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就業条件明示書と就業規則

著者 MARINE さん

最終更新日:2007年05月30日 19:41

同じ職場の派遣社員(常用型)が下記の問題で悩んでいます。
労基法上、問題はないのか? また、好ましくは、派遣元にどのような契約にして貰うべきなのか?等々、ご教授頂きたく、宜しくお願い申し上げます。

①.派遣元就業規則に”所定労働時間外”として”1日の実労働時間が8時間を越えた場合の勤務をいう”と規定されている。
②.派遣先での就業条件明示書(派遣元から渡された)の就業時間の項に”実働7時間45分”と明記され、就業条件の項に給与が明記されている。

上記①及び②のような契約の状態ですが、現状、派遣先で7時間45分を越えて働いた場合、8時間以降の労働時間に対しては時間外手当てが支払われますが、8時間までの15分間に対しては、手当ては一切支払われていないとのことで、就業規則所定労働時間外(8時間を越えた場合)の規定と就業条件明示書の就業時間(7時間45分)との間の15分間に対する取り扱いがどうなるのかよく理解できないとのことです。
派遣先及び派遣元の苦情処理担当者へ質問しても明確な回答が得られないようです。
なお、私が個人的に上司に確認したところ、当該15分間の手当て(割増分を含まない)は派遣元へ支払っているとのことでした。

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Re: 就業条件明示書と就業規則

> なお、私が個人的に上司に確認したところ、当該15分間の手当て(割増分を含まない)は派遣元へ支払っているとのことでした。

基本的な考え方は上記と一緒です。
15分間分の給与は、所定労働時間の時給で計算して支払うべきです。

まして、派遣先派遣元に支払われているのに、
派遣元→派遣社員に支払われていないのは、問題になると思います。

Re: 就業条件明示書と就業規則

著者MARINEさん

2007年05月31日 11:32

ぺんぺん様

ご回答頂きまして、ありがとうございました。
就業条件明示書に記載されている派遣先就業時間を越えた分は、派遣元所定労働時間内(この場合、8時間)であるなしに関わらず、超過分(この場合、8時間に満たない15分間も含む)の手当てを正当に受けることができるとの理解で宜しいでしょうか?

本件、当該派遣社員が派遣元に問題提起して、未払い分を請求することが可能かと思いますが、派遣元へ問題提起する際、その論拠となる判例や法令等を示すことが重要かと考えます。
参考になる判例や抵触する法令等をご教授頂けますと幸いに存じます。
また、派遣先派遣元へ当該15分間手当てを支払っていることは、私からは当該派遣社員へは伝えていません。(伝えてよい内容か判断できないため) 当該派遣社員が派遣先の担当者へ問い合わせて、その事実を開示して貰うことは可能なのでしょうか?
以上、宜しくお願い申し上げます。

Re: 就業条件明示書と就業規則

削除されました

Re: 就業条件明示書と就業規則

この派遣労働者が時間給で働いている場合は、賃金の未払いは明確にわかりますが、月給制で働いている場合は8時間に対しての賃金なのか、7時間45分に対しての賃金なのかがわかりづらくなります。

例えば、システムエンジニア(SE)の人が自分の会社で働いているときは、所定労働時間8時間で働いており、その後クライアント先企業に派遣されて働くことになった場合で、クライアントの所定労働時間が7時間45分であったとします。

この場合には、たまたまクライアント先の所定労働時間が7時間45分であっただけで、派遣元としては今までどおり
8時間労働に対する賃金を支払っているのだ、という主張もできるのです。

別の言い方をすれば、労働時間が7時間45分で終ってしまった日は、15分は休業補償的に賃金の減額しない、
労働時間が8時間で、ちょうどもともとの雇用契約で定められた所定労働時間を労働した、8時間を越えてやっと、所定労働時間法定労働時間を越えるので割増賃金を支払う、という解釈と主張ができるということです。

派遣先から派遣元へ15分相当の派遣料金が支払われていても、派遣料金と賃金は全く次元が違うものですから、それをそのまま労働者に支払う義務はありません。(もともと派遣労働というのは派遣料金と賃金との間にマージンが生ずるもの)

ただし、今回のケースが上記の説明に該当してくるかどうかは、雇用契約書労働条件明示書、就業条件明示書、労働者派遣契約(基本契約・個別契約)、就業規則などを詳細に検討しないとわかりません。
ぜひ、お近くの社労士に相談することをお勧めいたします。

Re: 就業条件明示書と就業規則

著者MARINEさん

2007年05月31日 13:23

山口労務経営事務所様

ご回答、ご助言、ありがとうございました。
休業補償賃金”なる概念があり、それに該当する可能性があることを理解できました。

1つ確認させて頂きたいのですが、最初の投稿に記載していますように、”就業条件明示書”の中で、就業時間として”実働7時間45分”、就業条件の項に給与が明記されています。この”就業条件明示書”に記載されている給与は”実働7時間45分”に対してものとの解釈は、他の契約等を見て総合的に判断しなければ、できないということでしょうか?

Re: 就業条件明示書と就業規則

就業条件明示書というのは労働者派遣法で規定されているものであり、労働条件明示書というのは労働基準法で規定されております。
また、就業条件明示書は派遣元事業主が労働者派遣をしようとするとき、労働条件明示書は労働契約を締結する際に、それぞれ明示しなければなりません。

これら2つは非常に似ておりますが、法的性質が異なるのだと思います。
就業条件明示書は、あくまでも派遣先で就業をするときの条件であり、直接賃金と結びつくのは、言い換えれば規範的効力を有するのは労働条件明示書及び労働契約書あるいは就業規則の方になると考えます。

というのも、労働者派遣法で規定する就業条件明示書に明示すべき事項には「賃金」は含まれておりません。
賃金はあくまでも労働条件ということです。
(ただ、就業条件明示書と労働条件明示書の区別の付かない、あるいは就業条件明示書兼労働条件明示書などと書式を兼用している派遣会社は散見されます)

今回のケースのように労働条件明示書及び労働契約書あるいは就業規則で定められた労働時間は8時間。
労働者派遣を行う場合は、派遣先所定労働時間に合わせて
就業条件として所定労働時間は7時間45分、というように労働時間の規定が2つ存在してしまいますが、労働契約の内容(=労働条件)となるのはあくまでも労働条件明示書及び労働契約書あるいは就業規則の8時間です。

就業条件明示書と労働条件明示書(労働契約)の違いをわかりやすく説明すると・・

「あなたとは1日8時間の労働で月給○○円で労働契約を結んでおりますが、この度○社で派遣就業をして頂くことになります。○社での所定労働時間は7時間45分です。この場合15分間についてはあなたの労務の提供はできませんが、それは会社側の都合で派遣を行うもの(事業主の責めに負うべき休業)なので賃金の減額はしません。また、本来の労働時間労働契約で定めるとおり8時間であるので、8時間を越えないと時間外手当は支払われません」 

ということです。
労働日数が派遣元派遣先で違う場合も考え方は同じです。
派遣先の方が派遣元より少ない場合は、少ない日数分は休業補償としての賃金支払い、同じ日数で労働契約書どおり、派遣先での労働日数が派遣元所定労働日数を越えてはじめて時間外労働休日労働による割増賃金の発生。

ちなみに、通常労働者として雇い入れた者を労働者派遣する場合には本人の同意が必要です。

Re: 就業条件明示書と就業規則

著者MARINEさん

2007年06月03日 20:00

山口労務経営事務所様

お忙しい中、貴重な時間を割いて頂き、懇切・丁寧なご回答頂きまして、誠にありがとうございます。心より感謝申し上げます。

派遣元の解釈・主張としては、ご回答頂きました内容に沿ったものとなるであろうと想定されますが、今回、就業条件明示書に本来明示すべき事項ではないにしろ“賃金”が明示されている事実がある以上、何らかの効力が存在することになるようにも考えます(派遣先労働条件明示書を兼ねていたり混同していたりする場合であれば、なおさらではないでしょうか?)。また、契約に際して、事前に何ら説明がない場合なども想定されますので、最初にご回答頂きましたように、ケースバイケースで、雇用契約書労働条件明示書、就業条件明示書、労働者派遣契約就業規則などを詳細に検討することが必要なのだと判断させて頂きます。

また、同様な事例として、労働日数が異なる場合について触れられていますが、そのような場合に、仮に、派遣社員が派遣先休日出勤を命じられたとしても、その出勤が実質的に無給(出勤してもしなくても賃金に反映されない!)であれば、派遣社員がその出勤を拒否する場合が多いのではないかと考えます。労働の対価であるはずの賃金に何ら反映されないような事例を黙認していることになるのではないでしょうか?
労基法や派遣法は、労働者を守るためのものと思い込んでいましたが、このような事例に対する有効な解釈ができないようでは、不備が多いと言わざるを得ないと考えます。(“休業補償賃金”との概念の下に、2種類の就業時間が存在し得る状況を放置していること自体が問題だと考えます。)

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