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労働法上の「労働者」

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労働契約法労働基準法労働者災害補償保険法等の労働関連法に
よって保護される「労働者」とは、どのような者をいうのでしょうか。


=============================================================
● 使用従属性の要件
=============================================================

労働契約法2条1項は「使用者に使用されて労働し、貸金を
支払われる者」、労働基準法9条は「事業又は事業所に使用
される者で、貸金を支払われる者」と定めていますが、一般に、
労働者」といえるためには、【1】使用者の指揮監督下に
おいて労務の提供をする者であること、【2】労務に対する
対償を支払われる者であることという2つの要件を充足する
ことを要すると解されています。この2つの要件は、併せて
「使用従属性の要件」と呼ばれています。


=============================================================
● 労働者と個人事業者との区別
=============================================================

労働者請負人等の個人事業者とを区別するに当たっては、
対象者が「労務の提供をする者」であることを前提とした上で、
【1】その労務の提供が「使用者の指揮監督下において」されて
いるものであるかどうか、そして、【2】支払っていた金員が
対象者の提供する労務の対償であるかが主として判断される
ことになります。

その場合、労働大臣の私的諮問機関である労働基準法研究会
第1部会の昭和60年12月19日付け報告書「労働基準法
労働者』の判断基準について」(「労基研報告」と言われる)
が示した判断の枠組が採用されています。

その概要は以下のとおりです。

1.「使用従属性」に関する判断基準

(1)「指揮監督下の労働」に関する判断基準

イ 仕事の依頼、業務従事の指示に対する諾否の自由がある
  ことは、指揮監督関係を否定する重要な要素となるが、
  一方、当該諾否の自由がないことは、契約内容等による
  場合もあり、指揮監督関係の存在を補強するひとつの
  要素に過ぎないものと考えられる。

ロ 会社が業務の具体的内容および遂行方法を指示し、業務の
  進行状況を本人からの報告等により把握、管理している
  場合には、業務遂行過程で、「使用者」の指揮監督を受けて
  いると考えられ、指揮監督関係を肯定する重要な要素となる。

ハ 勤務時間が定められ、本人の自主管理及び報告により
  「使用者」が管理している場合には、指揮監督関係を
  肯定する重要な要素となる。

ニ 当該業務に従事し労務を提供することについて代替性が
認められている場合には、指揮監督関係を否定する
要素となる。

(2)報酬労務対償性の有無

  報酬が時間給、日給月給等時間を単位として計算される
  場合には、「使用従属性」を補強する重要な要素となる。

2.「労働者性」の判断を補強する要素

(1)事業者性の有無

イ 特に、本人が所有する機械・器具を使用して労務を提供
する場合に、その機械・器具が著しく高価な場合には、
事業者」としての性格が強く、「労働者性」を弱める
要素となるものと考えられる。

ロ 報酬の額が、当該企業の同様の業務に従事する正規従業員
に比して著しく高額な場合には、「事業者」に対する代金の
支払と認められ、「労働者性」を薄める要素となるものと
考えられる。


(2)専属性の程度

  他社の業務に従事することが制約され、又は、事実上困難な
  場合には、専属性の程度が高く、「労働者性」を補強する
  要素のひとつになる。


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● 教育訓練を受ける者の労働者性について
=============================================================

研修生など教育訓練を受ける者(被教育者)の労働者性が問題と
なる場面では、使用従属性の要件のうち、そもそも、その研修生
等が労務の提供をする者といえるか否かという点がまず判断され
なければなりません。

被教育者が使用従属性の要件を充足するかどうかに関する行政
解釈や判決としては、概要、次のようなものがあります。

 1)商船大学等の実習生-原則否定
  (昭和57年2月19日基発第121号)

   商船大学等が機関関係の学科、課程の学生に対し民間の
   事業場に委託して行う工場実習は、一般に次のような
   実態にあるものと認められるとして、実習の目的及び
   内容(目的は国家試験の受験資格として必要な乗船
   履歴を取得させるためのものである等)、実習の方法
   及び管理(通常、一般労働者と明確に区別された場所で
   現場実習が行われること等)、実習手当等の性質及び
   金額(実習手当は実費補助的ないし恩恵的な給付である
   と考えられること)をあげ、今後、この工場実習を受ける
   実習生については、当該事業場との関係において原則として
   労働者ではないものとして取り扱われたいとした。
 
 2)看護婦養成所の生徒-原則否定
  (昭和24年基発第648号、
   昭和25年11月1日婦発第291号、
   平成9年9月25日基発第648号)

   保健婦助産婦看護婦法に基づく看護婦養成所の生徒は、
   生来看護婦となるべき素養を取得するために教育を
   受けているものであり、その教習課程中の実習も教育の
   目的でのみなされるべきものであるから、その生徒は
   原則として労働者とみなすべきではない。
   なお、従来の慣習により生徒を一般看護婦と同様に
   勤務させている場合があり、たとえ形式的にいわゆる
   生徒と称して実習に従事していても、その実態においては、
   労働基準法第9条にいう労働者とみなされる場合があるが、
   次のいずれにも該当する場合を除き、当該事業経営者と
   生徒との間には実質的な使用従属関係が存在するものと
   認められ法を適用すべきものであるから、その労働の
   実態を調査し法の適用について十分留意されたい。
   本件は養成中の男性たる看護人についても同様に取り
   扱われたい。

1.実習時間外はもとより、実習中といえども、教習及び教習の
  場所に関係のない作業、事務、その他雑用に使用されないこと。

2.生徒の管理については、責任者が定められ、生徒の実習と
  一般看護婦の労働が明確に区別されていること。

 3)インターンシップにおける学生の労働者
   (平成9年9月18日基発第636号)
  
   一般にインターンシップにおいての実習が見学や体験的な
   ものであり、使用者側から実務に関わる指揮命令を受けて
   いると解されないなど使用従属関係が認められない場合には、
   労働基準法第9条に規定される労働者に該当しないもので
   あるが、直接生産活動に従事するなど当該作業による利益・
   効果が当該事業場に帰属し、かつ、事業場と学生との間に
   使用従属関係が認められる場合には、当該学生は労働者
   該当するものと考えられ、また、この判断は、個々の実態に
   即して行う必要がある。

 4)研修医(最二判平成17年6月3日民集59巻5号938頁)

   最高裁判決は、医師法所定の臨床研修を行う医師の労働者性が
   問題となった事案について、研修医が医師法所定の臨床研修に
   おいて医療行為等に従事する場合には、これらの行為等は病院の
   開設者のための労務の遂行という側面を不可避的に有することと
   なるのであり、病院の開設者の強い監督の下にこれを行ったと
   評価することができる限り、上記研修医は労基法9条所定の
   労働者に当たるものというべきであると判示した上、当該臨床
   研修のプログラムの内容と実施態様を踏まえ、当該研修医の
   労働者性を肯定した。

この判決は、教育を受けているか労務を提供しているかということは
択一的関係にあるわけではなく、教育を受けつつ労務の提供をしている
関係というものもあり得ることを前提として、研修医が労務の提供を
する者であるか否かを医師法の予定する臨床研修の内容や実施態様を
踏まえて判断したものと理解されています。


(弁護士 緒方義行  http://www、fuso-godo.jp/)


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