが、法的な強制力は疑問です。
 ただし、給与規定に記載があれば法的強制力があるいう整理で大丈夫かもしれません。ここも、気になります。

  ★2:過去の分の返還の場合、
    それが、前年の給与にも及ぶとどうなるか、
    と、気になります。当該個人の所得税修正申告でしょうか?

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Re: 給与返上等について

著者村の平民さん

2018年06月06日 14:17

① 公務員には労働基準法の一部は適用されません。その詳細は存じません。

② 従って、公務員が将来にわたって給与返上や、減額するについてそれとの比較は言えません。なお、財務大臣など政治家の場合は法律論の外です。
 ここでは、民間一般企業の場合だけについて考察します。

③ 過去の労働分については、賃金支払い5原則により毎月支払わなくてはなりません。たとえ重大な非違行為があっても同様です。
 過去労働分の賃金の一部を不払いとするためには、労基法第91条により、 就業規則で規定する必要があります。
 それは、「労働者に対して減給の制裁を定める場合においては、その減給は、一回の額が平均賃金の一日分の半額を超え、総額が一賃金支払期における賃金の総額の十分の一を超えてはならない。」 とされています。

④ 「今後の給与を自主的に返上」 することは、賠償の予約と同視されるのではないでしょうか。そうなれば、賠償予定の禁止 (労基法第16条 損害賠償額を予定する契約) に触れる恐れがあるでしょう。

⑤ しかし、労基法は、労働者が会社に与えた損害の賠償を禁止しては居ません。
 従って、現実に生じた損害を正確に把握して、その範囲内で賠償させるのであれば、賃金返上とか減給とは別の問題として処理できます。
 それにより入金した額は、借方現金貸方雑収入等で良いでしょう。
 当該労働者については、賃金計算には一切無関係とします。当該労働者の個人所得税に関しては、個人の問題です。会社が関与すべきことではありません。

⑥ 過去の損害賠償額が当該労働者との間で合意している場合、将来の賃金から控除するのであれば、賃金支払い項目には無関係で、賃金控除項目の内訳として 「損害賠償額」 などとすべきでしょう。

⑦ 過去分、将来分とも、損害賠償賃金支払い項目の内訳とすべきではありません。
 再言するようですが、懲戒処分としての労基法で認められる 「減給」 は賃金支払い項目の内訳とすべきでしょう。

Re: 給与返上等について

有難うございます。
一般企業の場合、どうするのか、次の(A)と(B)が気になっておりました
 (民間企業の本社管理部門で、中間管理職に準じるような立場なので)。

(A)従業員に対する場合
    ・・・不祥事が起きた場合もそうですが、
       むしろ、損害が生じた場合を気にしてました。
    
(B)役員に対する場合(役員報酬)・・・不祥事が起きた場合

 なお、「公務員には労働基準法の一部は適用されません。」ということ、
 あまり意識してませんでした。その御指摘、有難うございました。

1. 過去労働分の賃金の一部を不払いとするためには、
労基法第91条により、就業規則で規定する必要があり,
かつ、そこには、法令上で上限があるとのこと、
  有難うございます。
  つまり、
   >労働者に対して減給の制裁を定める場合においては、
 >その減給は、
   >一回の額が平均賃金の一日分の半額を超えては駄目、
 >総額が一賃金支払期における賃金の総額の十分の一を超えては駄目
  なのですね。
  たとえば、今が6月上旬であれば、
  6月の給与(月給)はまだ支払っていない、
  そういうパターンが多いと思います。この場合に当てはまりますね。

 2.すでに支払ってしまった分についてどう考えるのでしょうか。
   例えば、今現在が6月の上旬だとして、毎月支払いの月給方式の場合、
   たとえば、5月1日から5月末日迄の給与は、
   5月の25日とか、5月の末日に支払ってしまってる筈で、
   なお、超過勤務手当については、翌6月の25日とか、末日に支払う、
   という、そういう規定の会社だとして・・・。
   6月分の給与は、まだ払っていませんが、5月分の給与は
   すでに支払済みです。

   就業規則で「過去に遡り返上させるケース」を決めておく
   ということ、というふうにとりあえず理解しました。
   給与所得は変わりますから、年末調整源泉徴収票にも
   きちんと影響がでるわけです。
      
 3.「今後の給与を自主的に返上」 することを賠償の関係で、
   構成することは難しいと理解しました。
   「給与1割減額を3か月」などですと、
   損害額とは無関係の決め方ですから、
   給与の減額と構成した方がよいと思いましたが、
   個人に対し不利な変更ですから、単純には難しいと感じます。
   就業規則で定めておくことでなんとか対応する、すなわち、
   就業規則違反での懲戒の一環として対応するということです。
   要するに、
    >「減給」 は賃金支払い項目の内訳とすべきでしょう。
   ということで考えるということだと理解しました。

   そもそも、「自主的に返納」では、『自主的』という点で、
   懲戒にも馴染まないという点にも、気が付きました。
   
 4.『しかし、労基法は、労働者が会社に与えた損害の賠償を
    禁止しては居ません。
    従って、現実に生じた損害を正確に把握して、
    その範囲内で賠償させるのであれば、
    賃金返上とか減給とは別の問題として処理できます。』
   との点、おっしゃる通りです。有難うございます。
   『借方現金貸方雑収入等』であり、
   『賃金計算には一切無関係』ということでスッキリした処理ですね。
   給与の減額とかの議論ではなく、損害を算定し、
   それを請求するという流れの話で、こちらもキチンと考えておく
   ということだと思いました。

6月7日の夕刊にて・・・ : 給与返上等について

上場会社のU社(化学工業)で、製品の品質検査での不正が見つかり、社長が月額報酬を6月分の一か月間、全額返上する社内処分を行ったということです。代表取締役ということですので、会社法上の役員です。
同社のホームページを見ると、取締役会で、「役員報酬の減額」となっていました。「返上」ではなくて、「減額」となっていました。
6月分ということですから、まだ、貰っていない報酬です。
また、ホームページ上、取締役については、全額カット、6割カットなどと挙がっていました(部門が違うとかで、カットされていない取締役もいるかもしれませんが、別に確認はしていません)。執行役員、つまり、会社法上の役員ではない人ですが、3割カットというのがありました。上限の3割という件を、ご教示いただきましたが、これに対応していると思った次第です。
まとめると、
 (あ)「返上」ではなくて、「減額」であること。
 (い) 貰っていない報酬/給与についてであること。
 (う) 役員では、カットに上限はなく(つまり、全額カットまである)、
     他方、非役員では、少なくとも同社のケースでは、3割カットまで
     が実行されていた。
     (なお、同社の執行役員は、委任契約ではなくて、雇用契約なのだ、
      と推測いたしました。)
というふうに整理しました。取り急ぎご報告です。

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