相談の広場
3月から転職して、ある会社の人事総務の部署にいます。
この会社はパートには「雇用契約書」を作って内容を確認してもらい、パートさんに記名捺印してもらい会社で保管していますが、正社員にはそれがありません。
今までの会社では、契約書としては正社員もパートもそれぞれ2部作り、双方で記名捺印したものを持つべきだとしていて、今回の会社で上司にその話をしたところ、
「法的にきまっているの? よくわからないんだけど」と言われました。
ちなみに正社員もパートも別々に就業規則はあります。
労働基準法を調べてみると、ちょっと曖昧な気がしてよくわからなくなりました。
労働基準法の、
(労働条件の明示) 第十五条 使用者は、労働契約の締結に際し、労働者に対して賃金、労働時間その他の労働条件を明示しなければならない。
で言う「明示」というのは、法的にはどういう解釈になるんでしょうか。法的には正社員に対しては雇用契約書を作る必要はないんでしょうか。
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具体的には、下記の14項目の労働条件を労働者が確認でき(事項の一部は、書面で明示)ていれば、労働契約書を作成しなくても法的には問題ありません。または会社から一方的に「労働条件通知書」として労働者に内容を説明して、これを渡せば明示義務は果たせ法律上は十分です。
しかし、もしトラブルになってしまったとき、労働者から「もらっていない」と言われても困ります。一方的な通知書ではなく、当事者双方で後々も確認することができるのが「雇用契約書」です。その内容で労働者が承諾した旨のハンコをもらって1部は会社で保管しておきます。これにより双方の確認が成され、書面として残りますから、言った言わない、聞いた聞かないの水掛け論にもなりません。
明示する事項の一部は、書面で明示、確認しますので、せっかくですから、労働契約書を作成することをお勧めします。
・書面の交付による明示事項
(1)労働契約の期間
(2)就業の場所・従事する業務の内容
(3)始業・終業時刻、所定労働時間を超える労働の有無、休憩時間、休日、休暇、交代制勤務をさせる場合は就業時転換に関する事項
(4)賃金の決定・計算・支払いの方法、賃金の締切り・支払いの時期に関する事項
(5)退職に関する事項(解雇の事由を含む)
・口頭による明示でもよい事項
(1)昇給に関する事項
(2)退職手当の定めが適用される労働者の範囲、退職手当の決定、計算・支払いの方法、
支払いの時期に関する事項
(3)臨時に支払われる賃金・賞与などに関する事項
(4)労働者に負担させる食費・作業用品その他に関する事項
(5)安全衛生に関する事項
(6)職業訓練に関する事項
(7)災害補償、業務外の疾病扶助に関する事項
(8)表彰、制裁に関する事項
(9)休職に関する事項
さて、労働基準法第15条第1項後段には、「厚生労働省令で定める方法により明示しなければならない」とありますよね。
で、これは何かということですが、『雇用契約書』で明示しなければならないとか雇用契約書を取り交わせ、とかは言ってないんですね。労働基準法施行規則第5条第1項に書いてある労働条件がはっきりとわかる書面を渡せといっているわけです(同施行規則同条第3項)。
この場合、この第5条第1項に書いてある事項が就業規則に明記されていれば、これを手渡しすればOKということです。これが「法的」な方法です。
そもそも労働契約は諾成契約なので(民法第623条)、「雇用契約書」は法的には必要としません。
ただし、会社はその労務リスク(労使間トラブル)を軽減したいと考えるのは当たり前のことで、後々採用時にこれらの内容を聞いてなかったとか見てなかったとかいったことで生じる労務トラブルを回避するのが得策ですから、通常多くの会社は「雇用契約書」(タイトルはいろいろあるでしょうが)を作成して、会社押印・採用した人の署名や記名押印をしたものをお互いに保管することをしています。
これが多くの企業が行っていることだと思いますし、私も現にこのように運用しています。
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