相談の広場
最終更新日:2010年10月02日 19:54
国民の休日を、『休日』として就業規則で定めていなければ、時間外勤務にはならないのでしょうか。
(『1日8時間以内・週40時間以内の労働、毎週少なくとも1日の休日』はクリアしている場合)
よろしくお願いします。
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> 国民の休日を、『休日』として就業規則で定めていなければ、時間外勤務にはならないのでしょうか。
> (『1日8時間以内・週40時間以内の労働、毎週少なくとも1日の休日』はクリアしている場合)
> よろしくお願いします。
ご質問の内容は、国民の休日に出勤させた場合に、
100%分の賃金のほかに、時間外割増を支払わなくてはならないのかどうか?
というご質問かと推測します。
時間外割増の支払義務については、
会社の所定休日に国民の休日を含めているかどうかとは、まったく関係ありません。
法的には、休日労働として休日割増の支払いが必要なのは法定休日のみですし、
時間外割増の支払いが必要なのは1日8時間および週40時間を超えた勤務を行った場合のみです。
したがって、会社の所定休日に国民の休日を含めていようが含めていなかろうが、
法定休日でなければ休日割増の支払いは必要ありませんし、
1日8時間・週40時間を超えていなければ時間外割増の支払いの必要もありません。
たとえば、
日曜日が法定休日、土曜日が法定外休日で、その週の金曜日が国民の休日だった場合、
月~木の勤務時間が8時間だったとすると、週32時間の勤務なわけですから、
その国民の休日に勤務させた場合、8時間までは時間外割増の支払義務はないということになります。
(その国民の休日が会社の所定休日であれば、100%分の賃金のみ支払うことになります)
ただし、上記はあくまでも労働基準法上の取り扱いであり、
就業規則等により、労働基準法を上回る労働者有利の規定がある場合はそちらが優先されますので、
もし「国民の休日に勤務させた場合には、25%の時間外割増賃金を支払う」というような規定がある場合には、
時間外割増を支払う義務が発生することになります。
ですので、貴社の就業規則等で、
割増賃金の支払いについて、どのように規定されているのかもご確認ください。
ええと、この際だから整理しときます。
まず、「どっちが正しいか」と言う強さについては
「労働基準法>労働協約(※注)>就業規則>個別の労働契約」
(※注:労働協約とは、労働組合と会社が取り決めした約束)
と言う順番になります。
ところが同じ「>」でも、ちょっとだけ異質なものがあるでんです。
次に不等式を順番に見ていきます。
・「労働基準法>労働協約」
・「労働基準法>就業規則」
・「労働基準法>個別の労働契約」
労働協約、または就業規則、または個別の労働契約で定めた約束が、労働基準法に満たない場合は、
その部分を無効とし労働基準法に定めた内容に読み替えます。
労働協約、または就業規則、または個別の労働契約で定めた約束が、労働基準法を超える場合は、
その部分は労基法によって読み替えられることはありません。
・「労働協約>就業規則」
就業規則で定めた内容と労働協約で定めた内容に違いがある場合は、労働協約で定めた内容に従います。
就業規則のほうが労働者にとって有利であっても、労働協約の内容が優先されて読みかえられます。
労働条件が有利の定めであっても認めない、というのは労働協約が独特です。
おそらくは経営者からの「個別の労働条件アップという手法」による
「組合員切り崩し・内部分裂誘発」予防の措置のためと思われます。
・「就業規則>個別の労働契約」
個別の労働契約で定めた約束が、就業規則に満たない場合は、その部分を無効とし
就業規則に定めた内容に読み替えます。
個別の労働契約で定めた約束が、就業規則を超える場合は、その部分は有効になります。
・「労働協約>個別の労働契約」
個別の労働契約で定めた内容と労働協約で定めた内容に違いがある場合は、労働協約で定めた内容に従います。
個別の労働契約のほうが労働者にとって有利であっても、労働協約の内容が優先されて読みかえられます。
それから就業規則の「意見を聞くこと」についてですが、
「同意を必要とする」必要は含まれません。
添付する意見書には異見を書くことが認められています。
じゃあ何で労働者代表に意見をわざわざ聞くのかと言うと
みんなで話し合うきっかけ作りの意図なんです。
不満があるなら労組なり職場懇談会なりつくって、会社と
後日交渉しなさい、という意味です。
以上、ご参考まで
> 就業規則は、労働基準法よりも優先されるのですね。
違いますよ(^^;
前レスにも書きましたとおり、
就業規則等に“労働基準法を上回る労働者有利の規定がある場合”には、就業規則等が優先されるだけで、
労働基準法に反する就業規則まで優先されるわけではありません。
わかりやすくいうと、
「労働基準法は、就業規則等のどれよりも法的強制力が強い」
まず、これが大前提です。
労働基準法は強制法規であり、労使関係における最低基準を示したものですから、
これに反する就業規則等はどんなものであっても無効です。
たとえば、就業規則等で「残業代は支払わない」というような規定があったとしても、
その就業規則のうち、この規定部分については無効となります。
労働基準法では、休日労働や時間外労働について割増賃金を支払う義務を課しており、
この労働基準法の規定に反しているからです。
労使間でどのような約束事があったとしても、“労働基準法に反する規定”はすべて無効とお考えください。
また、無効となった部分については、労働基準法の規定が適用されることになります。
その一方で、労働基準法は労使関係における“最低基準”を示したものですから、
労働基準法を上回る労働者有利の規定を設けること自体を制限しているものではありません。
このため、“労働基準法に反しない限り”は、就業規則等の取り決めが有効となります。
ですから、前レスで例に挙げた、
「もし「国民の休日に勤務させた場合には、25%の時間外割増賃金を支払う」というような規定がある場合には、
時間外割増を支払う義務が発生することになります。」
という部分については、
労働基準法に反しておらず、かつ労働基準法を上回る労働者に有利の規定であるために、
この規定が有効となるわけです。
つまり、一言でまとめれば、
●労働基準法に反するor労働基準法を下回る労働者不利の就業規則の規定
→無効。したがって、労働基準法の規定が適用される
●労働基準法を上回る労働者有利の就業規則の規定
→有効。したがって、就業規則等の規定が適用される
ということになります。
ですから、
貴社の就業規則等で“労働基準法を上回る労働者有利の規定”があるのかどうかをご確認ください、
と回答したわけです。
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