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労務管理

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採用取り消しについて

最終更新日:2010年08月15日 20:28

ある人物(Aとします)を採用し、初日の午前中に勤務させました。当日になって、Aが過去に警察に逮捕された事実が判明し、履歴書にその事実を記載しなかったことを理由に採用内定を取り消すと通告しました。
Aは納得が行かないと申し出ましたがこちらは採用を拒否する旨申し出、本人が「それでは採用を取り消す旨の書面をください」と申し出てきました。
当方としましては「そんな書面を出す意味がないだろう」と主張しましたが、Aは採用を取り消した証拠を出せの一点張りなので当方も譲歩して、覚書をとりました。
内容は
甲(当方)は、乙(A)が採用の応募にあたって提出した履歴書に重要事項の記載漏れがあったので採用内定を取り消すことを双方が確認し合意した
という書面で、双方が署名捺印(Aは署名はしましたが捺印は拒否)しました。

その後、Aがその覚書を持って労働基準監督署出向いたらしく、労働基準監督署に呼び出され「初日の午前中に勤務をしているのだから内定ではなく雇用の関係が発生しているので当方のとった手続きは不備がある」という指導があり、改善報告書の提出を求められました。
さらに、裁判所からAが当方に訴訟を起こしたため、訴状を送付するので答弁書を提出するようにという書面まで届きました。
訴状の内容は
当方のとった行為は解雇であり、他の就職内定を断って入社したので慰謝料を払え
という内容でした。

当方としましては、採用取り消しの覚書をとっており、Aもそれに同意したため、解雇ではないと考えますが、Aは採用取り消し(つまり解雇)に合意したのであって、自ら退職の意思を示したものではないと主張しています。

弁護士の意見も当然聞いて答弁書を作成しますが、当方のとった対応に間違いはなかったと考えます。
他の方のご見解をお聞かせいただきたく存じます。

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Re: 採用取り消しについて

著者ごんジろうさん

2010年08月16日 10:10

大変なのに引っ掛ってしまったようですね。

要点は、以下のとおりだと思います。
1.Aは、初日の午前中に勤務
2.採用内定を取り消すと通告し、双方合意の覚書を交わす
3.労働基準監督署から「雇用の関係が発生している」という指摘
4.裁判所からAの訴状への答弁書を提出せよ

私は法律の専門家ではありませんので、細かいことは分かりませんが、争点は「採用内定取消」と「解雇」の実効性ということになりそうですね。

裁判所が「重要事項の記載漏れによる採用無効」と判断するか、労働基準監督署から「雇用の関係が発生している」という指摘から「解雇」を認めるかだと思います。

御社では、試用期間という制度はないのでしょうか?

重要事項の記載漏れであって、不実記載ではないので、「解雇」となることもありそうですね。

採用内定取消=解雇」に合意という主張は認められないと思いますが、御社の対応には問題はないと考えます。
しかし裁判は別物ですので、弁護士さんとよく相談して対応すべきだと思います。

裁判は、正義ある者ではなく、準備する者が勝つ。

著者ひであき33さん

2010年08月16日 12:04

「当方の取った対応に間違いはないと考え」ることと、
「本当に正しかった」ということとの間には、それ相応の距離があります。

客観的に見て、内定の段階は既に過ぎているので、
内定の取り消しを争点にして争っても勝てない予感がします。

となると、本当の争点は、
試用期間中(採用後2週間以内の、法的な意味での試用期間)の解雇が
有効か無効かの一点です。

そのときに問題になるのは、
御社の試用期間中の解雇該当事項をどのように就業規則で定めていたかです。
そしてそれを本人にどのように説明していたかです。



それと、どちらに正義があるのかとは別に、
実務上の問題として、和解になったときにいくらまでの
慰謝料なら支払ってもいいのか、という問題があります。
(もちろんこんな情報、答弁書には書きませんよ)

たとえば給与の1ヶ月分、30日分、半年分、2年分、1日分たりとも嫌だ、など、
考え方によってその結論はさまざまです。

裁判は、判決の前に裁判所から出される和解勧告で収まることが意外と多い。
どこまでならあきらめる、どこからなら争うというイメージ固めはしておく必要があります。

言い換えると、担当者として今すべきことは、
中小企業なら社長の、大企業なら総務部長か人事部長の
腹のありどころを探っておきなさいということです。

いずれにせよ最初にするべきことは、就業規則の確認と説明の対応が
どうだったかの部分についての整理です。
推測ですが、このあたりは不備だったのではないでしょうか。



裁判では、「自分が正しいから」とたかをくくると、往々にして
とんでもないことになります。
相手にはあいてなりの正義があるからです。

それと、準備不足は正義の正当性を割り引いてしまいます。
くれぐれも準備にはご留意ください。

なお、事前準備としては、
仮に有効だった場合、慰謝料についてどう対処するか、
仮に無効だった場合、扱いをどうするかというイメージを
持っておく必要があるでしょう。

いろいろなケースを想定して準備しておくと、争いの場において、余裕を持ちやすくなります。
余裕が持てると正しい判断ができるようになります。
正しい判断ができると状況を有利に展開しやすくなります。

論の組み立て方は、外堀、内堀、本丸を作っておいて、
外堀を埋められても内堀が、内堀が埋められても本丸がある、
という複数段構えの構造で持っていく必要があります。

たとえば、「当方としてはこれこれの理由で、内定取り消し有効と考えるが、
もし、仮に無効であったとしても、解雇は有効で正当だったと考える」という流れです。

このあたりは弁護士が詳しいはずなので、弁護士と良くご相談ください。

但し労働弁護士以外の弁護士の場合、労働法部分については
社労士にあらかじめ確認しておいたほうがいいでしょう。



いずれにせよ
採用取消の正当性という論点だけを争点にするのでは、敗色濃厚です。

「当方のとった対応」を唯一絶対の正義と考えるのは、あまりにも
危険すぎます。

そもそも「正義は必ず勝つ」というのは間違いです。
実態は、勝った者が自分自身を正義と定義づけるだけなのです。
「勝った者は必ず正義と名のる」のが実態です。
それを外から見るとあたかも「正義は必ず勝つ」ように見えるだけです。

歴史でも裁判でも本質は一緒です。
「当方が取った対応は間違いが無かった」事に固執するのは
いたづらに墓穴を掘ることになりかねません。
過去を正当化するのではなく、未来への対応こそが急がれるのです。

Re: 採用取り消しについて

著者幸希子さん

2010年08月21日 14:08

横から失礼いたします。

心中お察し申し上げます。

投稿を拝見させていただいて、気になったことがあるので、投稿いたしました。

採用を取り消した方は、午前中勤務しているようですが、その時間分の給与は支払われるのですか?

採用取り消しということは、支払われないのだと思いますが、働いた分は賃金の支払い義務が生じるのではないでしょうか。


私の会社では、経歴詐称退職してもらったことがあります。
経歴を詐称すること自体も問題だったのですが、その詐称された部分を評価して採用していたため、そして何度も嘘を重ねる人を信用できないということで、就業規則懲戒解雇に相当するということで、退職してもらいました。
就業規則懲戒解雇:重要な経歴を偽り、雇い入れられた場合という記載があります)
本来は、懲戒解雇ですが「自己都合扱い」でもいいと事業所長がいわれたので、本人も、懲戒解雇よりはいいと思ったのか、素直に退職願を記入しました。
ちなみに、入社9日目でした。
その間の給与は、月給日割りして支払いました。

採用取り消しの手続関連について、間違いなかったと言われますが、はたしてそうでしょうか。
まず、もう一度考えて見られてはいかがでしょうか。
過去に逮捕歴があることを履歴書に記載していなかったことが、採用取り消しに値するかはわかりません。
逮捕された時の、罪状にもよると思います。
過去の罪が、「今」を即断する材料になるのでしょうか。
入社前なら「採用取り消し」可能だったかもしれませんが、雇い入れた後で判明し、その方が会社に損害を与えたというわけではない、ということを考えると、裁判は厳しいものになるのではないでしょうか。
円満に解決されればよいと思いますが、その裁判が会社の営業などに及ぼす影響を考えると手痛い事件ですね。

あともう一つ。
会社としては、
「逮捕歴があるから」問題なのでしょうか。
 逮捕歴を「隠していた」ことが問題なのでしょうか。
大した違いはないように見えるかもしれませんが、裁判などではこれをどう考えるかで、違った結果になるかもしれません。

深い知識もないのに、生意気なことを言って申し訳ありません。
私の投稿の少しでも何かのお役に立てれば幸いです。

Re: 採用取り消しについて

著者いつかいりさん

2010年08月21日 22:03

採用取り消しは、遅くとも就業日の前日までに、相手方になす必要があります。
当日すでに就業した、すなわち雇用関係にはいった以上、就業規則にある解雇の手続きを踏まないといけません。ですので、労基署の是正指導はまっとうです。

いっては悪いのですが、解雇すべきところ、まちがって採用取り消しの手順をしてしまったということです。一文取り付けも無意味です。

いまどき逮捕歴ありをなしにしての偽りの経歴で解雇が相当かは、裁判で個別詳細に検討することになるでしょう。すなわち逮捕にいたった行状が、やとってはさしさわる相当な理由が存することが求められます。たとえば、経理担当としてやとったところ、前職で会社の金を使い込んでいたとか。

でなければ、激しい係争になるので労働法にあかるい弁護士を味方につけてください。

ありがとうございます

皆様コメントいただきありがとうございます。

弁護士いわく、Aが合意書に署名をしているのでこれを退職願とみなすことが可能なようですが、おそらくA側は解雇が妥当か否かをついてくるでしょう。
訴状にも、本件は明らかに解雇であり、妥当ではないが、勤務する意思はないので慰謝料を求めたいというものでした。

当方の対応には間違いないと確信しておりますが、厳しいご意見であったことは間違いありません。

ちなみに、逮捕歴とは公然わいせつです。本人も罰金を支払ったと言っておりました。
なお、当方は接客業です。Aの前職が某有名企業だったのでそこを退職してまで当方に就職した理由を疑問に思いインターネットでAの名前で検索をかけたら「●ちゃんねる」の書き込みで「○○勤務の男がわいせつ」というものを発見したため、採用を取り消したしだいです。
履歴書には○○を退職とありましたがおそらく解雇されたのだと思います(確認はしておりませんが間違いないでしょう)
ですから、仮に罰金刑を受けたことを記載しなかったことが経歴詐称に該当しないとしても、解雇されたのを退職としたことは経歴詐称に間違いないのです。

したがって、当方の行為は間違いではないのです。

Re: ありがとうございます

著者ひであき33さん

2010年08月22日 01:41

「当方の対応には間違いないと確信」されているとのことですが
論拠があまりにも心もとなさ過ぎる。

そもそも「実は彼は解雇された」というのは現段階ではあなたの推測の域を出ません。
推測を前提にした結論は、仮説に過ぎません。

たとえば、彼が本来解雇のところを、会社との話し合いにより依願退職扱いに事務処理上はしてもらっていた、という可能性だってありますよ。

この場合、公式の解釈としては自己都合退職です。
つまりこの場合には経歴詐称にならないのです。
それはあなたの頼る「前提」(=推測)が崩れることを意味します。

あなたが彼の離職理由の証明書を取り寄せて、解雇であることを確認した上で話されているのなら話は別ですが、
本人の言葉だけでは、しょせん言った言わないの水掛け論です。

結論として
「したがって、当方の行為は間違いではないのです。」
というのは現段階では早計であり、
その感覚のままで準備をするのは危険です。

Re: ありがとうございます

著者幸希子さん

2010年08月23日 10:38

おはようございます。

まず、前職の某有名企業に確認をされたらいかがでしょうか。
たぶん間違いはなくても、憶測です。

「そちらを退職されるときは円満に退職されたのでしょうか・・・」と。
個人情報のことを言われたら、正直に事情を話すという手もあります。
私は、解雇した社員の前職である某一流企業に確認したことがあります。
教えてもらえないと思っていたのですが、意外にすんなり教えて下さいました。
当方の場合は、期間契約社員を正社員だったと偽り、勤務期間も偽っていたので、前勤務先に確認し、裏を取ることが出来ました。
(他にも解雇理由はあるのですが、ここでは無関係なので伏せておきます)
正社員で勤務している期間に、他の会社の雇用保険の確認票があった(本人が持ってきていた)ため、最初に不信に思ったのですが、確認したくても職業安定所では、本人の承諾なしには退職の理由や、前職、前職の勤務期間などは教えてくれません。
個人情報保護法案が邪魔します。

当方の行為は間違いないと確信される前に、足元を固めてみられてはいかがでしょうか。
ちょっと手間ですが、マイナスにはならないと思いますので投稿させていただきました。

Re: ありがとうございます

著者ごんジろうさん

2010年08月23日 16:27

> 弁護士いわく、Aが合意書に署名をしているのでこれを退職願とみなすことが可能なようですが、おそらくA側は解雇が妥当か否かをついてくるでしょう。

これは「採用取消」では争わないということですね。


> ちなみに、逮捕歴とは公然わいせつです。本人も罰金を支払ったと言っておりました。

罰金刑だけですか。


> インターネットでAの名前で検索をかけたら・・・採用を取り消したしだいです。

上述しましたが、採用取消では、争えないと思います。


> 履歴書には○○を退職とありましたがおそらく解雇されたのだと思います(確認はしておりませんが間違いないでしょう)

他の方も仰っているようにこの推測は危険です。


> したがって、当方の行為は間違いではないのです。

なんとも心もとないですね!!
弁護士さんとしっかりとした対策を立てないと慰謝料の額にもよりますが、ほとんどを認められる恐れもありそうです。

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