こんにちは。
社会保険労務士の田中です。
給与計算では
割増賃金等の計算で1円未満の端数が発生します。
時給制の
従業員について1分単位で計算する時も端数が出ます。
この端数は、四捨五入?五捨六入?それとも五捨五超入?
今回はそれぞれの根拠をお伝えします。
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当所HPにて「
人事労務の一問一答」をご提供しています。
https://www.tanakajimusho.biz/jinjiQA
少しずつ充実させていますので、よろしければご覧ください。
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【 給与の支払いの場合 】
1「通貨の単位及び貨幣の発行等に関する法律」による考え方
この法律では
債務の支払いについて次のように定めています。
(漢数字を算用数字に変更しています。)
第3条(
債務の支払金の端数計算)
『
債務の
弁済を
現金の支払により行う場合において、その支払うべき金額に
50銭未満の端数があるとき、又はその支払うべき金額の全額が
50銭未満であるときは、その端数金額又は支払うべき金額の全額を
切り捨てて計算するものとし、その支払うべき金額に50銭以上1円未満の
端数があるとき、又はその支払うべき金額の全額が50銭以上1円未満で
あるときは、その端数金額又は支払うべき金額の全額を1円として計算する
ものとする。ただし、
特約がある場合には、この限りでない。 』
給与は会社側からみると「
賃金債務」となります。
「
弁済」は支払うことなので給与支払には上記の条文が適用されます。
「50銭未満切り捨て50銭以上切り上げ」であり、
例えば「10.49円は10円に、10.50円は11円」となります。
小数点第一位に着目すると四捨五入になっています。
2
通達(昭和63.3.14 基発150)による考え方
また、
債務を
賃金に限定するのであれば、この
通達があります。
割増賃金計算における端数処理として、次の方法は、常に
労働者の不利と
なるものではなく、事務簡便を目的としたものと認められるから、
法第24条及び第37条違反としては取り扱わない。
(1)略します。(田中)
(2)1時間当たりの
賃金額及び
割増賃金額に円未満の端数が生じた場合、
50銭未満の端数を切り捨て、それ以上を1円に切り上げること。
(3)1か月における
時間外労働、
休日労働、深夜業の各々の
割増賃金の総額に
1円未満の端数が生じた場合、(2)と同様に処理すること。
こちらも「50銭未満切り捨て50銭以上切り上げ」であり、
例えば「10.49円は10円に、10.50円は11円」となります。
小数点第一位に着目すると四捨五入になっています。
【
社会保険料の控除 】
ところで、
社会保険料の円未満の端数では様子が違います。
「
健康保険・
厚生年金保険の
保険料額表」の下の方にある囲み部分に
被保険者負担分に円未満の端数が出た場合は、
「50銭以下の場合は切り捨て、50銭を超える場合は切り上げて1円」
と書いてあります。
よく見ると前述の【給与の支払いの場合】と異なります。
切り捨てが、50銭「未満」ではなく50銭「以下」
切り上げが、50銭「以上」ではなく50銭「超え」 となっています。
違う書き方をします。
賃金の端数は、50銭未満は切り捨て 50銭以上は切り上げ
社保の端数は、50銭以下は切り捨て 50銭超えは切り上げ
例えば次のようになりまます。
「10.49円は10円に、10.50円も10円に、10.51円は11円に」
四捨五入では、10.50円は11円になります。
これは給与から
社会保険料の
被保険者分を控除する場合の取り扱いです。
「五捨六入」ではなく、「五捨五超入」という呼称になります。
保険料額表(下部の囲み部分の上から2行目に記載されています。) ↓
https://www.kyoukaikenpo.or.jp/~/media/Files/shared/hokenryouritu/r3/ippan/r30213tokyo.pdf
今回も最後までお読み頂き、ありがとうございます。(2021.12.17)
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こんにちは。社会保険労務士の田中です。
給与計算では割増賃金等の計算で1円未満の端数が発生します。
時給制の従業員について1分単位で計算する時も端数が出ます。
この端数は、四捨五入?五捨六入?それとも五捨五超入?
今回はそれぞれの根拠をお伝えします。
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【 給与の支払いの場合 】
1「通貨の単位及び貨幣の発行等に関する法律」による考え方
この法律では債務の支払いについて次のように定めています。
(漢数字を算用数字に変更しています。)
第3条(債務の支払金の端数計算)
『 債務の弁済を現金の支払により行う場合において、その支払うべき金額に
50銭未満の端数があるとき、又はその支払うべき金額の全額が
50銭未満であるときは、その端数金額又は支払うべき金額の全額を
切り捨てて計算するものとし、その支払うべき金額に50銭以上1円未満の
端数があるとき、又はその支払うべき金額の全額が50銭以上1円未満で
あるときは、その端数金額又は支払うべき金額の全額を1円として計算する
ものとする。ただし、特約がある場合には、この限りでない。 』
給与は会社側からみると「賃金債務」となります。
「弁済」は支払うことなので給与支払には上記の条文が適用されます。
「50銭未満切り捨て50銭以上切り上げ」であり、
例えば「10.49円は10円に、10.50円は11円」となります。
小数点第一位に着目すると四捨五入になっています。
2 通達(昭和63.3.14 基発150)による考え方
また、債務を賃金に限定するのであれば、この通達があります。
割増賃金計算における端数処理として、次の方法は、常に労働者の不利と
なるものではなく、事務簡便を目的としたものと認められるから、
法第24条及び第37条違反としては取り扱わない。
(1)略します。(田中)
(2)1時間当たりの賃金額及び割増賃金額に円未満の端数が生じた場合、
50銭未満の端数を切り捨て、それ以上を1円に切り上げること。
(3)1か月における時間外労働、休日労働、深夜業の各々の割増賃金の総額に
1円未満の端数が生じた場合、(2)と同様に処理すること。
こちらも「50銭未満切り捨て50銭以上切り上げ」であり、
例えば「10.49円は10円に、10.50円は11円」となります。
小数点第一位に着目すると四捨五入になっています。
【 社会保険料の控除 】
ところで、社会保険料の円未満の端数では様子が違います。
「健康保険・厚生年金保険の保険料額表」の下の方にある囲み部分に
被保険者負担分に円未満の端数が出た場合は、
「50銭以下の場合は切り捨て、50銭を超える場合は切り上げて1円」
と書いてあります。
よく見ると前述の【給与の支払いの場合】と異なります。
切り捨てが、50銭「未満」ではなく50銭「以下」
切り上げが、50銭「以上」ではなく50銭「超え」 となっています。
違う書き方をします。
賃金の端数は、50銭未満は切り捨て 50銭以上は切り上げ
社保の端数は、50銭以下は切り捨て 50銭超えは切り上げ
例えば次のようになりまます。
「10.49円は10円に、10.50円も10円に、10.51円は11円に」
四捨五入では、10.50円は11円になります。
これは給与から社会保険料の被保険者分を控除する場合の取り扱いです。
「五捨六入」ではなく、「五捨五超入」という呼称になります。
保険料額表(下部の囲み部分の上から2行目に記載されています。) ↓
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今回も最後までお読み頂き、ありがとうございます。(2021.12.17)
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