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最低賃金法の改正とその実務

平成20年3月15日 第53号
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人事のブレーン社会保険労務士レポート
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目次

1.最低賃金法の改正とその実務

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ブログもよろしくお願い致します。
人事のブレーン社会保険労務士日記」です。
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是非見てみて下さい!

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1.最低賃金法改正とその実務

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1.はじめに

今回は最低賃金法について解説したいと思う。
改正パートタイム労働法や労働契約法と違い法改正自体が企業実務に与える影
響は少ないと考える。
そこで改正部分の解説と合わせて、正しい最低賃金の確認の方法をお話しした
い。

2.改正最低賃金法の概要

(1)時間給への統一

今まで最低賃金法では最低賃金を定めるにあたり「時間、日、週または月」に
よって定めるとされていた。

しかし日給の場合4時間を前提とした日給と8時間を前提とした日給では賃金
額が違い、日給だからと言って一律で考えることは実態に合わないという観点
から「時間給への統一」が行われた。
これにより地域別最低賃金に限らず、全ての最低賃金は時間給で決定されるこ
ととなる。

(2)適用除外から減額特例へ

改正前は使用者が一定の条件を満たす労働者について、都道府県労働局長の許
可を受ければ最低賃金の効力は及ばないとされていた。
これが効力が及ばないのではなく、厚生労働省令の定める減額率により最低賃
金の効力を確保するということとなった。
免除ではなく、最低賃金額の特例を適用することにより一定額の最低賃金額を
保障するということになったのである。

この特例については改正後に「所定労働時間の特に短い者」が削除された。
これは改正パートタイム労働法や労働契約法との関係において、時間が短くて
も同じ職務を同じ職責で行っている労働者には通常の労働者と同じ賃金を支給
しなければならないという観点から削除されたものと思われる。

(3)地域別最低賃金の決定

地域別最低賃金の決定については生活保護との矛盾をなくすように決定するこ
ととなった。

(4)派遣労働者最低賃金

派遣労働者最低賃金については派遣先事業場の地域の最低賃金額の適用を受
けると明記された。
次に述べる特定最低賃金の場合も同様である。

(5)特定最低賃金

今まで産業別最低賃金を特定最低賃金として、労働者又は使用者の全部または
一部を代表するものは厚生労働大臣または都道府県労働局長に対して、当該労
働者や当該使用者に適用される一定の事業若しくは職業に係る最低賃金の決定、
特定最低賃金の改正、廃止の決定をするように申し出ができると明記された。

従前の産業別最低賃金について、申し出を明確にし、特定最低賃金とされたの
である。
また最低賃金に関して、労働協約の拡張適用があったが、今回の改正によりこ
労働協約方式の廃止がなされた。

(6)罰則の強化と特定最低賃金の取扱い

地域別最低賃金について違反があった場合の罰金額が2万円から50万円に引
き上げられるとともに、特定最低賃金については最低賃金法の罰則の適用がな
く、労働基準法第24条に規定する賃金全額払いの原則で対応することとした。
ちなみに労働基準法第24条違反の罰金は30万円である。

(7)まとめ

以上が最低賃金法改正の概要である。
今回の改正により本年10月に決定される最低賃金額がどのように変更される
のかを注視しなければならない。

3.最低賃金額の確認方法

(1)時間給および日給

時間給については最低賃金額と比較すればよいが、日給者の場合には以下の通
り確認する。

日給額/1日の所定労働時間

非常に単純である。

(2)月給者の最低賃金額の確認方法

月給者については以下の算式による。

月給額*12カ月/年間総所定労働時間最低賃金額以上であればよい。

具体的には以下に例をあげて説明する。

最低賃金 739円(東京都)
年間所定労働日数 260日
1日の所定労働時間 8時間

260日*8時間=2080時間
739円*2080時間/12ヶ月=128,093.333

上記前提条件について月給制における最低賃金は128,094円になる。

これが最低賃金の求め方である。

4.まとめ

最低賃金法改正による実務上の大きな変更はないが、最低賃金を決定するプロ
セスに影響を与える改正であるということだ。
次回の最低賃金の改定を注視しなければどのような具体的影響が生ずるかはわ
からない。
最低賃金を確認するプロセスについても正確に理解されている方は意外と少な
いので一度確認されたい。

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