平成19年11月15日 第49号
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人事のブレーン
社会保険労務士レポート
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目次
1.改正
パートタイム労働法について
===================================
ブログもよろしくお願い致します。
「
人事のブレーン
社会保険労務士日記」です。
http://norifumi.cocolog-nifty.com/blog/
是非見てみて下さい!
***********************************
1.改正
パートタイム労働法について
***********************************
1.はじめに
平成20年4月1日より改正
パートタイム労働法が施行されます。
この目的は「同一価値労働同一
賃金の原則」の定着です。
我が国の労働慣行に於いては、正社員というのは有形無形の付加価値を有して
おり、非正規社員と比べて同じ労働内容でも、その付加価値が違うのだという
考え方でありました。
この「同一価値労働同一
賃金の原則」が争われたケースとして丸子警報機事件
(長野地上田支部平8.3.15 労判690号32頁)がある。
これは、同じ労働内容であっても8割以下となる場合には会社の裁量が公序良
俗違反となり無効であるという内容である。
契約自由の原則を重視し、
使用者の裁量を広く認めたものである。
我が国の
労働契約に関する判断は裁判例の集積の中で行われており、同一価値
労働同一
賃金の原則が定着する為には、この種の裁判例が判例として確立する
まで待つ必要があった。
しかし、法律に於いてこの考え方を定着させて、
パートタイム労働者の
雇用の
改善を図るということが今回の法改正の主旨である。
2.
パートタイム労働法の適用範囲
パートタイム労働法が適用になる
労働者とは、簡単に言うとフルタイム
労働者
より
所定労働時間が短い
労働者である。これは以下では「
短時間労働者」とす
る。
フルタイム
労働者であっても、正社員の
労働者と、正社員以外であっても週の
労働時間が正社員と同様の
労働者がいる。
この正社員と同じ
所定労働時間の正社員以外の
労働者は
パートタイム労働法の
適用外である。
しかし、この
労働者については正社員化に努めることとする事とされた。
3.
パートタイム労働法の概要(待遇面)
(1)文書での明示事項
まず、「昇給の有無」「
退職手当の有無」「
賞与の有無」の3点を書面で明示
することが義務づけられた。
その他の事項についてもなるべく文書で明示するように努めることとされた。
これについては労使間の誤解の排除という点において、実務上も重要でありし
っかりと行っていことが重要であると考える。
(2)待遇の決定についての説明
この点が今回の改正の中で最も根本的な問題であると考える。
理由として、後述する
賃金格差等の対策を考える上でも、何故当該
労働者をそ
の様な
労働条件で雇ったのか一貫性のある説明をしなければならないのである。
これは正社員とその他の社員の役割分担を見直し、その労働形態からして
賃金
格差はやむを得ないと説明出来る体制を整える必要があるからである。
この点は、次で詳細に述べる。
(3)均衡のとれた待遇確保の推進
これは正社員と
短時間労働者の待遇とその職責等を比較して、均衡のとれたも
のにしなさいという規定である。
具体的には「職務内容の程度」「人材活用の仕組みや運用など」「
契約期間」
の3つの要件が正社員と同様かどうかを検討することとなる。
これは
賃金の格差が妥当かどうか判断する上で重要であり、今回の改正で最も
注意するべき事項である。
3つ要件全てを満たして初めて
賃金格差の是正に取り組まなければならない訳
であり、今後の
人事体系を考える際には充分にこの点を考慮して仕組みをつく
っていかなければならない。
以下で詳細を述べる。
1 職務内容の程度とは
まず業務の内容が実質的に同じかどうかを判断する。
営業職や事務職といった
業務の種類が同じかどうか。
同じであれば、次の検討に進みます。
同じ業務の中で個々の業務を分析して細分化し、中核的業務を抽出する。
その中核的業務を正社員と
短時間労働者で比較をする。
この中核的業務とは以下の3点である。
・その
労働者に与えられた職務に不可欠な業務
・業務の成果が事業所の業績や評価に大きな影響を与える業務
・
労働者の職務全体に占める時間、頻度において、割合が大きい業務
そして抽出した中核的業務が同じ場合は、業務の内容は同じと判断される。
また、一見異なっても必要な知識や技術水準などの観点から、業務の性質や範
囲が実質的に同じであれば、同様に判断される。
そして次に責任の程度が著しく異ならないかを検討する。
具体的には「与えられている権限の範囲(単独で
契約の締結が可能な金額の範
囲、管理する部下の人数、決裁権限の範囲等)」「業務の成果について求めら
れている役割」「トラブル発生時や臨時・緊急時に求められる対応の程度」「
ノルマなど成果への期待度」等を総合的に検討する異となっている。
2 人材活用の仕組みや運用など
まず転勤の有無を比較し、どちらも転勤する若しくはしない場合には次の項目
を検討する。
転勤がある場合は、正社員と
短時間労働者とで範囲は同じかどうか。
一般的に一定の地域内で転勤をする場合と、全国転勤がある場合という職種を
設けるケースがあるが、これに該当する。
範囲が同じ場合若しくは転勤がない場合には次を検討する。
「職務内容の変更の有無」「配置の変更の有無」の比較
どちらも変更有り若しくはどちらも変更がない場合には次を検討する。
「職務内容変更の範囲」「配置の変更の範囲」を比較
範囲が同じであれば、人材活用の仕組みや運用などは同じと判断される。
3
契約期間
これについては、日立メディコ事件や東芝柳町工場事件に基づいて検討をされ
たい。
以上3つの要件を満たした場合には次に述べる措置を行わなくてはならない。
(4)
賃金の決定
前で検討した3つの要件を満たした場合、正社員との均衡を考慮し、短時間労
働者の職務内容、成果、意欲、能力、経験などを勘案して
賃金を決定すること
に努めることとされた。
また、職務内容と一定期間の人材活用の仕組みうあ運用などが同じ場合には、
その期間について
賃金を通常の
労働者と同一の方法で決定することに努めるこ
ととされた。
同一価値労働同一
賃金の原則を適用するように努力しなさいということである。
(5)教育訓練・
福利厚生
職務内容が同じ場合には、同じ教育を受けさせることが義務ずけられ、キャリ
アアップの為の訓練については職務内容の如何に関わらず同様の教育を受けさ
せる事に努める事とされた。
また、
福利厚生については、更衣室、
休憩室、給食施設については正社員と同
様に利用機会を与えなければならないとされたが、その為に新たに施設をつく
る事までは求められていない。
4.正社員化の推進
新たに正社員を募集する場合には、正社員以外の
労働者に募集内容を周知させ、
社内公募の機会を与える事とされた。
これは優先的に雇えということではなく、機会を与えろということである。
また、
短時間労働者が正社員になる為の登用制度等を整備することとされた。
5.苦情処理・紛争の解決
苦情の処理・紛争の解決は三つの方法がある。
(1)短時間
雇用管理者
常時10人以上の
短時間労働者を
雇用する事業所毎に短時間
雇用管理者を設置
し、
短時間労働者の
雇用管理の改善等を担当し、
短時間労働者から苦情の申し
出を受けた場合、自主的に解決するように努めることとされた。
(2)都道府県労働局長による紛争解決の援助と
調停
労働局長による紛争解決の援助とは、法律知識の不足や誤解から生じる問題を
解決する為に労使の双方または一方よりその解決につき援助を求められた場合
には、労働局長が助言・指導・勧告による援助の仕組みが創設されることとな
った。
一方で、事業所の
賃金制度や
人事制度等を検証しないと解決出来ない紛争もあ
る。
この場合、専門家による分析を行い
調停案の提示を行うというのが
調停である。
6.まとめとして
我が国においてもこの法律により同一価値労働同一
賃金の原則の考え方を義務
づけられることとなる。
賃金等の問題については将来的に努力義務から義務規定になることも考えられ
る。
いまから
人事制度を見直し、正社員とそうでないものの役割分担を見直す必要
がある。
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平成19年11月15日 第49号
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1.改正パートタイム労働法について
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1.はじめに
平成20年4月1日より改正パートタイム労働法が施行されます。
この目的は「同一価値労働同一賃金の原則」の定着です。
我が国の労働慣行に於いては、正社員というのは有形無形の付加価値を有して
おり、非正規社員と比べて同じ労働内容でも、その付加価値が違うのだという
考え方でありました。
この「同一価値労働同一賃金の原則」が争われたケースとして丸子警報機事件
(長野地上田支部平8.3.15 労判690号32頁)がある。
これは、同じ労働内容であっても8割以下となる場合には会社の裁量が公序良
俗違反となり無効であるという内容である。
契約自由の原則を重視し、使用者の裁量を広く認めたものである。
我が国の労働契約に関する判断は裁判例の集積の中で行われており、同一価値
労働同一賃金の原則が定着する為には、この種の裁判例が判例として確立する
まで待つ必要があった。
しかし、法律に於いてこの考え方を定着させて、パートタイム労働者の雇用の
改善を図るということが今回の法改正の主旨である。
2.パートタイム労働法の適用範囲
パートタイム労働法が適用になる労働者とは、簡単に言うとフルタイム労働者
より所定労働時間が短い労働者である。これは以下では「短時間労働者」とす
る。
フルタイム労働者であっても、正社員の労働者と、正社員以外であっても週の
労働時間が正社員と同様の労働者がいる。
この正社員と同じ所定労働時間の正社員以外の労働者はパートタイム労働法の
適用外である。
しかし、この労働者については正社員化に努めることとする事とされた。
3.パートタイム労働法の概要(待遇面)
(1)文書での明示事項
まず、「昇給の有無」「退職手当の有無」「賞与の有無」の3点を書面で明示
することが義務づけられた。
その他の事項についてもなるべく文書で明示するように努めることとされた。
これについては労使間の誤解の排除という点において、実務上も重要でありし
っかりと行っていことが重要であると考える。
(2)待遇の決定についての説明
この点が今回の改正の中で最も根本的な問題であると考える。
理由として、後述する賃金格差等の対策を考える上でも、何故当該労働者をそ
の様な労働条件で雇ったのか一貫性のある説明をしなければならないのである。
これは正社員とその他の社員の役割分担を見直し、その労働形態からして賃金
格差はやむを得ないと説明出来る体制を整える必要があるからである。
この点は、次で詳細に述べる。
(3)均衡のとれた待遇確保の推進
これは正社員と短時間労働者の待遇とその職責等を比較して、均衡のとれたも
のにしなさいという規定である。
具体的には「職務内容の程度」「人材活用の仕組みや運用など」「契約期間」
の3つの要件が正社員と同様かどうかを検討することとなる。
これは賃金の格差が妥当かどうか判断する上で重要であり、今回の改正で最も
注意するべき事項である。
3つ要件全てを満たして初めて賃金格差の是正に取り組まなければならない訳
であり、今後の人事体系を考える際には充分にこの点を考慮して仕組みをつく
っていかなければならない。
以下で詳細を述べる。
1 職務内容の程度とは
まず業務の内容が実質的に同じかどうかを判断する。
営業職や事務職といった業務の種類が同じかどうか。
同じであれば、次の検討に進みます。
同じ業務の中で個々の業務を分析して細分化し、中核的業務を抽出する。
その中核的業務を正社員と短時間労働者で比較をする。
この中核的業務とは以下の3点である。
・その労働者に与えられた職務に不可欠な業務
・業務の成果が事業所の業績や評価に大きな影響を与える業務
・労働者の職務全体に占める時間、頻度において、割合が大きい業務
そして抽出した中核的業務が同じ場合は、業務の内容は同じと判断される。
また、一見異なっても必要な知識や技術水準などの観点から、業務の性質や範
囲が実質的に同じであれば、同様に判断される。
そして次に責任の程度が著しく異ならないかを検討する。
具体的には「与えられている権限の範囲(単独で契約の締結が可能な金額の範
囲、管理する部下の人数、決裁権限の範囲等)」「業務の成果について求めら
れている役割」「トラブル発生時や臨時・緊急時に求められる対応の程度」「
ノルマなど成果への期待度」等を総合的に検討する異となっている。
2 人材活用の仕組みや運用など
まず転勤の有無を比較し、どちらも転勤する若しくはしない場合には次の項目
を検討する。
転勤がある場合は、正社員と短時間労働者とで範囲は同じかどうか。
一般的に一定の地域内で転勤をする場合と、全国転勤がある場合という職種を
設けるケースがあるが、これに該当する。
範囲が同じ場合若しくは転勤がない場合には次を検討する。
「職務内容の変更の有無」「配置の変更の有無」の比較
どちらも変更有り若しくはどちらも変更がない場合には次を検討する。
「職務内容変更の範囲」「配置の変更の範囲」を比較
範囲が同じであれば、人材活用の仕組みや運用などは同じと判断される。
3 契約期間
これについては、日立メディコ事件や東芝柳町工場事件に基づいて検討をされ
たい。
以上3つの要件を満たした場合には次に述べる措置を行わなくてはならない。
(4)賃金の決定
前で検討した3つの要件を満たした場合、正社員との均衡を考慮し、短時間労
働者の職務内容、成果、意欲、能力、経験などを勘案して賃金を決定すること
に努めることとされた。
また、職務内容と一定期間の人材活用の仕組みうあ運用などが同じ場合には、
その期間について賃金を通常の労働者と同一の方法で決定することに努めるこ
ととされた。
同一価値労働同一賃金の原則を適用するように努力しなさいということである。
(5)教育訓練・福利厚生
職務内容が同じ場合には、同じ教育を受けさせることが義務ずけられ、キャリ
アアップの為の訓練については職務内容の如何に関わらず同様の教育を受けさ
せる事に努める事とされた。
また、福利厚生については、更衣室、休憩室、給食施設については正社員と同
様に利用機会を与えなければならないとされたが、その為に新たに施設をつく
る事までは求められていない。
4.正社員化の推進
新たに正社員を募集する場合には、正社員以外の労働者に募集内容を周知させ、
社内公募の機会を与える事とされた。
これは優先的に雇えということではなく、機会を与えろということである。
また、短時間労働者が正社員になる為の登用制度等を整備することとされた。
5.苦情処理・紛争の解決
苦情の処理・紛争の解決は三つの方法がある。
(1)短時間雇用管理者
常時10人以上の短時間労働者を雇用する事業所毎に短時間雇用管理者を設置
し、短時間労働者の雇用管理の改善等を担当し、短時間労働者から苦情の申し
出を受けた場合、自主的に解決するように努めることとされた。
(2)都道府県労働局長による紛争解決の援助と調停
労働局長による紛争解決の援助とは、法律知識の不足や誤解から生じる問題を
解決する為に労使の双方または一方よりその解決につき援助を求められた場合
には、労働局長が助言・指導・勧告による援助の仕組みが創設されることとな
った。
一方で、事業所の賃金制度や人事制度等を検証しないと解決出来ない紛争もあ
る。
この場合、専門家による分析を行い調停案の提示を行うというのが調停である。
6.まとめとして
我が国においてもこの法律により同一価値労働同一賃金の原則の考え方を義務
づけられることとなる。
賃金等の問題については将来的に努力義務から義務規定になることも考えられ
る。
いまから人事制度を見直し、正社員とそうでないものの役割分担を見直す必要
がある。
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